ドクターズクラークとは?資格試験の概要や難易度・おすすめ通信講座まで全て解説!
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医師
安藤広真
医療事務を目指している人ならドクターズクラークという資格について一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ドクターズクラークは医療事務業界で最も歴史ある資格です。
この記事ではドクターズクラークの資格について紹介します。試験の難易度や合格率、取得するメリットなどが気になる人はぜひ読んでみてください。おすすめの通信講座なども紹介します!
ドクターズクラークについて説明すると
- 医療事務資格で最も歴史ある資格
- 選択式の学科試験と記述式の実技試験からなる
- 合格率は60%で、試験全体の70%に正解すれば良い
- 合格に必要な勉強時間は200時間ほど
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ドクターズクラークってどんな意味?
ドクターズクラークは正式には医師事務作業補助技能認定試験と言い、医師事務作業補助者の知識や技術を審査・認定するための資格です。この試験合格者に贈られる呼称がドクターズクラークです。
ドクターズクラークの主催団体
ドクターズクラークの試験は全日本病院協会と日本医療教育財団の共催により実施されています。医師事務作業補助者の技術や地位の向上を目的として試験が行われています。
医師事務作業補助技能認定試験は平成21年3月に最初の試験が行われました。同種の資格の中では最も歴史のある資格です。知名度もトップクラスで、ドクターズクラークは医療事務従事者の代名詞にもなっています。
そもそもドクターズクラークとは
ドクターズクラークはこの医師事務作業補助技能認定試験に合格した人に与えられる称号であり、一般的には医師事務作業補助者と言います。
医師事務作業補助者とは診断書や処方箋の作成など医師の事務作業をサポートする職業です。医療事務と呼ばれることもあります。
平成20年度に勤務医の負担軽減を目的として行われた診療報酬改定に対応する形で新設されました。現在では一般的ですが、比較的新しい仕事です。
医療事務との差異
医師事務作業補助者と医療事務は、同じ医療系の事務仕事であり、混同されることも多いかと思います。 では実際にはどのような差異があるのか詳しく見ていきましょう。
働く場所が違う
医師事務作業補助者は医師のサポートを主に行い、診察室などで医師の隣でカルテの代行入力や書類作成を担当します。このため、医師との関わりが深いのが特徴です。一方、医療事務スタッフは受付窓口での業務が中心で、患者さんやそのご家族との接点が多いです。彼らは主に受付や会計を担当しています。
扱う仕事が違う
医師事務作業補助者は、医師の指示に基づき紹介状や診断書の作成を行い、入院手続きに関する書類の作成や診療データの整理を手掛けます。さらに、医師の教育や研修、カンファレンスの準備もサポートします。一方で、医療事務スタッフは、診療報酬の計算や診療報酬明細書(レセプト)の作成・検査を主に担当しています。
ドクターズクラークは医療機関で注目を集めている
ドクターズクラークの試験は毎年4000人から5000人が受験する非常に人気のある資格です。全国の病院が参加している日本病院協会が主催していることもあり、業界からの信頼に応えることの出来る試験です。
ドクターズクラークが配置されることで医師たちが医療行為に専念する事が出来るようになり、その結果として医療現場全体の質が上がるのではないかと各方面からも注目されています。
ドクターズクラーク検定の難易度
ドクターズクラーク検定の試験範囲と出題形式
出題形式
ドクターズクラークの試験は学科と実技に分かれています。学科試験では医療事務作業補助者に必要な基礎知識が選択問題の形で出題されます。実技試験では医療文書を作成する問題が記述式で出されます。
学科 | 実技 | |
---|---|---|
試験形式 | 択一式 | 記述式 |
制限時間 | 50分 | 60分 |
問題数 | 25問 | 4問 |
試験内容 | 基礎知識 | 文書作成 |
試験範囲
ドクターズクラークの試験では幅広い知識が問われます。学科・実技それぞれの大まかな試験範囲を見てみましょう。
学科試験で出題される範囲
- 医療関連法規
- 医療保障制度
- 医学一般
- 薬学一般
- 医療と診療録
- 医療事務作業補助業務
- 病院管理
実技試験で出題される範囲
- 医療事務作業補助業務
ドクターズクラークの合格率・合格ライン
ドクターズクラークの試験の合格率は公開されていませんが、おおよそ60%程度ではないかと言われています。合格するために必要な得点率は70%です。
医療事務関連の資格は難易度や合格率の差が大きく、難易度の高いものでは合格率が30%程度のものがある一方、難易度の低いものは90%を超えています。ドクターズクラークは中間くらいの難易度と言えそうですね。
合格に必要な勉強時間は200時間ほどです。毎日1時間の勉強なら半年ほど、3時間頑張れば3か月程度で到達できる計算です。
社会人が勉強に割ける時間は平日1時間、休日8時間で平均すると毎日3時間分です。本気で勉強すれば比較的短い勉強時間で合格できそうですね。
ドクターズクラーク関連の経験者でなくても大丈夫?
ドクターズクラークは内容だけで言えば、試験範囲をしっかり勉強していれば合格できる試験です。そのため、実務経験がない人や専門学校で勉強していない人でも問題なく合格できます。
ただし、受験資格に制限がある点には注意が必要です。受験資格を得るには以下の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
- 医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
- 認定委員会が前各号と同等と認める者
実務経験がない人は、委員会に認定されている通信講座などを受講しなければいけません。言い換えれば、通信講座を受講するだけで受験資格が得られるということです。
ドクターズクラークに向いている人は?
ドクターズクラークは医療現場での実務を前提にした資格です。受験資格などの制限から考えても、医療事務に興味がない人が趣味として取る資格としてはお勧めできません。
ドクターズクラークという職業そのものに向いているのは、コミュニケーションの上手な人です。多種多様な医療スタッフとの連携や患者との交流を深められることが望ましいでしょう。
また、地味な作業を苦としないことや緊張感をもって仕事ができることも重要です。事務作業には地道なものが多く、それでいて患者の健康に影響することも多いからです。
医師事務作業補助者業務を通じて医療現場の質の向上に貢献したい人や、医療事務でスキルアップを考えている人に向いている資格です。また、医療事務職への就職・転職を目指している人や短い勉強時間で資格を取りたい人にもおすすめです。
ドクターズクラークの勉強法は?
実務経験者には独学で目指す人も多いのですが、未経験者は受験資格との兼ね合いで通信講座を利用する人がほとんどです。主要な通信講座を紹介しましょう。
おすすめの通信講座
まずは医療や福祉の通信講座で人気のあるニチイです。「メディカルドクターズクラーク講座」では通信と通学を組み合わせて合格に必要な知識を身に付けられます。
コース | 料金 | 受講期間の目安 |
---|---|---|
未経験者 | 175,134円(税込み) | 5.5か月 |
経験者 | 9,3500円(税込み) | 2.5か月 |
※こちらの講座はドクターズクラークの受験資格の一つである「教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者」を満たします。
次は医療事務や介護分野で通信講座を展開しているソラストです。「医師事務作業補助者養成講座(ドクターズ・オフィス・ワーク)」には動画付きのWEBplusコースとテキストのみの通信コースがあります。
コース | 料金 | 受講期間の目安 |
---|---|---|
WEBplusコース | 43,200円(税込み) | 3か月~(在籍は12か月まで) |
通信コース | 3,2200円(税込み) | 同上 |
※こちらの講座では「ドクターズオフィスワークアシスト検定試験」の合格を目指せます。
最後は三幸学園系列の日本医療事務協会です。「医師事務作業補助者養成講座(ドクターアシストクラーク)」が該当します。
コース | 料金 | 受講期間の目安 |
---|---|---|
通信コース | 70,400円(税込み) | 2か月(在籍は12か月まで) |
※こちらの講座では、医療事務作業補助者として働くために必要となる厚生労働省指定の32時間以上の研修要件をすべて満たすことができます。
上記の講座がご自身の受験する資格の受験資格に該当するか否かについては、受講前に必ず公式HPや主催団体に連絡を入れるなどして確認するようにしましょう。
ドクターズクラークの資格を取るメリットは?
医師事務作業補助者の就職に有利
ドクターズクラークを取得するメリットの一つは医療事務職への就職や転職に有利なことです。
医療事務という仕事は必ずしも資格がなくても就職出来ます。しかし、資格がある方がより有利なのは間違いありません。少しでも就職・転職を有利に進めたいなら資格も重要なファクターです。
医療事務は現在注目や関心が高まっている仕事で、求人も全国的に存在しています。住居にあった職場も選びやすく、就職しやすい条件が整っています。
ドクターズクラークとしてのスキルアップ
もう一つのメリットは医療事務職としてのスキルアップです。医師事務作業補助技能認定試験は合格することでドクターズクラークの称号を名乗ることができるようになり、一定の知識を有していることを証明できます。
普段何気なく取り組んでいる仕事であっても、改めて勉強するとその意義が理解できます。すると、ひとつひとつの仕事にもやりがいや張り合いが生まれ、より丁寧な仕事ができるようになります。
また、理解度が深まることで興味や関心が生まれ、さらなるスキルアップへの意欲にもつながっていくことでしょう。
試験日程・会場と受験料
医師事務作業補助者の試験は年に6回、奇数月の日曜日に実施されています。試験会場は各都道府県の教育機関や公的機関です。
今後の実施日程は以下のようになっています。
- 2023年5月28日
- 2023年7月23日
- 2023年9月24日
- 2023年11月26日
- 2024年1月28日
- 2024年3月24日
申し込み期間は試験日の2か月前から試験日の3週間前までです。受験料を振り込んだ上で、必要書類を日本医療教育財団本部へ郵送する必要があります。なお、受験料は9,200円です。
ドクターズクラークと合わせて取りたいおすすめ資格
医師事務作業補助者検定資格
医師事務作業補助者検定試験とは技能認定振興協会(JSMA)が主催している医療事務の検定試験です。ドクターズクラークと同じように、合格者にはドクターズオフィスワークアシストの称号が与えられます。
資格の位置づけや難易度などは医師事務作業補助技能認定試験とよく似ています。試験の合格率は60%前後、合格するのに必要な得点率も70%と同じくらいの水準です。
試験は択一式の学科試験と文書作成を行う実技試験の二種類から構成されています。出題内容は医療保険制度や関連法規、医療の基本知識などです。実技試験では診断書や処方箋を作成します。
受験資格に一切の制限がないため、独学の場合にはドクターズクラークよりも目指しやすい試験です。受験料も7,500円と若干リーズナブルです。開催日は奇数月の第4土曜日なので大きな違いはありません。
医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験とは一般社団法人医療秘書教育全国協議会が主催している試験です。
医療秘書は医療事務と似た職種ですが、より業務範囲が広域です。医師のスケジュール管理や来客応対など一般的な秘書の役割も含んだ業務内容となっています。一緒に取ることで病院のサポート業務全体について詳しくなる事ができます。
試験は1級、準1級、2級、3級の4段階に分かれており、合格率も級によってバラバラです。試験範囲は医療事務や医学の基礎知識に加えて医療秘書実務も含まれています。
試験は6月と11月の年2回実施されます。受験料は最も高い1級で6,500円、準1級で5,800円、2級で5,100円、3級で4,000円です。
医療秘書検定の準1級以上に合格した人は医師事務作業補助技能認定試験の条件を満たすことができるので、独学で目指す人はまずこちらから受験すると良いでしょう。
医療秘書技能検定の詳細は下記の記事をチェック!
内部リンク656番
ドクターズクラークの魅力
他の職業と比べて、ドクターズクラークにはどのような魅力があるのでしょうか?ドクターズクラークという職業が持つ長所について確認してみましょう。
まずは年齢に関係なく働けることです。事務職全般に言えることですが、事務職は若年者でなくても働きやすい仕事です。体力もさほど必要ではなく、年齢制限も緩いことがほとんどです。そして、未経験可の求人も多数あります。
次は就職・転職のしやすさです。医療事務という仕事の勤め先は病院や診療所です。一部の離島や無医村を除いて全国どこにでもあるため、希望の地域で働きやすいのです。
また、病院や診療所は一般企業に比べると倒産のリスクが低く、失業しにくいとも言えます。安定した仕事を希望している人には特に適した仕事と言えるでしょう。
ドクターズクラークの難易度まとめ
ドクターズクラークの難易度まとめ
- 医療事務職での就職や転職でメリットがある。
- 受験資格が厳しく、通信講座や実務経験が必要。
- 試験に合格した人だけがドクターズクラークと名乗れる。
この記事ではドクターズクラークの概要や難易度について紹介してきました。いかがでしたか?
医療事務に関する資格はいくつもありますが、ドクターズクラークは最もも歴史ある資格です。知名度も高く、業界からも注目されています。
比較的難易度が低いので独学でも十分対応できますが、受験資格の制限があるため、基本的には通信講座を利用しましょう。スケジュール管理にもなるので一石二鳥ですね。
ドクターズクラークは将来性や安定性に優れた職業です。未経験者でも就職や転職しやすいので、興味がある人は積極的にチャレンジしましょう!