医療事務は仕事がないって本当?資格の需要や未経験からでも稼げるかまで徹底解説!
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この記事は専門家に監修されています
医師
安藤広真
「医療事務の資格を取得しても仕事ないって本当?」
「医療事務を目指すのは無駄なの?」
せっかく医療事務という職業に興味を持ったのに「医療事務は仕事ない」と耳にして、不安になっている方はいませんか?
医療事務は本当に仕事ない職業なのでしょうか?この記事では「医療事は仕事ない」と言われてしまう原因や、実際の需要、給与事情や将来性について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、医療事務は決して需要がない職業ではなく、将来性もあることを理解できます。
医療事務の需要についてざっくり説明すると
- 高齢化が進むことで医療事務の需要は高まっている
- AIによって医療事務のすべての業務がなくなる可能性は低い
- 女性でも長く働き続けられるおすすめの資格
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医療事務は仕事ないという噂の原因
医療事務は大きく分けて 「受付・会計業務」「クラーク業務」「レセプト業務」 の3つの業務領域で活躍しています。病院やクリニックなどの医療機関での患者の対応や、医療費の計算、保険者への診療報酬の請求などを行います。
しかし、AIやロボットなどの普及が進むにつれて「医療事務の仕事はなくなる」と言われています。
以下ではこの噂の真相について解説していきます。
AI・機械化で仕事がなくなる?
医療事務の業務の中でも受付・会計業務やレセプト業務のような単純な作業は、今後AIによる代替や機械化が進むと予想されます。
現に、受付・会計業務は自動受付機や自動精算機のような機械を取り入れている医療機関もあります。
だからといってAIや機械化が既存のすべての仕事を奪う状況になる可能性は非常に低いといえます。AIや機械化は人間の仕事の効率化を高めてくれるに過ぎません。
レセプト業務の負担が減少する
先ほども少し触れましたが、医療事務の中でもレセプト業務は特にAIの活躍が期待されています。
レセプトとは保険診療を行った患者様の医療費を保険者に請求する診療報酬明細書のことで、作成に時間と労力がかかる上に、毎月提出しなければいけないため、かなり負担がかかる業務です。
レセプト業務にAIが導入されれば、入力やチェックなどの作業が軽減されるため、労働環境の改善に繋がることが期待できます。
未経験だと採用されにくい?
医療事務には「未経験だと採用されにくい」という噂もあり、この噂から「医療事務は仕事がないから未経験者なんて採用されないんだ」と思われることもあります。
しかし実際は、仕事がないから採用されないのではなく、仕事の難易度がそれなりに高くて採用基準が厳しいために、知識がない未経験者にはなかなかチャンスが来ないのです。
資格は役に立たないの?
医療事務は資格がなくても働ける仕事です。そのため、資格を持っている未経験者よりも、資格を持っていない実務経験者の方が有利になる傾向があります。
しかし、実務経験がない状態で医療事務に挑戦したい場合は、資格を持っていなければ採用の土俵に立つのすら難しいのが現状です。
資格を取ったからといって簡単に就職できるわけではありませんが、資格がまったく役に立たないということは決してありません。
医療事務の需要は極めて高い
医療事務は需要が高く、今後も需要が高まると予想される職業です。
高齢化により需要が高まっている
医療業界は全体的に今後も安泰といわれています。高齢化社会が進むことが予想されているため、今後はさらに需要が高まっていくでしょう。
さらに、医療事務は介護報酬請求事務業務のような仕事も行うため、医療業界だけでなく介護業界での需要も高まっています。
医療事務が活躍するのは病院やクリニックだけではありません。医療健康センターや健康保険センターなどでも活躍できるため、就職先は幅広くあるといえます。
激務で辛い
比較的、勤務時間や休日が安定していて働きやすい医療事務ですが、業務自体は激務であることも少なくありません。
特にレセプト業務を行う月末月初は繁忙期となり、長時間の残業となるケースもあります。
もしも医療事務が需要のない仕事であるならば、激務となることはありえません。
女性でも長く働き続けられる
医療事務は正社員だけではなく、派遣社員やパートタイムなど雇用形態が選びやすい職業で、雇用形態によって勤務時間の調整もできます。
特にパートタイムを選択すれば「平日の午前中だけ」や「週3日だけ」というような働き方も選択できるため、出産や育児と両立しながら働きたい女性にもおすすめです。
勤務時間や休日が安定している職場が多いのも、女性が働きやすい理由のひとつです。
さらに、医療事務のスキルは多岐にわたり、医療機関だけでなく保険会社や製薬企業などでも活用されることがあるため、キャリアの展開が広がり、将来的な再就職や転職にも強みとなります。
AIに代替されない仕事も多い
先述の通り、レセプト業務はAIによる代替が進むことが予想されます。しかし、診療報酬の請求が難しいものに対して治療の必要性を訴えるコメントを臨機応変に記入するような業務までを、AIが代替するのは難しいです。
また、医療事務は受付で患者と接する機会が多い仕事です。患者にも分かりやすい丁寧な説明や、患者の体調に応じた気配りなど、柔軟な対応が求められます。
上記のような細やかな対応はAIには難しく、人間だからこそ行えるスキルだといえます。
これからも医療事務職員は、高い専門知識と人間らしい配慮をもって患者と向き合う重要な職業であり、AIの発展による代替が進んでも、その役割と存在価値は揺るがないと言えるでしょう。
医療事務の実際の給料事情
医療事務として働こうと考えているなら、給料事情も気になるところでしょう。医療事務の実際の給料事情を確認しておきましょう。
医療事務の平均年収は?
平成26年度の医療事務の平均年収は250~350万円程度というデータがあります。日本の平均年収と比較すると安めですが、これは正社員として働く方だけではなく、非常勤で働く方も多いからだと考えられます。
医療事務の年収は正社員・派遣社員・パートタイムなど、雇用形態によって大きく変わるほか、地域や勤務先によっても幅があります。
募集要項をしっかりと確認しよう
平均年収だけでなく、ボーナスや残業の有無も雇用形態や勤務先の規定によって異なります。特にボーナスは、正社員として採用されても支給されないこともあるので、募集要項を事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、パートタイムや派遣社員として短時間の勤務を希望している場合、勤務先の規定や合計勤務時間によって社会保険に加入できないことがあります。社会保険の加入を希望する場合は、応募を検討する際に規定も確認しましょう。
医療事務の将来性は?
ここまで医療事務の実情について紹介してきましたが、将来性はどうなのでしょうか?
医療事務は将来性抜群
先ほども触れましたが、高齢化が進んでいるため、病院での保健医療の利用や介護施設の利用は今後もますます増えていくと予想されています。よって、医療事務の需要も今後さらに高まっていくと考えられます。
しかし、AIや機械化の技術の進歩によって、医療事務の一部の業務がなくなる可能性は高いです。
医療事務業界では、専門スキルや知識を持っているだけでなく、患者とのコミュニケーション能力が長けた人材が求められています。
これからの医療事務職では、単なる業務処理だけでなく、人間らしい感性や共感力を活かした対応が重視される傾向が強まるでしょう。そういった能力を高めることで、未来の医療現場でのキャリアを確立しやすくなると言えるかもしれません。
医療事務は目指す価値がある職業
医療事務は少子高齢化社会が進んでいくことで、ますます需要が高まっている職業です。さらに、介護施設においてもニーズが高まっているため、将来性は十分にあるといえます。
AIや機械化によって業務の一部を代替される可能性はありますが、医療事務という職業自体がなくなる可能性は極めて低いです。
ただし、今後は人間らしいコミュニケーション能力や柔軟な対応が今以上に求められるでしょう。
医療事務として働く魅力
医療事務は需要が高く将来性があるだけでなく、ほかにも多くの魅力があります。医療事務で働く魅力について紹介します。
条件に合う働き方を実現しやすい
医療機関や介護施設は全国どこにでもあるため、場所を選ばずに働けます。実務経験が重視されるため、ブランクがあっても再就職先を見つけやすいです。
また、医療事務は正社員としてフルタイムで働くだけでなく、パートタイムや契約社員などさまざまな雇用形態を選択できるため、家事や子育てと両立しながら働くことも可能です。
医療事務は全国どこでも働けて、就職先も多いです。また短時間の勤務もできるため、希望する働き方に合わせやすく働きやすい職業だといえます。
患者の声を直接聞ける
医療事務は患者と接する機会の多い職業です。特に受付・会計業務では病院の顔としての対応が求められます。
責任感を持って適切なコミュニケーションを取ることが求められますが、患者から直接感謝の言葉をもらえたり、笑顔で退院する姿を見られたりすることで、とても大きな喜びが感じられます。
人の役に立ちたい方や、医療分野に関わりたい方に特におすすめの職業です。
医療事務の需要についてまとめ
医療事務の需要についてまとめ
- 医療事務は需要が高く、今後もすべての業務がなくなる可能性は低い
- AIや機械化が進化することで労働環境の改善が期待できる
- これからは専門スキルや知識だけでなく、コミュニケーション能力や柔軟な対応も求められる
医療事務は医療業界だけでなく、介護業界でも活躍できる職業です。少子高齢化が進むことにより、今後ますます需要が高まることが予想されます。
AIや機械化が進化することで一部の業務が代替される可能性はありますが、細やかな対応が必要とされるため、既存のすべての業務が代替される可能性は低いです。
将来性があり、女性でも働きやすい職業ですが、経験も知識もないと採用されにくい傾向があります。医療事務で働きたいなら、まずは資格取得を目指しましょう。