保育士の自己PRの書き方・ポイントは?面接時のコツや履歴書でアピールする例文も紹介

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「保育士の自己PRってどのように書けば良いの?」

「おすすめのアピールポイントは?面接のコツはある?」

などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。

保育士としての就職・転職の際は、履歴書や面接にて自己PRが求められます

良い自己PRにはいくつかの特徴があるため、この記事を参考にして、より良いアピールを目指しましょう。

今回は保育士の自己PRの書き方・ポイントについて、面接のコツや履歴書でアピールできる例文なども含めて解説します。

これを読めば、保育施設の採用担当者の目に止まるような自己PRが作成できるようになるはずです。

保育士の自己PRの書き方・ポイントをざっくり説明すると

  • アピールポイントは一つに限定
  • 保育士の適性を意識する
  • 面接では内面と外面の両方が評価されるので注意

自己PRはなぜ重要なのか

笑顔の少女

保育士の就職・転職活動の際には、履歴書や面接において自己PRを必ず求められます。

保育士として雇用されない限りはせっかく取得した保育士資格も意味をなさないので、より良い自己PRでまずは採用されることを目指しましょう。

自己PRって何?

自己PRとは就職や転職の際に、自分の魅力を採用担当者にアピールするための文言のことです。

面接の際に口頭で自己PRを求められることもあれば、履歴書や職務経歴書に記載する場合もあります。

履歴書を書く際に自分の言葉で自己PRをまとめておけば、面接時にもその通りに答えることができるので、まずは後述の内容を参考に自己PRの書き方を押さえておきましょう。

自己PRが必要な理由

保育士として雇用されるには、書類選考と面接という2段階を通過しなければなりません。

そのため、まずは面接のチャンスを勝ち取る必要があります。数ある書類の中から自分が選ばれるには、採用者に「この人に会ってみたい」と思わせなければなりません

よって自己PRで自分の魅力を最大限アピールすることが重要になるのです。

自己PR文を書く前に注意すべきポイント 

パソコンを見る二人

そもそも保育士になるには、保育士資格が必要です。

また自己PRを考える前に、就職先を選ばなければなりません。

保育士になるのに必要な資格は?

保育士の求人に応募するには、保育士資格が必要になります。これから保育士資格を取得したいという場合は、以下の内容を参考にしてください。

保育士養成学校を卒業する

保育士資格を取得するには2通りの方法があります。一つは保育士養成課程のある大学や短大、専門学校を卒業するという方法です。

それらの施設で2、3年勉強すれば、卒業と同時に保育士資格を得ることができます。

保育士国家試験に合格する

保育士養成施設に通う時間が取れないという場合は、保育士国家試験に合格するという選択肢もあります。

筆記試験と実技試験のそれぞれに合格すれば、保育士資格を取得することが可能です。ただし、合格率は10〜20%程度のため、比較的難易度の高い試験と言えるでしょう。

保育園以外の働き場所

保育士資格を取得したら、どこで働くかをよく検討しましょう。

保育士の職場は保育園に限りません。母子生活支援施設や児童養護施設、知的障害者施設などでも働きことができます。

また保育士資格があれば、幼稚園でも勤務することが可能です。保育士としての実務経験があるなら、5科目8単位を修得して幼稚園教諭免許状を取得するという選択肢もあります。

保育士資格を活かして就職・転職を行う際は、一度自身のキャリアについてよく考えてみると良いでしょう。

就職先の保育観を調べる

勤務先を選ぶ際は、各施設のホームページを参考にすると良いでしょう。

教育方針や施設独自の取り組みを調べ、自分の考えや性格と合っているかを判断すべきです。また休みがどのくらいあるのかなどの待遇面も忘れず確認しましょう。

またホームページを確認することは、自己PRを書く上でも有効です。例えば、英語教育に力を入れている園であれば、自己PRに英語力の高さを盛り込むと良いでしょう。

イベントに参加する

就職先の施設を実際に見学したり、就職面接会に参加するのも良いでしょう。採用担当者と顔見知りになっておけば、面接時の高評価に繋がる可能性もあります。

自分から積極的に行動することで、希望する職場で働きたいという熱意をアピールすることができるでしょう。

またイベントに参加することで、志望する勤務先への理解が深まり、自己PRでオリジナリティが出せるというメリットもあります。

施設のことをよく理解していることをアピールできれば、採用担当者の興味をひくことができるでしょう。

自己PR文の構成を作る際のコツ

パソコンを操作する女性

自己PR文の構成には以下の内容を参考にしてください。

アピールポイントは1つに限定すると分かりやすい

アピールポイントが複数あると自己PRの焦点がぼやけてしまい、採用担当者に自分の魅力が伝わりにくい可能性があります。

そのため、アピールポイントは一つに絞り、首尾一貫した分かりやすい文章にするのが良いでしょう。

またアピールポイントは実体験に基づくものを選ぶべきです。その方がより具体的な説明が行えるので、説得力のある自己PRに仕上げることができます。

最初に結論を述べる

冒頭で結論、つまりアピールポイントを先に述べてから、以降で内容を説明するという構成がおすすめです。

説明部分を書く際は、実際の職場で自分の長所をどのように活かせるのかということを意識すると良いでしょう。

面接で自己PRを求められた際も、最初に結論を述べてから補足説明をするという流れにすれば、緊張していても上手く話をまとめることができます。

保育士の適性から逆算して書く

アピールポイントが見つからないという場合は、保育士としての適性を示すものを選ぶのが無難です。

例えば、保育士はピアノを演奏するため、ピアノが得意であることなども十分なアピールポイントになります。

人物・人柄に特化したPRをする

採用担当者は学歴や職歴よりもそれぞれの人間性を重視する傾向にあります。その人が本当に保育士として働けるかどうかは、所属していた学校や会社の名前からは分からないからです。

そのため自己PRを書く際は、自分の人物像や人柄が保育士向きであることをアピールするように心がけましょう。

自己分析してPR文を書く

より説得力のある自己PRを書くためには、自分をよく分析することが必要です。

的を得たアピールポイントを選んだ方が、面接の際も「書類のイメージ通りの人」と思われ、高評価に繋がります

また自己分析を行う際も保育士としての適性を意識するべきです。例えば、同じコミュニケーション能力の高さでも、会話の相手が「目上の人」なのか「友達」なのかでは性質が異なります。

保育士は保護者と接する機会が多いので、「目上の人」と接するのが得意な若者は、採用担当者にとっては魅力的です。

自己PRに含めるべき内容

こちらを見る女性

保育士としての就職・転職の際には、以下の内容を自己PRに含めると良いでしょう。全て保育士としての適性を示す内容なので、良いアピールポイントになります。

将来性のあるキャリアプラン

将来のキャリアプランを明確にすることで、真剣に保育士を目指しているということが伝わります

ちなみに平成29年度から始まった「処遇改善等加算Ⅱ」では、副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーという3つのキャリアが新設されました。

それらを目指していることを自己PRに盛り込んで、制度内容をきちんと理解していることをアピールするのも良いでしょう。

子供好きであること

子供好きであることは、保育士には欠かせない資質の一つです。

保育士は四六時中子供と接するので、子供が苦手であれば勤務を続けるのは難しいでしょう。

また子供好きな保育士は多いので、自分特有の実体験などを絡めてアピールすることで、周りと差別化を図ることも重要です。

さらに単に「子供が好きです」と書くのではなく、子供好きであることが客観的に伝わるような工夫をしましょう。

相手の気持ちに共感出来ること

保育施設で勤務するようになれば、最初は中々心を開いてくれない園児もいます。また自分の感情を上手く言語化できない子供も多いでしょう。

そのため、保育士には子供の気持ちに共感できる能力が必要です。理解されていると感じると子供は安心するため、より良い信頼関係が築けるでしょう。

また相手の気持ちが分かる能力は保護者との付き合いの中でも活かされるため、保育士には欠かせないスキルです。

体力に自信があること

保育士は多忙であるため、体力がなければ仕事を続けることができません

また風邪やインフルエンザが流行している中でも、体調管理をきちんと行い、勤務を続ける必要があります。

そのため、自己PRでは体力があることや元気さをアピールすると良いでしょう。スポーツ経験がある場合は、具体的なエピソードを盛り込むのがおすすめです。

強い責任感があること

保育士は他人の子供の命を預かるため、重い責任の伴う職業です。そのため、保護者が安心して子供を預けられるような責任感の強さをアピールできると良いでしょう。

例えばボランティア活動などの経験があれば、責任感や協調性をアピールするのに有効です。

視野の広さをアピールするとさらに良い

保育士は一度に多数の子供の面倒を見なければならないことも多いです。一人一人の子供の安全に気を配るには視野の広さが必要になります。

そのため、視野の広さをアピールできるようなエピソードがあれば自己PRに盛り込むようにしましょう。具体的にはチームスポーツで活躍した経験などがおすすめです。

仕事に対するモチベーションが高い

単にマニュアル通りの仕事をこなすのではなく、保育士として活躍したいというモチベーションの高さをアピールすることも重要です。

特に保育士としての経験が浅い場合は、子供に寄り添い、保育園に貢献したいという意欲を見せることで、ポテンシャルの高さを評価されます。

積極性があること

前向きであることやスキルアップに貪欲であることは、保育士の業界でも評価されます。

特に新人の場合はそうした人間性を評価してもらうことで、採用されやすくなるでしょう。

過去に何かにチャレンジした経験があれば、具体的に書くことで何事にも積極的な人間であることをアピールできます。

パソコンスキルもアピールポイントの一つ

保育士の世界ではパソコンスキルに長けた人材は希少価値が高いので、P検やMOSなどのパソコン資格を持っている場合は良いアピールになります。

保育士は子供の世話をするだけではなく、文書作成などの事務作業もこなさなければならないので、パソコンスキルがあれば即戦力になれるでしょう。

コミュニケーション能力がある

保育士は子供や保護者と接することが仕事なので、コミュニケーション能力は欠かせません。そのため、自己PRでもコミュニケーション能力の高さをアピールしたいところです。

ただし、先述したようにただ「コミュニケーション能力が高いです」と書くだけでは漠然とした印象にしかなりません。

アピールする場合は、より具体的にどのような場面で活用できるのかまで記載するのが良いでしょう。特に子供や保護者と会話する上で有利となるような特徴を際立たせるべきです。

保育士採用面接で求められること

談笑する三人

保育士としての採用面接に臨む際は、内面と外面の両方を見られていることを意識しておくべきです。

人柄や性格が重視される

面接においては、挨拶や言葉遣いなどのマナーを意識して、人柄や性格に問題がないことをアピールする必要があります。

遅刻をしないことは大前提ですが、快活で気持ちの良い挨拶やハキハキした話ぶり、姿勢の良さなども大切です。

またベテラン保育士の場合は、過去の保育経験も重視されるため、エピソードを話せるようにしておきましょう。

服装も評価される

服装や髪型などの身だしなみも重要です。保育士としてふさわしいような落ち着いた装いを心がけましょう。

服装はスーツを着用するのが基本です。スーツに着替えられない事情がある場合でも、ジャケットスタイルなどフォーマルな格好を心がけましょう。

また派手な髪色を許容している園もありますが、基本的には落ち着いた髪色で臨むのが無難です。

自己PRをする

履歴書だけではなく、面接においても自己PRは求められます。面接での自己PRでは、過去の経験から得られた自分の長所を、具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。

アピールポイントが見つからない場合は、周囲の人に自分の魅力を尋ねてみるのがおすすめです。

自己分析も大切

自己PRを考える際は、履歴書の時同様、自分自身をよく分析するのが良いでしょう。

保育士の適性をアピールできるような長所を見つけ、それを志望する勤務先でどのように活かせるのかを十分に検討しておく必要があります。

実技試験を行う保育業界もある

保育士の採用過程で実技試験を求められる場合もあります。例えば公立保育園や公立幼稚園に勤務する場合、地方公務員試験を受験しなければなりません。

それらの試験では実技試験として、ピアノの演奏や絵本の読み聞かせなどの実演を求められる場合があります。

志望する勤務先で実技試験がある場合は、試験科目を事前によく練習しておくのが良いでしょう。

また実技試験においても保育士としての適性をアピールするということを忘れてはいけません。純粋な実技のスキルよりも、子供を楽しませる資質の方が重要です。

保育士未経験者の自己PR方法

女性と風船

保育士としての経験がない場合は、自己PRを工夫する必要があります。保育士未経験の場合は以下の内容を参考にしてください。

新卒で保育士として働きたい人の自己PR

新卒から保育士になる場合は、以下の2点を意識する必要があります。

即戦力である必要ない

誰しも新人の時代はあるわけなので、新卒に即戦力としてのスキルを求めている施設は少ないです。

新卒の場合は保育士としてのポテンシャルが見られていることを意識しましょう。そのため、積極性ややる気、将来のキャリアプランをしっかり持っていることなどをアピールするべきです。

また新卒は他の保育園の教育理念などに染まっていないことから、むしろ歓迎されるケースもあります。

長期的に働けるかどうかが大切

保育士は離職率が高く、人手不足なので長期的に働ける人材は重宝されます。

保育士は身体的にも精神的にもハードな仕事なので、体力や忍耐力をアピールできると良いでしょう。

なお、長期的に勤務するつもりがあることを自己PRに盛り込むなら、本当に長く働けるかどうか待遇などを事前によく調査しておくべきです。

理想の志望理由

履歴書においても面接においても志望動機は重要視されますが、志望動機は「その保育施設」でなければならない理由にするべきです。

どの保育施設にも当てはまるようなありきたりな動機で、他の候補者の中に埋もれてしまいます。

よって志望動機を考える際は、志望する勤務先のことをよく調べる必要があります。勤務先の理念や特徴をよく理解していることをアピールできるような志望動機なら、採用担当者に好印象を与えるでしょう。

転職する人のアピールポイント

スマホを見る女性

転職して保育士を目指す場合は、新卒の場合とは違ったアピール方法が必要になります。保育士業界への転職を目指すなら、以下の内容を参考にしてください。

マネジメント能力がある

前職で管理職などの経験がある場合は、マネジメントスキルを自己PRに盛り込むのが良いでしょう。

マネジメント能力がある人材は、周囲の気配りができるため、保育士としての適性も十分です。

また、前職での経験を保育施設でどのように活かすかを自己PRに含めるとより良いアピールになります。職務分野別リーダーや副主任保育士などのキャリアへの意欲を見せるのも良いでしょう。

スキルアップのための資格を取得している

取得している資格がある場合は、保育士の仕事にどう活かすかを意識しながら自己PRに盛り込むと良いでしょう。

保育士との関わりが深い資格としては、絵本専門士やチャイルドマインダー、食育スペシャリストなどが挙げられます。また先述したようにパソコンスキルを証明する資格も、良いアピールになるでしょう。

なお、保育士と直接関係ない資格でも、行動力や努力を評価されることがあるため、他に記載する内容がなければ資格欄に記載しておきましょう。

保育士としての成功体験

前職での成功体験は、自己PRの良い材料になります。特に保育士との関係が深いものであれば、採用担当者に好印象を与えるでしょう。

ただし、成功体験をアピールする場合は、自己PRとして適切な内容であるかを十分に検討するようにしましょう。

その成功体験が、保育士としての適性にかなうものでなければ、むしろアピールは逆効果になります。

失敗経験もアピール出来る

過去に仕事で失敗した経験がある場合は、それもアピール材料にすることができます。

失敗から様々なことを学び、次の成功に活かせる能力は保育士として働く上でも重要であるからです。

ただし、失敗の性質として人の命を危険に脅かすものや倫理観を疑われるようなものは避けるべきでしょう。一般的な職務における失敗であれば、問題ありません。

新たな保育施設でも失敗する可能性はあるので、ただでは転ばない人材であることをアピールしましょう。

自己PRの例文を見てみよう

パソコンを触る女性

これまでの内容を踏まえて、実際に自己PRを考えてみましょう。その際は以下の例文を参考にしてください。

責任感をアピールする自己PRの例文

責任感をアピールするには以下のような自己PRが良いでしょう。

私の持ち味は人一倍責任感が強いことです。保育士を目指したのも、各家庭の大切なお子さんを預かるという責任重大な仕事に携わりたいと思ったからです

しかし、通常の保育園では一度にたくさんの子供の世話をしなければならないので、一人一人に目を行き届かせることは難しいと聞きます。

一方でこちらの託児所は少人数制のため、それぞれの子供たちとの時間を大切にすることができます。

ここなら一人一人の子供とその保護者に対して、きちんと責任が果たせると思うので、こちらでの勤務を強く希望します。

その施設ならではの理由を盛り込むのがポイント

先述した通り、志望理由には「どうしてもその施設で働きたい」ことが伝わるものを選ぶべきです。

上記の例では、少人数制であることに注目して、自らの長所である責任感が活かせることを効果的にアピールしています。

このような文章を作成するには、勤務先をよく分析して、その特徴を的確に捉えることが必要です。

コミュニケーション能力がテーマの自己PRの例文

コミュニケーション能力をアピールするには、以下のような自己PRが良いでしょう。

私の長所は傾聴力です。以前は託児所に勤務していましたが、同僚や保護者の方から『聞き上手であること』をよく褒められました。

特にあるお母さんから『〇〇さんには何でも話せるから、安心して子供を預けられる』と言われたことは印象深いです。

この保育園でもこの力を活かしたいと考えております。

具体的なエピソードがあると印象に残りやすい

自己PRには上記に具体例を盛り込むと説得力が増します。自分のアピールポイントを象徴するようなエピソードを加えることで、自分の長所がより伝わるでしょう。

上記の文章でも「傾聴力」だけでは具体的なイメージが湧きませんが、保護者との会話を挿入することで、聞き上手な人柄の良さがよく表現されています

保育士の自己PRの書き方・ポイントまとめ

保育士の自己PRの書き方・ポイントまとめ

  • 結論から先に書くのがおすすめ
  • 新卒の場合はポテンシャルをアピール
  • 志望理由は「その施設ならでは」のものが理想

保育士の自己PRの書き方・ポイントについて解説しました。

保育士の自己PRを書く際は、アピールポイントを一つに絞り、結論から先に書き出すのがおすすめです。

アピールポイントとしては、責任感の強さやコミュニケーションの高さなど、保育士としての適性と合致しているものを選びましょう。

また志望動機は「その勤務先ならでは」の内容にするべきです。具体的なエピソードを持ち込めば、説得力の高い文章になるでしょう。

この記事の内容を参考にして、採用担当者の目に止まるような魅力的な自己PRを作成してください!

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