保育士の自己紹介のやり方は?子供・保護者向けの方法から実際の例文まで解説!
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「保育士にとって自己紹介って必要なの?」
「子供向けの自己紹介はどうやればいいの?」
保育士になりたての方は特にこのような疑問を抱いている人が多いのではないでしょうか?
保育士として自己紹介する場は、子供に限らず保護者や同僚など思っている以上に多いです。
それぞれに自己紹介する際に、押さえておくべきポイントがあり、必ずその点を理解することはとても重要です。
今回は保育士の自己紹介のやり方について、詳しく解説していきます。
保育士の自己紹介のやり方についてざっくり説明すると
- 保育士は意外と自己紹介する機会が多い
- 子供向けの自己紹介はわかりやすく話すことが必須
- 保護者に対しては、信頼してもらえるような内容にすることが大切
保育士は自己紹介が肝心
どのような仕事に就いても、自己紹介を行うシーンは必ず訪れるものです。それは保育士の場合も変わりがありません。むしろ保育士になると、あらゆる場面にて自己紹介をする機会が多くあります。
例えば、保育実習をする時期での初日の登園日や新年度など、新しい出会いの場所は多くてそのたびに自己紹介をするからです。
自己紹介は初対面の相手へ自分の特徴を印象付ける役割があり、自分のことを手始めに理解してもらうための重要な作法です。
保育士の場合は、子供向けとその保護者向け、そして職場の同僚に対して自己紹介をすることが中心となり、今後の信頼を得られるかのカギになってきます。
自己紹介の際に意識すべきポイント
自己紹介の際を成功させて、相手と良い関係を築くためには事前に知っておくべきポイントがいくつかあります。
今回はそのポイントについて詳しく紹介していきます。
はっきり話す
元気にはきはきと話すような自己紹介はとても大事です。とにかく元気に話すことから始めなくては、場の空気が明るくなりません。
はきはきと話すことにより、相手には自信がみなぎっているように見え、この先生なら明るく楽しい保育をしてくれると感じてくれるはずです。
これは子供向けだけではなく、保護者側の信頼獲得にも重要な意味を持つもので、今後の関係性にも重要な意味を持ちます。この先生になら安心して任せられそうだと感じてもらえれば、その日は合格点です。
ダラダラと話が長くなったり、語尾を伸ばして話すのではなく、簡潔に気取らず自己紹介をすることがポイントです。
笑顔でいることで印象が良くなる
初対面の相手の印象は、出会ったその瞬間から数十秒で決まってしまうと言われています。
最初の出会いで笑顔を作ることにより、いい人だろうという特別な印象を作れるくらい、笑顔には強力な力があります。
それが良いか悪いかは別問題ですが、大切なことは、最初に信頼を得たいのであれば、緊張で顔がこわばることを恐れず、笑顔を作れるようにすることです。
やる気や経験を伝えるとよい
保育士の自己紹介では、自分のことを理解してもらえるように、これからの抱負や意欲、自分が持っている特技、経験などを伝えるような自己アピールをするとよいでしょう。例えば保育の現場でも役立ちそうなことに着目します。
ピアノや工作、スポーツといった分野で特技として生かされそうな部分について、過去の経験を踏まえながら伝えてみてはどうでしょうか?きっと子供たちもそれを聞いて目をキラキラと輝かせてくれるはずです。
それは子ども達の個性を伸ばす指針にもなります。自分を慕ってくれる子ども達が笑顔に溢れていれば、クラスづくりにも意欲的になれます。
身なりを整える
身なりを整えることも自己紹介においてはとても重要です。
清潔感のない服装で自己紹介をすると、自己紹介の内容が素晴らしくても相手の注意が服装に行ってしまい自分のことを効果的にアピールできません。
身なりを整える際には以下の点に注意するとよいでしょう。
- 露出度の高い服を着ていないか
- メイクが濃くないか
- 寝ぐせがそのままになってないか
- 爪が伸びていないか
- 服のしわや汚れが目立ってないか
- 猫背など姿勢が悪くなってないか
- しゃべり方や態度、その他、人が怪訝する癖が出ていないか
身なりだけではなく、変な癖を出していないかという点も含めて、第一印象に気を使うことはとても大切です。
相手をしっかり見て話す
他人に話す点で当たり前に大切と言われることですが、保育士の自己紹介でもそれは変わりません。
下を向いたり、他の場所を見たりしていると相手に自信のない印象を与えかねないため、相手の方を見て話すようにしましょう。
自己紹介を見ている人が大勢いる場合は、見ている人全体に目を配りながら自己紹介を行うことも大切です。
聞き手に合わせて自己紹介を変える
自己紹介を子供が聞いている場合、保護者が聞いている場合などで自己紹介をアレンジするのもいいでしょう。
保護者や職員向けの自己紹介を子供たちにもしていては、親やすい自己紹介とならない可能性もあります。
逆に、保護者や職員向けの自己紹介は職員としての信頼を得るためのものである必要があります。
アレンジの仕方は以下で詳しく紹介しています。
子供向けの自己紹介は楽しませることが大事
子ども達への自己紹介を行う際には、子供に喜んでもらえることが何より大事です。この際、紹介方法に工夫を施して心をつかむことが大切です。
子どもが喜ぶ自己紹介方法
子ども達の前で自己紹介をするには、いくつかのポイントがあります。主なものとして以下の3点について、注意しておくようにしましょう。
- 子どもたちの意識を自分へと集中させること
- 分かりやすい言葉を選んで話すこと
- 視覚的なツールなどを大いに利用する
これらはあらゆる自己紹介シーンにも共通な部分が含まれますが、特に子ども達はダイレクトに反応するので心得ておくことが大切です。
以下では自己紹介の具体例を紹介します。
楽器を弾いたり歌を歌う
保育園にいる子供たちは、まだ言葉の意味を十分理解しておらず、言葉での自己紹介だけでは自分の魅力を伝えづらいです。
この際、得意な楽器を弾いたり歌を歌うことで子供たちとの距離を縮めるきっかけとなるでしょう。
演奏を子供たちに気に入ってもらえた場合には、その後の良好な関係性も築くことができます。
どの遊びが好きか伝える
保育士は、園児と一緒に遊ぶという時間がかなりあります。そのため、子ども達は保育士と遊びたがっていると判断することもできます。一緒に遊んで信頼を築くのが保育士の役目でもあります。
自分が得意な遊びについて自己紹介の中にも付け加えて伝えると、子ども達のほうから保育士に近づきやすくなるきっかけにもなります。
鬼ごっこが好きだとか、お絵かきが得意だといった、わかりやすい例えを使って自分を紹介するのがベストです。
スケッチブックを使ってみる
自己紹介に使えるグッズとして、スケッチブックを制作して取り入れてみるのも効果的です。
スケッチブックの各ページごとに、名前、好きな食べ物、好きな動物などの絵を描いておき、言葉で自己紹介する際に見開きにして見せてあげながら進行します。視覚に入った情報は、かなり印象に残ります。
また、スケッチブックに絵を描いて、クイズ形式を取り入れてみるのもよいでしょう。絵をめくるたびにヒントが出てくるような仕掛けを作り、子ども達が喜ぶような自己紹介のやり方を工夫することが大切です。
ペープサートを作った自己紹介も
あらかじめ画用紙でペープサートを制作しておき、自己紹介の際に活用してみましょう。ペープサートとは、紙の人形劇のことを意味します。紙人形劇の英訳「paper puppet theatre」が簡略化されている造語です。
通常なら画用紙と割りばしなどで簡単に手作りできます。画用紙を好きな形に切って自分独自なアイデアを盛り込んで工夫してみましょう。特に可愛らしい動物などは喜ばれます。
年齢ごとに自己紹介の方法を変えよう!
子ども達の年齢によっては、自己紹介の方法をアレンジすることが必要になります。
たった1年ずつの年の差ではありながらも、物事の捉え方にも成長度合いが変わってきますので、年齢を意識しながら自己紹介の方法を変えることは大切です。
年少さんは短い時間で紹介
年少さんへの自己紹介では、あまり多くのことを伝えないほうがよいでしょう。自分の名前、好きなもの、例えば好物の食べ物といった程度に止めておくことが望ましいです。
身振り手振りのアクションは大きく、時間は短めに、いつもより大きい声で、リズミカルに歌に乗せながらというのも楽しい自己紹介になります。
年中さんはわかりやすい言葉を使う
年中さんへの自己紹介のポイントは、年少さんよりも伝える情報は多くしつつもわかりやすい言葉で伝えることです。
仕掛けやアイデアを盛り込めば、より印象的な内容になります。例えば、人形などを使って別なキャラを作り上げて、いろいろな質問をするといった演技をしてみてもいいでしょう。
年長さんは詳しい内容説明も入れる
年長さんへの自己紹介では、名前や好きなこと、得意なことを具体的に伝えながら、その場にいる子ども達みんなに問いかけていく方式も盛り込んでいくといいでしょう。
子ども一人ひとりの心をつかむ自己紹介を目指すことが大切です。そのためには目立ったアクションよりも、詳しい内容へと語り掛けるようにするのがベストです。
自己紹介する際に気を付けるポイント
保育士が子供向けに自己紹介する際は、自己紹介の基本的な方法を使いながらも、大人同士の挨拶を兼ねたものとは異質なテクニックが必要です。
子ども達と向き合った自己紹介をする際は、どのような点に注意を向ければよいのでしょうか?
わかりやすい言葉でしゃべる
自己紹介の基本中の基本でもあります。子どもがわかる言葉で話すのは大前提だと、そう意識しながら行うことです。
そのためには普段の喋り言葉の感覚ではなく、多少の誇張をしてもいいので、わかりやすい言葉を適切に使いながら行いましょう。誰が聞いても分かるよう大きな声でしゃべるのがベストです。
必ず子供の顔を笑顔で見る
相手から笑顔を見せてもらったことで、気持ちが落ち着いたという経験は誰にでもあるはずです。相手が子ども達であれば、なおさら意識する必要があります。自分から笑顔を作り子ども達の顔を見るようにしましょう。
すると、子どもは安心して話を聞いてくれます。きちんと相手の顔を見ながら微笑むことは、とても大切な行為でもあります。
子どもへの自己紹介例
上の内容を踏まえた上で、子供に対して自己紹介する際には以下のような自己紹介ができます。
「今日からみんなの担任になりました、●●です!●●先生って呼んでくださいね。先生はピアノを弾くことが好きです。みんなと一緒にお歌を歌えることを楽しみにしています。それに好きな食べ物はカレーライスです。みんなが好きな食べ物って、何かな?
それから、元気にお外で遊ぶことも大好きです。みんなと一緒に、公園でたくさん遊びたいと思っています。これからみんなと仲良くなりたいと思っています。よろしくお願いします! 」
保護者には誠実さをアピールする
保育士は、子供向けに自己紹介をするだけでは終わりません。その子ども達の保護者に対して自己紹介する機会もあります。特に実習期間を経たばかりの新任の保育士にとっては、大きなプレッシャーになるかもしれません。
保護者側としては自分の子供を預けるわけなので、ふさわしい担当かどうかも気になっています。保護者を安心させるためにも、自己紹介が重要な意味を持っています。
保護者に寄り添う姿勢をしっかり示す
やはり保護者としては、自分の子どもを預ける以上、心配なのは仕方ありません。そこで自己紹介の際には、保護者に寄り添った姿勢をアピールすることが大切です。
いずれ保護者のほうからも、自分の子どもの普段の態度などを尋ねてくることや、何かのアドバイスを求めることも考えられます。
そのためにも、寄り添う姿勢を最初のうちに示しておくと、保護者は相談しやすい人物だと感じてくれるはずです。後々の信頼関係にも影響を及ぼしてきます。
さりげなく自己紹介中に、「何かお困りの際はいつでも相談してください」といった言葉を盛り込むだけでも、意識の高い保育士さんだという印象を与えることもできます。
今後の目標を伝える
自分の保育士としての目標やビジョンを示すことは重要です。
特に新任でまだ実習から間もない保育士の場合、経験が乏しいというデメリットがあります。その乏しい部分を埋め合わせることができるのは、強い意志しかありません。
それをわかりやすくした例が目標です。担任としてどのような点をしっかりと見るのか、あるいはどんなクラス作りをしたいのかなど、アピールできることは意外とたくさんあります。
具体的に目標を表明すれば、保護者としても将来像をイメージできて安心してくれます。
もし目標を立てる際には、クラスの年齢に合わせながら目標を変えていくと、目標の信用性が高まります。
乳幼児クラスなら安全第一な業務に重点を置いたり、5~6歳児クラスの場合なら、子どもの自主性を尊重した活発なクラスにしたいといった、具体策を盛り込んでみるといいでしょう。
保護者に対しての自己紹介例
以下の注意点を踏まえた上で、自己紹介する場合は以下のような内容で紹介するとよいでしょう。
「4月より、こちらのクラスの副担任をさせていただくことになりました、●●と申します。子どもの頃からピアノを習い、将来の夢は保育士と決めていました。その念願が叶って、今年実習を終えたばかりの新任ではあります。
これから皆様のお子様と毎日元気に楽しく歌っていけることを楽しみにしています。日々の保育にて、一人ひとりの個性に触れながら、一緒に笑いながら、明るいクラス作りをしていきたいと思っています。
当面は副担任として経験を積んでいく形です。至らない点など多々出てくるかもしれませんが、初めて体験するクラスは一生の想い出にもなるはずです。それを皆様とも共有できることは、きっと何かのご縁だと感じています。
普段のお子様の状況などで気になることがありましたら、遠慮なくお声がけください。これから一年間、精いっぱい努めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
他の保育士に自己紹介する場合
保育士として働くとしたら、担当する子ども向け、あるいは保護者だけではなく、現場の同僚との関係性も重要になってきます。自己紹介として一番最初に行うのは、一緒に仕事をする同僚と初めて会った時です。
この際には、明るくはきはき話すことで一緒に働きやすい人だなという印象を植え付けることが大切です。
以下では他の保育士に対して自己紹介する際の注意点を詳しく紹介していきたいと思います。
語尾をはっきりさせる
自己紹介の作法でのベーシックな部分として、語尾を伸ばさずに最後の言葉まではっきりと話すことを心がけてみましょう。
話し方の癖として、「なので~」「よろしくお願いしま~す」といった語尾を伸ばす傾向が強い人、あるいは、ですますがちゃんと言えず「了解っす」「ありがとっす」と言いがちな人は要注意です。
このような語尾で発言してしまうと、適当な人だという印象を植え付けてしまい、信頼関係構築が難しくなってしまいます。
癖のある話し方は自分ではなかなか分からないものです。できれば身近な人に一度聞いてもらったり、自分で録音をして確認しておくことです。
意欲をきちんと伝える
どのような業種や業界でも同じことが言えますが、今後自分がこの職場でどのような役割を果たしたいかについて、具体的な内容を織り交ぜながら、保育園で抱負をアピールするような表現を心がけましょう。
おすすめは保育士らしいテーマを一つ掲げてみることです。ピアノが得意、絵が得意といった自己PRを混ぜつつ今後の展望を話すことにより、一層の効果的アピールができます。
短い時間で簡潔に話す
自己紹介の挨拶の際は、特殊な環境ではない限り時間制限など設けられていません。ただし基準として30秒から1分を目安にしたスピーチを意識しておくのが理想です。自己紹介でだらだらと長く話してしまうのはNGです。
簡潔で明確な言葉で伝えることで印象の良い感じで終われます。また、緊張のあまり早口になってしまう可能性があるので、なるべく落ち着いてゆっくり話すことを心がけましょう。
同僚への自己紹介例
以下の注意点を踏まえた上で、自己紹介文を作成すると以下のような文章になります。
「本日より、皆様と働かせていただきます●●です。子どものころから絵本が大好きで、絵本の読み聞かせが得意です。これから出会う子ども達との絵本の読み聞かせを楽しみにしています。
全く分からないことだらけですが、皆さまの仲間として認めていただけるように頑張って成長していきます。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。」
保育士の自己紹介のやり方についてまとめ
保育士の自己紹介のやり方についてまとめ
- 子供たちに興味を持ってもらうことが最も大切
- 保護者への信頼を勝ち取るために身なりや発言に注意することが大切
- 語尾をはっきりさせることで、しっかりした人であるとアピールできる
保育士にとっては、自己紹介をする相手が少なくとも3つのパターンであることがご理解できたかと思います。その際には、どれにも共通した基本や注意点もありつつ、その相手だからこその特別な配慮も考える必要があります。
今回解説した内容を基に、満足のいく自己紹介文を考えてみましょう!