保育士の実技試験の対策方法とは?試験内容から科目別対策法まで徹底解説!
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「保育士の実技試験はどのようなもの?」
「造形やピアノなど、実技試験の対策法が知りたい!」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか?
保育士試験では必ず行われる実技試験ですが、筆記試験と違い対策方法がわかりにくいですよね。また、実技のコツなども知っておきたいものです。
そこでこの記事では保育士の実技試験について、試験内容や科目別の対策法までを詳しくまとめました。
読み終わったらすぐに実技対策に向けて動き出せるようになっていますよ。ぜひしっかり読んで参考にしてくださいね!
保育士の実技試験対策についてざっくり説明すると
- 保育士の実技試験は音楽・造形・言語の3つから2つを選んで受験する
- 音楽と言語は事前に課題が発表されるので準備しやすい
- どの分野もしっかり練習しておけば合格はそこまで難しくない
- 独学が難しい場合は通信講座も検討するべし
保育士の実技試験の分野は3つに分かれる
保育士の実技試験は、3つの分野に分かれており、試験の時はそのうちの2つを選択して受験することになります。
筆記試験のように暗記すれば解けるようなものではないので難しく感じるかもしれませんが、合格率はどの実技も例年8~9割くらいとかなり高くなっています。
きちんとした対策をすれば実技試験の合格は十分可能です。まずは以下の内容を見ながらどのような問題が出るのかを知っていきましょう。
音楽表現に関する技術
保育士の実技試験として1つ目にご紹介するのが「音楽表現に関する技術」です。
ピアノ、アコーディオン、もしくはギターを弾きながら、課題曲2曲を歌うというのが試験内容です。つまり弾き語りですね。
弾き語りというとプロの演奏を想像するかもしれませんが、演奏や歌唱の技術はさほど重視されません。保育士として子どもたちを楽しませることができる最低限のスキルがあれば合格できます。
ただし歌声が楽器にかき消されるほど小さいとアウトですので、その部分だけはクリアできるように頑張ってください。課題曲は事前に発表されますから、練習時間は十分あります。
造形表現に関する技術
保育士の実技試験、2つ目は「造形表現に関する技術」です。
こちらは課題に合ったイラストを描く内容になっており、色鉛筆を使ってカラーのイラストを45分間で作成します。配色が重要になりますので、色の使い方を練習しておきましょう。
実技試験の中では唯一、問題が事前に発表されません。当日の試験で初めて課題を確認し、その場で考えながら描くことになります。
実際に出題された問題
「造形表現に関する技術」の実技試験で、過去に出題された問題を見てみましょう。以下は平成29年に実際出題された内容です。
<例題>
【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。
【事例】
H保育所の5歳児クラスの子ども達は、給食当番が配膳の手伝いをします。子ども達は、それぞれ好きな食べ物、苦手な食べ物があるようですが、みんなで楽しく食事をしています。 自分が食べた食器の片付けは、保育士が手伝いながら、子ども自身が行います。
【条件】
1.「給食の準備」、「食事中」、「片付け」のうちから一つを選び、その様子がわかるように描くこと。
2.給食時間の保育室の様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。
このように、「保育の現場を表現するような課題」がよく出題されます。
言語表現に関する技術
保育士の実技試験、3つ目は「言語表現に関する技術」です。
こちらは「物語の読み聞かせ」を3分間で行うという内容です。課題の物語は事前に発表されますので、音楽表現と同じく事前の対策が可能です。
読み聞かせでは、子どもが理解できるような「わかりやすさ」「しっかりとした口調」が求められます。心地よい読み聞かせができるように練習しておきましょう。
実技試験に向けたおすすめ対策法
保育士の実技試験では、どのような対策をすればよいのでしょうか。
おすすめの対策法をご紹介します。
たくさん練習をする
保育士の実技対策で最も重要なのは、やはり「練習」です。
音楽、造形、言語、どれも練習によって必ず上達する分野ですから、何度もくりかえし練習しましょう。
造形分野の課題だけは事前に把握することができませんが、それ以外は何が出題されるか試験前にわかります。それぞれの分野で試験官に見られるポイントを調べて、重点的に練習を重ねていってください。
本番はどうしても緊張するものですが、何度も練習して自信がついていればある程度はリラックスできます。各分野のポイントは後ほど改めて解説しますので、十分な準備を行っていきましょう。
実践を想定して行う
どうしても本番では緊張してしまうことが予想される場合、本番を想定して練習しておくと良いかもしれません。
友達や家族に見てもらうことで、本番に似た環境を作ることができます。実技が終わった後には意見をもらうようにすれば、なお良いでしょう。
見てもらえる人が身近にいない場合は、ネットに動画を上げるのも手です。第三者から意見をもらって改善点などを参考にしましょう。
インターネットの情報を参考にする
保育士の実技試験については、インターネット上にも多くの情報が出ています。
音楽表現では楽譜、読み聞かせでは実際の動画をダウンロードすることができますので、ぜひ練習の参考にしてください。
また造形表現のイラストについても、完成作品の例を見ることができます。どの程度が描ければ合格できるかの目安になりますので、こちらも見ておくと良いでしょう。
合格への具体的なイメージを持つことで、自身のスキルを向上させるだけでなく、試験に対して自信を持つことができます。
実技試験の分野別対策法
この段落では、保育士の実技試験の分野別対策法をご紹介します。
どの分野で受験するかを決めたら、以下を確認してしっかり準備しておきましょう。筆記試験とは異なる対策が必要ですので、手を抜かずに練習してくださいね。
音楽表現は課題曲を中心に対策
音楽表現の実技試験では、課題曲が2曲出題されます。これをピアノ、アコーディオン、ギターのいずれかで演奏しながら歌うという内容になります。
課題曲は「受験申請の手引き」で発表されますので、最初に確認しておきましょう。
メロディーを把握した上で練習を重ねる
もし課題曲が知らない曲だった場合は、CDやネット配信などを利用して曲の全体像をつかんでください。その上で、しっかり歌えるように練習します。
すぐに曲を身に付けることは難しいかもしれませんが、頭の中で完璧にメロディーをイメージできるようになるまで、忍耐強く何度も練習してください。
大体歌えるようになったら、伴奏の練習に入ります。歌が伴奏に負けると不合格になってしまいますので、歌を邪魔しない音量の伴奏を心がけてください。
まずは歌、伴奏、それぞれを別に練習して、本番直前に合わせていくと良いでしょう。
造形表現は場面に応じた描写力が大事
造形表現は、「保育のある場面」をテーマとして、45分間で指定の用紙に絵画を描くという課題内容です。
テーマは当日にならないとわかりませんので、事前に特定のテーマの練習はできません。とは言え「保育のある場面」に限定されますので、ある程度の予測は可能です。
保育の場面が想定できるように、資料や絵本で具体的な場面を知っておきましょう。
何枚も描いて感覚をつかむ
造形表現は、先ほどの例題のような「クラス内の出来事」もしくは「お散歩」「お遊戯」といった内容がよく出題されます。
どれも人物が登場することが多いですから、色々な姿勢を描けるようになっておいてください。
背景や色についても、場面ごとにイメージして塗り分けられるような練習が必要です。何枚も描いて感覚をつかみましょう。
ある程度練習したら、最後は45分間以内に完成させられるよう、時間配分も意識した実践的な練習もしておいてくださいね。
言語表現は事前の台本準備が大切
言語表現についても、事前に課題がわかります。しっかり練習して本番に臨みましょう。
課題は事前に4つ発表されますが、その中から1つを選んで本番に実演することになります。
対象は3歳児クラス
言語表現の試験は、「3歳児クラスに3分間のお話をする」という想定になっています。
実際の読み聞かせではぬいぐるみなどの道具を使うこともありますが、保育士の実技試験では道具を使いません。声だけでお話を展開する、いわゆる「素話」のスキルがテストされます。
練習する際は、以下のような流れで行うのがおすすめです。
-
3分間お話をするための台本を作成
-
実際に声を出して練習(最初は台本を見ながらスムーズに読めるかを確認し、適宜修正。)
-
3分以内におさまるか確認(落ち着いたスピードで、なおかつ3分以内に収まることが重要。時間感覚を身に付ける。)
ある程度練習したら、ぜひ友人や家族など、第三者にも聞いてもらってください。意見を聞きながら、話し方やストーリー展開など研究してみましょう。
何より大事なのは、子どもが楽しめるかどうかです。目の前に子どもがいると思って練習すると、早く上達するはずですよ。
実技試験の際に気を付けたいポイント
保育士の実技試験を受ける際には、いくつか気を付けるべきポイントがあります。
試験科目は慎重に選ぼう
保育士の実技試験は、3つの中から2つを自由に選ぶことができます。
この際、ぜひご自身の得意分野をしっかり把握した上で、2分野を吟味して選ぶようにしましょう。あえて苦手分野に挑戦する必要はありません。やっていて楽しい、得意だと思える分野を選んでくださいね。
試験当日は試験官が数人いる
保育士の実技試験は、筆記試験合格者のみが受けられる試験です。
試験当日は個室のような場所で、数人の試験官の前で発表することになります。緊張しないように、人前で実技を披露する機会を作って事前にしっかりシミュレーションしておいてください。
なお服装は自由です。あまりに奇抜な服装は良くありませんが、実技を披露しやすい服装を選んでおきましょう。
練習は量より質を重視
保育士の筆記試験から実技試験までは、2ヵ月程度の期間があります。練習時間が十分あることから、実技試験の合格率は例年8割以上となっています。
ただ、中には半年以上の練習期間を取っても合格できない人もいると言われています。
明確な目標もなくダラダラ続けていても、合格できるスキルは身に付かないかもしれません。練習する際は量よりも質を重視して、本番を想定した環境づくりもしながら、緊張感を持って行うことが大切です。
例えば、時間制限を設けて本番と同様のプレッシャーを感じるように工夫すれば、試験に臨む準備としてより効果的になるでしょう。
ピアノが苦手でも大丈夫
保育士と言えばピアノ、そう思っている人もいるかもしれません。確かに保育士の現場ではピアノが上手に弾けたほうが有利ではあります。
ただ、保育士実技試験の課題曲ではそこまで高いレベルは要求されません。
最近ピアノに触れたばかりだという人でも、練習すれば実技試験合格レベルの技術を身に付けることは十分可能です。
どうしても不安な場合は、教室に通って練習すると良いでしょう。保育士を目指していることを事前に告げて、保育士として相応しい課題曲を提案してもらってください。
実技試験は独学で対策できる?
保育士の実技試験は、音楽・造形・言語のどれもが、経験があればやりやすく、そうでない人にとってはやりにくいものです。
全ての経験がある程度備わっている人は良いですが、苦手な分野がある人にとっては、スクールなどで第三者のフィードバックを受けずに対策をするのはなかなか難しいかもしれません。
そういった方には、ぜひ通信講座をおすすめします。
通信講座での学習がおすすめ
実技試験対策を通信講座で行いたい際は、実際の映像を用いて丁寧に手順の説明を行っているものを選ぶといいです。
文章だけでは手順を把握して実行するのは難しいので、必ず映像での解説が豊富であるかはチェックするようにしましょう。
この基準を理解したうえで、資格Timesではユーキャンの通信講座の受講をおすすめします。
ユーキャンの実技試験対策は、動画で実技試験3分野のコツをわかりやすく伝授してくれるため、実際の動きを見ながら試験で使える実力を効果的に身につけることができます。
また、試験当日の流れまで丁寧に解説してくれるため、実技試験対策もユーキャンの講座でばっちりできます。
ぜひユーキャンの通信講座で保育士の講座を始めてみてください!
保育士の実技試験対策まとめ
保育士の実技試験対策まとめ
- 保育士の実技試験は音楽・造形・言語から得意な2分野を選んで受験しよう
- 準備期間は2ヵ月あるので、きちんと対策すれば合格の可能性は高い
- 子どもたちを楽しませることを意識して、保育士にふさわしい実技を身に付けるべし
- 一人での対策が難しい場合は通信講座も検討すると良い
保育士の実技試験は各分野それぞれ難しそうに見えるかもしれませんが、プロ級の技術は必要ありません。
子どもたちを楽しませるための技術だということを意識しながら、楽しんで準備をしていきましょう。どうしても一人で対策するのが難しい場合は、通信講座も検討してみてくださいね。
適切な技術を身に付けて、素敵な保育士さんになってください!