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【FP試験】日本FP協会ときんざいの違いと試験団体の選び方

更新日時 2019/08/15

FP技能士の資格試験を行っている試験団体には、日本FP協会(以下FP協会)と金融財政事情研究会(以下きんざい)の2つがあります。

試験の申込をするときに、一体どちらを選んだら良いの?と迷ってしまう人は少なくありません。

この記事では、FP協会ときんざいの違いを徹底解説します。試験団体を選択する際にポイントとなる点を分かりやすく説明していきます!

FP協会ときんざいの違いをざっくり説明すると
  • 実技試験の出題形式に大きな違いがある
  • 試験日・学科試験は共通である
  • AFPやCFPの認定試験を実施しているのは日本FP協会のみ
  • 受験者それぞれに合った試験団体が存在する

FP協会ときんざいの違い

本とりんご FP協会ときんざいの違いはどのような点にあるのでしょうか?

早速両者の違いについて解説していきます!

実技試験の問題が異なる

FP協会ときんざいの最も大きな違いは、実技試験の問題が異なることです。

FP技能士の試験には、「学科試験」と「実技試験」の2つがあります。 FP協会ときんざいが実施する試験は、学科試験は共通ですが実技試験の内容が異なります

FP2級の実技試験の種類と受験者割合

試験機関 受験者割合 試験科目
FP協会 37.7% 資産設計提案業務
きんざい 43.3% 個人資産相談業務
きんざい 14.8% 生保顧客資産相談業務
きんざい 0.02% 損保顧客資産相談業務
きんざい 4.3% 中小事業主資産相談業務

(受験者割合は2019年1月実施のFP2級の実技試験の受験者データを参考に算出)

このように、FP協会で実施している実技試験は「資産設計提案業務」1つであるのに対して、きんざいは「個人資産相談業務・生保顧客資産相談業務・損保顧客資産相談業務・中小事業主資産相談業務」の4つから1つを選択して受験します。

ちなみに、きんざいの「個人資産相談業務・生保顧客資産相談業務」は、年3回の試験全て受験可能ですが、「中小事業主資産相談業務」は、9月と1月、「損保顧客資産相談業務」は9月実施の試験のみしか選択することが出来ません。

出題形式と合格基準

どちらも、マークシートではなく記述式の問題になりますが、出題形式に大きな違いがあります

FP協会(資産設計提案業務)
  • 全部で40問

  • 100点満点中60点で合格

きんざい(個人資産相談業務・生保顧客資産相談業務・損保顧客相談業務・中小事業主資産相談業務)
  • 全部で5題の事例形式

  • 50点満点中30点で合格

どちらも試験時間は60分、合格ラインは6割以上となります

日本FP協会の方が問題数が多い分、1問あたりの配点が低くなり、逆にきんざいの場合は問題数が少ない分1題あたりの比重は大きくなります。

ちなみに実技試験の配点は公表されていないため、配点の正確な数字は分かりません。

試験会場が異なる

2つの試験機関では、受験日は一緒ですが、試験会場は別々に設定されています

基本的に47都道府県全てに受験会場がそれぞれ用意されています。

全体的な受験者数がきんざいの方が多い傾向があるため、それに伴い受験会場も多く設定されています

それに対してFP協会の受験会場は、各都道府県ごとに1つまたは2つの所がほとんどです。地方に住んでいる人だと、受験のために遠方まで行かなくてはならない可能性があります。

申し込みする前に、一番近い受験会場はどこなのか確認してみると良いでしょう

合格証書の発行者名が異なる

合格証書に記載される発行者名は、受験した機関の名前になります

どちらで受験したかによって、FP協会ときんざいのいずれかの名前が書かれます。また、合格証書自体のデザインも異なります。

認定研修制度の違い

FPの資格試験には、FP3級2級1級の他に、民間資格である「AFP」と国際資格の「CFP」があります。難易度としては、FP2級レベルがAFPでFP1級レベルがCFPです。

FPとの違いは、資格に有効期限があり資格の更新が必要になる点です。FPは、一度合格すれば更新の必要がありません。しかし、金融や経済の情勢、税法は日々変化していますので、実務としてプランニングするならば常に知識を追加する必要があります。

AFPの取得には、まず認定研修を受講する必要があります。この研修では、提案書作成のノウハウなど、FPとしての実務を学びます。

この研修の修了かつFP2級の合格で「AFP」として認められます。合格後も継続教育をあり、常に新しい知識を学んで実務に生かすことが出来るのがこの資格の強みです。

CFPは、AFPの更に上のレベルで世界標準規格として海外にも通用する高度なレベルが求められます。このAFPとCFPの認定研修および試験を行っているのは、FP協会のみできんざいでは行っていません

FP協会ときんざいの共通点

握手 FP協会ときんざいにはもちろん多くの共通点があります。

ここでは試験実施団体によらない要素について見ていきましょう。

試験日

先ほども述べましたが、日本FP協会ときんざいのどちらで受験しても試験日は同じです

毎年、1月・5月・9月の年3回、同日に試験日が設定されています。もちろんどの実技試験を選択しても同じです。

学科試験

学科試験は、FP協会ときんざいで共通の問題が出題されます。

問題形式は、マークシート方式で60問が出題され、すべて4択になります。試験時間は120分です

取得できる資格の価値

どちらの試験機関を選択して、どの実技試験を受験しても、合格すればFP技能士としての国家資格の価値は変わりません

取得後に日本FPのFP技能士なのか、それともきんざいのFP技能士なのかといったことで生じる違いは全くありません。

1級FP技能士、CFPへの受験資格

FP技能士の上位資格には、1級FP技能士とCFPがあります。CFPとは、海外でも通用する国際資格のことです。

どちらも、受験資格の中に「FP2級」の資格を取得済みであることが指定されています。

先ほども述べたこととも重複しますが、日本FP協会で合格したものでも、きんざいで合格したものでも「FP2級」であれば受験資格として認められます。

どちらで合格した場合でも、資格として同じ価値を持つということです

2級実技試験におけるFP協会ときんざいの違い

チェック! ここではFP協会ときんざいの違いが、実際の試験にどのように関わってくるのかをみていきましょう。

受験者数と合格率

2018年に実施されたFP2級の実技試験の科目別の受験者数と合格者数、平均合格率を表にまとめました。

試験機関 実技科目 受験者数 平均合格率
FP協会 資産設計提案業務 63,768 49.57%
きんざい 個人資産相談業務 53,414 35.21%
きんざい 生保顧客資産相談業務 21,745 38.71%
きんざい 損保顧客資産相談業務 390 55.32%
きんざい 中小事業主資産相談業務 4,596 39.2%

合格率をみると科目によって、大きな差があるのが分かります

損保顧客資産相談業務は合格率は一番高いですが、年1回しか受験することのできない科目であることから、受験人数もかなり少なくなっています。

年3回受験できる科目(FP協会の資産提案業務、きんざいの個人資産相談業務と生保顧客資産相談業務)で比べてみると、FP協会の資産設計提案業務が受験者数も合格率も高くなっています。

出題範囲

FP2級の試験範囲6分野とそれぞれの科目の出題範囲は次の表の通りです。

試験科目 資産設計(FP協会) 個人資産/中小事業(きんざい) 生保顧客/損保顧客(きんざい)
ライフプランニングと資金計画
リスク管理 ×(※1)
金融資産運用 ×
タックスプランニング
不動産 ×
相続・事業承継

FP協会も資産設計提案業務は、学科試験と同じく6分野全てから出題されます。それに対して、きんざいが実施している他の4科目では、含まれない範囲があります

そのため、試験範囲自体は、きんざいの方が狭くなっています

(※1…2018年9月実施の中小事業主資産相談業務の試験で保険の経理処理に関する○×問題が1問出題されています。今後、受験する人は注意が必要です。)

問題数と試験傾向

FP協会の実技試験

FP協会の問題集のページ数は、40ページほどあります。

試験の際の問題数は、全部で40問です。そして、1問がさらに最大4問で構成されていることもあり、実質的には60から70問程度出題されます

科目は、資産設計提案業務のみです。問題の傾向としては、基本に忠実な問題が多いことが挙げられます。ひねりを加えたような問題はあまりみられせん

そして、一番の特徴は、新聞やマネー雑誌、金融商品や不動産のチラシなどを題材にした実務的な問題が多いことです。普段から、仕事などでこういったものに触れている人や関心がある人なら、なじみがある問題です。

一方テキストに載っていない新しい問題が出題されることもあり、過去問やテキストを参考にして対策している多くの受験生は頭を悩ませることもあるでしょう。

しかし、このような問題は40問中のうちの1問2問にすぎませんので、心配しすぎることはありません。他の問題を確実に解くことが出来れば大丈夫です。

余裕があれば試験前はニュースや新聞記事などに関心を持って見ておくと良いでしょう

きんざいの実技試験

きんざいの問題集のページ数は、20ページほどです。FP協会の問題集の半分くらいです。

試験に出題される問題数も、事例形式5題かつ1題につき3問なので計15問出題されますが、その1題がさらに3つから4つの問題で構成されている場合もあるため、実質的な問題数は40問程度となり、FP協会の実技試験よりも問題数は少ないです。

FP協会の実務試験と違い、テキストや問題集に沿った問題が出される傾向が強いです。

試験範囲・出題数も少なく、問題集に忠実であるという特徴から簡単なのかな?と考えるかもしれませんが、そんなことはありません。

試験範囲は狭い分、深堀りしたマニアックな問題がでたり、テキストに載っていないような計算式や、多くの受験生があまり勉強してこなかったような計算式を使う問題が出されることもしばしばあります。

そして、問題数が少ない分、1問間違えた時のダメージは大きいと言えます。

難易度自体は、きんざいの方が高い傾向はありますが、問題集や過去問をひたすら解くことが苦ではないタイプの人にとっては勉強しやすい試験と言えますので、しっかり対策しましょう。

科目ごとの特徴

資産設計提案業務・個人資産相談

この科目では、個人のお客様を対象として、年金や資産運用、保険、不動産、相続などの相談に乗ることが出来る知識を問われます

多くの一般の方にとっても、馴染みが深い生活の直結した内容となるため勉強はしやすいです。

受験生の大半が、この2つのいずれかの科目を選択しているため、テキストや問題集が充実しており対策しやすいです。

生保顧客資産相談業務・損保顧客資産相談業務

この科目では、保険分野(リスク管理)からの出題が40%を占めるため、保険分野の対策が重要です。生保では生命保険や医療保険に関する問題が出題されます。それに対して、損保では地震保険・火災保険・自動車保険に関する問題が出題されます。

いずれも、保険の経理処理が出るため会計に関する知識があると有利になります。また、税に関する問題比率も他の科目に比べると高めです。

生保と損保は、保険の種類が違うだけで傾向はほぼ一緒です。しかし、損保は試験の開催が年1回しかないことから、受験者数も少なく対応テキストの数も少なくなっていますので、受験する際にはテキストや問題集は早めに準備しましょう。

中小企業主資産相談業務

この科目では、企業年金や法人税の申告書、非上場株価の計算など他の科目とは全く違う分野の問題が出題されます

普段から経営者や資産家などの方を相手として仕事をしているような人であれば馴染みやすい問題となりますが、それ以外の人は少しとっつきにくい科目です。

そのため損保同様に選択する人が非常に少なくなっており、テキストも少なく対策も行いづらいです。

ただ、FP1級の学科試験でも使える知識を習得することが出来ますので、今後FP1級の取得を考えている人にとっては、メリットがあります。

出題傾向の違いは過去問で確認できる

FP協会ときんざいの傾向の違いは、多くの人が分析しています。しかし百聞は一見にしかずです。一度ざっくりで良いので過去問に目を通してみると良いでしょう

問題集を買わなくても、FP協会ときんざいのそれぞれのホームページで過去問を見ることが出来ます

難易度が低く、多くの人が受験しているといっても、自分にとっては解きにくい試験形式もあるかもしれません。どちらが自分にとって解きやすいと感じるのか確かめてみるのも有効な作戦です。

日本FP協会公式HPで過去問をチェックする

きんざい公式HPで過去問をチェックする

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試験実施団体の選び方

悩んでいる人

これまでFP協会ときんざいの違いについて説明してきました。

それでは結局試験を受ける際はどっちの団体に申し込みをすれば良いのでしょうか。

一般的にはFP協会の方がおすすめ

先ほどの出題傾向の解説でも説明しましたが、一般的にはFP協会のほうが難易度は低い傾向があります

合格率をみてもFP協会の方が高くなっています。もちろんこれは難易度だけではなく、受験者の属性なども関係すると思われます。

しかし、実際にも多くの人がFP協会の方が解きやすいと感じていることから、難易度の差は少なからず合格率に影響しているといえます。

もし、試験団体などにこだわりなどがなく、合格を一番の目的としている人や今後AFPやCFPの取得まで考えている人は、FP協会がおすすめです

きんざいがおすすめの人

受験や期末試験などで試験慣れしている人

きんざいの方が難易度自体は高いですが、テキストの対応性という点では、FP協会よりも秀でています。試験の問題の傾向も、問題集と同じ傾向が強いです。

そのため、勉強の仕方は、受験や他の試験と同じようにとにかく問題集や過去問を繰り返し解くというのが一番です。この勉強方法が合っている人や苦ではない人なら、FP協会の試験よりもやりやすいと感じるかもしれません。

試験慣れしている方であれば、きんざいの実技試験がおすすめです。

特定分野で実務経験がある人

きんざいでは実技試験で選択出来る受験科目が4つあり、試験範囲もFP協会と比べて狭くなっています。その分内容が深く難しくなっています。

しかし、試験分野に対して事前知識を持っている人であれば、既に持っている知識を生かし少しの勉強で合格が狙えます

例えば、経営者や経営者を相手としてビジネスをしている税理士や金融機関に勤務している人であれば、中小事業主資産相談業務の試験内容は馴染みのある問題となります。

特に、生保顧客資産相談業務や損保顧客資産相談業務の科目であれば、出題範囲が4分野と狭くなっています。保険会社に勤務している人や実務経験がある人にとっては有利に進められるでしょう。

このように、何か専門的に知識のある分野を持っている人には、きんざいでの受験がおすすめです。

FP協会ときんざいの違いまとめ

FP協会ときんざいの違いまとめ
  • 実技試験の違いが勉強方法の違いに繋がる
  • FP協会の方が、きんざいより難易度が低い
  • 試験団体を選ぶ際は、自信の実務経験や事前知識の有無がポイントとなる

FP協会ときんざいの違いについて様々な側面から解説してきました!

充実した職として人気が高いFP技能士になるために必須の試験ですので、是非一度取得を検討してみてはいかがでしょうか。

試験を受験する際は、この記事で紹介したポイントを参考に自分はどの実技試験が合っているのか探してみて下さい。自分に合った科目を受験して合格をつかみとりましょう!

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