FPは食えない資格なのか?役に立たないと言われる理由や独立時の年収事情まで解説!

この記事は専門家に監修されています

ファイナンシャルプランナー

FPこう

「FPは食えない資格って本当?」

「FPを取得する必要性は高いの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

FPは金融系の資格の中でも人気が高く、毎回多くの方が受験しています。

金融リテラシーを高めることができる魅力的な資格ではありますが、「取得しても食えない」「役に立たない」と言われてしまうことがあります。

こちらの記事では、FPは食えない資格と言われてしまう理由や、独立した際の年収事情について、詳しく解説していきます!

FPは食える資格なのかざっくり説明すると

  • 幅広いお金に関する知識が身に着くため、金融リテラシーが上がる
  • 「役に立たない」「稼げない資格」という意見は誤り
  • 取得者は多いため、差別化して自分の強みを見つけることが重要
  • 独立開業も狙いやすい資格

このページにはプロモーションが含まれています

FPは食えないと言われる理由

お金を持つ人

FPは金融や資産運用に関するエキスパートであり、日常生活でも仕事においても役立つ知識を得ることができます。

取得する価値は高いFPですが、以前よりも「必要性が薄くなってしまった」いう意見や「取得しても食えない」と言われています。

名称独占資格で独占業務はない

FPは名称独占資格に過ぎず、独占業務はありません。

「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗るためには資格を保有していることが必要ですが、FPとしての仕事そのものは無資格者でも行うことができるわけです。

弁護士や税理士とは違い、独占業務は無い点は大きな弱みであることは否めません。

独占業務があれば食えるわけでもない

FPには独占業務が無い点が弱みであるとお伝えしましたが、必ずしも「独占業務がある資格=稼げる」というわけではありません。

独占業務を持つ士業でも飽和状態で仕事を得るのに苦労している方は多いため、コミュニケーション能力や営業力などのスキルも重要なのです。

つまり、営業力などのスキルを身に着けておけばFPとして活躍する場面は多くあるため、一概に「稼げない資格」と言うのは間違っています。

FP資格自体が一般的に認知されていない

FPの世間からのイメージは「何となくお金を扱ってそう」「横文字でよく分からない」というものが多く、弁護士や税理士などの資格と比べると知名度は劣ります。

また、欧米では各家庭に一人のFPが付くくらい馴染みがありますが、日本ではお金の悩みを抱えている際にFPに相談することメリットがあまり知られていません。

このように、FPの存在価値が正しく認識されていない点も、悪評が立ってしまう原因と言えるでしょう。

FP3級では仕事の役に立たない

FP資格で最も級が低いのは3級ですが、3級が評価されることはほぼありません。

仕事や就職で生きるのは2級以上であるため、この点もFP資格が正当な評価を受けていない要因とも言えます。

3級は生活に役立つお金に関する幅広い知識を浅く身に着けることができる点で優れているので、決して無駄な資格ではありません。

とはいえ、3級だけでは就職や転職で役立つことはほとんど無い点には留意しておきましょう。

FPの資格保持者が多いので希少性が低い

FPは非常に人気のある資格なので、資格保有者も多い特徴があります。

なお、過去5年度の合格者の推移は以下の表の通りです。

年度 人数
2016年度 57,951人
2017年度 67,212人
2018年度 69,534人
2019年度 76,708人
2020年度 78,242人

以上のように、FPの取得者数は年々増加していることが分かりますが、これは希少性が低下していることを意味します。

取得者が増えれば仕事の奪い合いが発生して「次第に仕事がなくなっていく」と考える方もいるため、食えない資格と言われてしまうのです。

FPに相談料や顧問料を払う文化がない

欧米ではFPに対して相談料や顧問料を支払う習慣や文化が根付いていますが、日本ではそもそもお金に関する教育がゼロに近く、FPに相談料や顧問料を払う文化があまりありません。

その結果、日本におけるFPの主な仕事は保険やサービスなど金融商品の販売となっており、手数料商売となってしまっているのが現実です。

このように、独立して自分のスキルを活かして直接報酬をもらう文化が無い点も「稼げない資格」と言われてしまう要因の一つでしょう。

FPの必要性が高い根拠

相談に乗る人

FPは食えない理由と言われてしまう理由を紹介してきましたが、実際にFPの価値は高いです。

こちらの記事で、FPの必要性が高い根拠について解説していきます。

就職・転職の際に有利になる

FP2級を取得していると、金融業界・保険業界・不動産業界での就職や転職を目指す際に有利になります。

FPの勉強を通して得ることができる金融知識は多岐に渡るので、幅広い業界で活用することができるのです。

その他の業界であっても、経理や人事の部署で知識を活用できるため、いくらでもつぶしが利く資格と言えるでしょう。

ライフプランニングに悩みを抱える人が多い

ソニー生命保険が全国1000人を対象に実施したライフプランニングに関する調査によると、75%の方がライフプランニングに不安を抱えていたことが判明しました。

日本の平均年収はなかなか伸びず、少子高齢化の影響もあり将来の年金給付にも大きな不安があります。

このような悩みを解決できるFPの認知度と重要度は近年上昇しており、お金にまつわる専門家であるFPのアドバイスを求める人が増えています。

つまり、日本の暗い将来が幸いしてFPの働き場所を増やしているので、スキルと営業力を磨くことで活躍の幅を広くすることができるのです。

高齢化によって需要が高まっていく

前述したソニー生命保険による調査によると、50代の6割近くが老後の生活設計に不安を感じています。

少子高齢化により年金制度も変化し、年金だけで安定した老後の生活を送れるかどうか不安を抱えている方は多く、ライフシミュレーションを行うことができるFPの需要は高まっています。

年金制度だけでなく社会保険制度や雇用保険制度などの公的制度に精通しているFPは様々な場面で頼られているので、今後ますますこの傾向は強まっていくでしょう。

FPの業界別の年収

お宝

FPは企業所属型と独立型とに分かれますが、それぞれで年収の目安は変わります。

なお、企業所属型では銀行や保険会社に所属し、顧客のライフプランや住宅ローンの相談に乗ることが主な業務となります。

一方で、独立型では自分の事務所を構えて個人で活動し、収益を上げていくことになります。

企業で働くFPの業界別年収一覧

企業で働くFPの場合の年収は、目安として不動産業界などの場合は650万円程度、銀行や証券業界の場合は400万円程度となっています。

なお、日本の平均年収は436万円となっているため、FPの年収は「一般水準と同程度~やや高め」と言えます。

無資格者よりも有資格者の方が顧客から信頼され、企業によっては資格手当が付いたりするメリットもあるため、資格を取得するメリットは大きいと言えるでしょう。

独立したFPの収入事情

2010年の調査の時点では、独立系FPの平均年収は300万円という結果が出ています。

FPとして独立している方の中には、現役でバリバリと稼いでいる例もあれば、主婦の方が副業的に行うものや本職を定年でリタイアされたシニアの方が週2~3程度のペースで活動しているというものも含まれています。

このような層が平均年収を大幅に引き下げているため、一見すると低年収に見えますが実際はそこまで悲観する必要はありません。

つまり、独立したFPの収入事情は一概に言うことはできず、稼いでいる方の中には1000~2000万の年収を誇る方もいます。

業務経験に比例して給料がアップする

FPが業務経験が長くなるにつれて、自分のスキルが次第に高まり顧客からの信頼を得ることができるため、給料が上がる傾向にあります。

FPは顧客との信頼関係が非常に大切な仕事であり、いくら実務能力や知識が豊富でも人柄が悪いと仕事を任せてもらえません。

長年資産運用や家計相談に関わっていくに連れて信頼度が上がっていくため、コツコツと真面目に働くことで給料アップが期待できるのです。

また、今後はスキルが高いFPが生き残っていく可能性もあるため、日々研鑽を積むことは非常に重要と言えるでしょう。

独立・開業の将来性も十分

グラフをみる女性

FP資格を生かして独立開業する方も多くいます。

こちらのトピックで、独立開業するメリットやデメリットについて解説していきます。

FPとして独立するメリット

まずはFPとして独立するメリットを確認していきましょう。

自分の好きなように働ける

独立開業することで、雇用される側の立場から抜け出すことになるので、社会人時代とは違って自分の好きな時間に好きなだけ働くことができます。

近年は働き方が多様化していることもあり、副業から始めて本格的な開業に繋げる方もいます。

高収入を目指してひたすら仕事に没頭する働き方や、また育児や家事と両立しつつコツコツと仕事をする働き方も可能なので、働き方の柔軟性が高まる点が大きな魅力と言えます。

顧客の利益を最優先にできる

企業に所属していると、仕事を進める上で顧客の利益のみならず自社の利益を考える必要があります。

金融商品や保険の営業マンの中には「ノルマが厳しくてむりやり商品を売りつけてしまった」という方も少なくありません。

独立型FPだと、様々な商品の中から本当に顧客のニーズに合ったものを提案し、お互いに気持ちよく関係を築くことができます。

自分の利益よりっも顧客の利益を最優先する仕事を続けていれば自分の評価も高まっていくので、最終的に大きなリターンとして自分に返ってくるでしょう。

稼いだ分がそのまま自分の収入に

企業に勤めていると、毎月安定した給与収入が入る点が大きなメリットです。

しかし、自分が営業で稼いだ歩合がすべて自分のものになるわけではなく、何割かは会社の利益として蓄積されることになります。

一方で、独立型だと企業在籍型と異なり、稼いだ分だけ自分の収入とすることができます。

とはいえ、営業力や提案力など、個人の能力によって収入には個人差があるため一概に「独立すればより儲かる」というわけではありません。

潜在顧客はとても多い

ソニー生命の調査によると、家計に不安を抱えている方やライフプランニングを求めている方は非常に多く、老後の生活に関して「年金だけで足りるのか」「老後2000万円の貯蓄は作れるのか」という不安を抱えている家庭は多いです。

特に、日本ではお金に関する教養を身に着ける機会が少ないため、総じて金融リテラシーが低いと言われています。

潜在顧客が多いことを考えると、FPが活躍できる場面はますます増えていくと言えるでしょう。

集客力が鍵

自分のスキルが十分に有っても、集客できなければ儲けることはできず、宝の持ち腐れになっていしまいます。

近年ではSNSを活用した広告や集客が主流となっており、twitterやinstagramなどのSNSを積極的に活用し認知度を上げる営業力が重要と言えるでしょう。

また、相談予約や申し込みを受け付ける際にはメルマガやLINEを活用する方法もあります。

また、インターネットが普及した現代においても、実際に対面で相談がしたい方(特にシニア)も多くいるため、お金に関するセミナーなどを通して集客を行う手法も有効です。

ターゲットとなる年代層を設定する

年代によってお金に関する悩みは違い、また家庭状況によっても抱えている悩みは違います。

具体的に見てみると、各年代の抱えている主な悩みは以下の鳥です。

年代 よくある悩み
20代 今後の人生プランを考える際に貯蓄や保険のことがよくわからない
30代 教育資金や住宅資金などで出費が増えるため、対策をしたい
40代 教育資金や親の介護費用が発生し、家計のバランスの見直しがしたい
50代 リタイアが近づいてきて、年金の給付や何歳まで働くかの悩みが発生する

なお、一般的に自分と近い年齢層の方が相談者の境遇を理解しやすいと言われています。

そのため、自分が得意とする年代のライフプランニングやよくある悩みを把握することで、効率良く集客できるようになるでしょう。

今後需要の高いFPになるために必要なこと

時計

FPの需要は常にありますが、自分自身での努力も怠ってはいけません。

こちらの記事では、様々な場面で求められ、需要の高いFPになるために必要なポイントについて解説していきます。

コンサルティング力を身につける

お金に関する悩みを持っている顧客をサポートし、安心させてあげることがFPの重要な仕事です。

顧客を安心させるためには、専門知識を持っているのはもちろんのこと、顧客の悩みに親身に寄り添いながら柔軟なアドバイスができる人間性も求められます。

顧客が「この人なら安心して相談できる」と思ってくれれば、それはFPとして認められた証拠に他なりません。

このようなコンサルティング力は多くの実戦経験を積むことで鍛えられるので、常に意識して仕事に向き合いましょう。

プラスアルファの能力で需要を高める

単にFPの資格を持っているだけでなく、併せて別の知識やスキルを身につけることで、さらに需要のある人材になることができるでしょう。

ダブルライセンスがおすすめ

FPは金融に関する知識を幅広く学ぶため、相性の良い資格は多くあります。

例えば、税理士・公認会計士・不動産鑑定士・宅建士などとのダブルライセンスを実現できれば自分の価値を高めて専門性を磨くことができるため、仕事が安定するでしょう。

これらの資格の取得が難しい場合は、簿記や証券アナリストなど、投資や資産運用に関わる知識を取得すると良いでしょう。

近年は投資に関心を持つ方が増えているため、投資に関する豊富な知識を持っていることで活躍の場を増やすことができるでしょう。

幅広いスキルを身につけよう

単に知識を持っているというだけでなく、営業力を鍛えたり幅広い人脈を築くことも、集客をする上で重要です。

また、SNSを使った広報の方法を習得しておけば、FPとしてかなり有利になるでしょう。

近年ではユーチューバーとして投資助言などを行う方も増えているため、動画編集スキルなどを身に着けておくことも有効です。

結局FPは目指すべき?

年金財源の弱体化や投資や資産運用の重要性が高まっていくであろう近年において、今はまさにFPを目指すべき絶好のタイミングと言えます。

また、スモールM&A・成年後見・相続の生前対策などといったFPの活躍領域はすさまじいスピードで広がっているため、時代の流れに適応するためにもニュースや時事に敏感になっておく必要があるでしょう。

時代のニーズに合わせて必要なスキルを磨くことで、多くの場面で頼れるFPになれるはずです。

結局のところ、高度な専門性と世間からの強い信頼を得られるFP取得者は、常に普遍的な価値を持っています。

他者の役に立つことはもちろん、自分の生活にも役立つ知識を高いレベルで習得できるため、取得を目指す価値は十分に有ると言えるのです。

自分のためにお金の勉強をしよう

自身のライフプランニングの設計だけでなく、FPの勉強を通して年金・健康保険などの社会制度や税金などの人生で大切な知識を習得することができます。

また、資産運用の方法や相続対策など「一般の方にはなじみが無いが、人生で非常に重要なこと」も学べるため、FPの勉強は非常に有意義なのです。

また、仕事として食っていけるレベルの知識を習得できれば「いつ、どのような状況になっても働くことができるスキル」を身に着けたことになります。

このようなスキルは「生涯現役社会」を生き抜く上で最強の武器になるので、興味がある方はぜひFPの取得を目指すべきでしょう。

FPは食えるのかまとめ

FPの需要まとめ

  • 日本人は総じて金融リテラシーが低いので、FPが頼られる場面は多い
  • 必要性は常に高く、活躍の場も多い
  • 少子高齢化が進む日本においては、頼られる存在と言える
  • 高い営業スキルがあれば、独立しても高年収を狙える

FPは「食えない資格」と言われることもありますが、実際にはそんなことはありません。

今後の日本の生きていく上では欠かせない知識を持つことができるため、多くの場面で頼れらるはずです。

悪評に踊らされることなく、将来のビジョンをイメージしながらFPの勉強に励んでください!

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1