CFAってどんな資格?難易度・試験範囲・勉強のコツまで全て解説!

CFAってどんな資格なんだろう?

と疑問に思っている方もいるでしょう。

CFAは世界的に通用する金融の資格ですが、日本ではマイナーなため知らない人も多いはずです。

今回はCFAがどんな資格なのかについて、難易度や試験範囲、勉強のコツなどを詳しく解説します。

これを読めばCFAに関する概要が理解できるでしょう。

CFA(米国証券アナリスト)についてざっくり説明すると

  • 金融業界の「グローバルパスポート」
  • CFAの平均年収は1,900万円
  • おすすめの勉強方法は問題演習の反復

CFAってどんな資格?

黒板にはてな はじめに、CFAとはどんな資格なのか、どのような特徴があるのかを解説します。

CFAとは

CFAは、Chartered Financial Analyst®略称で、「米国証券アナリスト」を意味する資格です。

CFAは、金融や投資の分野においてグローバルに認知されており、全世界で通用する資格と言えます。金融業界の「グローバル・パスポート」と呼ばれ、世界の金融業界において非常に高い権威性を誇る資格です。

実際、グローバルな金融機関にはチャーターホルダーと呼ばれるCFA保有者が多数在籍しています。

そのため資産運用部門やアナリスト部門では半ば必須となる資格です。

近年はアジア圏の受験者も増加しています。

CFAは国際的な資格!

CFAは米国バージニア州に本部を置く、CFA Institute(CFA協会)によって実施される認定試験です。

CFA協会のメンバーは全世界73か国、147地域に16万人以上存在します。

国際的な投資プロフェッショナルの資格であり、難関であることから信頼性がかなり高い資格でもあります。

試験は世界約90ヶ国で実施されており、東京もそのうちの一つです。

日本人のCFA資格保有者は1,300人であるため、国内では希少性が高い資格だと言えます。

CFAになるためには

パンフレットを読む女 国際的に高い価値があり、日本では保有者が少ないCFAになるためには何をすれば良いのか、詳しく解説します。

CFA資格保持者にある高い信頼性

CFA(米国証券アナリスト)を取得すれば、その時点で金融のプロフェッショナルを語ることができるでしょう。

しかしCFAの意義は、資格保有者のレベルの高さを示すことに止まりません。

CFAを多く雇用している企業は、企業としての信頼度が上がります。例えば、CFAが多数在籍するのは以下のような企業です。

  • バンクオブアメリカ

  • シティグループ

  • ゴールドマンサックス

  • HSBC(香港上海銀行)

  • JPモルガン・チェース

  • RBC(カナダロイヤル銀行)

CFA資格認定試験の受験資格

CFAの資格認定試験の受験資格は以下の3つです。いずれかに該当すれば受験できます。

  1. 4年制大学卒業以上もしくは卒業見込み( 受験時に大学卒である必要は無い)

  2. 4年間の実務経験(投資関連業務でなくても可能)

  3. 職務経験(インターンシップやパートタイムは除く)と大学在籍期間の合計が4年

CFA資格認定試験は3段階

CFA資格にはLevel1〜3の3段階が存在します。レベルが上がるごとにより専門的な知識が問われるようになります。

下のレベルに合格することで次のレベルの受験が可能です。

Level1は年に2回ですが、Level2と3の試験は年に一度しか行われません。そのため順当に合格しても2年半以上かかる計算です。

CFA資格の取得条件

CFA資格を取得するには以下の4つの条件を満たさなければいけません。

  1. 投資分析関連で4年にわたる実務経験

  2. CFA Instituteの正会員(regular member)となる

  3. CFA Instituteが規定する倫理規範と職務行為基準を遵守する誓約書に署名

  4. CFA資格認定試験のLevel1~3全てに合格すること

CFA資格取得の就職・転職・平均年収

お札の山 難易度の高い試験に加え、4年の実務経験が必要なCFAですが、就職や転職、収入の事情はどうなっているのでしょうか。

CFAを取ることで就職・転職に繋がる

CFA(米国証券アナリスト)の主な勤め先は、銀行や資産運用会社、コンサルティング会社などです。

銀行は実績が少なくても就職・転職しやすい職場だと言えます。

資産運用会社やコンサルティング会社は実績がある方が有利で、実績のあるCFAは歓迎される職場です。

CFAは世界の金融業界で広く認知されており、外資系の証券会社や資産運用会社などへの就職・転職には大いに有効です。

CFA資格が評価される理由としては、「投資に関する専門知識」「英語スキル」「世界的知名度の高さ」の3つが挙げられます。

ただし、証券会社や資産運用会社では資格よりも実務経験が評価される傾向があることも事実です。

CFAの平均年収はどれくらい?

2016年のデータによると、CFA保有者の年収は$96,110〜$274,000とされています。

つまり$1=¥110とすると、年収1,057万円〜3,014万円です。

平均すると年収1,900万円であり、かなり高額な年収だと言えます。

これは日本人の平均年収の5倍程度であり、また日本の証券アナリストの平均収入よりも格段に高い数字です。

ちなみに証券アナリストの平均年収は600〜700万円とされています。

CFAの難易度

新聞を読む男性 平均年収は1,900万円と夢のあるCFA(米国証券アナリスト)ですが、試験の難易度はどの程度なのでしょうか。

CFAの試験範囲

CFAの試験にはLevel1〜3までが存在しますが、各レベルの詳細は以下の通りです。

試験科目 日本語訳 Level1 Level2 Level3
Ethical and Professional Standards 職業倫理 15~20% 10-15% 10-15%
Quantitative Methods 計算分析手法 8~12% 5-10%※ 0%
Economics 経済 8~12% 5-10% 5-10%
Financial Reporting and Analysis 財務報告および分析 13~17% 10-15% 0%
Corporate Finance コーポレート・ファイナンス 8~12% 5-10% 0%
Equity Investments 株式投資 10~12% 10-15% 10-15%
Fixed Income 債券 10~12% 10-15% 15-20%
Derivatives デリバティブ 5~8% 5-10% 5-10%
Alternative Investments オルタナテイブ投資 5~8% 5-10% 5-10%
Portfolio Management and Wealth Planning ポートフォリオ・マネジメント、ウェルス・プラニング 5~8% ※5-15% 35-40%
Total 合計 100% 100% 100%

※FinTechの学習範囲を含む

CFA試験で求められる英語力と試験の出題方式

CFA試験では英語力も必要ですが、求められる水準は各レベルで異なります。

試験の出題形式はLevel1とLevel2がマークシート方式、Level3がマークシート方式と論述式の複合です。

求められる英語力と出題形式に関する詳細は以下のようになります。

求められる英語力 試験形式
Level1 専門用語の理解力、短い文章の読解力 マークシート(multiple choice)
Level2 専門用語の理解力、長い文章の読解力 マークシート(item set)
Level3 長い文章の読解力、短い文章の記述力 論述式:50%、マークシート(item set):50%

CFAの合格率・勉強時間はどのくらい?

CFA試験の合格率は以下の通りです。

合格率 受験日
Level1 41% 2019年6月
Level1 42% 2019年12月
Level2 44% 2019年12月
Level3 56% 2019年12月

CFAの勉強時間は、各レベルで250〜300時間が必要だとされています。

全レベルを合格するまでに平均で4年を要すると言われる試験です。

CFAの勉強法 

ノートにメモ書き CFAに向けて効率よく勉強するためには、いくつかのポイントが存在します。

CFAの勉強法のポイントは?

CFAを勉強するポイントは以下の3つです。

問題演習を繰り返し行う

他の資格試験同様、CFAでも演習量が合格の鍵を握ります。

公式から入手できる教材に加え、米国各社がスタディ・ノートと呼ばれる参考書を出版しているためそれらを用いると良いでしょう。

もちろん日本語で書かれた参考書も出版されているので、そちらでも大丈夫です。

模擬試験としてCFA協会公認のMock Examを利用すると良い

模擬試験を行う場合は、Mock Examがおすすめです。これはCFAが試験本番に似せて作った教材になります。公式HPよりアクセス可能です。

また同じページにPractice Question(練習問題)も公開されているためそちらを利用するのも良いでしょう。

どちらも利用にはログインが必要です。

関数電卓の使い方をマスターする

CFAの試験では、CFA協会指定の電卓しか使用することができません。よってその使用に慣れておく必要があります。

CFA協会によって指定されている電卓は以下の通りです。

  • Hewlett-Packard社製:HP-12CおよびHP-12Cシリーズ

  • Texas Instruments社製:BAII PlusもしくはBAII Plus Professional

おすすめのテキストは「Schweser(スウェイザー)」

CFAを勉強する場合のおすすめテキストは{primary}(「Schweser(スウェイザー)」)です。

多くの受験者が使用しているので、情報の連携にも便利なテキストになります。

先述したスタディ・ノートの一種です。

過去問は一部存在する

CFAの過去問は、記述式のみCFA協会のHPに掲載されています。

一方でマークシート式の過去問の公開はありません。

論述式はLevel3の半分でしか出題されないため、過去問演習を勉強の中心とすることは難しいでしょう。

CFAと証券アナリスト(CMA)との違い

赤いはてな 日本にも証券アナリスト(CMA)という資格が存在しますが、CFA(米国証券アナリスト)とCMA(日本証券アナリスト)はどのように違うのでしょうか。

証券アナリスト(CMA)とは

証券アナリスト(CMA)は証券投資に関する金融のプロフェッショナルに与えられる資格です。

高度な専門知識を応用し、金融・資本市場を分析・評価したり、投資助言や投資管理サービスを提供します。

CMAの主催団体は、公益社団法人日本証券アナリスト協会です。

第1次試験と第2次試験に合格し、3年の実務経験のある者がCMAとして認められます。

証券アナリスト(CMA)の合格率

証券アナリスト(CMA)には、第1次試験と第2次試験があります。

第1次試験の合格率は50%前後で、第2次試験の合格率は45%前後です。

2019年の第1次試験(春と秋の2回)だけでも2,971名の合格者を出しており、少なくとも{primary}(日本では証券アナリストの方がCFAよりもメジャーな資格)であることが分かります。

金融機関や証券会社の社員はCMAを持っている

日本の金融機関や証券会社から多くの合格者が出ていることもCMAの特徴です。

2019年の第1次試験では、金融機関ではみずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行、証券会社は野村證券や大和証券が100名以上の合格者を出しています。

CMAになるには

証券アナリストになるには、第1次試験と第2次試験を突破しなければなりませんが、各試験の前には日本証券アナリスト協会が主催する通信講座を受講する必要があります。

それぞれの試験の前に第1次レベル講座と第2次レベル講座を受講しなければならず、さらに3年の実務経験を要することから、取得までにやや時間のかかる資格です。

CFAとCMAの相違点

CFAとCMAはどちらも証券アナリストの試験なので似ている部分もありますが、相違点も多いです。

以下が両者の特徴を比較してものになります。

CFA(米国証券アナリスト) CMA(日本証券アナリスト)
試験の頻度 英語 日本語
試験範囲の変更頻度 CMAより多い CFAよりは少ない
過去問題 マークシート式問題は公開されていない 全て公開されている

CMAは過去問が全て公開されているのに対し、CFAは大半の過去問が非公開です。そのため対策のしやすさに違いがあります。

また対策範囲もCFAの方が圧倒的に広く、難易度もCFAの方が高いです。

CFAと海外MBAの違い

2つのぬいぐるみ 海外の金融機関に重要視される称号としてMBAがあります。MBAもCFA同様、金融機関で採用の条件になることがありますが、両者の違いはどういったところにあるのでしょうか。

MBAとは何か

MBAはMaster of Business Administrationの略で、経営学修士のことを指します。つまりMBAは日本においては、大学院を卒業することで得られる学位 のことです。

海外ではビジネススクールに通うことでMBAを取得できます。

ビジネススクールに通って海外MBAを取得する場合、学士レベルの学歴(大学卒業)が必要です。また実務経験が求められることが多く、一般に3年程度の職歴を要します。それらの点では海外MBAとCFAは似ています。

また英語力が求められるという点でもMBAとCFAは同じです。

CFAと海外MBAの相違点

CFAと海外MBAの最大の違いは、MBAはキャリアを中断しないといけない点です。ビジネススクールに通うことになるので、当然フルタイムで働くことはできません。

また日本から取得を目指すのであれば留学することになるでしょう。そのため費用も高くなります。

働きながら勉強して、東京で1日試験を受ければ取得できるCFAとは大きな違いです。

さらにビジネススクールでは、金融以外にもマーケティングや戦略思考など、企業経営に関する多くのことを学びます。

一方でCFAはあくまでも金融、投資業界に焦点を絞った資格です。

CFAの試験日程・会場・申し込み方法

文字を書く人 ここからはCFAを受験するのに必要となる基本情報をまとめます。

CFAの基本情報は2021年度に大きく変更

CFAの資格試験は、昨今の事情を踏まえて2021年度から実施方式が試験回数・方式の2つの面で大きく変更されます。

試験回数の面から見ると、今年度まではLevel1の試験は年に2回、6月と12月の実施され、Level2と3は、年に1回、6月に試験が開催されています。

しかし、2021年度からはLevel1の試験は倍の4回に、Level2.3は2回へと増えていくので、受験を検討している人は最新の情報を押さえておきましょう。

また、試験方式の観点から見ると、来年度から3つのレベルすべてでコンピュータ方式での受験に移行します。来年度からは鉛筆と紙を使った試験ではなくなるのです。

これにより、「世界各国が講じた公衆衛生関連措置に照らし、可能な場所ならどこでも」受験することができます。

しかし、自宅受験ではなく、これまで同様に試験会場に行く必要がある点には注意が必要です。

また、この会場の決まりが変更されたことにより、試験日の指定もなくなり、10日間の日程の中から好きな日を選んで受験できるようになりました。

よって、より柔軟な試験日程を組めるようになったという点から受験者側へのメリットは大きいといえるでしょう。

試験にはパスポートが必須であり、先述したCFA協会指定の関数電卓を持ち込むことができます。

試験は午前9〜12時までの3時間、午後14〜7時の3時間に分けて行われるため、1日を要する試験です。

CFAの受験料

CFAでは、Level1を受験する際に登録料が必要です。また受験料は申し込み時期によって異なります。

時期によっては2倍近く差があるので、早めの申し込みがおすすめです。

以下が時期別の受験料の詳細になります。

早期申込(10月〜) 通常申込(2月〜) 最終申込(3月〜)
受験料 $700 $1,000 $1,450
日本円換算($1=¥110) 約¥77,000 約¥110,000 約¥159,000

CFAに必要な英語力

遠くを見つめる少年 CFAは国内資格ではないため、英語力が必要です。一体どのくらいの英語力が必要なのでしょうか。

ファイナンス用語をしっかり覚えれば大丈夫

前提として理解すべきなのは、CFAはあくまでファイナンスに関する力が試されるのであって、英語力を測る試験ではないということです。

英語のネイティブスピーカーであっても多数の不合格者がいます。

基本的には教科書に載っている単語と文章が理解できていれば英語力としては問題ありません。TOEICやTOEFLのように分からない単語やイディオムが登場する可能性は低いです。

基本は数字と英語の組み合わせ、英文読解試験ではない

純粋な英文読解は「職業倫理」の部分などに限られ、後の問題は数字と英語の組み合わせになります。

基本的な英語力さえあれば、点数は自身のファイナンス力次第でどうにでもなるでしょう。

TOEIC7割程度の英語力で問題ない

英語力の目安として、TOEICで700点前後得点できる人であれば、英語の面でつまずくことは特にないでしょう。

分野が金融に限定されるため、教科書や問題演習を通してその分野の読解力は自然と上がります。そのためあまり心配しなくても良いでしょう。

Level1とLevel2を通して英語力は身に付く

CFAはLevel3の半分を除いては、全てマークシート方式です。そのためリーディング力さえあれば、大方は問題ないでしょう。

また論述に関しても、Level1とLevel2の勉強や試験を通して英語力は向上していくため、Level3にたどり着く頃には、ある程度取り組める状態になっているはずです。

さらに論述と言っても、英語で素晴らしい名文を書けというわけではありません。要点をまとめて箇条書きできれば十分です。そのため簡単な構文さえ使えれば、得点することができます。

CFA(米国証券アナリスト)まとめ

CFA(米国証券アナリスト)まとめ

  • CFAは世界的に通用する金融の資格
  • 日本の証券アナリストの倍以上の収入
  • 問題演習を繰り返し、指定の電卓に慣れることも重要

CFA(米国証券アナリスト)について詳しく解説しました。

CFAは日本だけではなく世界に通用する資格のため、キャリアアップに有効でしょう。日本ではまだ合格者の少ない資格なので、ぜひ挑戦してみてください。

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