ビジネス会計検定の過去問は?過去問の効果的な使い方から入手法まで全て解説!
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「ビジネス会計検定試験ってどのような資格なの?」
「ビジネス会計検定試験の難易度や合格率はどのような感じなの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
ビジネス会計検定試験は様々な人のスキルアップに役立つ資格であり、社会人や経営者のみならず学生の人の受験も多いです。
貸借対照表などの企業の決算資料の読解ができるようになるため、多くの場面で役立つ資格です。
こちらの記事では、ビジネス会計検定試験の合格率の試験データや合格までに必要な勉強時間について解説していきます!
ビジネス会計検定試験の過去問活用法についてざっくり説明すると
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間違えた過去問の活用法を行わないように注意が必要
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単なる答え合わせだけで終わらせてはいけない
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出題傾向や頻出論点も把握すると良い
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オススメのテキストや過去問題集を紹介するので、ぜひ活用してほしい
会計ビジネス検定試験で過去問演習が最も効果的
ビジネス会計検定試験の合格を目指すときに、過去問を軽視しているとなかなか合格できる学力を身に着けることはできません。
正しく過去問を活用することが合格への近道です。
間違った過去問の利用法
まず、やってはいけない間違った過去問の利用法を紹介します。
特に多い間違った活用法は2パターンあり、
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過去問を試験前の腕試しとして1回だけ解く
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過去問を頻出問題などのポイントを意識せずに漫然と解く
この2つが特にやりがちなパターンです。
大学受験等では、このような過去問の使い方をすることが多いため、その経験に基づいて多くの人がビジネス会計検定試験でもこのような過去問の使い方をしてしまっています。
しかし、ビジネス会計検定試験の対策においては過去問の類似問題の出題が多いことから入試や学校のテストの時と比べて圧倒的に過去問の活用法が大事になります。
ただ漫然と「過去問は大事なんだな」と理解するだけでなく、具体的な勉強法に落とし込んでしっかりと活用していかなければなりません。
”間違った問題”を大切にしよう
過去問はインプットして身に着けた知識を応用するための活用法だけでなく、そもそも知識を身に着けるための教材でもあります。
テキストを読み込むだけのインプット作業よりも、過去問も併せて活用した場合の方が極めて効率的に基礎知識を身に着けることができるため、積極的に過去問は活用していきましょう。
逆に、過去問に出てこない内容に関しては頻出論点ではないため、ほとんど勉強する必要はないことに気付けます。
間違えた理由を明確に!
過去問を有効活用するためにも、漫然と解くだけでなく間違えてしまった問題をしっかりと復習しましょう。
「過去問を解いても本番の試験の問題で全く歯が立たない」というような経験をする人は、過去問をうまく活用できていない人です。
このような人は過去問を用いて勉強をする際に「理解していたわけではなく、たまたま正解できた」「同じ問題を解いているため正解の選択肢が何番かを覚えていた」という場合が多く、これでは内容を理解できないのは当然です。
過去問に取り組む際には、正解の選択肢が正解である理由だけではなく、誤っている選択肢のどの点が誤っているのかの根拠まで説明できるレベルまで過去問をやりこみましょう。
試験の傾向を探ろう!
本番の試験では、過去問と似た問題は出ても全く同じような問題が出題されることは稀です。
そのため、過去問の丸暗記だけでは受かることはできないため、過去問を様々な角度から見てみましょう。
また、頻出論点や重要論点というものは確実に存在しているため、それらを重点的に対策すると良いでしょう。
過去問で問われた趣旨や論点が、本試験でちょっと切り口を変えて出題されるケースは非常に多いため、過去問を解きまくってしっかりと解説を読み込むことが合格への一番の近道なのです。
会計ビジネス検定試験の過去問はどこで手に入る?
項目別問題集と過去問を兼ね備えた過去問題集が存在!
中央経済社から「ビジネス会計検定試験公式過去問題集」が刊行されており、この教材は非常にオススメです。
この問題集は過去の出題を基にしながら、公式テキストの構成に沿って問題を作成しているため、勉強に取り組みやすい特徴があります。
また、近年の過去問がそのまま掲載されているため、試験前には本試験と同様に時間を計りながら本番を想定して取り組むことも可能です。
全国の書店やネットショッピングで手に入れることができるため、ぜひ探してみてください。
「ビジネス会計検定試験公式過去問題集」を手に入れよう
2020年3月現在、「過去問題集3級(第4版)」「過去問題集2級(第4版)」「過去問題集1級(第3版)」が刊行されており、これらの問題集も有効活用すると良いでしょう。
以下で問題集の特徴についてそれぞれ解説します。
- 「過去問題集3級(第4版)」
価格は1,600円+税で、2019年4月に発行されました。
第17回~第22回の問題を中心に主要問題を項目ごとで掲載しているため、出題範囲のほとんどはカバーできるでしょう。
さらに、第20回試験と第22回試験をそのまま収録しているため、本番前の腕試しとして活用することも可能です。
- 「過去問題集2級(第4版))」
価格は1,800円+税で、2018年9月に発行されました。
こちらも、3級と同様に第17回~第22回の問題を中心に主要問題を項目ごとで掲載しています。
こちらは、第19回試験と第22回試験をそのまま収録しているため、腕試しで活用できます。
- 「過去問題集1級(第3版))」
価格は2,400円+税で、2019年9月に発行されました。
こちらは第20回試験と第22回試験と第24回試験の計3回分の問題と解説を収録しています。
公式テキストと併せて勉強しよう
中央経済社刊行の「ビジネス会計公式テキスト」(1~3級)は、ビジネス会計検定の試験問題に準拠しているため、本試験レベルの学力を身に着けるのに最適です。
2級と3級は難問や奇問が少なく基本的な問題が多く出るため、取るべき問題をしっかりと取れば合格できます。
公式テキストを最低3回は読み込んで、過去問に着手すればスムーズに勉強が進むでしょう。
会計に関する事前知識が無く初学の場合は、まずテキストを流し読みして全体像を把握することに努めましょう。
全体像を理解してから細かい論点を見ていくほうが効率的です。
また、ビジネス会計公式テキストは前述した公式問題集とリンクしているため、併せて勉強すると良いでしょう。
「ビジネス会計検定試験公式テキスト」
では、ビジネス会計公式テキストの細かい紹介をしていきます。
- 「ビジネス会計検定試験公式テキスト3級(第4版)」
価格は1,600円+税で、2019年4月に発行されました。
掲載されている論点は以下の通りです。
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財務諸表とは
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貸借対照表
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損益計算書
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キャッシュ・フロー計算書
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財務諸表分析
- 「ビジネス会計検定試験公式テキスト2級(第4版)」
価格は2,000円+税で、2016年4月に発行されました。
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企業会計の意義と制度
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財務諸表
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貸借対照表
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損益計算書
5.連結包括利益計算書
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株主資本等変動計算書
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連結キャッシュ・フロー計算書い
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附属明細表と注記
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財務諸表分析
3級が5項目であるのに対して2級は9項目あるため、かなり難易度が上がっていることが分かります。
- 「ビジネス会計検定試験公式テキスト1級」
価格は3,200円+税で、2018年9月な発行されました。
掲載されている論点は以下の通りです。
- ディスクロージャー
2.財務諸表と計算書類
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財務諸表項目の要点
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財務諸表の作成原理
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財務諸表分析
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企業価値分析
過去問を効果的に使う6つのポイント
過去問は、最良の教材であるため、使う時期とともに「使い方」が非常に重要です。
使い方を誤ってしまうと合格は遠のいてしまうため、注意が必要です。
①テキストを精読する必要は無い!
過去問をスタートさせる時期はなるべく早いほうが良いため、参考書を一通り読んだらすぐに取りかかってみましょう。
その理由としては、早い段階で過去問を経験しておくことで問題の切り口や問題にされやすい部分が把握できようになるからです。
出題のされ方に合わせてテキストを読み進めていくことができるため、勉強の日程を考えるときはテキストとほぼ同時進行で進めるイメージで過去問に着手すると良いでしょう。
また、簿記などの勉強経験があり会計に関する事前知識がある場合、いきなり問題演習からはじめても良いでしょう。
これにより、簿記の知識だけでは足りない部分や、ビジネス会計検定試験の全体像・苦手部分を把握でき、効率的に勉強することができます。
②テーマごとに一気に学習しよう
テキストを読み終えてすぐに取り組むべきことは、テーマごとに過去問が分類されている体系別過去問を使ったアウトプットです。
その理由としては、一つの科目をまとめて勉強することで効率良く知識を定着させることができるからです。
また、演習を通じて同じ論点に関して様々な聞き方の問題を解いていくことで応用力が付いていきます。
テキストでは見落としていた箇所やインプットが甘くて理解できていなかった論点が浮き彫りになり、苦手を潰すのにも役立ちます。
先ほど紹介した「ビジネス会計検定試験公式過去問題集」は体系別で問題が記載されているため、非常に使いやすい教材となっているため、ぜひ活用しましょう。
③直近の過去問は仕上げとして用いよう
最後の仕上げとして、問題が年度別にまとまっている年度別過去問を使うのをオススメします。
その際に、過去問演習はまず古い年度のものから取り掛かると良いでしょう。
できれば直近の問題は、試験の直前期に模試のような形で本番同様に解くために使用しましょう。
上記紹介した「ビジネス会計検定試験公式過去問題集」は、過去問がそのまま収録されているため有効活用しやすい教材です。
また、問題の難易度や出題の傾向を把握するためにはできるだけ長い年度さかのぼって過去問を解くことが重要です。
多くの過去問に触れることで実践力や初見の問題にも対応できる応用力が身に着いていくため、「長い年度さかのぼり、何回もしつこく解く」ことを心掛けましょう。
④問題を解いたあと、すぐ添削しない!
問題を解いてすぐに答え合わせをするのではなく、疑問に思った問題や自信を持って答えを選べなかった問題に戻って正誤を調べると良いでしょう。
自信を持って選べなかった問題は、いわゆる「理解できていない論点」「インプットが甘い論点」です。
そこで、答え合わせ前に一度テキストに戻って読み直すことで、インプットが甘かった部分などが把握でき、次回以降の演習に生かすことができます。
また、問題でテーマとされていた部分を読み直した上で自分で正解・不正解をもう一度考え直してみることで周辺知識も身に着けることができるため、多くのメリットがあるのです。
自分の現状を把握し、自発的に調べることで選択肢の正誤を見極める力が格段に伸びるため実力も伸びやすいのです。
⑤正解率は気にしなくてよい
過去問を解き始めると、その時の正解率や実力が合格ラインに達しているかどうか気になってしまうものです。
その時点での実力を把握することはとても重要なことですが、過去問と全く同じ問題が出題されない以上は、その時点の正解率を気にして一喜一憂するのは無意味です。
また、仮に合格点に届いていないことが判明してモチベーションを失ってしまうと本末転倒なので、あまり気にしないようにしましょう。
あくまでも、過去問は「自分の得意分野と不得意分野を見極める」「どの科目ができていないかを把握する」ためのツールです。
そのため、あくまでも指標として使い、勉強の方針を決めるために用いるようにしましょう。
⑥3周以上を心がけよう
過去問に取り組んだ後は、問題の横に取り組んだ日付と正解・不正解を○×でメモしておくと後々役に立ちます。
このように記録を残しておくことで復習のペースがつかみやすくなったり、自分の間違えた問題=要復習分野がすぐに把握できるようになるメリットがあります。
要復習分野は力を入れて勉強して、本番では同じような間違いをしないように気を付けなければなりません。
間違いが多いとモチベーションを失ってしまうことがあるかもしれませんが、しっかりと現実と向き合って丁寧に勉強しましょう。
勉強を進めていくと、知識があるが故の誤答なども出てくるため、間違えた理由などもしっかりと押さえましょう。
過去問は最低でも3周はこなすようにして、同じミスをしないように気を付けながら知識の定着度を高めていきましょう。
ビジネス会計検定試験1級について
ビジネス会計検定試験の最高ランクである1級は、かなり難易度が高くハイレベルな知識が求められます。
ビジネス会計検定試験のホームページによると、1級取得者に求められるレベルは 「企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解・判断するため、財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる力を身につける」ことです。
1級にもなると、会計基準や内部統制など勉強するべき内容も多岐に渡るため、2級よりも圧倒的に難易度は上がります。
また、財務諸表分析や企業価値分析も学ぶことになるため、合格までに必要な勉強時間は500時間程度と言われています。
500時間の勉強をこなすためには6~10ヶ月ほどの勉強期間になるため、勉強日程やスケジュールをしっかりと立てる必要があります。
ビジネス会計検定1級の合格率は20%前後で推移しており、かなり難易度が高い試験であることがわかります。
また、1級試験は1年1回しか行われないためできる一発で合格できなければもう一年勉強をしなければなりません。
さらに、1級の受験料は11000円とかなり高額なため、無駄な出費を抑える意味でも一発合格を目指しましょう。
ビジネス会計検定試験の過去問活用法のまとめ
ビジネス会計検定試験の過去問活用法のまとめ
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自分が間違えた過去問活用法を行っていないか、たまに省みると良い
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間違えた問題は徹底的に復習して、同じミスをしないように気を付けよう
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頻出論点や問題は徹底的に行い、どのような切り口で出題されても対応できるようにしよう
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最低でも3周はこなして、知識の定着をしっかりと図ろう
ビジネス会計検定試験は、過去問の活用法が非常に重要であることをお伝えしてきました。
過去問題と全く同じ問題が出てくることはほぼありませんが、似た問題や切り口が少しだけ違うだけの問題は多く出てくるため、過去問をこなしておけばすぐに対応できるようになります。
また、1級にもなると勉強は長期間に及ぶため、勉強の日程をしっかりと組んで効率的な勉強を意識するようにしてください。
取得できれば様々なメリットがあり、幅広いフィールドで活躍できる資格なので、ぜひ積極的に取得を検討してみてください!