貸金業務取扱主任者の合格点は試験ごとに違うって本当?勉強のコツまで全て解説!

「貸金業務取扱主任者試験の合格ラインはどのくらい?」

「貸金業務取扱主任者試験の合格点を取るためにはどのような勉強法をするべき?」

このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

貸金業務取扱主任者はかなり難易度が高く、容易に合格できる試験ではありません。

しかし、効率的な勉強法を行えば合格ラインを突破することができます。

こちらの記事では、貸金業務取扱主任者試験の合格率や難易度、勉強法について解説していきます!

貸金業務取扱主任者の合格ラインについてざっくり説明すると

  • 6割程度の得点が例年の合格ライン
  • 7割の得点ができれば安全圏
  • 合格率は30%程度で推移している
  • 試験日や合格発表の日程などはよく確認しておくと良い

貸金業務取扱主任者の合格点は何点?

黒板の画像

貸金業務取扱主任者試験の合格点は毎年異なるので要注意!

貸金業務取扱主任者試験の合格点は固定されておらず、毎年微妙に違うため注意が必要です。

なお、試験の合格ラインは毎回試験実施後に決められており、例年50点満点中30~35点で推移しています。

つまり、7割の得点ができればほとんど安全圏と言えるため、普段の勉強では8割ほどの得点を目指すイメージで進めれば合格できる学力が身に着くでしょう。

貸金業務取扱主任者試験の合格率は約30%!

貸金業務取扱主任者の合格率は約30% と低い数値になっています。

つまり、3人に1人程度しか合格することができない計算なので試験の難易度は高い方であると言えるでしょう。

ただし、貸金業務取扱主任者と同じく、法律で事務所に必置となっている宅地建物取引士や管理業務主任者に比べると難易度は優しいです。

宅地建物取引主任士の合格率が15%程度、管理業務主任者の合格率が10%をやや下回る程度であることを考えると、取得しやすいと言えます。

つまり、貸金業務取扱主任者は国家資格の中ではそれほど難しい試験ではありません。

近年の合格点、合格率一覧

ここで、直近6年分の試験の結果データを紹介します。

実施回 実施年 合格率 合格基準点 合格ライン
第15回試験 2020年 33.9% 33点 66%
第14回試験 2019年 30.0% 29点 58%
第13回試験 2018年 31.5% 32点 64%
第12回試験 2017年 32.5% 34点 68%
第11回試験 2016年 30.5% 30点 60%
第10回試験 2015年 31.3% 31点 62%

表を見てみると、実施回によって合格基準点と合格ラインは微妙に変動していることがわかります。

模試や予想問題で40点程度取れていれば、勉強は十分と言えます。

貸金業務取扱主任者取得のための勉強時間は?

合格までに必要な勉強時間は事前知識の有無で変わってきます。

例えば、実務経験が無く民法や商法などの法律の知識もほとんど無い法律初学者であれば、3か月程度が勉強期間の目安となります。

一方、実務経験がある人や過去に行政書士・宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士などの勉強経験がある人は1~2か月程度の勉強時間で済むでしょう。

民法・商法などの勉強をしたことがある人であれば、スムーズに貸金業務取扱主任者の勉強を進めることができるアドバンテージがあるのです。

難関資格を何回も合格している事前知識が豊富な人であれば、さらに短い1か月未満でも合格を狙えるでしょう。

貸金業務取扱主任者は「賃金業務のエキスパート」

笑顔の職場

貸金業務取扱主任者の役目は何?

貸金業務取扱主任者の役割は、賃貸借契約において威圧的で違法な取り立てを行う貸金業者を取り締まることです。

平成バブル期が過ぎた頃は、これらを規制する法律が整備されていなかったため、闇金などと呼ばれている貸金業者は返済が滞っている人に対して厳しい取り立てを行っていました。

その結果、自殺者が続出して社会問題となってしまい、違法な取立てをから債務者を守る必要が生じた背景から、貸金業法という法律が整備されるのと同時に貸金業務取扱主任者の資格が誕生したのです。

なお、よく間違えられますが貸金業に銀行は当てはまりません。

貸金業は消費者金融やクレジット会社など信用供与(シャドーバンク)のことを指していて、市場性資金を利用して消費者や事業者を対象に融資を行う金融業が貸金業法の対象となります。

そのような貸金業者の従業員が貸金業法を遵守して健全な貸金業界を守るため、貸金業務主任者は助言や指導をしなければならないことになっています。

また、試験は毎年1万人程の人が受験しています。

貸金業務取扱主任者は賃金業には欠かせない資格!

貸金業法という法律において「貸金業者は、営業所又は事務所毎に貸金業務取扱主任者を法令で定める数、設置すること」というルールがあります。

つまり、貸金業務取扱主任者は貸金業務の事業所に必ず最低でも1名以上設置しなければならないのです。

具体的なルールは、従業員50人以上ごとに貸金業務取扱主任者が1名以上常駐していなければなりません。

この基準に違反していることが発覚した場合、業務改善命令や業務停止命令などの処分を受けることになり、不利益を被ることになります。

このようなコンプライアンス違反をして処分を受けてしまうと、企業の信頼が失われて事業に悪影響が出てしまいます。

場合によっては倒産につながってしまうこともあるため、貸金業務取扱主任者の社会的価値は高いと言えます。

貸金業務取扱主任者になるには登録が必要!

貸金業務取扱主任者となるには試験に合格するだけでは足らず、合格発表後に主任者登録の手続きが必要となります。

この手続きをしないと貸金業務取扱主任者として名乗ることはできないため、注意しましょう。

この主任者登録の手続きは申請から登録完了まで約2ヵ月かかるため、合格発表後のスケジュールはよく確認しておく必要があるでしょう。

昇格・昇進に大いに貢献する!

貸金業者に勤めている人であれば、貸金業務取扱主任者はキャリアアップに直結します。

有資格者は従業員をまとめるリーダー的な役割が期待されるため、昇格や昇進を目指すうえでは欠かせない資格と言えるでしょう。

また、40代や50代になったときに支店長などの現場責任者になるためには、貸金業務取扱主任者でなければ勤まりません。

もし貸金業者への就職が内定している場合、合格率は決して高い試験ではないため、できるだめ早めに勉強を始めて資格取得に挑戦すると良いでしょう。

また、貸金業界への就職や転職を目指している人も、事前に取得しておくと実務をイメージしやすくなるため有意義でしょう。

転職・就職で優位とはなれない

貸金業界では必須となる貸金業務取扱主任者ですが、その他の業界でこの資格を活かす場面はほとんどありません。

そのため、貸金業界以外の世界では貸金業務取扱主任者の資格を持っていても採用の決め手になるケースは無いでしょう。

また、「貸金」という文言があるため、銀行などの金融機関への就職や転職を目指すときには有利に働くと勘違いされることがあります。

しかし、実際には金融機関の採用にあたってこの資格はほとんど評価されません。

その理由は、銀行などの金融機関は貸金業法の適用を受けないからです。

銀行のお金の貸借のルールは、貸金業界ではなく銀行業界で規定されていて、銀行に勤めている人は貸金業務取扱主任者の資格を持っていなくても融資業務などを行うことができるのです。

貸金業務取扱主任者試験合格のためのポイント

女性とチェックポイント

安定して40点以上を取れるようになろう!

過去の合格点を見ると、過去問や模擬問題でコンスタントに40点以上取れるようになれば、勉強は十分でしょう。

完璧は求められない試験なので、50問中の10問は落としても良いと考えることもできます。

つまり、難問や初見の問題は相手にせず、これまでの過去問題で見てきたような標準的な問題を確実に解けるようになれば、十分に合格点をクリアできるでしょう。

なお、過去問題は「日本貸金業協会 貸金業務取扱主任者」のホームページで第1回~第14回試験を見ることができます。

これらを取り組むと本番レベルの学力を鍛えることができますが、法改正もあるため試験範囲や内容が改訂されている問題が紛れている点には注意が必要です。

”早く正確に”問題を読み解こう!

試験時間は120分あるため余裕があるように思いますが、1問の問題文が長いため問題文を早く読み取って正確に理解する力が必要となります。

この長文問題の有効な対策としては、過去問や模擬問題を時間を意識して解くことです。

本番をイメージしながら緊張感を持って解いてみることで、着実に力が付いていきます。

また、本番では分からない問題はどうしても出てくるため、このような問題は後回すようにするなど柔軟な対応も求められます。

試験では満点を目指す必要はないため、解ける問題から解いていき余った時間で飛ばした問題に取り組むと良いでしょう。

頻繁に出題される問題を確実に抑えよう!

貸金業法・民法・商法・消費者保護法の問題は頻出であるため、重点的に取り組んでおくと得点源にすることができます。

貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者についてや貸金業者からの借入れについて定めている法律で、貸金業を営んでいくための基本的な知識となります。

試験では、貸金業法について問われる問題が半分近くあるため、貸金業法を押さえることが合格への近道となります。

ここを苦手にしてしまうと合格は遠のいてしまうため、気を付けましょう。

貸金業務取扱主任者の試験概要

ノートに書く人

貸金業務取扱主任者の試験形式および試験範囲

試験は四択問題が50問マークシート形式で出題され、試験時間120分です。

試験範囲は主に以下4科目です。

  1. 法及び関係法令に関すること

  2. 貸付及び貸付に付随する取引に関する法令及び実務に関すること

  3. 資金需要者等の保護に関すること

  4. 財務及び会計に関すること

試験の特徴として、出題範囲ごとの問題数にバラつきがあることが挙げられます。

そのため、重点的に勉強するべき論点と軽く済ませるべき勉強の振り分けなど、計画的な勉強が必要となります。

例えば、貸金業法に関する出題は非常に多いため、多くの時間を割いてしっかりと得点できるようにするべきです。

また、法律初学者の人にとって民法や商法が出てくる科目は鬼門となるため、時間をかけて法律の趣旨と目的を理解する必要があります。

一方、資金需要者等の保護に関することと、財務及び会計に関することは出題は多くないため、時間を割く必要はありません。

テキストのインプット作業を飛ばして、過去問題だけ解いてみて出題傾向をつかめば十分です。

貸金業務取扱主任試験の試験日程・試験会場

貸金業務取扱主任者の試験は年1回で、試験日は例年11月中旬~下旬頃です。

令和元年度試験の試験会場は全国17か所で行われており、過去の会場などはホームページなどで調べてみると良いでしょう。

試験の申し込み期間は7月上旬~9月上旬頃なので、うっかり忘れないように早めに手続きを済ませましょう。

試験の申し込みはインターネットか郵送で行うことができます。

合格発表は1月上旬に行われ、合格発表の際に正答数・順位・各問題の正誤などの詳細な試験結果はインターネットか書面で開示されます。

受験資格はなく誰でも気軽に受けられる

貸金業務取扱主任者試験には受験資格は設けられていないため、実務経験や学歴などを問わず誰でも受験することができます。

不合格になっても何回も挑戦できる試験ですが、できれば一発合格を目指しましょう。

貸金業務取扱主任者の受験料

貸金業務取扱主任者の受験料は8,500円となっています。

決して安い試験料ではないため、一発合格をして余計な出費を重ねないようにしましょう。

不合格になってしまうと翌年の試験まで待たなければならず、お金だけでなく時間も無駄にしてしまいます。

受験の持ち物

貸金業務取扱主任者試験に必要なものは、受験票・公的証明書(運転免許証、パスポートなど)・筆記用具の3つです。

忘れてしまうと受験を断られてしまう可能性もあるため、しっかりと準備して忘れ物がないようにしてください。

貸金業務取扱主任者試験合格のためのおススメの問題集

多くの参考書

こちらのトピックで、試験に合格するためのおススメのテキストを紹介します。

なお、テキストや問題集は最新版のものを買うようにしましょう。

「らくらく突破貸金業務取扱主任者〇× +過去問題集」

このテキストは〇×問題と試験対策問題が分かれており、自分のインプットのレベルに合わせて問題に取り組むことができます。

本来の試験問題は四者択一ですが、このテキストは〇×問題で出題することにより、初学者でも問題に取り組みやすい設計になっています。

試験本番では時間制限もあり問題を解くスピードも重要なため、〇×問題で問題を解くスピード鍛えることもできます。

また、過去問題も付属しているため本試験を想定したトレーニングも可能です。

「貸金業務取扱主任者合格テキスト」

こちらのテキストも初学者にも分かりやすいように簡潔明瞭な文章で解説されているため、多くの受験者に人気です。

各項目ごとに要点と重要度・頻出問題をまとめているため、自分の苦手分野を徹底的に勉強するなど、メリハリのつけた勉強が可能となっています。

また、このテキストは文章以外にも図表が多く用いられておりレイアウトも見やすく、非常に理解しやすいと評判です。

テキスト選びに迷ったら以上の2つを中心に選ぶと良いでしょう。

貸金業務取扱主任者の難易度を他の資格と比較すると?

お金と人

それでは、貸金業務取扱主任者は他の資格と比べるとどのようなレベルなのかを検証してみましょう。

FP2級と比較

FPは幅広いお金に関する知識や社会保険関する知識を学ぶことができます。

FP2級は受験資格が設けられているものの、クリアすることは比較的簡単です。

また、試験の難易度は30%程度で推移していることから、試験の難易度は貸金業務取扱主任者と同じレベルと言えるでしょう。

しかし、FP試験は年に3回行われているため、「取得のしやすさ」を考えると貸金業務取扱主任者の方がハードルが高い試験と言えるでしょう。

ちなみに、FPと貸金業務取扱主任者は非常に相性が良い資格なので、取得は非常にオススメです。

前述した宅建士・管理業務主任者を含めて総合的に難易度を比較すると、

管理業務主任者>宅建士>貸金業務取扱主任者>FP2級

このような形になります。

貸金業務取扱主任者の合格点まとめ

貸金業務取扱主任者の合格点まとめ

  • 合格点は6割程度なので、メリハリをつけた勉強が大切

  • 日頃の勉強で捨てる問題と取るべき問題の識別をしっかりと行うと良い

  • 模試で40点近く取れれば、勉強量は十分で

  • 難易度はそこまで高くないが、油断は禁物

貸金業務取扱主任者試験の合格点は試験ごとに変わります。

7割を取れれば安全圏と言えるため、日頃の勉強から7~8割の得点を目標にすると良いでしょう。

貸金業界で働く場合は必須と資格となるため、ぜひ興味がある人は取得を目指してみてください!

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