アクチュアリーになるための大学は?就職先や出身大学、学部を徹底解説!

「アクチュアリーになるにはどうすれば良いの?」

「アクチュアリーになるための大学があるの?」

アクチュアリーは英国発祥の資格。そのため、日本では馴染みの薄い仕事と思われがちですが、その歴史は古く今から100年以上前の明治時代にまで遡ることができます。

その当時は、まだ珍しい職業であった保険業務に携わる専門家として、保険算定人または、保険数理士の名称で呼ばれていました。

現在では、公益財団法人である日本アクチュアリー会の試験に合格し、正会員として登録された資格者のみをアクチュアリーと呼称しています。

そんな歴史あるアクチュアリーになるには、どうすれば良いのでしょうか。

この記事ではアクチュアリーになるための勉強ができる大学や、これまでの合格者を多く輩出している学部や大学、おすすめの勉強方法について、分かりやすく解説します。

アクチュアリーになるための大学についてざっくり説明すると

  • 東京大学、東京大学大学院などの難関校からの合格率が高い
  • 理学部の数学科または、数理学科で統計学を専攻した出身者の割合が多い
  • もっとも早く受験資格を得るには、4年制大学に通い、62単位以上の単位を修得することで、大学3年生から受験できる

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アクチュアリーになるための大学選びや試験

女の子と腕時計

日本でアクチュアリーを名乗るためには、公益財団法人である日本アクチュアリー会の試験すべてに合格し、正会員として登録する必要があります。

アクチュアリーになるための資格試験は難関と言えます。その難しさは、司法試験に匹敵するともいわれることもある程です。

そのため、アクチュアリー資格試験の合格者の学歴を見てみると、有名な国公立大学の出身者が多いことに気づきます。

しかし、学部については、必ずしも数学科や、数理を専門とする理系学科のみではなく、経済学部などの文系出身の合格者も存在します。

また、大学在学中にアクチュアリー採用試験(1次試験)の5科目のうちの1科目から2科目に合格することで、アクチュアリーの候補生として、就活するケースも増加しています。

アクチュアリーを目指した就活を意識するのであれば、保険業界の採用傾向として、東大、京大、慶應義塾大、早稲田大からのアクチュアリー候補生採用率が高いことから、それらの大学を目指すのもアクチュアリーになるための有効な方法と言えます。

アクチュアリーの仕事内容

アクチュアリー(英字:Actuary)とは、高度な数理学を用いて、将来の発生が見込まれる事象や、確率的に予測可能なリスクを膨大なデータから分析し、数値的に視覚化することを職務とする専門家を意味する言葉です。

主な仕事内容としては、事故や病気といった事象の予測結果から新たな保険商品の開発に携わったり、企業経営の上で予測されるリスクを分析し、リスク低減に向けてのコンサルティング業務を担っているアクチュアリーも存在します。

また、年金の運営に携わる業務を行うアクチュアリーは、公務員として、適正な掛け金の計算や、支払い金のシミュレーションを通して、私たちの生活と密接に関わる業務の中核を果たしています。

保険業務の専門家としての見地から、保険業のための保険を扱う再保険会社の専門コンサルティングとして働くアクチュアリーは、就職先としても人気の職業と言えます。

日本のアクチュアリーの人数

日本では、アクチュアリーを名乗るためには、公益財団法人である日本アクチュアリー会の試験すべてに合格し、正会員として登録する必要があります。

現在の正会員の数は、およそ1,800人ほどです。

これに、準会員と研究会員の人数を加えると、5,500人ほどの会員がアクチュアリー業務に関わっていることになります。

アクリュアリーの業務範囲は、年を追うごとに拡大の傾向を示しており、需要に対して、不足していると言われています。

そのため、就活を意識した場合、学歴に優先して求められる人気の資格となっていると言えます。

アクチュアリーになるための学校選び

正会員としてアクチュアリー試験のすべてに合格している合格者の学歴を見ると、理数系大学の数学科出身者が圧倒的に多く、また、大学院卒業生が全体の40%ほどを占めています。

これには理由があり、アクチュアリーになるための第1次試験(基礎科目)問題において、そのほとんどが「数学」と「数理」からの出題となるためです。

何よりも「数学」を得意とする必要があることを踏まえると、求められる学部は、自然と絞り込まれることになります。

出身大学や大学院、学部の割合

就活を意識して、将来的にアクチュアリーとして働くことを目指す学生の出身大学や大学院、学部の割合を見てみると、受験年度や社会情勢により、学歴に偏りが生まれる年度があることに気がつきます。

アクチュアリーを目指す若者の多くは、大学在学中に、アクチュアリーになるための第1次試験(基礎科目)問題において、試験科目「数学」を受験し、この1科目を合格することで「研究会員」を目指す傾向にあります。

中でも、東京大学・東京大学大学院出身者の受験率・合格率は共に高いです。総じて国公立大学出身の受験希望者が多い中でも、数学科・物理学科・経済学科からの合格者が全体の40%ほどと、他に比べても、一際受験者が多い印象を与えています。

また、学部としては、理学部の数学科や、数理学科の在籍者が多く、専攻分野も、確率論や統計学を研究室で学んだ学生の合格率が高いと言われています。

保険業界に見る出身大学や大学院・学部の採用傾向

就職先として、保険業界で働くことを念頭にアクチュアリーを目指しているのであれば、保険業界での出身大学や大学院、出身学部の採用傾向も参考になります。

保険業界は、採用人数に大きな変化が生じにくい分野の一つと言えますが、それゆえ、実力評価主義であることが色濃く現れています。

採用合格者の多くは、東大・京大・大阪大・神戸大・名古屋大・北海道大に加え、早稲田大・慶應義塾大・上智大・同志社大といった私立大学からも幅広く採用されています。

その一方で、アクチュアリーを目指す採用枠については、すでに合格者として試験を受験している「研究会員」以上を対象としている企業が多く見られることも事実です。

専門学校からアクチュアリーになる

保険業界に入社後に、アクチュアリーになることを目指す場合、改めて大学に入り直すよりも、専門学校からアクチュアリーになることを目指すのも、一つの方法と言えます。

この場合、昼間はアクチュアリー候補生として企業で働きながら、夜間や休日を使って専門学校に通い、必要な知識を身に着けるための勉学に励むスタイルとなります。

就活という要素は薄く、新たな就職先を探す必要もないため、むしろ社会人としての業務を続けながら勉強することとの両立が求められます。

現在では、通学よりも通信教育を利用した受験勉強のための講義が中心となっており、費用も1科目10万円前後と、一時期から比べると、お手頃価格で勉強しやすい環境が整っています

独学での勉強と比べると、分かりにくい点を講師に対して、質問することができるため、確実に知識の幅を広げたい人向けの学習方法と言えます。

アクチュアリーを学べる講座については、以下ページで詳しく紹介しています。

アクチュアリー会の講座を活用した勉強法

公益財団法人である日本アクチュアリー会では、アクチュアリー試験合格へ向けた「アクチュアリー講座」を開催しています。

このアクチュアリー講座には、大きく分けて「基礎講座」と「特論講座」の二種類があり、それぞれを受講することで単位を取得することができます。

独学でアクチュアリーになる

大学在学中に第1次試験(基礎科目)の合格者として「研究会員」を取得し、最新の専門知識を学ぶために大学院へ進んで「準会員」を目指す人の多くは独学でアクチュアリーになる道を選んでいると言われています。

そもそも、アクチュアリー資格の難易度の高さに対して、充分な指導体制を整えている学校は少なく、多くの受験生は、これまでの過去問を参考にしながら、問題集を活用した独学での学習が求められる傾向にあります。

アクチュアリー会の過去問を利用した勉強法

公益財団法人である日本アクチュアリー会では、アクチュアリー試験の過去問を利用した「問題例」を掲載しています。

掲載されいてる「問題例」は、実際のアクチュアリーになるための第1次試験(基礎科目)の5科目全てが公開されています。

2022年度試験では、数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論(通称 KKT)それぞれの試験時間は3時間でした。

1次試験での試験日数は、連続三日間での実施となるため、過去問を活用し、実際の試験時間内での解答に挑戦すると良いでしょう。

アクチュアリーの適性は

まず、アクチュアリーに求められる適性は数字に強いことです。そして、確率や統計の知識が求められます。

加えて、多くの仕事に共通することですが、希望の職業に就くことがゴールではありません。特にアクチュアリーは就職就職後も、継続した学習が求められる分野です。

常に最新の知識を吸収し続けるために、時代や環境に合わせた保険や年金制度、企業運営のあり方を模索するための自分流の研究と学習の力が備わっている必要があります。

結果として、長時間の職務に責任を果たせる人柄を併せ持った、粘り強い仕事ができる根気強さが欠かせません

アクチュアリーになるには

パソコンを操作する女性の手

公益財団法人である日本アクチュアリー会の試験問題7科目に合格し、正会員として登録されたアクチュアリーになるためには、およそ8年間の時間が必要と言われています。

これまでは、学校教育法による大学を卒業した者(短大を含む)に1次試験の受験資格が与えられていましたが、条件が緩和されました。

現在では、試験委員会が大学を卒業と同等の資格試験受験に必要な基礎的学力を有すると判断した者として、4年制大学において、休学期間を除き2年以上在学し、かつ62単位以上の単位を修得した学生(大学3年生以上)の受験が可能です。

残念ながら、現在の制度では学歴が高卒や、専門学校卒では試験資格を得ることができません。アクチュアリーを目指す場合、まずは大学に進学する必要があります

アクチュアリー試験に向けて

アクチュアリー資格試験合格までの勉強時間としては、1,500時間が目安となると言われています。

その反面、1次試験の5科目は1科目でも合格することができれば「研究会員」になることができます。

このことから、就活では有利とされ、学歴に代わる資格として、将来に希望を持てる人気の資格として注目された時期がありました。

それでも、全7科目の合格に至るまでには、長時間の勉強時間の確保と、最後までやり遂げる強い意志が不可欠であることに違いはなく、合格後も勉強を続ける意思を持った根気強さが欠かせません。

また、アクチュアリー試験合格後は、保険会社や再保険会社などに就職するのが一般的です。

アクチュアリーになるまで

日本国内でアクチュアリーを名乗るためには、公益財団法人である日本アクチュアリー会が年1回12月に実施する1次試験と2次試験の合わせての全7科目の試験に合格し、正会員として登録される必要があります。

正会員になるには、「研究会員」・「準会員」を経る必要があります。

「研究会員」は、1次試験で出題される5科目のうち、1科目から4科目に合格することで登録することができるようになります。

「準会員」は、1次試験で出題される5科目すべてに合格することで、登録できるようになります。

また、「準会員」となることで、2次試験を受けることができるようになります。

難関試験として知られており、全7科目のすべての試験に合格して正会員となるには、平均8年かかると言われています。

そのため、多くの受験者が大学在学中に「研究会員」となり、将来的にアクチュアリーになるための勉強を続けながら、保険会社や再保険会社、コンサルティング会社で働きながら、受験を続けています。

大学院への進学を選び、在学中にアクチュアリー試験に合格した場合には、実際にアクチュアリーとしての業務に就くための就活を行うのが一般的です。

アクチュアリーになるために必要な資格、試験とは

アクチュアリーになるためには、公益財団法人である日本アクチュアリー会が実施するアクチュアリー試験に合格する必要があります。

アクチュアリー試験は1次試験と、2次試験に分かれており、1次試験はマークシート形式にて、次の5つの科目が出題されます。それぞれの科目の回答時間は3時間です。

  • 「数学」
  • 「生保数理」
  • 「損保数理」
  • 「年金数理」
  • 「会計・経済・投資理論(通称 KKT)」

1次試験に1科目でも合格できると、「研究会員」となります。5科目すべてに合格すると「準会員」となり、2次試験の受験資格を得ることができます。

2次試験では、次の3つの科目の中から、いずれか1つを受験者が選択して、記述式を含む内容で出題されます。

  • 生保問題コース(生保1・生保2)
  • 損保問題コース(損保1・損保2)
  • 年金問題コース(年金1・年金2)

試験時間は、各科目ごとに3時間です。

以前は、アクチュアリー試験を受験するためには、大学卒業資格(短大含む)が必要でした。

しかし、現在は試験委員会が大学を卒業と同等の資格試験受験に必要な基礎的学力を有すると判断した者の受験が可能となっています。

目安としては、4年制大学において休学期間を除き2年以上在学し、かつ62単位以上の単位を修得した学生(大学3年生以上)の受験が可能です。

アクチュアリー試験の難易度

アクチュアリー試験は難関試験と言えるでしょう。合格までに要する1科目あたりの勉強時間は200時間ほど。1次試験の合格までの5科目で、1,000時間ほどの勉強時間が必要になる計算です。

また、平成24年度の試験結果を除く、ここ10年間の合格率の平均は、およそ20%前後です。

参考までに、近年の1次試験の合格率を掲載します。

科目 H30 H29 H28 H27 H26 H25
数学 13.0% 10.3% 19.7% 20.2% 26.5% 18.4%
生保数理 12.8% 26.2% 10.6% 14.0% 10.2% 26.5%
損保数理 23.5% 13.7% 13.2% 20.5% 22.6% 30.1%
年金数理 35.2% 16.4% 16.6% 18.5% 10.2% 58.2%
KKT 14.1% 19.0% 17.2% 46.1% 22.0% 20.3%

時折、20%を超える合格率が示される等の合格率のばらつきがありますが、総じて、近年では難問化の傾向が伺えます。

アクチュアリーに必要な数学レベル

アクチュアリーは、かつては算定士や数理人と呼ばれていた通り、その業務において「数学」は欠かせないスキルの一つです。

アクチュアリー試験で出題される「数学」の試験範囲は、過去問題を分析すると「確率」・「統計」・「モデリング」の3つに大別することができます。

高校数学の学習内容を充分に理解した上で、大学の授業で継続的に数学を学んでいれば、分布や推定系、シミュレーション系の出題にも対応できるようになります。

また、実際の試験では、マークシート形式とは言え、選択肢が多いことで知られています。マークシートならではの失敗といえるマークミスをしないように十分注意しましょう。

アクチュアリーになるには大学院の卒業が必要なのか

小さな黒板

アクチュアリーの試験を受ける上では、大学院の卒業は必要要件とはされていません。現在では、大学在学中に受験資格を得て、1次試験を受けられるようになっています。

しかし、大学在学中に正会員として、アクチュアリーの資格を手にするためには、試験資格が得られる大学3年生での試験初年度に1次試験の5科目すべてに合格し、次年の大学4年生で2次試験に合格しなければなりません。

現実的にはこれはとても困難と言わざるを得ません。なぜならば、1科目あたり200時間と言われる勉強時間をたった1年間で捻出すること自体が、至難の技だからです。

一部には大学入学前からアクチュアリー試験に向けた準備している方もいるようですが、出題傾向の変化を考えると、直近での短期集中学習が功を奏することも考えられます。

結果として、アクチュアリーとして正会員の資格を得た上で、アクチュアリー本来の仕事に就くための就活をすることを意識すると、在学中の資格取得を目指した大学院への入学も、選択肢の一つとなると言えそうです。

アクチュアリーの就活について

試験に合格し、正会員としてアクチュアリーの資格を得た上で、アクチュアリーとして働くことのできる仕事に就く際には、資格取得はもちろんのこと、学歴と、業務経験が要求されることがあります。

アクチュアリーとしての仕事は多岐に渡ります。新たな保険商品の開発はもちろん、公的な年金事業の運用、再保険会社での保険業務、金融事業を行う企業へのコンサルティングなど、幅広い業務経験を得られる資格でもあります。

どのようなアクチュアリーを目指すとしても、リスクマネジメント領域に関わる冷静な分析と判断、会話技術、良好な対人関係を組み立てることのできるコミュニケーション能力に至るまで幅広い要素が就活での重要となりつつあります。

文系出身者のアクチュアリーの出現

中学、高校時代からアクチュアリーとなることを目指して「数学」に打ち込んできた理系大学出身者のアクチュアリーが大半を占める中、少しずつですが、文系出身者のアクチュアリーが増え始めています。

これは情報通信技術の発達により、一昔前であれば、中央首都圏にしかなかった専門的な教育を受けるための場が、時間と場所を選ばずに受講できるようになったことが大きく貢献していると考えられています。

勉強法を整えることで本来の専門外の理系分野であっても学習を進められる学ぶ力の備わった人たちの合格率が増えていることの現れと言えるでしょう。

日本アクチュアリー会が提供する教育プログラム

公益財団法人である日本アクチュアリー会では、アクチュアリーになるための勉強を専門に行うための講座と、独学に欠かせない参考書、過去問題を幅広く取り揃えています。

大学で身につけた「算数」の知識を自分に合った学習法で高め、アクチュアリー試験の合格に役立ててください。

アクチュアリーの就職先や将来性

握手

アクチュアリーは大きく分けて、次のような分野で活躍する資格と言うことができます。

  • 生命保険分野
  • 損害保険分野
  • 年金分野
  • リスクマネジメント分野
  • 保険会社の監査分野

企業内の専門家として自社の経営に対し、数理的な見地からの分析と判断を行う場合もあれば、新たな金融商品の開発、クライアントとの見解の調整、外部企業への営業や、コンサルティングも活躍の場として広がっています

そのため、アクチュアリーの活躍の場は、年々、拡大傾向にあります。これに対して、高まる需要を満たせるほどの人員が揃っていない人材不足の状態にあります。

将来的には、これまでアクチュアリーが多大な業務時間を使っていた、膨大な資料の分析業務などの一部の作業は、AIが代替する可能性が指摘されています。

一方で、AIが導き出した分析結果の成否を判断し、もっとも分かりやすい資料として、説得力を持って説明することができる唯一の職種であるアクチュアリーには、一層の対人業務の拡大が見込まれると考えられています。

アクチュアリーの就職

アクチュアリーは引く手数多の人気職です。そのため、様々な企業での活躍が期待されています。特に、正会員としてアクチュアリーを名乗ることができる合格者は、人数が限られており、多くの企業から求められています。

正会員のアクチュアリーの主な就職先としては、保険会社や信託銀行、外部監査法人に加え、観光庁からも年金制度の適切な運営に欠かせない人材として採用する動きが高まっています。

主に財政の健全性を保つ上で必要な、運用割合とリスク分析の両面で活躍することができるアクチュアリーは、海外企業との取引においても、その公平性を説明できる人材として、なくてはならない存在になりつつあると言えます。

アクチュアリーの年収

アクチュアリーの年収は、担当する業務内容によって大きく分かれるものの、平均すると1,500万円ほどと言われています。

この金額は、人気の資格の一つである公認会計士の平均年収である900万円を大きく上回り、アクチュアリーがいかに求められている資格であるのかを説明する結果として物語っていると言えるでしょう。

特に、企業買収に関わるリスク分析を行い、コンサルティング業務を行うアクチュアリーの年収は、平均金額を大きく上回り、海外企業の金融商品開発を担当するアクリュアリーと並んで、高給職として知られています。

アクチュアリーのやりがい

アクチュアリーは数理の専門家として、将来的に発生が見込まれる事象の割合を分析し、リスクを回避するための方法を提案することができます。

これは現時点では定かではない不安要素を可視化することに繋がり、水面下で侵攻することで多大な損失を招く恐れのある金融政策についても、被害を最小化しながら、利益拡大を目指すための選択肢の一つとなります。

時には、常人には困難とも思える大きな決断を迫られることもあるでしょう。その難題に対して、培ってきた分析能力と数理の知識によって、状況から将来を冷静に予測し、危機を回避する方策を示すという場面もあるでしょう。

このように困難であっても非常にやりがいの大きい仕事をすることができる点がアクチュアリーの仕事の魅力といえるでしょう。

アクチュアリーの将来性

高齢化と年金制度の改定から、資産の運用、予見される金融の自由化など、個人の生活はもちろんのこと、活発化する企業の経済活動の透明性を図り、適切な運用を可能とするアクチュアリーの将来性は大きいです。

これまで、保険の分野で専門性を発揮する機会の多かったアクチュアリーですが、今後は、企業間の合併や国際企業との取引の増加に伴い、保険や年金以外での企業の経営に関する分析とリスク回避が求められるでしょう。

そのため、将来のリスクを把握することを熱望する多くの企業から、コンサルティングとしての企業経営への参加が求められる将来像も予見されています。

アクチュアリーになるための大学についてまとめ

アクチュアリーが目指せる大学についてまとめると

  • 合格に必要な数理学を身につけるため、数学科・物理学科・経済学科など数学分野に強い学科を選ぶと良い
  • もっとも早く受験資格を得るには、4年制大学に通い、62単位以上の単位を修得する必要がある
  • アクチュアリーとしての職務に就くためには、東京大学・東京大学大学院などの難関校出身の経歴が求められる傾向にある
  • 大学在学中に正会員を目指すのであれば、大学院に通うことも選択肢の一つになる

アクチュアリーになるためには、「数学」の深い知識が欠かせません。しかし、最近では理系の知識も身につけた文系出身者の正会員も増え始めています。

公益財団法人である日本アクチュアリー会では、専門の講座を解説し、一般書店では取り扱われていない参考書、過去問題を幅広く取り揃えているため、大学での専門外の勉強ができる環境が整っているといえます。

大学で身につけた「数学」の知識を活かし、自分に合った学習法で、アクチュアリー試験の合格を目指してください。

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