アクチュアリーの転職事情は?求人動向や未経験からの転職について解説!
「アクチュアリーの資格は転職に役立つの?」
「アクチュアリーの職業に興味があるけど、どうやったらアクチュアリーとして働けるの?」
そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
今回はアクチュアリーの転職事情を紹介します。アクチュアリーの資格を取得することでどのような業種に転職しやすくなるのでしょうか?
アクチュアリーの資格についての基本的なところから転職事情や資格を取得するメリットまで細かく紹介していきます。
この記事を読むことでアクチュアリーの仕事について理解が深まるでしょう。
アクチュアリーの転職事情についてざっくり説明すると
- アクチュアリーは第1次試験と第2次試験がある
- アクチュアリーの資格は転職に役立つ
- アクチュアリーは高収入が期待できる
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アクチュアリーとは
アクチュアリーとはビジメスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価などを専門とする専門職です。
資格のアクチュアリーは「日本アクチュアリー会」が開催している試験に合格することでアクチュアリーという資格を取得することができます。
アクチュアリーの仕事内容を紹介をする前にアクチュアリーの資格を取得するための試験内容とアクチュアリーの役割を紹介します。
アクチュアリーの仕事内容を知ることで今まで以上にアクチュアリーに興味を持つでしょう。
アクチュアリーになるためには試験の突破が必須
アクチュアリーの試験には毎年12月に東京と大阪の会場で開催される第1次試験と第2次試験がありどちらの試験にも合格することでアクチュアリーになることができます。
アクチュアリーの1次試験の範囲は「数学」、「損保数理」、「生保数理」、「年金数理」、「会計・経済・投資理論」の5科目です。
そして第2次試験は「生保コース」、「損保コース」、「年金コース」の3コースがあります。
「生保コース」は「生保Ⅰ」と「生保Ⅱ」、「損保コース」は「損保Ⅰ」と「損保Ⅱ」、「年金コース」は「年金Ⅰ」と「年金Ⅱ」とそれぞれ2科目ずつあり受験者がコースを選びます。
選んだコースの2科目を受験する必要があり2科目どちらも合格することで第2次試験に合格となります。
「日本アクチュアリー会」には「正会員」、「準会員」、「研究員」の3つが存在します。
アクチュアリーの第1次試験の1科目だけでも合格することで日本アクチュアリー会から「研究員」に認定されます。
そして第1次試験の5科目全てに合格することで「準会員」になります。
そして第2次試験の2科目に合格し更に日本アクチュアリー会が開催しているプロフェショナリズム研修を受講することで「正会員」と認定されます。
日本アクチュアリー会の会員になるには試験を突破し尚且つ年間費を納めなくてはいけません。
アクチュアリーの試験は難関
アクチュアリーの試験は科目数が多い上、1科目ずつのウエイトが大きく準会員、つまり第1試験の5科目を全て突破するまでに平均5年はかかります。
また第2次試験に合格する「正会員」になるには平均11年かかると言われているほど難易度が高い資格です。
アクチュアリーになるためには時間を要しますが途中で諦めることなく地道にコツコツ努力することが大切です。
アクチュアリーの仕事内容
アクチュアリーの仕事内容には大きく分けて生命保険分野、損保保険分野、年金の3分野に分けられます。
これらの3分野がアクチュアリーとして就職や転職するときにメインになる分野です。それぞれの分野について詳しく紹介します。
生命保険分野
まず生命保険分野においてのアクチュアリーの役割を紹介します。新たな保険商品を開発する際に統計上の死亡率などをベースに保険料率や支払保険金、その他各種レートの計算と改定を行うという重要な仕事です。
更に既存の商品の見直しや新商品の開発を数理的な側面から支えるという仕事内容があります。
アクチュアリーの試験内容の基礎科目に数学など数値を扱う範囲が多い理由は死亡率や保険料率など仕事内容に数値を扱うことが多くアクチュアリーの基礎知識として数学がとても必要になってくるからです。
損保保険分野
続いて紹介するのは損保保険分野におけるアクチュアリーの仕事内容です。
損保保険分野では多種多様な損害保険商品の開発にあたります。
アクチュアリーは開発の際に保険の対象となる「モノ」や「事象」のリスクを特定したり定量化するという役割を担っています。
年金数理分野
最後に年金数理分野のアクチュアリーが担う仕事内容を紹介します。
年金数理分野では年金基金などでの制度や計画を策定します。更にアクチュアリーは人事系コンサルティングファームや信託銀行などで年金のコンサルティングの分野で活躍します。
これらの仕事内容からも分かるようにアクチュアリーは様々な数値を念頭に置き新しい保険商品などを生み出すという重要な仕事を任されます。
これらの仕事をこなすためには様々な基礎知識や計算が必要なのでアクチュアリーになるためには膨大な量の勉強が必須なのです。
アクチュアリーの転職事情
アクチュアリーの資格を取得することでどのような就職先が存在するのでしょうか?
アクチュアリーの転職事情や年収などアクチュアリーになることでどのような利点があるのかを紹介します。
アクチュアリーの転職の実態
アクチュアリーの転職状況を紹介します。アクチュアリーは先ほど紹介した通り簡単に取れる資格ではなく時間と地道な努力によって取得が可能です。
そのためアクチュアリーの資格を取得している人は数少ないです。
しかしアクチュアリーはデータを用いて新しく社会に有益な知見を引き出すアプローチを行うようなデータサイエンスなどの企業も必要としている分野なので需要が大きいのも事実です。
企業に必要とされるアクチュアリーは基本的にアクチュアリーの正会員や数理業務経験者が対象です。
しかしアクチュアリーの準会員でも企業では歓迎されるポジションも多々あります。
企業は替えが効くような業務内容ではなく専門性が高いような仕事を任せるために良いアクチュアリーをこぞって探しています。
このような背景が影響してアクチュアリーの資格を持っている人はアクチュアリーとして転職に成功している人が数多くいます。
つまりアクチュアリーの資格を取得することで転職に有利に働くことが多いということです。
外資系や海外勤務が活況
日本企業のアジア展開を中心とした海外展開を支援する外資系コンサルティングファームやアドバイザリー、また金融機関、外資系専門商社など海外現地勤務のポジションにおいてのアクチュアリーが足りていません。
もちろんこれらのポジションで働くためには海外での勤務や外国人とのやり取りが必要となってくるためミーティングやテレフォンカンファレンスが十分にこなせるレベルの高い英語力が必要になってきます。
更に就職先が香港や上海などに赴任する場合は英語だけでなく中国語が必要になる場合があります。
またコンサルなどの外資系企業でも、退職給付制度設計や資産や負債の総合管理などの年金ALM、退職給付会計計算などができる人材を求めているためアクチュアリーの需要が高いです。
これらの外資系コンサルもシニアなポジションになると英語が求められるので更なるキャリアアップを図るためには英語力のブラッシュアップも有効になってきます。
アクチュアリーは外資系で求められることが多く、必然的に英語が必須になってきます。
アクチュアリーの平均年収は1,200万
アクチュアリーの年収は1150万円から1380万円で最大年収は2000万円以上と言われています。
日本人の平均年収が441万円と言われる中、アクチュアリーの年収は日本人の平均年収の3倍近い破格の年収を得られる可能性が大いにあります。
アクチュアリーの資格を取得するには膨大な時間と地道な努力が必要ですが努力してアクチュアリーの資格を取得し更に高い英語スキルを身に付けることで高年収を得られる可能性が高くなります。
アクチュアリーの求人
アクチュアリーの求人には数理系と経営管理系の2種類が存在します。
数理系の求人は基本的に実務経験が必須なのでよほどの隣接する業務経験者でなければ就職活動や中途採用などの書類選考の時点で突破するのが難しいでしょう。
更に中途採用の募集要項にアクチュアリー試験を1科目以上合格という高いハードルを設定している企業も数多くあります。
一方、経営管理系は「資本管理、経理、資産運用、リスク管理、数理部門のいずれかの分野における業務経験者。
また全体的なリスクマネジメントを行うERMや金融規制などに関する知識や関心がある人を積極的に採用する」という条件で中途採用などの求人を出している企業が多く、たくさんの人に採用のチャンスがあることが多いです。
また「資格を持っていなくても数理的素養があり上記のような職務経験や数理的知識・経験などを活かし新たな分野へチャレンジしたいという者も歓迎」という企業もあります。
資格を持っていないということは、アクチュアリーの資格を取るために勉強したけれどもアクチュアリーの試験には合格できなかった場合でも上記のような職務経験があれば採用条件を満たすことになります。
このようにアクチュアリーの資格を活かした職種に就職する場合は経営管理系の方が採用条件が緩くチャレンジしやすい傾向にあります。
なお、自分の事情にあった求人を探すのであれば、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
特にリクルートエージェントのような大手転職エージェントであれば、経験豊富なエージェントが年収や勤務条件等の交渉も無料で行ってくれるので、転職活動時は積極的に利用しましょう。
転職時のアピールのコツ・資格の活かし方
転職する際はアクチュアリーの資格を取得することでアピール材料が増えます。
アクチュアリーの素養として数理的な知識の素養がずば抜けていることをアピールすることができます。
またアクチュアリーに関係しているような大学時代の研究論文などがあれば更にアピールの材料として使うことができます。
もし生命保険会社や損害保険会社、銀行などの金融機関での勤務経験があれば転職の際に高く評価されます。
世の中の様々な事象に対しての好奇心が旺盛であればアクチュアリーになるのに向いています。
特にその好奇心が金融に向いていればアクチュアリーに向いていて、転職の際にこれらのことをアピールとして使うことができます。
未経験からアクチュアリーになるには
アクチュアリーの転職で紹介した通り、アクチュアリーの求人は数理系なら「実務経験必須」や経営管理系なら「実務経験がある者」など求人内容は経験者が中途採用されやすい条件になっています。
では未経験者はどのようにアクチュアリーとして働けば良いのでしょうか?
転職エージェントは使える?
転職未経験者の場合、プロの転職エージェントを利用することで様々なノウハウを教えてもらえるほか、多くの非公開求人を紹介してもらえるので、かなりおすすめです。
ただし、転職エージェントに全て任せて転職をしてしまうと、自分の希望とは違った形で話が進んでしまう可能性もあるので、しっかりとエージェントと連携を取りながら転職活動を進めるようにしましょう。
また、複数の転職エージェントを併用する際も注意が必要です。
例えば、グループ会社や親子関係にある会社などの両方から中途採用の求人が出ていた場合、よほど独立した関係でない限りそれらの関係にある会社へ併願することはできません。この場合、併願した時点で落とされる可能性もあるので、複数のエージェント経由で誤って併願してしまわないように注意しましょう。
なお、このような転職においての事情は転職未経験者にとっては知らないことが多いので、これらのことを考慮してくれるような経験豊富な大手転職エージェントを利用することをおすすめします。
求人の波を理解しよう
保険会社の規制は数年サイクルで大きく変わる傾向にあります。アクチュアリーの採用人数や転職へのハードルも保険会社のサイクルによって変動します。
保険会社が吸収合併して新しくなると、他業種からの参入の場合は会社を設立する準備段階からまず業界経験者をマネージャーやリーダーとして求人を出します。
そして徐々にスタッフレベルの求人を広げていくスタイルが多く、保険会社が新しくなるようなことがあれば多くの求人がある可能性が高くなります。
大手会社への転職は厳しい
大手企業の場合は新卒一括採用で候補生としてアクチュアリー採用の人数を確保します。
規模と採用計画にもよりますが、約5から10人を新卒のアクチュアリー候補生を採用します。
その後、数年して大手の企業から他社へ転職する者もいますが、その採用したアクチュアリー候補生を数年かけて自社で育てるのが大手企業の基本的なやり方です。
大手企業は自社でアクチュアリーを育てることが多いということはアクチュアリーの中途採用は基本的に行っておらず、アクチュアリーとして大手企業への転職はかなりハードルの高いものになっています。
年齢制限とアクチュアリー試験の合格
アクチュアリーに限ったことではありませんが転職の際に見られる一つに「年齢」があります。
どんな職業でも転職するなら基本的に30代までにと言われます。
未経験採用であれば年齢が若い方が採用には有利になるでしょう。20代後半くらいまでが有利な年齢と言えるでしょう。
もし年齢が高い場合はアクチュアリー資格の正会員や準会員を取ることで年齢の高さを補えるでしょう。
アクチュアリーとしての転職を希望する場合は20代なら第1次試験の2から4科目の合格、30代では第1次試験5科目全て合格の準会員、そして40代なら第2次試験まで突破した正会員ぐらいは必要になるでしょう。
ただ正会員になるには平均11年かかるので遅くとも30代からアクチュアリーの勉強を始める必要があります。
アクチュアリーの転職まとめ
アクチュアリーの転職事情についてまとめ
- アクチュアリーの資格取得は難しい
- アクチュアリーの仕事は生命保険分野、損保保険分野、年金と3つの分野がある
- 英語力を極めることで外資系企業でも働けるので転職しやすい
アクチュアリーの資格取得は難しいですがアクチュアリーとして働くにはアクチュアリーの資格取得が必須とは限りません。
しかしアクチュアリーの準会員など少しでも資格を取得することで転職の際に有利になることも事実です。
更にアクチュアリーは高収入で仕事内容もやりがいを感じられるような大きな案件が多くアクチュアリーになることでのメリットはたくさんあります。
アクチュアリーとして働くにはどうするべきか、この記事を参考にして行動を起こしましょう。