証券外務員の一種と二種ってどんな違いがあるの?試験目的や試験形式まで解説!

更新日時 2020/04/23

証券外務員の一種と二種にはどんな違いがあるのだろう

と疑問に思っている方もいるはずです。

金融関連企業に勤務する方や投資に詳しい方でない限り、一種と二種の違いに関しては不明な点が多いでしょう。

証券外務員は一種と二種ともに金融商品を取り扱う職員向けの資格ですが、二つでは扱う商品内容が異なります

また両者では資格試験の内容も違います。さらには証券外務員には、一種と二種以外の区別も存在するのです。

今回は証券外務員の一種と二種の違いについて、試験目的や試験形式まで詳しく解説します。

これを読めば、証券外務員の全容が理解できるようになります。

証券外務員の一種と二種の違いをざっくり説明すると

  • 一種と二種では扱う金融商品が違う
  • 一種はハイリスクな商品を含め全部が扱える
  • 試験の難易度に大差はない
  • 受験資格もないため、いきなり一種を取ることも可能

証券外務員になるには?

駅の看板 まずは証券外務員の仕事内容について説明します。

そもそも証券外務員とは?

証券外務員とは、証券会社や銀行、損害保険(損保)、生命保険(生保)などの金融機関で、顧客に対して、金融商品の販売や勧誘などを行う職員のことを指します。

金融商品とは、銀行が扱う「預金」や「国債」、証券会社が扱う「株式」や「投資信託」などがその例です。

保険会社が扱う各種保険も金融商品にあたります。

証券外務員の資格がなければ、これらの金融用品の勧誘などの営業活動や証券取引はできません。

つまり証券外務員は「金融商品を扱う営業マン」だと言えます。

日本証券業協会は、証券外務員の水準を維持するために外務員資格試験制度を設けています。

合格者には外務員資格が付与され、証券外務員になれるのです。

外務員登録を行い、晴れて外務員となる

証券外務員として仕事を行うには、証券外務員試験に合格後、外務員登録を受ける必要があります。

登録は所属している協会員を通じて日本証券業協会へ外務員登録申請をすることで可能です。

まら証券業協会の協役員となっている会社や団体に所属する必要もあります。

これらによって金融商品の健全化と証券外務員の水準の維持が達成され、投資家保護が可能になるのです。

【証券外務員として活動するまで】

  1. 証券外務員試験に合格

  2. 所属している協会員を通じて外務員登録

  3. 外務員として活動可能 *協会に属している会社や団体に所属することも必要。

証券外務員には一種と二種が存在する!

動物の人形 証券外務員には「一種外務員」と「二種外務員」が存在し、試験を受ける前にどちらか選ぶことができます。

ここからは一種と二種の違いについて解説します。

一種と二種では取り扱える商品が異なる!

一種と二種の違いをざっくりと説明すると、「二種は限られた金融商品しか扱えないが、一種は全ての金融商品を扱える」ということです。

二種では扱える金融商品が制限されています。一方で、一種はより高度で複雑かつリスクの高い金融商品も取り扱うことが可能なのです。

よって証券外務員一種は証券外務員二種の上位資格に位置付けられます。

二種外務員は現物取引のみしか扱えない!

証券外務員二種が取り扱うことのできる金融商品は、あくまでも現物のみとされています。

現物の例としては、株式や国債、投資信託、公社債などがそれに当たります。

株式や債券などの有価証券の取引は、その時々の市場の時価で計算された売買金額で行われるのが通常です。

上記のことを現物取引と言います。

現物取引では保持している資金の範囲内でしか株式を買うことはできません。また保持していない株式を売ることも不可能です。

二種外務員の資格があっても、責任が高く、ハイリスクな商品に関しては募集や勧誘、売買ができないのです。

証券外務員一種は何でも扱える!

二種で取り扱う金融商品に加えて、信用取引やデリバティブ取引を含めた全商品を扱うのが証券外務員一種です。

一種はハイリスクな金融商品を含めた有価証券に関する取引や勧誘、売買を行います。

そのため一種の方がハイレベルな資格であると言えるでしょう。

レベルの高さに応じて、一種と二種では試験内容や出題レベルも異なります

信用取引とは

信用取引とは、顧客が金融機関に預けた現金や株式など(担保)の範囲を超えて金融商品を売買できる制度です。

担保の約3倍の金額の範囲で売買を行えます。

例えば、100万円の担保を顧客から預かった場合、3倍の300万円までの金融商品を顧客の代わりに「信用買い」や「信用売り」を行い、顧客に差益をもたらすのです。

もし信用取引が存在せず、現物取引のみしか存在しなかったら、お金が足りなければ高額のものを購入することはできません。

また実際に株式を保有していない限り、売ることは不可能です。

つまり信用取引の仕組みがあることによって、株式市場の売買は盛んになります。

信用取引では売買手数料の他に、金利や貸株料などのコストが足されます。

デリバティブ取引とは

デリバティブ取引(金融派生商品)とは、株式や債券、金利、外国為替などを原資本とする先物取引やオプション取引の総称です。

デリバティブ取引はレバレッジ(てこ)を聞かせて少額の資産で大きな資金を取引できるため、大きな資産を得られる可能性があります。また手持ち資産以上のお金を失うリスクもあるのです。

先物取引とは、対象の商品をあらかじめ決められた価格で特定の日に売買することを約束し、その日がきたら売買する取引のことを指します。

オプション取引とは、ある商品を将来のある時点で、いくらで「買う」もしくは「売る」権利を売買する取引です。

オプション取引では「権利」が売買されるという点に注意しましょう。

一種と二種の試験概要の違い、難易度の差

二人の女性 一種と二種の合格率は似ており、どちらも易し目の試験です。

証券外務員二種と一種試験の出題形式、難易度

証券外務員二種と一種試験はCTB方式で行われます。全国のテストセンターで受験が可能です。

合格ラインは7割と言われています。

出題形式などの詳細は以下の通りです。

- 二種 一種
出題形式 〇×問題:50問、五肢択一選択方式:20問 〇×問題:70問、五肢択一選択方式:30問
合計問題数 70問 100問
合計点 300点満点 440点満点
合格点 210点以上 308点以上
試験時間 120分 160分

五肢択一選択問題では、語句選択や計算問題が出題されます。計算問題は簡単で、数学的な知識は必要ありません。

一種と二種で合格率に差がない!

一種と二種共に合格率は65%程度です。

比較的簡単な試験と言われていますが、合格率を考えると誰でも合格できるほど安易ではないと分かります。

以下が合格率の詳細です。

資格試験 2018年度合格率 2017年度合格率
二種証券外務員 66.5% 62.9%
一種証券外務員 66.1% 65.1%

上記を見ると、一種と二種で合格に関する難易度には大差がないと言えるでしょう。

一種と二種の出題範囲の違いは基礎と専門

クエッションマーク 一種と二種では、出題科目に差はありません。出題内容に差があります。

証券外務員試験の出題範囲は?

証券外務員資格試験の一種と二種の出題科目の主な違いは、デリバティブ取引の出題の有無です。一種のみで専門的に出題されます。

二種でもデリバティブ取引の基礎に関して出題があります。

出題科目は共通で、「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3種類です。

各科目の詳細は以下の通りです。

科目 内容
法令・諸規則 金融商品の法令、資格試験を実施している日本証券業協会や証券取引所の定款・諸規則
商品業務 株式、債権、投資信託の実務
関連科目 証券市場の基礎知識からセールス業までの幅広い知識

二種の試験では上記の範囲の基礎的な知識が問われるのに対し、一種では実務的かつ専門的な知識まで要求されます。

証券外務員はさらに「正会員資格」と「特別会員資格」に分類される

はてなと白い人 証券外務員は一種と二種の区別だけではなく、それぞれが「正会員資格」と「特別会員資格」に分けられます。

「正会員資格」と「特別会員資格」は所属する金融機関の違いで分類されるのです。

「正会員資格」は証券会社向け

「正会員」は、証券会社に勤務する人向けの資格です。

「正会員」は誰でも受験可能で、一般に証券外務試験というと「正会員」のことを指します。

金融機関関係者だけでなく、一般の方でも受験が可能です。

またこれまで述べてきた内容も全て「正会員資格」のことになります。

以上を踏まえると、正会員一種外務員は株式などの有価証券の現物取引から、信用取引やデリバティブ取引などリスクのある商品までを扱う資格となります。

一方で現物取引のみを扱うのが正会員二種外務員です。

「特別会員資格」は簡易試験!

「特別会員資格」は、日本証券協会に加盟する金融団体のうち、証券会社ではない銀行や生保、損保などの保険会社に所属する職員向けの試験です。

特別会員は金融機関の職員であることが受験資格で、会社を通じてのみ受験することができます。

同じ証券外務員二種でも正会員と特別会員は全く別の資格です。

特別会員の試験では、出題範囲が限られており、難易度が低い試験になっています。

「特別会員資格」は扱える商品がさらに限定される

「特別会員資格」は扱える商品がさらに限定されます。一種と二種には以下のような区別があります。

種別 内容
特別会員一種外務員 選択権付き債権売買取引に関わる業務を含む、国債・投資信託などの限られた有価証券を取り扱うことが可能
特別会員二種外務員 選択権付き債権売買取引に関わる業務以外の有価証券の取引業務が可能

「特別会員資格」の試験範囲

特別会んの試験範囲は、正会員試験と同じ、「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3種類です。

特別会員二種の試験項目には==「証券市場の基礎知識」「金融商品取引法」「債権業務」などの10項目==が含まれます。

また特別会員一種の試験項目は、特別会員二種の10項目中「証券市場の基礎知識」を除いた9項目に、「債権先物取引」「債権オプション取引」「特定店頭デリバティブ取引等」を合わせた12項目です。

「特別会員資格」の試験詳細

特別会員二種および一種試験の出題形式は以下の通りです。合格ラインはこちらも共に7割となります。

形式はCTB方式で、会場は全国主要都市に設置されています。

- 特別二種 特別一種
出題問題数 26問 37問
合計点 200点満点 270点満点
合格点 140点以上 190点以上
試験時間 70分 90分

証券外務員の試験概要・申し込み方法・受験資格

スーツの女性 証券外務員の試験はCTB方式が採用されています。一種と二種で受験料に違いはなく、受験資格はありません。

証券外務員の基本情報

証券外務員の試験はパソコンを用いて毎日実施されています。

申し込みは随時行われており、パソコンか電話で申し込みが可能です。

申し込みは申込日を1日目として、5日目から1ヶ月間に行われる試験を対象とします。

受験当日の試験終了後、「外務員資格受験結果通知書」が手渡されます。

通知書内に「70%以上の得点であったことをお知らせします。」という文言があれば合格です。

不合格の場合は「70%以上の得点に至らなかったことをお知らせします。」との記載があります。

一度不合格になった場合、全ての外務員等資格試験で受験日から30日間受験ができなくなるため、注意が必要です。

証券外務員の受験料、受験資格

証券外務員の受験料は一種と二種で同じです。

受験料は以下の通りで、改定に注意してください。

期間 受験料
2020年3月31日(火)までの受験 ¥8,866(税込)
2020年4月1日(水)からの受験 ¥9,880(税込)

証券外務員の試験に受験資格はありません。また二種を保有していなくても、一種を受けることができます。

受験するならば一種or二種?

天秤とはてな 一種か二種の選択は、自分の関心や職業によって決めるべきでしょう。受験資格がなく、難易度も変わらないため、はじめから一種を取ることも可能です。

自分に合わせた選択を

複雑な取引に関心がなかったり、証券取引の大まかな流れを勉強したいという程度なら二種で十分だと言えます。

また出題範囲が二種の方が狭いため、勉強時間に限りがあるのであれば、二種でも良いでしょう

外務員試験に受験資格はないため、志と時間的余裕があるのなら、はじめから一種に挑戦することもできます。

受験料が安くないことと、難易度に大差がないことを踏まえると、はじめから一種一本で勉強するのも良いでしょう。

金融機関勤務なら一種を取るべき

証券外務員資格は金融商品の紹介や販売を行うためには必須の資格です。そのため金融関連会社で働くなら必要になることが多いでしょう。

また金融関連企業に内定した場合、取得を命じられる場合もあります。

銀行への就職が内定しているならば、入行前に取得しておかないと投資信託の運用商品を扱うことができません。周りに遅れを取らないためには取得しておくのが賢明でしょう。

二種と一種で難易度に大きな差はないため、段階的に受験するよりも、一種をはじめから勉強するのがおすすめです。

金融機関ならば必須な資格

証券外務員試験では、証券取引法や投資信託及び投資法人に関する法律と法令をはじめ、様々なことを学べます。

基礎的な知識としては、証券業協会と証券取引所の定款・規則や証券市場の基礎知識、経済・金融・財政の常識などです。

それらを基本として、株式会社法概論、財務諸表と企業分析、証券税制など幅広い知識が身に付けることができます。

そのため金融関連の職業に就く場合には大きな糧となるでしょう。

証券外務員の勉強方法

教室の風景 ここからは証券外務員試験に向けた勉強について解説します。

一種と二種で難易度に大差はなく、はじめから一種を受ける人も多いため、今回は一種の勉強法がメインです。

短期間で合格できる易しい試験

証券外務員の試験は、一種、二種ともに合格率が60%を超えます。これは比較的易しい部類です。

ちなみに最難関とされる司法試験予備試験の合格率は4%前後と言われています。

証券外務員の試験は、暗記が中心となります。形式もCTB方式で簡易的な試験のため、長時間かけて試験対策する必要はないでしょう。

勉強時間の目安

実際に合格した人の意見を聞いていると、勉強時間はかなり短めです。

目安は3週間程度となります。中には1週間に満たない勉強で合格する受験者もいるようです。

また今回は暗記中心のテスト対策になるため、勉強時間は短い方が効率的です。短期間で語句や解法を一気に記憶して、覚えている間に試験を受験した方が良いからです。

一種試験の配点を確認する

証券外務員の一種試験では出題科目によって配点に差があるため、得点戦略が合格の鍵となります。

出題科目の詳細と配点は以下の通りです。

出題科目 内容 配点
法令・諸規則 金融商品取引法及び関係法令 32点
法令・諸規則 金融商品の勧誘・販売に関係する法律 6点
法令・諸規則 協会定款・諸規則 46点
法令・諸規則 取引所定款・諸規則 12点
商品業務 株式業務 52点
商品業務 債券業務 40点
商品業務 投資信託及び投資法人に関する業務 34点
商品業務 付随業務 10点
商品業務 先物取引 42点
商品業務 オプション取引 34点
商品業務 デリバティブ取引 30点
関連科目 証券市場の基礎知識 10点
関連科目 株式会社法概論 20点
関連科目 経済・金融・財政の常識 20点
関連科目 財務諸表と企業分析 20点
関連科目 証券税制 22点
関連科目 セールス業務 10点

*配点はあくまで推定で、公式の発表ではありません。

配点を太字にした7科目は、出題が多いため特に重点的に対策を行いましょう。

太字科目では1問10点の計算問題も出題されるため、解法の覚える必要があります。

「デリバティブ取引」や「証券税制」は、配点こそ高めですが、内容が難しいと言われている科目です。

また「金融商品の勧誘・販売に関係する法律」、「証券市場の基礎知識」、「経済・金融・財政の常識」、「財務諸表と企業分析」の4科目は得点しやすい科目だと言われています。

暗記すれば満点も目指せる教科のため、配点の高い7科目と共にしっかり強化しましょう。

問題集を中心とした勉強がおすすめ

証券外務員試験に公式のテキストや問題集は存在しません。

そのため市販の参考書を購入することになります。

テスト対策では用語や解法の暗記が中心となるため、とにかく問題集をこなす勉強が有効です。

時間のない人やとにかく受かれば良いという人は問題集だけの学習で十分でしょう。

基礎をしっかりと固めたい人や知識を深めたいという方はテキストを併用して下さい。

テキストを使う場合は、まずテキストを読んで知識を蓄え、問題集を解き、再びテキストで復習するという流れが効率的です。

どちらかの片方のタイミング(予習か復習)だけテキストを使うのも良いでしょう。

おすすめの問題集とテキスト

証券外務員の一種試験でおすすめの教材は、日本経済新聞出版社の「うかる!シリーズ」かTACの「スッキリわかるシリーズ」です。

それぞれの出版社で証券外務員一種試験の問題集とそれに対応するテキストが出ています。TACは二つがまとまった1冊です。

テキストの詳細は以下の通りです。

名称 出版社 値段
うかる! 証券外務員一種 必修問題集 2019-2020年版 日本経済新聞出版社 2,310円
うかる! 証券外務員一種 必修テキスト 2019-2020年版 日本経済新聞出版社 2,310円
スッキリわかる 証券外務員一種 2019-2020年 TAC 2,420円

これらの問題集及びテキストで大方のテスト対策を行ったら、最終仕上げとして実践練習を行いましょう。

対策の最後はWeb公開模試

証券外務員試験には過去問が存在しません。そこで代わりとして有効なのがファイナンシャルバンクインスティチュートのWeb公開試験です。

試験は無料で受けられるので、問題集とテキストを使って勉強したら、模試に進むと良いでしょう。

模試で8割程度得点できるようになれば、準備は万全だと言えます。

通信講座も活用しよう

独学での勉強は避けたいとお考えの方は大人気通信講座であるスタディングが外務員講座を開講しているので、こちらを受講されることをおすすめします。

スタディングはスマホ1つであらゆる学習が可能となっているので、忙しい社会人の方でもスキマ時間を使って効率よく勉強できるようになります。

また、合格に必要なポイントを押さえた無駄のないカリキュラムが設けられているので、遠回りをすることなく最短経路で合格を目指せるというメリットもあります。

働きながら外務員の資格取得を目指される方は、是非チェックしておくのが良いでしょう。

スタディングの公式サイトはこちら

証券外務員の一種と二種の違いまとめ

証券外務員の一種と二種の違いまとめ

  • 一種は信用取引なども含め全商品を扱える
  • 対して二種は現物取引のみ
  • 比較的易しい試験のため、直接一種にチャレンジしても良い

今回は、証券外務員の一種と二種の違いについて、詳しく解説しました。

証券外務員の一種は信用取引やデリバティブ取引を含む全商品を扱うことができますが、二種は現物取引に限定されます。

試験の難易度に大きな差はなく、受験資格もないため、いきなり一種に挑戦するのも良いでしょう。

その際は問題集を中心に短期間で対策をするのがおすすめです。