土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いは?宅建や司法書士の業務内容も交えて解説!

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「土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いは何なの?」

「司法書士と宅建士との違いについても知りたい!」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

土地家屋調査士と不動産鑑定士は共に難関な不動産系資格として知られていますが、具体的な違いについては知られていません。

これらの資格の取得を目指している方の中には、どちらの取得を目指すべきか悩んでいる方もいるでしょう。

こちらの記事では、土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いや司法書士と宅建士の違いなどについても詳しく解説していきます!

土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いなどについてざっくり説明すると

  • 難易度と平均年収は不動産鑑定士の方が高い
  • ダブルライセンスは非現実的
  • 合格を狙うなら通信講座や予備校の利用がおすすめ

土地家屋調査士と不動産鑑定士の違い

絶景のイメージ

まずは、土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いについて見ていきましょう。

2つの資格で仕事内容は大きく異なる

土地家屋調査士と不動産鑑定士は共に不動産調査の仕事を担う資格ですが、関わる業務が大きく異なります。

土地家屋調査士は測量と表題登記を中心に行う仕事であるため、不動産業界では「測量と表題登記のプロ」と呼ばれていす。

具体的な仕事内容としては、土地や建物の調査や測量を行い不動産の位置や構造や床面積、用途を明らかにすることと言えるでしょう。

また、不動産の表示に関する表題登記に関する独占業務も持っており、表題登記の申請手続きを代理で行ったり土地の境界に関する民事紛争が起きた場合は解決の手続きの代理も行っています。

一方で、不動産鑑定士は測量図や登記情報も参考にしながら、あらゆる不動産の利用価値や経済価値を把握し、適正価格を決定するのが主な仕事です。

不動産鑑定士は不動産系資格でも最高峰の難易度を誇っており、鑑定評価にあたっては経済や会計、税金などの幅広い専門的な知識が求められています。

事務所や不動産会社だけでなく、銀行や資産運用会社でも活躍している不動産鑑定士も多いです。

このように、両者の資格の仕事はかなり異なっているため、自分が身に着けたいスキルを分析して取得を目指すものを決めましょう。

平均年収は不動産鑑定士の方が高い

続いて、土地家屋調査士と不動産鑑定士の収入面を比較してみましょう。

土地家屋調査士の収入は勤務者と独立開業者で分けて考える必要があり、多くの勤務者は約400〜600万円程度となっています。

独立開業者の場合は個々のばらつきが大きく、中には年収1000万円を超えることもあり、非常に夢があると言えるでしょう。

一方で、不動産鑑定士の平均年収は令和元年賃金構造基本統計調査によると755万円という結果でした。

また、外資企業で働く場合は年収1000万円以上を稼いでいるケースも珍しくありません。

これらのデータを比較すると、土地家屋調査士よりも不動産鑑定士の方が高い年収を稼いでいることが分かります。

ダブルライセンスは非現実的

冴えない顔の子ども

前述したように、両資格とも不動産の調査を業務とする仕事ですが、その業務範囲は全く異なります。

それぞれの資格の難易度はとても高く、取得を目指す場合は膨大な勉強時間が必要となります。

そのため、自分の価値を高めるためにダブルライセンスを目指そうとする方もいるかと思いますが、両方とも取得するのは残念ながら現実的とは言えません。

試験範囲の重複もほとんど無いため、非常に勉強に手間と時間がかかってしまうのです。

具体的な出題範囲を見てみると、土地家屋調査士試験では測量方法、図面作成方法、不動産登記方法などの知識が中心に問われます。

対して、不動産鑑定士試験は行政法規や鑑定評価などの基礎知識だけでなく民法や会計・経済など幅広い知識を問われるため、取得に5年以上かかってしまう方も少なくありません。

これらの点を総合的に考慮すると、ダブルライセンスは現実的ではなく、無理に目指す必要もありません。

どちらの資格を目指すべき?

大きな疑問

土地家屋調査士の業務は登記と測量関係に限られるため、比較的勉強はしやすいと言えます。

対して、不動産鑑定士の業務は土地や建物の鑑定評価だけでなく、信託業務や企業会計業務、コンサルティング業務など幅広いため、求められる知識も膨大になります。

これらのことを踏まえると、一つの業務を突き詰めるのが好きな方は土地家屋調査士を目指すのが良く、様々な業務を取り扱い幅広く挑戦することに興味がある方は不動産鑑定士を目指すと良いでしょう。

なお、難易度の観点から仕事と資格勉強を両立させたい方は、土地家屋調査士の取得を目指すのがおすすめです。

需要・転職はそれぞれで大きく異なる

土地家屋調査士の需要は景気の波の影響を受けやすく、不動産取引に付随する業務だけだと仕事の需要は不安定になってしまいます。

そこで、業務の幅を広げるために遺産相続案件などの依頼を受注できる体制を整えることができれば、景気変動の影響を抑え安定的な事業を営むことも可能となるでしょう。

一方で、不動産鑑定士の仕事は景気の波に関係なく一定の需要がある一方で、新規資格取得者の数は低水準に保たれています。

不動産業界や金融業界・コンサル業界などの多様な業界から求人があるため、活躍できるフィールドは非常に広いと言えるでしょう。

また、相続税の申告にあたって不動産の価値を正確に測ることができるのは不動産鑑定士だけなので、税理士と業務連携するのも良いでしょう。

とはいえ、現実的な問題として、既存の不動鑑定士がマーケットを押さえていまっているため独立開業は難しいと言わざるを得ません。

資格取得はどのくらい難しいか

令和4年度の土地家屋調査士試験の合格率は約9.62% で、不動産鑑定士試験の合格率は短答式試験が約36.3%・論文式試験が約16.4% という結果でした。

土地家屋調査士試験では、測量方法・図面作成方法・不動産登記手続きなどの実務知識を問う問題が大半であるのに対し、不動産鑑定士試験の試験範囲は民法などの法律分野に加えて会計・経済分野まで幅広い知識を問われます。

次に、合格までに必要な勉強時間を比較すると、土地家屋調査士試験の合格に必要な勉強時間は約1000時間程度にあるのに対し、不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間は2000時間です。

また、不動産鑑定士は国家試験合格後に数年間の実務研修が必要となり、その後の修了考査に合格しなければなりません。

これらのことを考えると、土地家屋調査士の方が取得難易度が低く、ハードルも低いと言えるでしょう。

土地家屋調査士と関連した資格

図を描く男性

宅地建物取引士

不動産の物理的な状態の調査や測量を行う土地家屋調査士に対し、宅地建物取引士は不動産取引のプロフェッショナルとして活躍しています。

不動産営業を行う人には必須の資格であり、不動産の売買や賃貸物件の斡旋をする際にお客様に重要事項を説明できる独占業務が与えられています。

不動産取引の専門家であることを証明できる資格であるため、不動産会社をはじめとして建築会社や金融機関などでも宅地建物取引士の資格は需要があります。

活躍できるフィールドも広い上に取得と難易度も比較的低いため、興味がある方はぜひ手始めに取得を目指すと良いでしょう。

司法書士

司法書士は、登記手続きの代理や裁判所や法務局などに提出する書類を作成する仕事を主に行っています。

土地家屋調査士と同じく不動産登記の専門家ですが、土地家屋調査士は不動産の物理的な状態を登記するのに対し、司法書士は不動産権利に関する登記申請を行っています。

会社の登記などでも活躍しているため、司法書士も活躍の場は広いと言えます。

宅建士以外は独学は不可能

机の風景

こちらの記事で紹介した資格はどれも難易度が高く、宅建士以外は独学で取得するのはほぼ不可能でしょう。

宅建士は合格率が15〜20%程度であるため、他の資格と比較すると比較的難易度は低めです。

問題も4択問題が50問出題され、7割程度の得点で合格できる形式なので対策も容易なのです。

対して、不動産鑑定士・土地家屋調査士・司法書士は難易度が非常に高く独学で合格を目指すのは現実的ではありません。

よって、本気で合格を狙うなら通信講座や予備校を用いて、対策をするのがおすすめです。

これらの講座は無駄を省いて最短で合格を目指せるようにカリキュラムが組まれているため、非常に効率的な勉強が可能です。

本気で合格を目指している方は、これらの講座を活用してコツコツと勉強していきましょう。

土地家屋調査士は通信講座が特におすすめ

土地家屋調査士試験に合格したいなら、特に通信講座を活用して勉強を進めるのがおすすめです。

高い教材と実績を兼ね備えた講座が多いので、忙しい人でもしっかりと合格までの実力を身につけることができるでしょう。

特にアガルートの土地家屋調査士講座は、業界最安値の価格を誇り、30万円ほどの低価格でお得に受講できる今イチオシの講座となっています。

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土地家屋調査士と不動産鑑定士の違い

土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いなどのまとめ

  • 土地家屋調査士は測量と表題登記のプロで不動産鑑定士は不動産鑑定士の適正価格を算出する
  • 高キャリアを目指すのならば不動産鑑定士がおすすめ
  • 司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士は講座を活用して合格を目指そう

土地家屋調査士と不動産鑑定士は似ていますが違いがあるので、間違えないようにしましょう。

どちらも難易度が高く価値のある資格なので、取得できれば活躍の場を広げることができます。

なお、土地家屋調査士の方が取得難易度は低いため、どちらか迷ったら土地家屋調査士の取得がおすすめです!

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