TOEFL iBTのスコア別難易度一覧|TOEIC・ITPとの難易度の違いも併せて解説
「TOEFL iBTの難易度はどのくらい?」
「TOEICやTOEFL ITPの難しさとはどれくらい違う?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
TOEFL iBTは4技能全てで高いレベルが求められ、内容もアカデミックで専門的なので、英語試験では最も難易度が高いと言えるでしょう。
今回はそんなTOEFL iBTの難易度をスコア帯ごとに紹介します。TOEICやTOEFL ITPとの難易度との違いについても解説するので参考にしてください。
TOEFL iBTの難易度についてざっくり説明すると
- 80点は英検準1級相当
- 英検1級超えの100点以上はネイティブに近いレベル
- iBTの7割程度はTOEICの9割以上と同等
- 最速のスコアアップにはPROGRITを活用すべき
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TOEFLテストの難易度は最高峰
TOEFL iBTは数ある英語試験の中でも最も難易度が高い試験です。以下ではTOEFL iBTの難しい要因をいくつか紹介します。
なお、以下での「TOEFL」とは全てTOEFL iBTのことです。
4技能がまんべんなく問われる試験
日本の大学受験やTOEICなどは、リスニングとリーディングだけの試験ですが、TOEFLではライティングとスピーキングも含めた4技能全ての能力が高いレベルで求められます。
ライティングとスピーキングのテストには慣れていないことが多い日本人にとっては、このことが難易度を高める最大の要因であると言えるでしょう。
なお、以下では各セクションの難しいポイントをそれぞれ紹介します。
リスニングは長文を聞いて理解する必要がある
TOEFLのリスニングでは、英語の音声を聞いてその内容に関する設問に答えますが、その音声はかなり長いです。
長文をリスニング力だけで理解して、設問に答えていかなくてはならないので、かなり難易度が高いと言えるでしょう。
特に大学の講義を聞く問題では、数分間アカデミックな内容を聞いてそれを理解しなければならないので、共通試験のリスニングなどと比べると格段に難しいです。
リーディングは速読・精読両方求められる
リーディングでは学術的な内容の長文を読解し、それに関する設問に答えますが、アカデミックは内容の文章を読みこなすのは難しいので、ハイレベルな精読力が求められます。
また1問あたりにかけられる時間は108秒と、文章の難易度の割に時間設定も比較的タイトなので、読解スピードも持ち合わせていなくてはハイスコアを取ることはできません。
ライティングはトータルな力が求められる
ライティングでは、純粋に英作文の能力だけが試されるIndependent writingに加え、Integrated writingという出題があります。
この出題ではライティングと同時にリスニングやリーディングのスキルが試されるので、総合的に英語力が高くないと解くのはかなり難しいです。
3技能のうち、どれか一つでもミスをすればその設問は落としてしまうため、ハイレベルな試験だと言えます。
スピーキングは制限時間内に考えをまとめる必要あり
スピーキングでは準備時間と解答時間がそれぞれ決められており、例えばIndependent Taskなら15秒で考えをまとめて45秒で解答しなければいけません。
一般的に日本人はあまりスピーキングが得意でないため、このようにほぼ即興で英語を話すのはかなり難しいと言えるでしょう。
またスピーキングにも、ライティング同様にIntegrated Taskがあり、リスニングやリーディングのスキルも同時に求められるため、こちらはさらに難易度が高いです。
内容がアカデミック中心
TOEFLは留学の際に英語力を証明する手段としてスコアが用いられることもあり、アカデミックな内容の出題が中心です。
日本語で読んでもなかなか難しく感じられるような内容も多いので、特に初心者にとってはハードルが高いと言えるでしょう。
なお、そうした内容に対応するには、TOEFLに頻出の学問知識を予め学んだ上で、多様なテーマの英文に触れておくことが必要です。
学術的かつ高度な英文を理解することに慣れておけば、一般的な英語試験と同じように対策ができるようになるでしょう。
試験時間が長い
TOEFLは休憩時間を含めると約3時間の長丁場です。慣れない試験会場で長時間アカデミックな英語と格闘し続けないといけないという点も厳しいと言えるでしょう。
ちなみにセンター試験の英語は80分なので、TOEFLはその倍以上です。よって初心者にとっては、試験を受けるだけでも一苦労でしょう。
そのため、ハイスコアを取得するには、集中力や体力も鍛えなければなりません。
PCでの試験形式に慣れる必要がある
TOEFLはコンピュータ試験なので、TOEICや英検のように紙ベースで実施される試験とは勝手が違います。
特にライティングではタイピングで英文を入力しなければならないので、パソコン操作に慣れていない人は制限時間内に十分な量の英文を打ち込めるだけのタイピングスキルを身につけなければなりません。
英文の構成を考える時間も無論必要なので、考えたことを即座に画面上に反映できるくらいのタイピングができることが理想です。
TOEFLは偏差値に換算不可
TOEFLは英検のように合格・不合格が判定される試験ではないので、TOEFL自体の偏差値を出すことはできません。
ただし、TOEFLの各スコア帯を英検などの等級に換算することは大まかにならできるので、そこから大体の偏差値は難易度を推し量ることはできます。
また各スコア帯でどのくらいの英語力が必要であるかということ公開されているので、そのことから自分の目標スコアのレベルを知ることも可能です。
TOEFLとTOEICの難易度の違い
ここからは日本の社会人や大学生にはお馴染みのTOEICとTOEFLを比較していきます。
まずは以下の比較表でそれぞれの概要を確認してみてください。
項目 | TOEIC | TOEFL |
---|---|---|
活用目的 | 就職がメイン | 留学がメイン |
問われる技能 | リスニング・リーディングの2種類 | リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4種類 |
スコア | L&R共に450点満点の990点満点 | 各技能30点満点の計120点満点 |
試験内容 | ビジネスや日常生活など実践的な英語 | 大学での授業を想定した学術的内容・会話 |
試験時間 | 約2時間 | 約3時間 |
年間実施回数 | 10回 | 45回以上 |
主要な勉強法 | 決まった解法パターンのインプットがメイン | 4技能を満遍なく対策すべき・W&Sを中心に十分なアウトプットが必要 |
上記の補足をしておくと、まずTOEICは国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する日本発祥の試験で、ビジネス英語の運用力を評価する目的で実施されています。
よって特に国内においては英語力を証明する良いアピール材料となるため、ビジネスパーソンや就活生などがこぞって受験する試験です。
一方でTOEFLは英語を母語としない話者の英語のコミュニケーションスキルを測ることが目的とされています。
アメリカを中心とする英語圏の大学・大学院では、留学生の英語力を評価する基準としてこのTOEFLを採用しているため、受験者には英語圏の大学・大学院への留学・進学を目指す者が多いです。
換算スコアから難易度を比較
公式情報ではありませんが、TOEFL iBTのスコアをTOEICに換算すると以下のようになると言われています。
iBT | TOEIC |
---|---|
120 | 990 |
110 | 990 |
100 | 990 |
90 | 950〜980 |
80 | 900〜950 |
70 | 800〜900 |
60 | 700〜800 |
上記より、TOEFLでの7割程度がTOEICの9割以上に相当することがわかるので、TOEFLの方が難易度が高いと言えるでしょう。
問われる技能面はTOEFLの方が多彩
TOEFLではライティングとスピーキングを含めて4技能全てのスキルが試されます。一方でTOEIC L&Rではリスニングとリーディングの試験しか行われません。
よって、これまでの日本の英語教育では、リスニングとリーディングが中心に教えられてきたということを踏まえると、やはりTOEFLの方が日本人には難しい試験だと言えるでしょう。
出題内容はTOEICの方が馴染みが深い
TOEICは主にビジネス英語に関する試験ですが、日常的な会話表現に関する問題も数多く出題されます。
一方でTOEFLでは大学の講義などを題材とした学術的・専門的な内容に関する出題が多いです。
よって内容の馴染み深さという観点でも、TOEFLはTOEICよりも難しいと言えます。
TOEICでは日本語に訳してしまえば実に簡単だという内容も多いですが、先述したようにTOEFLの内容は日本語でもかなり高度です。
そのため、TOEICの方が多分に取り組みやすい試験だと言えるでしょう。
TOEFLはインプット・アウトプットの勉強両方が求められる
TOEICでは頻出の単語と文法事項を暗記したら、後は決まった解法パターンを覚えればある程度のスコアは取得できます。つまり基本的にはインプット中心の学習で十分に対策できるということです。
一方でTOEFLでも英単語・英文法の知識も無論必要ですが、TOEFLではそれら知識の4技能における活用力がかなり高いレベルで求められます。
そのため、TOEFLの対策ではアウトプットによって応用力を磨くことも必要不可欠であるため、対策の大変さという点でもTOEICより難易度が高いです。
対策手段はTOEICが圧倒的に充実
TOEFLの方がTOEICよりも対策が難しいのにもかかわらず、日本国内においてはTOEICの方が学習環境は充実しています。
TOEIC向けの参考書は多数出版されており、塾や通信講座のバリエーションも豊富なので、初心者でも簡単に対策のノウハウを知ることが可能です。
よって環境面でもTOEICの対策はかなりしやすいと言えるでしょう。
ちなみにTOEIC向けの学習環境がこれほどまでに充実しているのは、TOEICの方が国内での知名度が圧倒的に高いからです。
また一方はビジネスパーソン向け、他方は留学生向けという性質の違いも大きく関係しているでしょう。
ビジネスパーソンと比べれば、留学生の数など雀の涙ほどなので、TOEFLの対策教材はTOEICのように充実してはいません。
試験時間はTOEFLの方が約1時間長い
TOEICの試験時間は約2時間であるのに対し、TOEFLの試験時間は約3時間です。試験科目が多いので当然と言えばそれまでですが、試験時間の観点でもTOEFLの方が難易度は高いです。
なお、試験中の緊張した状態での1時間というのはかなり長く感じられるはずなので、一通り受験する大変さでいうと、TOEICとTOEFLには大きな差があると言えます。
受験方法の違いも難易度に影響
TOEICは日本人にとって馴染み深いマークシート方式の試験なので、受験方法として違和感を感じたり、戸惑ったりすることはないでしょう。
一方でTOEFLはコンピュータ試験であるため、ライティングにおけるタイピングを中心に、特にPCに慣れていない人にとっては受けずらさを感じることもあるはずです。
また英作文だけでなく、パソコン画面で英語の長文を読むのも慣れていなければ大変だと言えます。
実施回数ではTOEFLが圧倒的有利
TOEICは年に10回しか実施されないのに対し、コンピュータ試験であるTOEFL iBTは年に45回以上行われます。
そのため、1回あたりの重要度が高いのはTOEICの方で、TOEFLなら一度失敗してもすぐに再挑戦することが可能です。
しかし、TOEICの方も実施頻度が少ないわけではないので、余程急ぎでスコアが必要なのでない限り、それほど困ることはないでしょう。
TOEFL iBTとITPの難易度の違い
続いてはTOEFL iBTとTOEFL ITPの難易度の違いを解説していきます。
まずは先ほどと同様、両者の概要を比較してみてください。
項目 | iBT | ITP |
---|---|---|
テスト形式 | コンピュータ受験 | ペーパー受験 |
テスト内容 | 4技能 | L&R+文法問題 |
スコア | 120点満点 | L1:677点 L2:500点 |
試験時間 | 約3時間 | 約2時間 |
主な目的 | 留学 | 団体内での英語力測定 |
受験回数 | 年45回以上 | 団体での受験のみ |
換算スコアから難易度を比較
続いてはiBTとITPのスコア換算表を見てみましょう。
iBT | ITP |
---|---|
110~120 | 640~677 |
100~110 | 600~637 |
90~99 | 577~597 |
79~89 | 550~573 |
71~78 | 527~547 |
61~70 | 500~523 |
51~60 | 467~497 |
41~50 | 437~463 |
上記を見ると、iBTとITPでは難易度がそれほど変わらないようにも思われますが、ITPは採点方法が特殊であるため、スコアから両者の難易度を単純比較することはできません。
また後述の通り、問題自体の難易度はiBTの方が明らかに高いので、同じ得点率同士を比べた場合は、iBTの方が難しいと言えるでしょう。
問われる技能はiBTの方が多い
iBTは4技能全てが試されるのに対し、リスニング・文法・リーディングの3セクションから構成されるITPは実質2技能しか求められません。
よってライティングとスピーキングの技能も要するという点では、iBTの方が難しいと言えるでしょう。
なお、ITPの文法のセクションに関しては、出題パターンが決まっており、対策及び高得点の取得は比較的簡単です。
iBTにこのような簡単なセクションはないので、やはり難易度はiBTの方が上だと言えます。
出題傾向は基本的には同じ
iBTとITPともにアカデミックな内容の出題が中心なので、出題傾向は基本的には変わらないと言えるでしょう。しかし、細部を見ると若干の違いはあります。
例えば、iBTのリスニングでは主に大学の講義やディスカッションに関する出題がなされるのに対し、ITPではそれらに加えて日常的な会話についての出題も多いです。
よって出題傾向を見ても、ITPよりiBTの方が難しいと言えます。
試験時間はITPの方が約1時間短い
試験時間はiBTが約3時間であるのに対し、ITPは約2時間です。よって試験時間の点でも難しいのはiBTの方だと言えます。
なお、先述したように試験本番での1時間というのは大きな差ですが、iBTの場合はその1時間でITPにはないライティングとスピーキングをこなさなければならないので、時間の密度もかなり濃いです。
よって総じてiBTというのはかなり難易度の高い試験だと考えるのが良いでしょう。
TOEFLのスコア分布と平均点
以下では公式情報である「TOEFL iBT® Test and Score Data Summary 2019」に載っているスコア帯ごとの取得者の割合を紹介します。
スコア | 割合 |
---|---|
28 | 1% |
32 | 1% |
36 | 1% |
40 | 1% |
44 | 2% |
48 | 2% |
52 | 2% |
56 | 3% |
60 | 3% |
64 | 4% |
68 | 5% |
72 | 6% |
76 | 7% |
80 | 7% |
84 | 8% |
88 | 8% |
92 | 9% |
96 | 8% |
100 | 8% |
104 | 6% |
108 | 4% |
112 | 3% |
116 | 1% |
なお、日本人の平均スコアは72点であり、世界平均の83点を10点以上下回っています。
世界の平均点と比較
続いては同様のデータを参考に、アジア圏に属する各国の平均点を見ていきましょう。
国名 | 平均点 |
---|---|
日本 | 72 |
韓国 | 83 |
マカオ | 83 |
インドネシア | 86 |
香港 | 88 |
マレーシア | 91 |
インド | 95 |
シンガポール | 98 |
上記より、日本はアジア圏の中で目立ってTOEFLのスコアが悪いということがわかります。
隣国の韓国は世界平均と同じ83点であり、親日国であるマレーシアに至っては90点を超えているので、日本の点数がいかに低いかということがわかるでしょう。
このことを見ても、やはりTOEFLは日本人にとっては難易度が高い試験だと言えます。
TOEFLのスコア別難易度
ここからはTOEFLの各スコア帯の難易度やレベルについて解説します。
TOEFL40点未満の難易度やレベル
40点未満は英語学習者としてはかなり基礎的なレベルだと言えます。英検で言えば、中学初級程度〜中学卒業程度に相当する5級から3級と同等なので、中学生でも取得できるくらいの難易度です。
よって英語力をアピールできるスコアとはまだまだ言えないので、留学や就労に活用したい場合は早急にレベルアップを目指さなければなりません。
TOEFL40~50点の難易度やレベル
40〜50点が取れれば、興味のある話題についてはある程度コミュニケーションが取れるくらいの英語力を有していると言えます。
また高校卒業程度に相当する英検2級と同等のレベルなので、一定の語彙力・理解力はあると言えるでしょう。
なお、40〜50点はアメリカの短大であるコミュティカレッジに出願する際の最低ラインでもあるので、この辺りから徐々にスコアを活用できるようになっていきます。
TOEFL50~60点の難易度やレベル
TOEFLで50〜60点が取れれば、身近な話題についてはより積極的に英会話ができるようなレベルです。
また英検2級以上の実力を有しているということなので、すでに大学レベルに差し掛かっていると言えるでしょう。
さらに60点未満ではまだ大学への出願はできませんが、コミュニティカレッジであれば幅広い選択肢の中から選ぶことができます。
TOEFL60~70点の難易度やレベル
60点を超えられれば、ようやく4年制大学に出願できるようになります。
しかし、60〜70点で出願できるのは一部の大学だけであるため、選択肢の幅を広げたいなら70点以上を目指すのが良いでしょう。
ちなみに60点を超えられるようなれば、身近な話題ならかなり円滑に会話ができるレベルだと言え、もう英語圏の国で日常生活を送ることもできるはずです。
TOEFL70~80点の難易度やレベル
70点以上を取得できるようになれば、専門分野であれば、複雑な議論も交わせる程度の英語力が身についていると言えます。
そのため、日常生活においてはネイティブとも自然なコミュニケーションが取れるでしょう。
また70点を突破すれば、スタンダードレベルのアメリカの4年制大学であれば、概ね出願することができます。
ただし、80点を超えると一気に選択肢が広がるため、4年制大学への留学・進学を希望するなら、80点以上を目標に勉強するのが良いでしょう。
TOEFL80~90点の難易度やレベル
80点を超えれば、自分が専攻する学問分野であれば十分な議論が行えるだけの英語力があると言えます。
英検では準1級に相当するため、一般的にはかなり英語ができるレベルになるでしょう。
また80点以上が取得できれば、アイビーリーグなどの一部の名門を除けば、ほとんどの4年制大学に出願することができます。よって多くの場合、このレベルまで達すれば大学への留学には十分です。
TOEFL90~100点の難易度やレベル
TOEFLの90点以上は英検1級に相当するので、このレベルに達すればかなり英語が熟達していると言って良いでしょう。
どんな話題であっても概ね流暢に英語を話すことができ、英作文に関しても自分の意見を明快に主張できるようなハイレベルな書き方ができるはずです。
なお、100点未満ではアメリカ最難関であるアイビーリーグへの出願にはまだ不十分な場合があるものの、それ以外の上位校には出願できるようになります。
TOEFL100~120点の難易度やレベル
TOEFLでは最高峰のスコア帯である100〜120点が取得できれば、ネイティブに準ずるような仕方で4技能全てが扱えるレベルだと言って良いでしょう。
英検1級を超える英語力を有しており、大学院入試を含めても出願に際してスコア不足に陥る心配はありません。
先ほどから言及しているハーバード大学をはじめとするアイビーリーグへの出願ももちろん可能です。
TOEFLの取得メリットは盛りだくさん
ここからはTOEFL iBTを受験するメリットについて解説します。
海外で高く評価される資格
TOEFLは130カ国程度で実施される国際的な英語試験なので、一定以上のスコアを取得すればグローバルに英語力を証明することができます。
また英語圏の大学・大学院への留学や進学に加え、英語圏への移住や現地での就労の際にもTOEFL iBTのスコアは活用可能です。
よって仕事での活躍や生活の場を、海外に移したいと考える方にとっても良いでしょう。
なお、日本国内ではメジャーなTOEICや英検ですが、それらをTOEFLのように海外で活用することはできません。
TOEICや英検は英語圏ではあまり知名度が高くないので、海外でスコアを活用するならTOEFLが一番です。
スコアは留学・大学院入試で役に立つ
TOEFLは英語圏の大学に留学・進学することを目指して受験されるケースが非常に多いです。
これを読んでいただいている方にも留学を視野に入れている方は多いはずなので、参考までにアメリカの大学へ出願するにはどのくらいのスコアが必要かという具体例を紹介しておきましょう。
大学名 | iBTの点数 |
---|---|
アリゾナ州立大学 | 61 |
ニューメキシコ州立大学 | 61 |
コロラド州立大学 | 79 |
カンザス州立大学 | 79 |
オークランド大学 | 79 |
イーストカロライナ大学 | 80 |
ジョージワシントン大学 | 80 |
マサチューセッツ工科大学 | 90 |
ボストンカレッジ | 100 |
コロンビア大学 | 100 |
デューク大 | 100 |
ハーバード大学 | 100 |
プリンストン大学 | 108 |
なお、上記では一部しか紹介していませんが、80点を超えると一気に出願できる大学の数が増えるので、留学を目指してTOEFLに挑戦する場合は、まずは80点を目標に勉強をしてみてください。
本当の英語力を測ることができる
例えば、日本で主流な英語試験であるTOEIC L&Rテストでは、リスニングとリーディングのスキルしか求められません。
一方でTOEFL iBTでは4技能全てのスキルが試されるため、一定以上のスコアを取得できるようになれば、海外でも通用する本物の英語力が身に付いたと言えるでしょう。
また英語のアウトプットであるライティングとスピーキングのスキルをTOEFL以上に鍛えられる試験はないと言えるので、その点でも魅力的です。
英語を自発的に使う能力は海外で活動する上では必須なので、海外で活躍したいという方はTOEFLで真の英語力を磨くのが良いでしょう。
独学でTOEFLハイスコアは目指せる?
独学でTOEFLのハイスコアが取得できるかどうかは、元々の英語力次第だと言えます。
例えば、すでにTOEIC700〜800点、もしくは英検準1級などを取得しているという場合は、すでにある程度高い英語力を有しているため、独学でTOEFLに挑戦してもハイスコアの取得は十分可能です。
一方で高校英語も満足に理解できていない(英検2級に合格できるか怪しい)というレベルでは、難易度の高いTOEFL iBTの対策を独学で行っても、スコアを伸ばすのは難しいと言えます。
TOEFL iBTでは4技能全てが試され、内容も学術的かつ高度なので、英語力の土台がしっかりしていないなら、独学で対策するのは無謀です。
なお、もし英語力の基礎が十分にないが独学で挑戦したいという場合は、まずTOEICや英検などのTOEFLよりも簡単な試験に独学でチャレンジするのが良いでしょう。
それらの独学に成功し、試験勉強を通して十分な基礎力を身につければ、TOEFLでハイスコアを取得できる可能性も大いに出てきます。
TOEFLを独学で勉強する際に気を付けるべきポイント
さて、以下では独学でTOEFL対策を行う際に注意すべきポイントについて解説します。
自分の実力の把握が最優先
独学で対策をする場合は、まず初めにTOEFL iBTの問題を本番と同様の形式で解いてみて、現状の実力がどのくらいなのかを知ることから始めるべきです。
本番と同じ制限時間を設け、現状でどのくらいのスコアが取得できるのか、理想(目標スコア)と現実にはどのくらいのギャップがあるのかを確かめましょう。
なお、この作業にはTOEFLの実践模試が収録されている公認ガイド(公式問題集)を用いるのがおすすめです。
目標スコアを明確に設定
英語圏の大学への留学や大学院入試のためにTOEFLを受験する人が多いでしょうが、その場合は出願に必要なスコアを取得しなければなりません。
なお、その場合は必要なスコアよりも少し上のレベルに目標スコアを設定するのがおすすめです。例えば、80点が目標なら85点程度を目指して対策をするのが良いでしょう。
また目標スコアはセクションごとにも立てるべきです。自身の得意・不得意によって、各セクションでどのくらいのスコアを稼ぐのかというプランを立てましょう。
ちなみに日本人の場合は、やはりリスニングとリーディングが得意な場合が多いはずですから、その2つで得点を稼ぐようなプランが有効です。
スケジュールは1週間単位で作成
独学での試験対策に必須なのが学習スケジュールですが、スケジュールを立てる際は、まず自分に足りない要素(やるべきこと)を洗い出すことから始めましょう。
それら要素を網羅的にピックアップし、各要素の勉強にはどのくらいの時間が必要かということを考えれば、自ずといつまでに何を終わらせるというスケジュールが組み立てられるはずです。
なお、スコアは試験日から逆算して立てますが、試験日の決定には大学へのスコア提出期限が関係してくるので、その辺りの情報収集もきちんとしておきましょう。
また学習スケジュールは1週間単位で作成するのがおすすめです。
より綿密に1日単位の計画を立てたくなる方もいるでしょうが、それだと1日で簡単に狂ってしまうので、ある程度余裕を持たせておくのが良いでしょう。
1週間単位なら急遽の用事にも柔軟にスケジュール調整をして対応できるので、無理なく学習を継続することができます。
TOEFLのおすすめ独学勉強法
続いては、独学でTOEFL対策を行う際に是非取り入れて欲しい勉強法をいくつか紹介します。
単語学習は全受験者必須
海外に大学で授業についていけるだけの英語力があるかどうかを判断するために用いられるTOEFLの内容はかなり高度なので、登場する単語ももちろんハイレベルです。
高校英語ではまず見られない学術的な専門用語も多数登場するので、大学受験レベルの語彙力では到底対応できないでしょう。
よって「TOEFLテスト英単語3800」などのTOEFL専用の単語帳を使って、ハイレベルな頻出語をきちんと暗記する必要があります。
ちなみにこの「英単語3800」では、3800の頻出語を、学術的な背景知識を含めて学べるので非常におすすめです。
パラグラフリーディングの活用が有効
TOEFLのリーディングセクションを攻略するには、各段落の第一文(と最後の2、3文)に注目して段落ごとの要旨を押さえながら読むというパラグラフリーディングという読み方がおすすめできます。
TOEFLで出題される学術的な英文は、論理構成がきちんとしているため、第一文には大体各段落の要旨が書かれており、また段落ごとの要旨を押さえれば全体的な文意も把握することができるからです。
よって軽くメモを取りながらでも良いので、最初の一文を着目しながら段落ごとの要点を素早く把握する練習をするのが良いでしょう。
なお、その練習にはトレーニング問題18題が収録されている「TOEFL iBT® TEST リーディングのエッセンス」を使うことを推奨します。
リスニングは方法論をきちんと押さえる
リスニングのトレーニング方法としては、ディクテーションとシャドーイングの2種類が良いでしょう。
ちなみにディクテーションは聞き取った英語を正確に書き取ること、シャドーイングは流れる音声を聞いたそばから正確に繰り返していくことを指します。
どちらも英語を正確に聞き取る力を鍛えるにはぴったりのトレーニングなので、ダブルで続ければ確実にリスニング力は伸びていくはずです。
またTOEFLでは数分間の長い英文を聞き取らないといけない場面もあるので、リスニングによって文章の要旨を的確に捉える能力も必要になります。
よって長文を聞き取ってから、その内容を要約するという練習も取り入れてみましょう。
なお、それらのトレーニングには「TOEFLテスト集中攻略リスニング」を使うのがおすすめです。
スピーキングはとにかく場数を積んでなれる
スピーキングは日本の英語教育で最も教えられない技能であるとも言えるので、英語でずっと話し続けるのは難しいという方は多いでしょう。
しかし、TOEFLのスピーキングテストでは流暢さが評価されるため、途中で止まってしまったり、その後なかなか話し出せなかったりすると、大きな減点対象となります。
よって英語がよどみなく話せるように徹底的にトレーニングしなければなりません。
なお、具体的な練習法としては瞬間英作文を取り入れるのが良いでしょう。これは短い文章を瞬発的に頭の中で組み立てられる能力を身につけ、その後徐々に話せる文章を長くしていくというものです。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」という専用のテキストが出版されており、対応するアプリもあるので、それらを使って繰り返し話す練習を行いましょう。
またある程度話せるようになったら、「TOEFLスピーキング問題110」や「TOEFLテスト集中攻略スピーキング 改訂版」を活用して、TOEFLに特化したスピーキング対策をするべきです。
ライティングは採点基準を基に演習
ライティングではIndependent WritingとIntegrated Writingという2つのタスクが出題されますが、それぞれで採点基準が決まっているため、それらを踏まえた上で対策を行う必要があります。
ちなみに各タスクの採点基準は概ね以下の通りです。
<Independent Writing>
- トピックに対する回答の適切さ
- 文章構成・内容の具体性
- 主張の一貫性
- 語彙・文法の正確さ
<Integrated Writing>
- 講義内容の理解度
- 講義内容と回答の関連性
- 段落構成の適切さ
- 語彙・文法の正確さ
上記を知らないまま対策をすると、的外れな勉強をしてしまう可能性があるので、それぞれの基準をしっかり押さえた上で対策を行いましょう。
またそれぞれの採点基準を押さえた文章構成というのも大体決まっているため、それを知っておくことも大切です。
具体的には序論にボディが2〜3つ、そして結論(必要あれば)という構成で書いておけばまず間違いありません。
なお、対策に用いる教材としては「TOEFLテスト集中攻略ライティング」がおすすめです。
独学者が必ず持っておくべき参考書
独学でTOEFL対策をするなら、「ETS公認ガイド TOEFL iBT 第5版」は必ず購入しましょう。
これはいわゆる公式問題集であり、TOEFL iBTの過去問で構成された実践模試が3回分収録されています。よってTOEFLの出題傾向や問題形式を把握する上で、これに勝る教材はありません。
また初めに本番形式の腕試しを行うのにも、本番直前期に総仕上げの実践演習を行うのにも有用です。そのため、受験を決めたら早速購入すると良いでしょう。
さらに公認ガイドには各セクションに関する日本語の解説がついているので、それぞれの攻略法を模索する上でも役立ちます。
なお、英語版の「The Official Guide to the TOEFL® Test 5th Edition」もあるので、上級者はそちらを活用するのも有意義です。
TOEFL iBTの対策はLIBERTYがおすすめ
TOEFL iBTのスコアを効果的に引き上げるためには、スクールでスコアアップのノウハウを効果的に身につけることをおすすめします。
TOEFL対策のスクールは数多く存在しますが、その中でもLIBERTYの受講がおすすめです。
こちらのスクールでは、短期間の間に英語脳を作り上げる「グラマーテーブル」メソッドを活用することで、TOEFL iBTのスコアアップを狙うことができます。
数多くの受講生がLIBERTYを通じてTOEFL iBTの大幅スコアアップを達成しているため、ぜひ一度LIBERTYの受講を検討してみてはいかがでしょうか?
ベルリッツでTOEFL対策
ベルリッツでは目的に合わせた通信講座のカリキュラムを準備しており、TOEICやTOEFLなどの検定試験対策のプロフェッショナルな講師が丁寧に指導してくれます。
また、ベルリッツの講座では受講者のレベルや目的、学習スケジュールなど様々な要素を考慮してカスタマイズされた学習カリキュラムを作成してくれるため、自分のペースを守りながら着実に英語力向上が見込めるでしょう。
ベルリッツなどの通信講座を利用することは、参考書などを利用して独学するよりも費用がかかってしまう一方で、目標に向かって効果的に進むことができるというメリットがあるため、受講を検討してみることをおすすめします。
TOEFL iBTの難易度まとめ
TOEFL iBTの難易度まとめ
- 80点以上取れば多くの4年制大学に留学できる
- 100〜120点ならIBリーグにも出願できる
- 英検2級程度の基礎力がなければ独学は難しい
- 効率よくレベルアップを果たすならプログリット
TOEFL iBTの難易度について解説しました。
TOEFL iBTは4技能全てが試されることと内容がアカデミックで高度であることを踏まえると、最も難しい英語試験だと言えます。
例えば、英語圏の大学に留学するなら目指すべき80点は英検準1級に相当し、TOEICに換算するなら900点以上です。
また英語圏の大学院入試に必要な100点以上になると、ネイティブに近いイメージで英語を扱えなければならず、これはもはや英検やTOEICには換算することができません。
なお、このように難しい試験なので英検2級程度の基礎力がなければ、独学での対策は困難なので、プログリットを活用するのが良いでしょう。