IELTSの難易度は?スコア6.5・6.0のレベルの目安から独学勉強法まで解説
「IELTSの難易度ってどのくらい?」
「IELTSの対策ってどうすればいいの?」
IELTSの受験を検討している方は、このようなことでお思いなのではないでしょうか。
この記事では、IELTSの難易度について解説しています。
各セクションの特徴、具体的な勉強方法などもご紹介していますので、IELTS対策を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
IELTSの難易度についてざっくり説明すると
- センター試験よりはるかに難しい
- リーディング・リスニングのレベルは難関大学の二次試験に相当する
- 日本人の平均スコアは6.0
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IELTSの難易度
IELTSの難易度はどのくらいなのでしょうか。
IELTSのそれぞれのバンドスコアは他の英語検定に換算するとどのくらいになるのか表にまとめました。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
---|---|---|---|
9 | 118~120 | - | - |
8.5 | 115~117 | - | - |
8 | 110~114 | - | - |
7.5 | 102~109 | 970~990 | 1級 |
7 | 94~101 | 870~970 | 1級 |
6.5 | 79~93 | 820~870 | - |
6 | 60~78 | 740~820 | 準1級 |
5.5 | 46~59 | 600~740 | - |
5 | 35~45 | 550~600 | 2級 |
4.5 | 32~34 | 550~600 | 2級 |
4 | ~31 | 450~490 | 準2級 |
3.5 | - | 300~440 | - |
3 | - | 291~299 | 3級 |
2.5 | - | 270~290 | - |
2 | - | 260~269 | 4級 |
1.5 | - | 100~259 | 5級 |
他テストと比較してどのくらい難しい?
次に、IELTSは他の英語検定試験と比べてどのくらい難しいのか具体的に解説していきます。
TOEFLと形式は似ている
TOEFLは、4技能が試される点など、試験形式の面でIELTSと共通点が多い試験です。
しかし、TOEFLはCBT方式(コンピュータでの受験)であることや、アカデミックな内容が多いことなど、IELTSとは違う点もあります。
また、TOEFLはライティングテスト・スピーキングテストでリーディング・リスニングの力が問われる融合問題が難しいという特徴もあります。
TOEFLとIELTSどちらが自分に合うかをしっかり検討し、合っている方を受験しましょう。
TOEICと比べて4技能が要求される
TOEICには何種類かありますが、一般的にはリスニング&リーディングテストのことを指します。
スピーキングやライティングが苦手な日本人でも高スコアを取りやすいのが、このリスニング&リーディングテストです。
一方、IELTSは4技能全てが問われるテストであるため、日本人にとって難しい試験であると言えます。
英検より高い英語力が必要
英検は、中学生や高校生などで初めて英語の資格を目指す方にもおすすめできる試験です。
英検はリーディング、リスニング、ライティングの筆記試験を行う一次試験と、面接官と面接をしてスピーキングを行う二次試験があります。
一次試験はリーディング、リスニング、ライティングの順で配点が高くなっています。
また、二次試験のスピーキングは採点が易しいことが特徴です。
センター試験よりはるかに難しい
センター試験は日本の大学受験生の多くが受験し、平均点が60点になるように作られています。
一方、IELTSは英語圏への留学や移住を目指す人が受ける試験です。リーディング・リスニングのレベルは難関大学の二次試験レベルに相当します。
さらに、ライティング・スピーキングの対策も必要です。
センター試験と比べると、IELTSははるかに難しい試験なのです。
日本人の平均スコアは6.0
日本人のIELTSでの平均スコアはどのくらいなのでしょうか。
2018年のIELTSでは、日本人の平均スコアは以下のようになっていました。
Listening | Reading | Writing | Speaking | Overall- |
---|---|---|---|---|
5.87 | 6.05 | 5.43 | 5.56 | 5.75 |
総合的な英語力を表すオーバーオールスコアの平均は5.75でした。
IELTSではスコアが0.5刻みですので、5.75の場合は繰り上げられ6.0になります。
つまり、IELTSでの日本人の平均スコアは6.0と言うことができます。
IELTS6.0の難易度は?
日本人の平均スコア6.0はどのくらいの難易度なのでしょうか。
他の英語検定に換算した場合、TOEICでは740~820、英検では準1級、TOEFL iBTでは60~78になります。
このように、IELTS6.0を他の英語検定に換算してみると、どの英語検定でも高いスコア・級です。
レベルとしては、文法の基本的な知識が身についているレベルだと言えます。
ただし、スピーキングは個人の能力によって話せる場合と話せない場合があります。
IELTSが難しい理由
IELTSは難しい英語検定ですが、なぜ難しいのかその理由を解説していきます。
全体的に英単語の難易度が高い
リーディングは一般読者向けのレベルではありますが、高校英語よりは難易度が高い英単語が出てくるため、簡単ではありません。
また、ライティングでは、同じ単語を繰り返し使わないよう、一歩ハイレベルな単語を知っておく必要があります。
例えば、ライティングのタスク1で「The Chart show~」という文章を作った場合、次に同じ内容を言いたいときには「show」という単語は使わず、類義語の「reveal」「indicate」などを使うことが求められます。
リーディングの長文が複雑
IELTSのリーディングは、3つのパッセージからなり、試験時間は60分です。
1パッセージあたりの語数は短くても700語ほど、長いものでは1000語を超え、内容も複雑です。
そのため、時間内に全てのパッセージの設問を解くには、速読力と読解力が必要になります。
また、長文の中から必要な情報を効率よく抜き出すことも重要です。
このような力を付けるためには、とにかくたくさんの文章を読むことが効果的です。
さらに、リーディングの練習を定期的に行い、自分の弱点を特定してそれを重点的に鍛えることも大切です。
ライティングに慣れていない
ライティングはタスク1とタスク2からなります。タスク1は150語以上、タスク2は250語以上で書く必要があり、試験時間は60分です。
タスク1は、図やグラフの情報を的確に説明したり、情報をまとめて述べたりするライティング技術が必要です。
タスク2は、社会問題などに関して自分の意見を持ち、しっかり意見を述べられることが重要になります。
このような内容のライティングに慣れていない人が多いため、IELTSライティングは難しいと感じる人が多いのです。
また、文法や単語の正確性も評価の対象となるため、基本的な英文法の理解と豊富な語彙力を持っておくことも欠かせません。
スピーキング対策が難しい
日本の英語教育は、スピーキングの練習をする機会が少ないのが現状です。
日常生活においても、日本ではネイティブスピーカーと英語で話す機会がなかなかありません。そのため、スピーキングが苦手な日本人は多いです。
その上、IELTSのスピーキング対策をしようとしても練習相手がいないなどの問題があり、独学でのスピーキング対策は難しくなってしまいます。
実際に外国人とのコミュニケーションを経験することで、自然な発音や会話のリズムを身につけることができるので、留学や国際交流の機会を増やすことも効果的です。
留学で必要なIELTS6.5のレベル
英語圏に留学を希望する場合、IELTSではバンドスコア6.5以上が求められる場合があります。
そこで、6.5というスコアはどのくらいのレベルなのか解説していきます。
バンドスコア6.5が必要な場合
IELTSは、イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの大学・大学院への留学や移住をする際に必要になります。
特にイギリスでは、長期ビザの申請をするならIELTSは必須です。
最近では、アメリカでもIELTSのスコアが使える大学・大学院が増えてきました。
留学で求められるIELTSのバンドスコアは6.0または6.5が一般的です。
基準を6.0とする大学・大学院であっても、確実に合格するために6.5以上を取っておくのがよいでしょう。
6.5を取るのに必要な勉強時間
IELTSのバンドスコア6.5を取るためにはどのくらいの勉強時間が必要でしょうか。
ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)は、各バンドスコアを取るために必要な勉強時間の目安を以下のように定めています。
CEFR | IELTS | 必要学習時間 |
---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 1,000-1,200 |
C1 | 7.0-8.0 | 700-800 |
B2 | 5.5-6.5 | 500-600 |
B1 | 4.0-5.0 | 350-400 |
このように、6.5を取るためには、およそ500~600時間が必要になります。
なお、一般的にはIELTSのスコアを0.5上げるために必要な勉強時間は240時間程度です。
例えば、6.5を取れるようになったあとに8.5~9.0という満点や満点に近いスコアを目指す場合には、960~1200時間の勉強が必要です。
スコア6.5を取得する条件
IELTSでバンドスコア6.5を取るためには、基礎的な文法や単語が身に付いており、実践的な英語にもある程度慣れていることが必要です。
これらが出来ていない場合、バンドスコア6.5を取るには相当の努力を積まなければなりません。
このような英語力がない方は、まず文法や単語をたくさん覚え、基礎的な英語力を身に付けることから始めましょう。
バンドスコア6.5の配分の目安
オーバーオールスコアで6.5を取るためには、全てのセクションで6.5を超えることが理想的です。
しかし、日本人の受験者の場合、リーディング・リスニングでスコアを稼ぐことが多いです。
リーディング | 6.5 |
リスニング | 6.5 |
ライティング | 6.0 |
スピーキング | 6.0 |
このような結果なら平均は6.25ですので、バンドスコアは6.5になります。
ただし、この配分ではギリギリになってしまうためリスクがあります。また、4技能のバランスも悪くなってしまうこともデメリットです。
やはり、バンドスコア6.5を取るためには、全てのセクションで6.5を目指すのがよいでしょう。
IELTSの試験形式・問題内容
ここからは、IELTSの試験形式や問題内容について解説していきます。
IELTSの各セクションの試験時間と問題数は以下の通りです。
パート | 試験時間 | 問題数 |
---|---|---|
リスニング | 約30分+10分(転記) | 40問 |
リーディング | 60分 | 40問 |
ライティング | 60分 | 2題 |
スピーキング | 約11~14分 | 3パート |
IELTSは留学をするためのアカデミック・モジュールと、移住や永住権申請のためのジェネラル・モジュールがあります。
リスニングとスピーキングはアカデミック・ジェネラルともに出題内容が同じです。
リーディングとライティングはそれぞれ異なる内容が出題されます。
リーディングは幅広く出題される
リーディングの場合、アカデミックでは本、雑誌、新聞から引用した文章が出題されます。
文章の内容は学術的なものではありますが、一般的な読者を想定した内容になっており、専門的な知識は問われません。
ジェネラルでは、本、雑誌、新聞、広告、チラシ、パンフレットなどから出題されます。
リーディングのパッセージは3つで、語数は短くて700語ほど、長いと1000語ほどになります。
リスニングは音声が1回のみ
リスニングは4つのセクションからなっています。それぞれの内容は以下のとおりです。
セクション1:日常・社会的な会話 例)友人同士の会話、電話による問い合わせなど
セクション2:日常・社会的なスピーチ 例)ラジオ放送、イベント紹介など
セクション3:学術的・教育的な会話 例)学生同士の議論など
セクション4:学術的・教育的なスピーチ 例)ニュース、講義など
リスニングは1つのセクションにつき10問あり、計40問からなります。
音声は1回しか流れないため、高い集中力が必要です。また、聴き取れなかったときの切り替えも重要になります。
ライティングは2種類のタスク
ライティングでは2種類のタスクがあります。アカデミックとジェネラルのそれぞれのタスクは以下の通りです。
- アカデミック
タスク1:グラフや図表などから読み取った情報を説明する
タスク2:与えられたテーマについて自分の意見や考えを述べる
- ジェネラル
タスク1:会社や学校に宛てたお礼・依頼などの手紙を作成する
タスク2:与えられたテーマについて自分の考えと理由を述べる
アカデミック、ジェネラルともにタスク1は150字以上、タスク2は250字以上で書く必要があります。
スピーキングの問題は3種類
スピーキングの問題は3種類からなります。それぞれの内容は以下の通りです。
パート1:出身地や家族など受験者自身の個人的なことについて会話する
パート2:指定のトピックについて1分間で準備し1~2分間スピーチを行う
パート3:パート2のスピーチに関する社会的なテーマについて、面接官とディスカッションする
IELTSで満点9.0を取る勉強方法
IELTSの満点は9.0です。9.0を取るためには、どのような勉強方法があるのでしょうか。
リーディングは精読を極める
IELTSのリーディングは、指定された情報を的確に抜き出すことが求められます。そのため、精読することが大切です。
リーディングを勉強する際は、まず1つ1つの問題に丁寧に取り組み、わからなかった文法や単語を調べてなぜその選択肢が正解なのかしっかり理解しましょう。
わからないところを調べる習慣を付けることによって、次第に語彙力が高くなり、文法についても感覚的に理解できるようになっていきます。
また、IELTSのリーディングは、同義語から正解の選択肢が導けることが多いため、同義語を押さえておくこともポイントです。
単語を覚えるときにはなるべく多くの同義語を覚えるようにしておきましょう。
リスニングは単語をしっかりと
リスニングでは自分が発音できない単語は聴き取れないという特徴があるため、単語を正確に発音できるよう練習に取り組みましょう。
単語を聴き取った際に意味を瞬時に理解することも必要であるため、単語の意味を正確に覚えておくことも大切です。
また、IELTSのリスニングは記述式であるため、スペルを正しく書き取れることも重要です。
リスニング力の土台となる知識面を固めたあとは、リスニング力を高いレベルに上げるため、ディクテーション・シャドーイングを繰り返し行いましょう。
特にディクテーションは記述式で答える練習をするのに有効であるため、何度も行い完璧なレベルになるまで行うことが大切です。
ライティングはとにかく書く
ライティングで満点を取るためには、よく使う表現や書き方のコツを学んだら、とにかくエッセイをたくさん書くことにより学んだことをアウトプットしていきましょう。
特にタスク1は書き方がある程度定まっている性質の設問であると言えますので、書き方をマスターすることが必須です。
また、アカデミック、ジェネラル両方に言えることですが、それぞれのタスクで求められている構成通りに文章を展開させることが重要になります。
理由や考えを述べる際には、論理が一貫しているかも見られますので、内容に矛盾がないかなども含めて気を付けましょう。
スピーキングは評価基準が大切
IELTSのスピーキングで満点を取るためには評価基準を満たすことが必要です。
スピーキングの評価基準は「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法の知識と正確さ」「発音」の4つの観点からなります。
IELTSのスピーキングでは、認定された試験官がこれら4つの観点を満たしているかどうか採点していきます。
スピーキングの練習をする際は、これら4つのポイントを徹底的に意識して練習を重ねることが大切です。
独学の場合は、自分のスピーキングを録音して聴き、これらのポイントが守れているかを逐一チェックすることが満点を目指す上での秘訣になります。
IELTSは独学での対策が可能?
IELTSは難易度が高い英語検定試験ですが、独学で対策することは可能なのでしょうか。
独学が可能な条件
大学受験で英語を一生懸命勉強した方、TOEFLやTOEICの受験経験がある方など、英語の勉強方法がある程度わかっている方は、独学でIELTSの対策をすることが可能です。
また、英語のネイティブスピーカーが知り合いにいる場合は、その方にライティングやスピーキング対策を依頼するのもよいでしょう。
確実に目標スコアを取るならスクールの活用も
独学でIELTS対策をするには一定の英語力と根気が必要になります。独学は難しいと感じる方は、スクールで勉強することがおすすめです。
特に英語コーチングスクールのPROGRITのIELTSコースなら学習習慣の定着から、やるべきことの提示までコンサルタントが親身になって行ってくれることから、実力を確実に身に着けることができます。
学習でつまずいた際も、コンサルタントが都度受講生の伸び悩みの原因を分析して、改善するためのアプローチを提案してくれるので、初めての人でも安心の講座であるといえるでしょう。
IELTSの難易度についてまとめ
IELTSの難易度についてまとめ
- IELTS6.0は、TOEICに換算すると740~820点レベル
- 留学や移住ではバンドスコア6.5が必要になることが多い
- バンドスコア6.5を取るために必要な勉強時間の目安は500~600時間
IELTSは難易度が高い試験ですが、各セクションの特徴を捉え、解き方のコツを覚えれば高スコアを狙うことができます。
独学が難しいと感じる方はスクールを積極的に利用し、確実なスコアアップを目指しましょう。
IELTSで高スコアが取れれば留学、移住、永住権の取得とさまざまな可能性が広がります。ぜひ今回ご紹介した内容を参考にIELTSを受験してみてください!