IELTS6.5のレベルは?スコア換算して比較した難易度や純ジャパ向け勉強法を解説!
「IELTS6.5の英語力とレベルを知りたい」
「IELTS6.5の難易度を知りたい」
わが国ではTOEICやTOEFLはよく知られていますが、IELTSのことはあまり知られていません。
しかし、イギリスを中心とした英語圏への留学や就労を考えている人は、IELTSのことや留学・就労の際に必要な6.5のスコアなどについて理解しておくことが必要です。
ここでは、それらに加え、IELTSの6.5以上のスコア獲得のための勉強法などについても紹介します。
英語圏への留学や就労を考えている人には、必ずお役に立てるはずです。
IELTS6.5のレベルと難易度についてざっくり説明すると
- わが国では一番よく知られているTOEICの最高得点990点は、IELTSオーバーオール7.5に相当
- IELTSの最高オーバーオールの9.0は、TOEFL iBTのスコアの118~120点に相当
- IELTS5.5の人が6.5の取得に必要な時間は約600時間(毎日2時間の勉強で約300日)
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IELTSスコア6.5のレベル
IELTS(アイエルツ)はケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシルによって運営されている英語力を判定するテストです。
海外の大学や大学院への留学・海外移住や就労の際には、IELTSテストのオーバーオールスコアが6.5以上であることが求められます。
なお、IELTSの4技能のそれぞれのスコアを「バンドスコア」、4技能の平均値のから割り出したスコアを「オーバーオール」と表現するのが一般的です。
以降では、IELTSのスコアの6.5が具体的にどの程度の難易度・レベルであるのかを紹介しましょう。
バンドスコア6.5が必要な場合
IELTSは正解数に応じて厳密に点数が出るのではなく、4技能ごとに1.0~9.0の中で0.5刻みの幅(バンド)をもたせたバンドスコアで評価されます。
さらに、4技能の平均値から割り出した総合点を「オーバーオール」と言い、IELTSのスコアを表現する場合は、オーバーオールのスコアを言うのが一般的です。
このオーバーオールの6.5以上の得点は、次のような場合に必要とされます。
- 海外大学の学部の入学基準
- 海外大学院の出願資格
- アジアおよび欧州のMBAへの出願資格
- ビザ申請(オーストラリア、カナダなど)
なお、近年はアメリカでもIELTSスコアを求める大学や大学院が増加しています。
6.5は海外の大学への留学に必須
オーバーオール6.5の基準は、海外の8割以上の大学で設定されている留学時の審査基準の1つです。
IELTSの6.5は、英語の講義の聞き取りや英語でのエッセイ作成に苦労しないレベルとされています。
大学によっては「ライティングは6.0以上」といったセクションごとのバンドスコアの条件が設定されていることがあるので、大学のウェブサイトでの確認が必要です。
6.5を取得するまでの勉強時間
ケンブリッジ大学英語検定機構では、CEFR(「ものさし」のこと)レベルがAで英語力の低い人が、上位CEFRへレベルアップするのに必要な勉強時間を、次表のように想定しています。
CEFRレベル | IELTS | 必要勉強時間 |
---|---|---|
C2 | 8.5~9.0 | 1,000~1,200 |
C1 | 7.0~8.0 | 700~800 |
B2 | 5.5~6.5 | 500~600 |
B1 | 4.0~5.0 | 350~400 |
この表に示された勉強時間はあくまでも目安ですから、個人によって異なります。
一定の勉強量が必要
一般に、IELTSでスコアを0.5あげるために必要な勉強時間は300時間と言われています。
300時間とは、毎日2時間・150日間の勉強時間です。
このことから、現在のオーバーオールが5.5の人が留学に必要な6.5を取得するためには600時間、6.0の人は300時間程度の勉強が必要になります。
IELTS6.5の難易度を他テストと比較
下表は「IELTS・TOEFL(3種類)・PTE・TOEIC・英検のスコア難易度比較表」です。
IELTS | TOEFL iBT | TOEFL CBT | TOEFL PBT | PTE | TOEIC | 英検 |
---|---|---|---|---|---|---|
9 | 118~120 | 297~300 | 673~677 | 87~90 | - | - |
8.5 | 115~117 | 293 | 670 | 83~86 | - | - |
8 | 110~114 | 287~290 | 660~667 | 79~82 | - | - |
7.5 | 102~109 | 267~283 | 630~657 | 73~78 | 970~990 | - |
7 | 94~101 | 250~263 | 600~627 | 65~72 | 870~970 | 1級 |
6.5 | 79~93 | 233~247 | 577~597 | 58~64 | 820~870 | - |
6 | 60~78 | 213~230 | 550~573 | 50~58 | 740~820 | 準1級 |
5.5 | 46~59 | 192~212 | 521~549 | 42~49 | 600~740 | - |
5 | 35~45 | 173~190 | 500~520 | 35~42 | 550~600 | 2級 |
4.5 | 32~34 | 150~170 | 470~499 | 28~34 | 500~550 | - |
4 | ~31 | 130~149 | 450~469 | ~27 | 450~490 | 準2級 |
3.5 | - | 110~129 | 400~449 | - | 300~440 | - |
3 | - | 100 | 391~399 | - | 291~299 | 3級 |
2.5 | - | 90 | 390 | - | 270~290 | - |
2 | - | 350~389 | - | 260~269 | 4級 | |
1.5 | - | - | - | - | 100~259 | 5級 |
TOEFL iBTなら79~93点
IELTSのオーバーオール6.5は、比較表のとおりTOEFL iBTなら79~93点に相当します。
留学生を受け入れるほぼ全ての大学などでは、審査に当たってTOEFLかIELTSかいずれ一方のスコアが基準をクリアしていることが求められます。
IELTSとTOEFLでは試験形式が異なるので求められるスコアは違いますが、留学希望者は自分に合った方のテストで、基準を超えるスコアを取得しておくことが必要です。
なお、日本人になじみのTOEICは国内での就職の際には利用されますが、英語圏の大学などでスコアの提示を求められることはありません。
TOEICなら820~870点
前掲の比較表から分かるとおり、IELTSのオーバーオール6.5はTOEICなら820~870点に相当します。
わが国においては、大学だけではなく企業や団体・機関などでも、個人の英語力をTOEICのスコアで判断するのが一般的でした。
これは、TOEICはリスニングとリーディングのテストが一般的に普及しているため、リスニングとリーディングが得意な日本人には高スコアを取り易いことにあるのでしょう。
海外の大学や企業で問われるのは、TOEICや英検のスコアではなくIELTSかTOEFLのスコアが一般的です。
英検なら準1級に相当
日本英語検定協会が実施する「英検」の正式名称は、「実用英語技能検定」と言います。
1963年に創設され、1968年に「文部省認定の技能検定」の認定を受けて、わが国における英語検定を牽引してきました。
この英検の準1級は、IELTSのオーバーオール6.5に相当します。
しかし、英検の準1級の資格を持っていても、海外の大学や大学院がIELTSのオーバーオール6.5に相当する英語力があるとは認められません。
英検の資格は国内では役に立ちますが、海外の大学や大学院などではあまり役に立たないのです。
実際にIELTS6.5を取得する勉強法
IELTSでオーバーオール6.5を取るには、どのような準備を進めていけば良いのでしょう。
ここでは、「実際にIELTS6.5を取得する勉強法」について解説します。
バンドスコア6.5を取る条件
オーバーオールのスコアで6.5以上を取るには、次のような前提条件を備えていることが好ましいと言えます。
- 英語の文法や単語の基礎力が身についている
- 明確な目標と目的意識を持っている
- ある程度実践的な英語に慣れている
これらができていない人は、オーバーオール6.5の取得に相当の努力が必要です。
さらに、以降で紹介するような対策も欠かせません。
高校生・大学生の場合
受験者が高校生や大学生の場合は、日常的に英語を学ぶ機会があるので勉強をすすめ易いと言えます。
学校での勉強で基礎を身につけた後、学校では対策しづらいライティングやスピーキングも含めて、IELTSに特化したプラスアルファ―の勉強が必要です。
なお、インターネットを利用すれば、学校では学べないことも確実に身に付けられます。
社会人は隙間時間を利用しよう
受験者が社会人で日常的に英語を使う機会がない場合は、まずは高校までに学んだ内容を完璧にすることです。
また、社会人の場合は勉強時間を確保しづらいので、通勤時間や昼休みにリスニングをしたり単語を覚えたりするなど、隙間時間を有効に活用しなければなりません。
なお、IELTS対策特化型・オンライン学習といった通学の必要のない講座の利用も検討に値します。
純ジャパでも取得可能なのか
結論から言えば、長時間にわたる勉強時間は必要ですが、純ジャパでもIELTSのハンドスコア6.5を取得することは可能です。
一般的に、IELTSでスコアを0.5あげるために必要な時間は300時間といわれています。
単純計算すれば、英検で高校中級程度の準2級の人(オーバーオール4に相当)が6.5までレベルアップするには、300×5=1,500時間が必要です。
つまり、毎日2時間勉強して750日ですから約2年間の猛勉強が最低条件と言えます。
各セクションのスコア配分のコツ
オーバーオールで6.5を取るためには、全てのセクションで6.5を超えることが理想です。
日本人の場合は、実際には次のような点数の取り方を目指す人が多いと言われています。
セクション | バンドスコア |
---|---|
リーディング | 6.5 |
リスニング | 6.5 |
ライティング | 6.0 |
スピーキング | 6.0 |
上記のようなバンドスコアの場合の平均点は6.25ですから、オーバーオールは6.5です。
これは、日本人が得意なリーディング・リスニングで稼ぐ手法ですが、ギリギリでリスクがあることから、全セクションで6.5を目指すべきでしょう。
リーディングは精読で対策
どのように勉強すればIELTSに必要なリーディング力、つまり読解力は上がるのでしょうか。
IELTSのリーディングは指定情報を的確に抜き出すことが必要であることから、精読が求められます。
この精読の際に重要なのは、英文が読めなかった原因が単語にあるのか文法にあるのか、その両方なのかをチェックすることです。
そして、その英文を理解するために必要な単語と文法知識を習得し、読めない文をなくさなければなりません。
こうした精読に続いて重要なことは、「多読」を行うことてす。
そのことで英文を読むことに慣れ、自然と読むスピードが上がるとともに語彙力が身に付きます。
このように精読と多読を繰り返すことで、IELTSに必要なリーディング力は確実に上昇するのです。
リスニングは真の単語力が問われる
IELTSのリスニングでは、真の単語力が求められます。
つまり、単語の発音と意味をきちんと覚えるだけではなく、スペルも正確に書けることが必要です。
IELTSのリスニングでは、知らない単語があればそれを飛ばして理解していく必要があります。
しかし、知らない単語が名詞や動詞だと、意味を理解しようにもそれができません。
形容詞や副詞が分からなくてもさほど文の構造に影響を及ぼさないのですが、英文では根幹となる名詞と動詞を優先的に覚える必要があるのです。
単語を覚える際には、発音・意味・スペルを正確に記憶しなければなりません。
単語力が高くなれば、リスニング力も確実に高くなります。
ライティングはアウトプットが必要
英語の単語や構文をいくらたくさん記憶(インプット)しても、その単語や構文を使って具体的に文章や口頭での表現(アウトプット)をしなければ記憶した意味がありません。
インプットはアウトプットにつなぐためのステップですから、ライティングテストに対応するには、エッセイを書くなどでアウトプットすることが必要です。
このことで、自分が伝えたいことと実際に英語で伝えられることのギャップに気づきます。
つまり、アウトプットのエッセイを書くことで、「これは、英語でどのように表現するのだろう?」という新たにインプットすべきことが分かるのです。
ですから、結果として新たなインプットが促進され、ライティング力が高まります。
スピーキングは採点基準を意識
IELTSのスピーキングはIELTS認定の試験官によって、次の4つの観点から採点されます。
- 流暢さと一貫性:質問に対して的確に答えているか・例を出して、意見のサポートができているか
- 語彙力:さまざまな種類の単語を使えているか・同じ単語、言い回しを繰り返し使っていないか
- 文法の知識と正確さ:正しい時制を使えているか・さまざまな種類の文法を正しく使えているか
- 発音:母国語の発音を強く残していないか・単語、文章を正しいアクセントで発音しているか
スピーキング練習の際はこの4つのポイントを意識し、独学の場合は自分の話し声を録音することで客観的な評価をしなければなりません。
スピーキングの採点は、4つの観点ごとに0点から9点での評価で、以下に示すBritish Councilの評価基準に基づいて行われます。
IELTS6.5を目指す際の参考書・問題集
ここでは、IELTSでオーバーオール6.5を目指す際の参考書と問題集を紹介します。
IELTS公式問題集
IELTS公式問題集は、ケンブリッジ大学英語検定機構の『Cambridge University Press』から出版されている英語版公式問題集です。
実際の試験問題の傾向を最も反映している2020年版が最新の17版の問題集で、この1冊には4回分の試験が収録されています。
この問題集は過去問集ではないことから、過去に出題された問題は入っていません。
他社の模擬問題集よりも、より本試験に近い公式問題集・現在の自分の実力を理解しやすい・問題の傾向をつかめるといったことから、IELTS受験者に必須の公式問題集です。
問題集には音声をダウンロードできるものとできないものがありますが、リスニングのために「音声をダウンロードできるもの」の購入をおすすめします。
新セルフスタディ IELTS 完全攻略
この参考書はジャパンタイムズ出版から提供されている、独学でもIELTSの受験対策ができるように問題を解くコツを豊富に掲載した「日本語の参考書」です。
- ライティングのタスク1では、問題の種類ごとの見本や役に立つ表現が豊富に載っている
- スピーキングに関する記載も充実している
- 日本語のIELTS関連参考書の中では抜群の内容を備えている
この参考書の利用者の多くは、特にライティングやリスニングに役に立つと高く評価しています。
解答例がすばらしいことから、解答の丸暗記がライティングやリスニングの高得点への近道である、との評価を得ているようです。
IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集
3冊目は、IELTSを運営するブリティッシュ・カウンシルが出版している「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」の日本語版です。
この問題集は「4技能の完全対策」と「模擬試験」で構成されています。
その他にも音声無料ダウンロード、IELTSの公式情報、学習アドバイス、すべての問題・解答に対訳とスクリプトがついており、おすすめの1冊と言えるでしょう。
日本人の受験者は、この「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」に「IELTS公式問題集・英語版」と「実践IELTS英単語3500(日本語版)」をセットで利用するケースが多いようです。
独学が不安ならスクールもおすすめ
ここまで参考書と問題集を紹介してきましたが、独学でIELTSのオーバーオール6.5を取得するのは簡単ではありません。
独学に不安のある人へのおすすめは、スクールを利用しての勉強です。
そのスクールの1つに、月に90時間の集中学習・圧倒的学習量を確保・短時間で飛躍的に英語力の向上を目指している「プログリット」という英語コーチングサービス会社があります。
このプログリットの大きな特長は、1人ひとりに合わせたカリキュラムで、徹底したスケジュール管理、面談、コーチングで必ず勉強を継続できるようになっているため、特に実力を伸ばしたい人におすすめです。
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IELTS6.5のレベルと難易度についてまとめ
IELTS6.5のレベルと難易度についてざっくり説明すると
- わが国では企業で推奨されるTOEICの最高得点990点は、IELTSのオーバーオール7.5に相当
- 英検での最高レベルの1級は、IELTSのオーバーオール7.0に相当
- オーバーオールを0.5あげるのに必要な時間は約300時間で、毎日2時間の勉強で約半年必要
IELTSテストについて、さまざまな側面から解説してきました。
IELTSは理解力より記憶力が求められる回答方式が多いことから、TOEFLよりも日本人向きであると言われます。
留学などに必要なオーバーオール6.5は簡単に取得できるレベルではありませんが、正しい勉強法でジックリと取り組めば、純ジャパの人も取得できるテストです。
「できない理由」を考えるのではなく、1日でも早い受験勉強の開始を期待します。