J検(情報検定)ってどんな試験?資格の概要から難易度・過去問まで全て解説!
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「情報検定試験(J検)って、どんな試験が行われるの?」
コンピュータ関連の試験であることは耳にしたことがあるけれども、詳しい内容まではわからない。そんなJ検(情報検定)資格の概要や、難易度について解説します。
およそ50%前後の合格率が続いている現在の試験傾向から、受験に向けた勉強法を通じて、スキルアップを目指す社会人のみならず、情報分野が未経験の学生にも受験しやすい資格の魅力をお伝えします。
J検(情報検定)の概要・難易度についてざっくり説明すると
- J検(情報検定)は、文部科学省後援の公的資格
- およそ50%前後の合格率が続いており、独学で合格を目指すことができる難易度
- J検(情報検定)では、合格することで他の資格試験の科目を免除する制度がある
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J検ってどんな資格?
J検(情報検定)は、文部科学省後援の公的資格です。
日本の法律によって定めれた国家資格と異なり、免許や免状、登録証といった制度は設けられてはいませんが、各省庁や大臣から認定された公的資格として、実務に即した力量を証明することができる資格として広く認知されています。
特に、コンピュータ関連の資格であるJ検(情報検定)については、専門分野の習得に必要となる基礎知識を十分に身につけていることを証明する公的資格として、簿記検定や、秘書検定に近しい価値を有していると言われています。
身につけた知識がそのまま技術として機能する分野であることから、性質的には販売士検定や手話通訳士、消費生活アドバイザーなどの代表的な公的資格に近いとも言えます。
また、現在のJ検(情報検定)の難易度は他のコンピュータ関連の資格と比較しても、およそ50%前後の合格率が続いていることから、社会人のみならず未経験の学生にとっても、受験しやすい入門者向けのコンピュータ関連の資格と言えます。
年2回実施されるペーパー方式の試験の他に、現在では、CBT(Computer Based Testing)方式が採用され、受験者が自由に試験日を設定し、試験を申し込むことができます。
CBT方式では、指定された会場に準備されたコンピュータからマウスとキーボードを使って受験することができるため、試験終了と同時に合否結果を知ることができることも魅力の一つです。
また、J検(情報検定)は求められる分野ごとに試験が分けられており、未経験者が受験し易い環境が整備されています。
まずは、入門分野から勉強を始め、徐々に上級者向けの試験を目指すことで、それぞれの視点からICTの基礎的な知識から、応用的な技術まで幅広い習得が可能になります。
正式名称は情報検定
J検の現在の正式名称は情報検定と言います。
情報通信技術を意味するICT(Information and Communication Technology)能力を客観的に評価することを目的として、2006年(平成18年)から実施されている試験です。
それ以前は、情報処理活用能力検定(1994年から2004年まで)と言う名称で実施されていましたが、国家資格である情報処理技術者試験が改訂されたことを受けて、差別化を目的として、現在の情報検定へと開催されることになりました。
さらに以前は、情報処理能力認定試験(1988年から1993年まで)と言う名称で実施されていました。
それぞれの時代によって求められる力量に応じ、正式名称を変化させてきたJ検ですが、略称については、一貫してJ検と呼ばれ続けています。
文部科学省が後援している
情報検定(通称、J検)は、2006年(平成18年)12月から文部科学省が後援している公的資格です。
現在では、一般財団法人職業教育・キャリア教育財団(旧法人名、専修学校教育振興会)が主催しています。
これまで、時代の変化に応じた名称の変更はありましたが、J検の歴史は古く、コンピュータ関連の資格として広く認知されており、その試験精度は高い信頼性を持って評価されています。
特に未経験分野からコンピュータ関連の資格を取得する際には、入門者にとって勉強し易いように分野が分けられていることもあり、スキルアップを目指す社会人はもちろんのこと、学生からも人気の資格と言うことができます。
J検は歴史が長く受験者も多い試験
1988年から始まった情報処理能力認定試験以降、J検は歴史が長く受験者も多い試験です。すでに、のべ135万人以上が出願し、その40%相当の60万人を超える合格者が誕生しています。
毎年、多くの受験者が出願する背景としては、J検(情報検定)が、今日の社会ニーズにマッチした出題内容を網羅する試験であり、職場で活用できる知識と技術に近づいた「情報」と言う単位での理解度を示す試験として定着していることがあげあられます。
今日の社会情勢を受けて体系として整理されたJ検は、情報活用試験、情報システム試験、情報デザイン試験と大別されており、出願者が希望する分野での理解度を確認することができる仕組みになっています。
J検の試験範囲と出題形式は?
J検の試験範囲は「情報活用試験」「情報システム試験」「情報デザイン試験」の3つの分野に分かれています。
実際の受験の際には、そのいずれかの分野を選択して出願することになります。
また、「情報活用試験」は1級、2級、3級に分類されています。同様に、「情報システム試験」は基本スキル、プログラミングスキル、システムデザインスキルの3つに。「情報デザイン試験」は、上級と初級に分かれています。
それぞれ理解度や習熟度に応じて、試験内容が分かれており、学習してきた内容に沿った試験を受けることができる仕組みになっています。
出題形式は、年2回実施される旧来通りのペーパー試験の他に、指定されたコンピュータによるCBT(Computer Based Testing)方式が採用され、受験者の都合に合わせた受験ができるように整備されています。
情報活用試験
3つの大きな分野の1つである情報活用試験は、情報社会に関わるすべての職種に対して、有用な知識を提供します。
J検(情報検定)においては、もっとも基本的な知識であると同時に、情報活用の根幹を成す「情報」の「活用能力」についての知識と、得られた情報を整理し、必要な形へと組み換える技術を意味する情報リテラシーの能力が問われる出題がなされています。
情報活用試験は、もっとも高度な分野から出題される1級から、未経験者や入門者を対象とする3級まで、理解度に応じて難度の異なる3つの級が設定されています。
情報活用試験3級
情報活用試験3級は、主に「情報表現と処理手順」を中心に、「パソコンの基礎」「インターネットの基礎」「インターネットの利用」「情報機器の基本操作」「情報社会とコンピュータ」「情報モラル」について出題されます。
また、アプリケーションソフト等の扱いとして、一般的な業務に欠かせない水準でのオフィスソフトに関する知識の確認から、プレゼンテーションソフト、ワープロソフト、Webブラウザやメーラー、パソコンの基本的な操作方法について出題されます。
情報活用試験3級では、いずれもコンピュータを用いた基礎的な知識と、情報分野における伝達で必要不可欠な情報モラル、ネチケット、情報館における適切な選択のあり方について確認されます。
特別な問題は出題されませんので、基本的な操作や手順の丁寧な学習を心がけると良いでしょう。
情報活用試験2級
情報活用試験2級では、情報活用試験3級で学んだ内容に加えて、業務全体の中での情報の重要性を理解していることを確認するための問題が出題されます。
主に「経営戦略とシステム戦略」「プロジェクトマネジメント」「データ構造と表現方法」「問題解決処理手順」が加わり、少し異なる視点からの「パソコンの基礎」「インターネットの基礎」「アプリケーションソフトの利用」や活用方法について出題されます。
情報活用試験3級と異なり、アプリケーションソフト等の扱いとして、一般的なWebページを作成する際に持ちられるHTMLについての設問が想定されます。また、オフィスソフトからは簡単な計算式を使用した表計算ソフトの利用方法と問題解決の手順を確認する設問が出題されます。
全体として、より実務に照らした内容が出題される傾向にあります。
情報活用試験1級
情報活用試験1級は、情報分野での活躍のみならず、社会の情報化に伴い、企業をリードする人材として関わっていくだけの力量を備えていることを確認するための設問が出題されます。
具体的には「情報と情報の利用」を中心に「パソコンを利用したシステム」「ネットワークの利用」「情報ネットワーク社会への対応」「情報セキュリティ」に加え、「表計算ソフト等を利用した問題解決」のための出題がなされています。
これまでの2級、3級で出題されていた内容よりもより具体的な対応を求める選択肢が示されることもあり、正確な知識に加えて、適切な判断が必要となります。
情報活用試験1級に合格することで、企業の即戦力として活躍することのできる人材であることの力量を証明することができます。
情報システム試験
J検の試験範囲としての「情報システム試験」は、基本スキル、プログラミングスキル、システムデザインスキルの3つの試験区分に分けられています。
いずれも技術性が高く、要求される水準に応じた知識と技術を習得していることを確認する内容の専門分野に応じた設問が出題されています。
基本スキルを入門のための基礎と位置づけていますが、プログラミングスキルにおいては、より専門性の高いプログラミングに重点をおいた出題がなされ、同様にシステムデザインスキルでは、システム開発に対応するための知識が求められます。
基本スキル
基本スキルでは、情報活用試験2級相当の「プロジェクトマネジメント」の理解に加えて、数値表現を含む「情報表現」「データ構造における集合と論理」の構造的な理解が求められます。
その上で、コンピュータそのものに対する理解として、「CPU、メモリ、補助記憶装置」等のコンピュータの物理的な構造についての知識と、「システム構成やソフトウェア」等のコンピュータ上の情報管理に欠かせないソフトウェアへの知識が求められます。
情報データの入力を終えた後に必要となる論理演算や、円滑なコンピュータ演算を可能とするための物理的なコンピュータの知識と、出題範囲の対象が幅広く設定されており、合格のためには、コンピュータの基本構成について熟知している必要があります。
また、システムデザインスキルでは、経営戦略としてのシステム開発や、セキュリティについての技術的な知識に加え、法規程への理解を確認するための設問が出題されます。
技術認定証の取得の条件について
この基本スキルに合格し、加えて、プログラミングスキルにも合格すると、各スキルの合格証の他に、プログラマ認定証が交付されます。
この基本スキルに合格し、加えて、システムデザインスキルに合格することで、各スキルの合格証の他に、システムエンジニア認定証が公布されます。
プログラミングスキル
プログラミングスキルでは、基本スキル以上に、情報活用手段としてのプログラミングに重点を置く出題がなされています。
具体的には「データ構造とアルゴリズム」を中心に、アルゴリズムに関わるファイル処理としての「擬似言語」や「プログラミング技術」「表計算ソフト」を活用した問題解決の方法についての知識が求められます。
特に、プログラミングについて出題されており、プログラム言語としてはCを使用し、アセンブラとすることが規定されています。テストケースの設定についても出題されているため、正当な出力がなされるか否かを判断できる力量が問われます。
未経験分野からの合格のためには、十分な学習が必要な分野と言えます。
システムデザインスキル
システムデザインスキルでは「経営戦略としてのシステム戦略」が主な出題範囲となります。
総じて、「システム開発」に関する基本的な知識や手法、システム開発に欠かせない「ネットワーク技術」「データベース技術」「セキュリティ」「標準化」のための知識と技術が確認されることになります。
これらの出題には「暗号化」や「改ざん防止」のための技術的知識とは別に、顧客に対して明示される必要のある「セキュリティ対策」への対応方法の分野から「関連法規」についても出題対象となります。
そのため、最新の法規制について学習し、システムとして構築する際に必要となる「ガイドライン」や「保護」のあり方について、理解を深める必要があります。
情報デザイン試験
情報デザイン試験は、上級と初級に分類されています。
基本的な出題範囲は、上級も初級と大きくは変わりません。しかし、初級で提示されている内容をより深く追求し、知識・技術共に発展させた回答を求めているのが上級であると言えます。
そのため、上級試験では、「情報の構造化」を促すための出題が行われ、情報を受け取る側に対して、効果的に伝達するための技法についての理解を確認する出題がなされています。
また、情報デザイン試験は、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式でのみ実施されています。受験者の都合に合わせた試験日での受験ができるため、他の試験区分の試験と一緒に併願申請すると、安心して受験することができるようになります。
初級
情報デザイン試験の初級では、「情報デザインの考え方」を中心にコミュニケーションのあり方や、社会のルール、情報モラルのあり方についての出題が行われます。
総じて、これから社会に参画するためのマナーやモラルとしての位置づけで問われる知識と呼べますが、より正確に現実を認識するための情報伝達のあり方について学ぶ必要があります。
これは「情報の取集」段階での調査と呼べる水準での精度を要求します。また、得られた「情報を整理」するための分析手法についての知識も求められます。
その他、「情報を伝達」するための手段として効果的なプレゼンテーションの手法や「評価とフィードバック」のための改善手法について確認する出題がなされています。
中でも「問題解決」を目的とする「問題の捉え方」や「解決のためのプロセス」は、どのような職場でも活用することができることから、求められる解決方法を提示するための分析力を身につけることができます。
上級
上級では、初級で網羅された出題範囲から、より実践的な表現へと置き換えられ、多様な条件での深く掘り下げた複合的な内容として出題されています。
主に「情報デザインの考え方」を中心に「情報の収集と整理」を行う際の代表的な調査手法についての知識や技術、「問題解決のための解決手法」の選択と活用方法、問題の捉え方や、「問題解決のプロセス」について深い知識が求められます。
また、「情報の構造化」「情報の伝達」のための対話やプレゼンテーション、改善のための活動方法についても出題されます。
情報を調査し、分析、整理を通して本質を見極め、構造化し、伝達のための手段を確立して、相手に効果的に伝える作業を通して、評価とフィードバックによる継続的な改善を実施する情報の活用について、把握することができるようになります。
J検の難易度
J検の難易度について、詳しく解説します。
現在までのところ、J検(情報検定)の合格ラインは60%から70%以上の得点が求められており、過去問を読み解く限り、それはそのままの正答率に置き換えて考えることができます。
そのため、J検の試験としての難易度は決して高くはないものの、正確な知識と適切な判断が求められる試験であると言うことができます。
未経験からの合格を目指すことも不可能ではありませんが、履歴書に記載できる資格として学生のうちに合格を目指すのであれば、十分な学習時間を設けて挑戦すると良いでしょう。
また、J検の中でも情報デザイン試験については、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式でのみ実施されています。
CBT試験のメリットとして、受験者の都合に合わせた試験日での受験ができるため、他の試験区分の試験と一緒に併願申請すると、不合格、または何らかの都合で欠席となってしまった科目が生じた場合でも1年間の間に限り、合格するまで何度でも無料で受験することができるようになります。
合格ラインは60%以上の得点
J検(情報検定)の合格ラインは60%以上の得点が求められています。試験区分別の合格点は次のように公開されています。
情報活用試験 | 100点満点中の合格点 |
---|---|
1級 | 65点以上 |
2級 | 65点以上 |
3級 | 70点以上 |
情報活用試験では、全体的に約70%の正答率が求められます。限られた時間の中で、正確な回答を心がけましょう。
情報システム試験 | 100点満点中の合格点 |
---|---|
基本スキル | 65点以上 |
プログラミングスキル | 65点以上 |
システムデザインスキル | 65点以上 |
情報システム試験では、65%以上の正答率が求められます。技術分野についての出題が多い分、確実な得点を重ねる必要があります。繰り返し、過去問を解き、これまでの出題傾向を把握することで、得点率を高めることができます。
情報デザイン試験 | 100点満点中の合格点 |
---|---|
上級 | 60点以上 |
初級 | 60点以上 |
情報デザイン試験では、丁寧に設問を読み解き、より正しい回答を選択する必要があります。出題されている条件にあった最適な答えを回答できるように日頃から実践に即した判断を練習するように心がけましょう。
必要な勉強時間には個人差がある
J検の合格までに必要な勉強時間には個人差がある場合がほとんどです。
すでに社会人として業務に携っている場合には、業務を通して得られた知識を活用することで、勉強時間を短縮することが期待できます。
また、パソコンが趣味で、プログラムの基礎的な構造を理解している場合や、基本的なコンピュータの構造を把握していて自作パソコンを用意できる知識を持っている場合も、勉強時間を短縮することができるでしょう。
そのため、情報活用試験1級の試験であっても、およそ10時間ほどの1週間程度の勉強期間で合格したと言う人もいます。
しかし、それは特別な条件が重なった結果とも言えます。
現在のJ検(情報検定)は、受験資格もなく誰でも受験できることに加えて、文部科学省の定める指導用要領に基づき、未経験分野を持つ高校生でも合格が可能な難易度に設定されていると言われています。
テキスト参考書と過去問を活用し、十分な準備を整えて試験に臨めるように心がけましょう。
合格率は50%をきる試験も
最新のJ検(情報検定)での合格率は、次の表の通りです。情報活用試験3級は、80%を超える高い合格率となっていますが、情報活用試験1級ともなると、およそ半分の43%の合格率となっています。
情報活用試験 | |
---|---|
級 | 合格率 |
3級 | 81.1% |
2級 | 70.8% |
1級 | 43.1% |
また、技術的分野である情報システム試験では、他の試験区分に比べて基礎的な内容が出題される傾向にある基本スキルであっても、合格率は50%をきる結果になっています。
そのため、基本スキルとプログラムスキルの両方に合格する必要があるプログラマ認定、基本スキルとシステムデザインスキルの両方に合格する必要があるシステムエンジニア認定ともに、合格率が50%を下回る結果になっています。
情報システム試験 | |
---|---|
試験区分 | 合格率 |
基本スキル | 49.2% |
プログラミングスキル | 39.6% |
システムデザインスキル | 39.6% |
プログラマ認定 | 49.4% |
システムエンジニア認定 | 47.1% |
残念ながら公開されている合格率は、ペーパー方式の試験に限られており、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式でのみ実施されている情報デザイン試験の合格率は公開されていません。
J検を取ることがおすすめな人は?
現在のJ検(情報検定)は、受験資格もなく誰でも受験することができるコンピュータ関連の公的資格です。
そのため、初歩的なICT(Information and Communication Technologyの略称、日本語では情報通信技術と訳されることが多い)スキルや、パソコンについて知識を深めたいと思っている人向けの資格ということができます。
また、文部科学省の定める指導用要領に基づき、未経験分野を持つ高校生でも合格が可能な難易度に設定されていると言われています。
これから就職に向けて、一足早く社会で通用する技術と知識を身につけたいと考えている学生にも、おすすめできます。
同様に、未経験分野からスキルアップを目指す社会人にもおすすめできます。一般職として業務を重ねながら、基礎的な部分から順番にコンピュータについての知識を習得し、専門的な情報ネットワークについて学び、企業での活躍を目指すことが可能になります。
J検の勉強法を紹介
J検の勉強法を紹介します。
J検は、コンピュータ関連の公的資格の中では、比較的、初歩からの学習内容が出題される傾向にあり、難易度は決して高くはない入門者向けの資格と言うことができます。
加えて、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式が導入されており、受験者の都合に合わせた試験日での出願が可能なため、社会人であれば業務の休みの日や、学生の場合には長期の休みを利用して、学習と受験ができる魅力を持った資格です。
テキスト参考書と、過去問を効果的に使うことで、未経験分を持つ高校生であっても独学での合格が十分に狙える水準の問題が出題されていると言われています。
そのため、自分の理解力に応じた十分な備えを行い、手順を踏んで認定証の取得を目指すことができる資格と言えます。
J検独学合格は可能?
過去問を読み解く限り、J検独学合格は十分に可能です。
理解している範囲を広げ、設問が意図する回答を適切に選択するためにも、市販のテキスト参考書を効果的に活用し、出題傾向を把握した勉強法が必要になります。
すでにパソコンに慣れているなどの関連知識を有している場合には、合格までに必要な勉強時間は短縮できる傾向にあります。
しかし、学生の身分であれば、全部の出題範囲を事前に体験することは困難です。そのため、未経験分野の学習には十分な時間をかけて、単語の意味から理解することが必要になるでしょう。
言葉の意味や、概念をなかなか理解できない場合でも、繰り返しテキスト参考書を読み直すことで、徐々に理解を深めることができるようになります。
おすすめテキストを紹介
J検(情報検定)のテキスト参考書は、試験対象の試験区分ごとに販売されています。
おすすめは「改訂3版」の「J検情報活用 完全対策公式テキスト」です。各章では出題範囲を網羅し、わかりやすい図解入りで解説しています。
こちらは情報活用試験3級用の「改訂3版」の「J検情報活用 完全対策公式テキスト」です。エントリー試験であることを受けて、丁寧な解説が行われ、各章では出題範囲を網羅し、わかりやすい図解入りで解説しています。
情報システム試験を受験する場合は、「改訂2版 J検情報システム 完全対策公式テキスト」がおすすめです。理解を深めるための過去問も掲載されています。
情報デザイン試験の勉強用には「改訂版 J検情報デザイン 完全対策公式テキスト」がおすすめです。基本的な考え方を中心に解説されており、考え方そのものが身につく勉強法ができるようになります。
情報デザイン試験は、より最適な回答が求められる傾向にあります。そのため、自分で考える癖を日頃から身につけておく必要があります。
上記のテキスト参考書は、いずれもJ検の試験制度に対応する公式テキストです。資格試験制度の勉強で有名な日本能力協会マネジメントセンターから出版されています。
過去問も活用しよう
試験合格に向けて、過去問も活用しましょう。
限られた時間の中での正答率が求められる試験であるため、過去問を通して、出題傾向を知ることは合格率を高めるために欠かせません。
J検(情報検定)の過去問は、J検定の公式サイトからダウンロードすることができます。
テキスト参考書を通して、学んだ内容を確認するためにも、実際の試験時間を設定し、どれだけの正答率をえられるのか挑戦してみると良いでしょう。
何度も繰り返し解き続けることで、出題傾向を把握し、設問の意図を把握し、自信を持って回答することができるようになります。
パソコン指導講座も存在する
J検(情報検定)では、今のところ、専門の通信対策講座は公開されてはいないようです。
しかし、だからと言って通信講座がまったく利用できないというわけではありません。
パソコンそのものについての理解を高めることが期待できるパソコン講座のような通信講座を利用することで、短期間で集中的に目的の知識を体験することができるようになります。
特に、未経験分野の知識を得る場合、テキスト参考書や過去問を解いて身につけるよりも、実際に実物を体験してしてまった方が短い時間で理解できる場合があります。
通信講座は、受講者の学習の進み具合に応じた対応を選ぶことができる場合も少なくないため、勉強に行き詰まってしまった感じがある場合などは、選択肢の一つとなります。
おすすめは、ユーキャンのパソコン入門講座等です。わからない部分を質問することもできるため、パソコンについて分からない部分を尋ねることで、短期間でしっかりとした学習効果を得ることが期待できます。
J検の勉強をするメリット
J検の勉強をするメリットについて紹介します。
J検は他のコンピュータ関連の資格と比較しても、決して高い難易度ではなく、合格しやすい公的資格であると言うことができます。
そのため、独学での勉強でも十分に合格を目指すことができるだけでなく、勉強を重ねることで、未経験分野からのスキルアップを実現できる資格と言えます。
昨今の社会情勢において、コンピュータ技術に対する理解は、以前とは比べ物にならないほど重要性を増し、特に情報の必要性と効果的な分析、調査の技術は、アウトプットにあたるプレゼンテーションに勝るとも劣らない重要性を持っています。
J検(情報検定)では、その重要な情報の管理から利用に至る一連のプロセスに重点を置いた学習を進めることができるため、学生のうちに取得することができれば、即戦力として期待できる新社会人という評価を得られることでしょう。
情報通信時代の常識を学べる
現在のJ検(情報検定)は改訂を重ね、企業が求める実践的な内容の理解を確認することができる公的資格としての立場を確立しています。
そのため、J検(情報検定)の合格に向けた勉強を続けることで、情報通信時代の常識を学べるように仕上げられています。
今日では、企業のビジネスはインターネットやパソコン、情報と言った言葉から切り離して考えることが困難な状態にあります。
反面、それらを活かすことのできるスキルを養わなければ、ビジネスチャンスすら失いかねない状況にあるとも言えます。
J検(情報検定)は、ゲームプログラマや、システムエンジニア、プログラマなどの特定の企業が求める人材を育てるだけでなく、情報社会に関わる多くの職種で求められる情報活用の具体的な手段と改善の方法を学ぶことができる公的資格なのです。
他の試験の科目を免除する制度がある
J検(情報検定)では、合格することで他の試験の科目を免除する制度があります。
有名なところでは、情報活用試験1級に合格することで日商PC検定の知識科目が免除される制度があります。
また、基本スキルの合格者は、検定試験の合格後に「差分講習を受講し、その後の修了試験に合格すること」で、基本情報技術者試験の午前試験が免除される制度があります。
J検(情報検定)に出題される試験範囲は、他のコンピュータ関連の資格と重複することが少なくないため、試験の一部が免除されるというメリットに加え、他の資格の試験勉強の短縮に繋がることが考えられます。
一部の学校では単位認定の対象となる
J検(情報検定)に合格することで、一部の専門学校や大学では、学習内容に応じた単位認定の対象となる場合があります。
また、入学前に合格している学生については、入学試験での優遇措置を設定している学校も増えつつあります。
J検の試験日程・会場・申し込み方法
J検(情報検定)には、大きく分けて二つの受験方法があります。一つは、ペーパー方式と呼ばれる旧来からある紙を使った試験方式です。こちらは、年2回実施されています。
もう一つは、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式による試験です。こちらは、受験者の都合に合わせた試験日での出願が可能なため、社会人であれば業務の休みの日や、学生の場合には長期の休みを利用して受験することができます。
また、情報デザイン試験については、現在ではCBT(Computer Based Testing)方式による試験のみの実施となっており、指定された会場にて、コンピュータを使った受験を行う必要があります。
J検はパソコンでも受験できる
基本的には、現在のJ検(情報検定)はパソコンを使うCBT(Computer Based Testing)方式による試験が主流です。
そのため、3月末の数日を除いて、それぞれの年度内においていつでも受験することができる試験制度として受験対応が整えられています。
これまで通りの紙面によるペーパー方式の試験も行われていますが、ペーパー試験は情報活用試験と情報システム試験がそれぞれ年間一回ずつの合計2回のみの実施となっており、情報デザイン試験については、現在ではCBT(Computer Based Testing)方式による試験のみの実施となっています。
申し込みはインターネットから可能
現在のJ検(情報検定)の申し込みは自宅のパソコンから行うことができます。基本的には、CBT(Computer Based Testing)方式による試験を受講することになります。
そのため、事前にインターネットを通じて、無料体験を試してみると良いでしょう。
学習を進めて、十分に自信が持てたら、すぐに申し込みを行い、会場を予約することができます。その場合、希望する試験予定日の3週間前までに申し込みを行う必要があります。
合否はすぐにわかる
旧来のペーパー形式での試験を除いて、合否結果は試験終了後に、すぐにわかります。
現在ではCBT(Computer Based Testing)方式による試験が主流のため、試験回答に用いたパソコンの画面に回答終了と同時に合否結果が表示されます。
最後まで集中力を持って問題を解く意識を保っていないと、漠然と不合格の文字が表示されたように感じることも少なくありません。次回に続けるためにも、合格を意識した解答を心がけるようにしてください。
J検に受験資格はある?
今のところ、現在のJ検(情報検定)の受験に特別な資格は必要ありません。誰でも自由に受験することができます。
また、現在ではCBT(Computer Based Testing)方式による試験が主流となったことから、同日に複数の異なる試験区分の試験を受験することもできるようになりました。これを併願申請と言います。
ただし、個人で受験する場合等には1回での出願で併願可能科目数や組み合わせに制限があります。受験を希望する試験会場によっては、併願申請できない場合もありますので、事前の確認が必要です。
受験料は3,000円から
現在のJ検(情報検定)の申し込み受験料は、最も安価な情報システム試験3級において、3,000円と設定されています。
しかし、現在ではCBT(Computer Based Testing)方式による試験が主流となったことから、同日に複数の異なる試験区分の試験を出願することができる併願申請を行うことが増えています。
併願申請を行う場合は、試験会場資料等の支払いが重なる場合があります。
試験希望日と試験会場を予約する際に、受験費用について、一緒に確認するようにしましょう。
情報システム試験の受験料
- 3級:3,000円
- 2級:4,000円
- 1級:4,500円
情報活用試験の受験料
- 基本スキル:3,500円
- プログラミングスキル:3,000円
- システムデザイン:3,000円
情報デザイン試験の受験料
- 初級の受験料は4,000円
- 上級の受験料は4,500円
履歴書にどう書くの?
履歴書にJ検(情報検定)の合格を記載する場合には、次のように記述します。
- 最新の書き方(2020年現在)
【~年~月 文部科学省後援 情報検定 ○○試験◎級合格】
【~年~月 文部科学省後援 情報検定 情報システム試験システムエンジニア(または、プログラマ) 認定】
これ以前は、文部科学省認定と表記するのが一般的であった時代もあり、J検については合格した時期によって正式名称が異なるため、履歴書に記載する際に細心の注意が必要です。
また、技術認定と試験合格は併記することができます。合格時期が異なる場合はもちろんのこと、履歴書の記入欄に余裕がある場合には、試験合格と技術認定を併記するのも、一つの方法と言えます。
J検と合わせて取りたいおすすめ資格
J検と合わせて取りたいおすすめ資格を紹介します。
試験内容として重複した範囲が出題されることも珍しくないため、J検合格に向けた試験勉強を通して、併せて合格を狙うことができる資格がいくつかあります。
現在までのところ、J検(情報検定)は偏差値40から45前後と言われています。3級では基礎的な知識の確認を含めた出題が目立ちますが、1級となると企業の専門職として抑えておくべき知識水準に達する設問が出題されています。
それぞれの出題内容の傾向を抑えながら基本となる知識を広げることで、ネットワーク環境にあるコンピュータの構造はもちろんのこと、コンピュータを活用したソフトウェアや、システムデザインに関する知識を身につけることができます。
これらの試験に合格することで、幅広い職務に対応するための基礎知識の習熟度を証明することに繋がります。
MOSスペシャリスト
MOSとは、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(英字:Microsoft Office Specialist)の略称です。頭文字をとって、アルファベットにてMOSと表記するのが一般的です。
MOSは、Windowsで有名なマクロソフト社が、自社で製造販売を行うマイクロソフトオフィスについてのパソコンスキルを客観的に証明することを目的とした、世界的に行われている共通試験の名称です。
そのため、ワードやエクセル、パワーポイントと言ったマイクロソフトオフィスならではのオフィスソフトについて、充分な力量を備えていることを証明することができます。
様々な業務で活用する機会の多いソフトなだけに、資格を取得していることが高評価につながりやすく、就職時の履歴書に記載したい資格として人気を集めています。
MOS試験におけるスペシャリストレベルは、J検2級と同程度の難易度と言われています。また、MOS 試験にはスペシャリストレベルよりも、より高度な技術の証明に繋がる、上級者向けのエキスパートレベルの試験があります。
P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)
ICTプロフィシエンシー検定試験(通称、P検)は、2012年4月頃までは『パソコン検定試験』の名称で呼ばれていました。その名残りとして、今もP検と呼ばれるに至っています。
現在では、ICTプロフェシエンシー検定協会(通称、P検協会)が主催し、ベネッセコーポレーションが事務局として運営管理を担っています。
難易度としては、P検3級がJ検での入門レベル相当に当たると言われており、P検1級ともなると業務経験を持つ社会人相当の知識が求められることになります。
そのため、学生のうちに合格することができれば、就職活動では特に有利な資格として履歴書に記載することができます。
CBTを活用したJ検の併願申請について
J検では、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式の導入に伴い、受験者の都合に合わせた試験日での受験ができるように整備されています。
また、最近では一度に二つの試験区分を受験することができる、併願受験が団体受験だけでなく、個人受験でも可能になりました。ただし、希望する試験会場によっては、出願可能な科目、級が異なる場合があります。
会場毎に受験可能な科目、級を確認した上で併願申請を行うことで、不合格、または何らかの都合で欠席となってしまった科目が生じた場合でも1年間の間に限り、合格するまで何度でも無料で受験することができるようになります。
不合格科目があった場合の再受験の可能期間は、併願申請した際の1科目目の最初の試験実施日から1年間以内となります。併願申請した2科目目が不合格であった場合の再受験可能期間も、併願申請した際の1科目目の最初の試験実施日から1年間以内となりますので、注意が必要です。
併願申請の個人受験での受験料の支払いについて
CBT(Computer Based Testing)方式の個人受験の場合、受験料は受験科目によっても異なります。併願申請の場合は、出願を行う際に最初に受験する科目の受験料に加えて、併願する科目の受験料の他、会場施設使用料等が別途必要となります。
支払い方法は、指定のコンビニストアでの決済または、クレジットカード払いのいずれかを選ぶことができます。支払い期日は、試験実施日の7日前まで支払い可能ですが、申込み期限は試験実施日の3週間前に定められているため、早めの対応を心掛けましょう。
併願申請時の技術認定取得に向けた合格科目の有効期間
併願申請にて「情報システム試験」分野における、プログラミングスキル、システムデザインスキルでの技術認定のための取得申請をする場合、合格科目については、同科目の合格認定日から1年間の間に限り、合格科目免除期間が設けられます。
併願申請により、2科目目、3科目目と合格した科目が増えた場合も、同様に合格認定日から1年間の間、合格科目免除期間が設けられます。
J検(情報検定)の概要・難易度についてまとめ
J検(情報検定)の概要・難易度についてざっくり説明すると
- J検(情報検定)は、文部科学省後援の公的資格
- 未経験分野を持つ高校生でも合格できる水準の問題が出題されている
- およそ50%前後の合格率が続いており、独学で合格を目指すことができる難易度
- J検(情報検定)では、合格することで他の資格試験の科目を免除する制度がある
J検定(情報検定)試験は、指定されたコンピュータを使ったCBT(Computer Based Testing)方式の導入に伴い、受験者の都合に合わせた試験日での受験ができるように整備された公的資格です。
そのため、自分の学習の進捗状況に応じて、希望する試験日に希望する試験会場で受験することができます。
すでに実務で経験を積んでいる社会人の場合、合格までの学習時間を短縮することが期待できるだけでなく、合格することで、出題内容の関連が深い他のコンピュータ試験の一部が免除される制度が設けられています。
入門者向けとして分かりやすく、決して難易度の高くはないJ検定(情報検定)試験の勉強を通してスキルアップを図りながら、あなたも情報分野の達人を目指してみませんか?