簿記2級取得後の転職で年収アップさせるコツは?給料の適正相場まで解説!

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簿記

公認会計士たぬ吉

「転職して年収アップさせよう」と思ったとき、どんな転職活動を行う必要があるのでしょうか?

年収アップを目的とした転職活動には特有のコツがあり、 そのコツをおさえて転職活動すれば、年収を50~100万上げることも夢ではありません。

この記事では、年収アップのためのコツや気を付けたいことをわかりやすく解説しています。

また、給料の適正相場から市場価値の算定方法まで、転職初心者の方も知っておくべきノウハウを全てご紹介します。

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簿記2級取得後の転職で年収は上がる?

日商簿記2級は会社の経理職・会計事務所・税務事務所をはじめとして、幅広い仕事の求人で申し込みの際に取得が求められる資格となってきます。

そのため、キャリアアップを目論み2級の学習に励もうとする方も多いのではないでしょうか?

以下では、日商簿記2級が転職の場面で年収にどのような影響を与えるのかについて詳細に解説していきます。

実務経験を経るごとに年収は大きくアップ

「日商簿記2級以上」を条件とした就職求人をリサーチした結果をまとめた表が下記の通りとなります。

実務未経験者 実務経験(1年以上) 実務経験(3年以上)
250~350万円 300~480万円 350~650万円

地域や企業規模・採用年齢など、さまざまな要因によってこちらの値段は大きく変化しますが、簿記2級以上の取得を義務付けている職種に応募することで、上記のような年収を見込むことができます。

簿記2級の取得の有無も大切ですが、それと同等に実務経験の差によって年収に大きく差がつけられることがわかります。

簿記2級の知識は最低限保持し、そこからいかに普段の経理・決算実務経験を積めるかが簿記資格の転職においては勝負の分かれ目となることがわかります。

実務経験ゼロでも簿記2級資格は効果あり?

近年の企業採用担当者の声として

  • 「最低限簿記2級の知識は持った状態で入社してほしい」
  • 「事前に仕事に必要なスキルを身につけようと考える意欲ある方の入社を期待している」

などの声が上がっています。

よって、実務経験ゼロの場合でも簿記2級の資格を保持することで、自身の仕事に対する最低限保持しておきたい適性、高い意欲を示すことができるのです。

よって、実務経験ゼロの方が会計スキルを求められる職場に転職する際には、自身の能力を証明する手段の一つとして取得しておいた方が良い資格であると言えるでしょう。

転職で年収が上がりやすいのは20代後半

年代 全体平均年収 簿記2級取得者年収平均 両者比較
20代 341万円 388万円 +47万円
30代 437万円 511万円 +74万円
40代 502万円 600万円 +98万円
50代以上 613万円 684万円 +71万円

データ出典:パーソルキャリア 平均年収ランキング

こちらのデータから、各年代で簿記2級の資格を保持することで、年収が上がりやすい傾向にあることがわかります。

20代の場合は、まだまだ身に付いているスキルが少ないため、簿記2級以上の資格を取得することで、他の転職者と差別化を図り年収アップを狙うことができます。

一方、30代以上の場合は、簿記2級のスキルをベースに自ら会計の現場で培った経験を武器にすることで、上記の年収水準にたどり着いた方が多いと考えられます。

よって、より経験が求められる年代の方は、簿記2級に加えてプラスαの経験値を積むことを忘れないようにしましょう。

男女ともに給与の伸びを期待可能

<男性の場合>

年代 全体平均年収 簿記2級取得者年収平均 両者比較
20代 363万円 408万円 +45万円
30代 474万円 541万円 +67万円
40代 563万円 - -
50代以上 664万円 - -

<女性の場合>

年代 全体平均年収 簿記2級取得者年収平均 両者比較
20代 317万円 356万円 +39万円
30代 378万円 450万円 +72万円
40代 402万円 - -
50代以上 435万円 - -

データ出典:パーソルキャリア 平均年収ランキング

こちらのデータから、簿記2級を取得することで、男女ともに同年代の平均と比べて大きな年収アップを果たしていることがわかります。

簿記2級を生かして仕事を探すことで、自身の理想とするキャリアプランに一歩近づけることがこちらの数字からも見てとることができます。

資格手当はどれくらいつく?

「日商簿記2級取得者」を対象にした求人を資格Timesでリサーチした結果、資格手当は月々1,000〜5,000円のレンジで支給されていることが明らかとなりました。

よって、日商簿記2級を取得することでの手当ては微々たるものであることがわかります。

年収アップのためには

  • どんなフィールドで経験を積むか
  • そのフィールドでどんな成果を上げたのか

の2点が、年収アップのためには不可欠な要素であると言えるでしょう。

高卒の求人では日商簿記2級が大きな武器に

高卒の方を対象にした求人であっても、日商簿記2級の取得はアピールの大きな材料にすることができます。

特に高校卒業時の就職活動では、主に「全商簿記」を活用して評価を行う場面が多く、難易度的に一回り上に位置する「日商簿記」の2級を保持することで、周りの同級生と大きな差別化を図ることができます。

高校生にとって日商簿記2級取得はハードルが高いとも言えますが、その難易度の高さに見合ったリターンを受けることが期待でき、是非とも受けておきたい資格と言えるでしょう。

転職で年収がアップしやすい職種

簿記2級が評価されやすい業種・職種として

  • 企業の経理部門
  • 製造業の管理会計・工場会計部門
  • 税理士事務所
  • 会計事務所
  • 商社
  • 会計コンサルティング会社
  • 金融機関
  • 営業職

など多岐に上ります。

特に、会計・税理士事務所では取得が必須条件となっている場合も多く、取得することで入社後の業務でも培ってきた知識をダイレクトに仕事に活かすことができるのです。

また、それ以外の職種でも財務諸表を読み取り、投資や営業先の提案に活かしたりする中で簿記のスキルが求められることも多々あるため、活かせる場面は豊富に存在すると言えます。

働く場所で給料や収入が変わる?

年収アップ率の違いは、年齢・性別・職種だけでなく、働く場所によっても変化します。

会社の場所と給与の関係は以前から指摘されており、厚生労働省の発表する『令和元年度賃金構基本統計調査』による都道府県別の月額給与についての調査では、都内と地方で年収が大きく異なることがわかりました。

全国の平均的な月収は30.77万円ですが、東京の平均月収は37.9万円と高くなっています。

そのため、東京などに勤務地のある会社は、給料が有利であるという傾向が読み取れるでしょう。

また、東京以外にも大阪は33.2万円、愛知は31.8万円と 大都市圏では平均の月収が高めに設定されています。

一方で、青森は23.9万円、秋田は24.39万円、宮崎は24.3万円と地方都市では全国平均月収額を大きく下回る月収です。

このように、東京と地方都市で働くのでは、月額給与に14万円程度もの開きがあり、給与面で地方が不利であることが読み取れます。

この結果は、地域の物価などにも左右されますが、単純に年収額をアップさせるなら大都市圏で転職するのがいいでしょう。

都道府県ごとの所定内給与額や年間賞与について、まとめると以下のようになります。

年齢 所定内給与額(万円) 年間賞与など(万円)
全国 43.1 30.07
北海道 44.1 28.08
青 森 23.90 60.51
岩 手 24.57 66.61
宮 城 28.73 84.07
秋 田 24.39 62.92
山 形 24.53 63.52
福 島 26.11 69.81
茨 城 29.87 96.17
栃 木 29.26 88.80
群 馬 28.74 86.87
埼 玉 30.17 79.82
千 葉 30.31 77.22
東 京 37.90 130.68
神奈川 34.11 108.42
新 潟 26.36 71.60
富 山 27.71 76.64
石 川 28.28 86.98
福 井 27.64 82.31
山 梨 28.23 91.51
長 野 28.35 85.46
岐 阜 28.28 85.64
静 岡 28.71 87.37
愛 知 31.85 112.32
三 重 29.63 95.40
滋 賀 29.88 99.53
京 都 30.10 91.29
大 阪 33.22 106.80
兵 庫 30.53 94.40
奈 良 30.44 81.54
和歌山 27.85 82.90
鳥 取 25.16 62.62
島 根 25.86 72.35
岡 山 28.06 86.21
広 島 30.11 91.04
山 口 27.90 87.28
徳 島 27.54 78.54
香 川 27.26 79.86
愛 媛 25.98 72.88
高 知 26.60 62.77
福 岡 29.05 85.75
佐 賀 24.94 64.52
長 崎 24.96 68.91
熊 本 25.88 69.78
大 分 26.03 72.51
宮 崎 24.30 63.17
鹿児島 25.73 69.70
沖 縄 25.13 53.86

データ出典:e-Stat 都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(47都道府県一覧)

意外と注意すべき転職回数

年収アップ率の高さは、転職回数によっても変化が見られます。

doda調査によると、年収アップに成功した転職者の転職回数を比較してみたところ「転職したことがない」と答えた人が53%を占め、「1回ある」が26%、「2回ある」が13%でした。

採用する企業側では、一つの会社で積み重ねた経験と知識を必要としていて、そういった人材が重宝されます。

そのため、転職回数は少ないほど年収アップにつながりやすいです。

また、アップ率・アップ金額に関して言えば、 年齢が若いほどアップ率が高く、年齢が高いほどアップ金額が高いという傾向が掴めています。

UターンやIターンで年収を下げないために

UターンやIターン後の転職を考えている人は、都会から地方にいくことで年収に対するディスアドバンテージがあるのではないかと疑問をもつ方も多いです。

これは、Uターン・Iターンした先の転職先で、年収アップが望めるかどうかの問題に帰結するでしょう。

実際、doda調査による就業地先別の年収アップ率ランキングによると、1位が静岡県、2位が福岡県、3位が北海道でした。

この結果から、 Uターン・Iターンで都内より平均賃金の少ない地方で転職するとしても、年収アップさせることは可能であると言えます。

都道府県 平均金額アップ率 平均アップ額
静岡県 17.1% 71.5万円
福岡県 15.8% 59.3万円
北海道 15.6% 58.7万円
千葉県 15.1% 61.5万円
愛知県 14.4% 57.3万円
神奈川県 13.7% 61.3万円
埼玉県 13.7% 55.0万円
兵庫県 13.6% 53.8万円
東京都 13.4% 56.9万円
大阪府 13.2% 52.6万円

出典:doda 「就業地別に見る年収アップの傾向(平均金額アップ率ランキング) 」

年収をアップさせる転職のコツ

簿記2級を取得して年収アップさせるための転職には、どのようなコツがあるのでしょうか。

非常に重要度の高い企業の選び方などのノウハウについて、詳しく紹介します。

まずは実務経験を積む

最初にやるべきことは、現職の会社の経理部門や会計事務所などで実務経験を積むことです。

経験値を貯めていくことで、転職先でも即戦力として認識されることにも繋がり、結果として年収をアップさせる形での転職を実現させることができるのです。

日商簿記1級を取得する

日商簿記2級に引き続き、1級を取得することも年収アップに大きな効果を発揮します。

1級は2級と比較して難易度が格段に引き上がり、財務会計・簿記・工業簿記・管理会計の4分野のハイレベルな理解が求められる資格となります。

こちらを取得することで、大きな給料アップを見込むことができ、資格手当を例に出すとその金額は2級の最大5,000円→20,000円と大幅アップすることができます。

また、実務経験と1級取得を掛け合わせることで、自身の見識の深さを積極的にアピールすることへと繋がり、転職時の年収提示額はさらに引き上がることが予想されます。

1級を活かせる職業とは?

簿記1級の資格を活かせる職種・業種として、2級の時にご紹介したものに加え

  • 上場企業の経理職(管理候補職)
  • 大手税理士法人
  • コンサルティングファーム

など、より多岐にわたるハイレベルな求人が用意されています。

ご自身の職務経験によっては、大きなステップアップを果たすことも可能な資格となるため、よりハイレベルな仕事を見据えていらっしゃる方はぜひ1級まで取得されることをおすすめします。

税理士・公認会計士取得で大きなステップアップを見込める

大きく年収を引き上げたい場合には、会計・税務の最高峰の資格である

  • 公認会計士
  • 税理士

の取得を目指してみるのも一つの手であると言えるでしょう。

両資格とも目安の学習期間が複数年を数える超難関資格ですが、それと比例して取得後に得られるメリットは大きなものがあり、百万円単位で資格手当がつく企業も存在するなど、資格取得によって絶大な恩恵を受けることができるのです。

簿記2級の学習から始まった会計知識のブラッシュアップ到達点として、これらの資格取得も是非検討されてみてはいかがでしょうか?

平均給与相場と給料・年収アップの方法

転職で年収をアップさせる方法には、

  • 転職を重ねてより高収入の企業を目指す
  • 今勤めている企業で出世してキャリアアップする

の2通りがあります。

また参考までに、令和元年度の賃金構造統計基本調査によると、25~29歳における日本人の平均給与は

  • 301万9,200円(男性)
  • 279万4,800円(女性)

となり、30~34歳では

  • 348万9,600円(男性)
  • 296万8,800円(女性)

という結果でした。

そもそも、転職して給料をあげた方がよい人というのは、「リスクをとってでも高い年収をもらいたい」と考える人です。

日本では、長く勤めていれば自動的に50代後半まで給料が上がっていく年功序列の流れがあります。

すぐにでも昇給したい!というのでなければ、転職しないで一つの企業で勤め続ける方がノーリスクで年収アップできるでしょう。

それを知ったうえで、リスクを負ってでも転職し年収アップを狙いたいという方に向けて、様々なコツを紹介していきます。

成果主義の会社を選ぶ

年収アップを狙うなら、成果主義の会社を選びましょう。

特に、外資系企業やベンチャー企業には、成果主義の企業が多く、そのような転職先を選ぶのがおすすめです。

日本企業は、年功序列を採用しているため仕事を頑張って成果を上げても月収に直結しない場合が多いです。

どちらかというと、日本企業ではポストや年齢の方が月収に関係してくるため、上の世代が退かなければ、若い世代は月収が上がりにくい環境です。

そのため、いち早く年収アップを狙うならば、 外資系企業・ベンチャー企業の中でも特に成果に応じてインセンティブが発生するような給与形態のところを選んで転職してください。

マイナー企業でも選択肢に

転職で年収アップを狙う人は、マイナー企業も選択肢に入れましょう。

上述の賃金構造統計調査によると給与の高さの平均指数は、大企業>中企業>小企業の順番になります。

しかし、年功序列の給料形態があるため、実は給料が高いと思われがちな日系企業であっても20~30代はそうでもないというパターンが多いです。

一方、名前をあまり聞いたことのないようなベンチャーやマイナー企業では、若い世代も年収アップを狙いやすいため選択肢に入れて置きましょう。

ダイヤモンド社の発行する給与ランキングでは、「シンバイオ製薬」「フロンティアホールディングス」など医薬系のベンチャー企業や、不動産系のベンチャー企業もランクインしています。

大企業に縛られずにこういった企業への転職という選択肢も持っておけば、年収アップを成功させられる可能性確実に広がるでしょう。

ちなみに、給与ランキングの結果は以下の通りになっています。

順位 社名 業種 平均年収 平均年齢
1 イーギャランティ 金融 2,413.1 32.5
2 キーエンス 電気機器 1,839.2 35.6
3 ヒューデリック 不動産 1,761.0 39.9
4 三菱商事 卸売業 1,631.9 42.6
5 東京放送HD 情報・通信 1,622.4 50.0
6 伊藤忠商事 卸売業 1,565.8 41.9
7 丸紅 卸売業 1,452.8 42.1
8 住友商事 卸売業 1,437.0 42.5
9 日本テレビHD 情報・通信 1,401.5 49.2
10 三井物産 卸売業 1,393.4 42.1
11 ソフトバンクグループ 情報・通信 1,389.4 40.0
12 日本M&Aセンター サービス 1,353.3 34.7
13 ストライク サービス 1,343.9 34.8
14 テレビ東京HD 情報・通信 1,324.3 47.0
15 野村HD 証券・商品先物 1,313.6 43.4
16 三菱地所 不動産 1,273.5 41.3
17 三井不動産 不動産 1,273.4 40.9
18 アサヒグループHD 食料品 1,250.4 45.7
19 東京海上HD 保険 1,245.3 43.2
20 フロンティア・マネジメント サービス 1,239.9 38.9
21 野村総合研究所 情報・通信 1,235.2 40.0
22 ファナック 電気機器 1,216.4 40.3
23 三井住友トラスト・HD 銀行 1,201.3 51.3
24 三菱ケミカルHD 化学 1,166.0 47.5
25 三井住友FG 銀行 1,157.6 39.8
26 双日 卸売業 1,154.6 41.7
27 シグマクシス サービス 1,152.8 37.1
28 東京エレクトロン 電気機器 1,149.3 44.4
29 ジャストシステム 情報・通信 1,145.2 39.0
30 レーザーテック 電気機器 1,137.6 42.7
31 鹿島建設 建設 1,134.1 44.2
32 ENEOSHD 石油・石炭製品 1,129.7 42.6
33 第一三井 医薬品 1,126.7 42.9
34 GMOファイナンシャルHD 証券・商品先物 1,122.8 37.9
35 三菱UFJFG 銀行 1,122.7 42.7
36 SOMPOHD 保険 1,107.0 43.5
37 豊田通商 卸売業 1,100.5 42.1
38 ジンバイオ製薬 医薬品 1,095.7 49.3
39 武田薬品工業 医薬品 1,091.1 42.2
40 アステラス製薬 医薬品 1,088.9 42.9
41 大気社 建設 1,076.5 43.6
42 MS&ADインシュアランスグループHD 保険 1,065.7 47.5
43 博報堂DYHD サービス 1,064.8 43.4
44 大林組 建設 1,057.7 42.6
45 ソニー 電気機器 1,057.1 42.4
46 WOWOW 情報・通信 1,049.8 41.0
47 日本ラクル 情報・通信 1,046.6 43.1
48 T&DHD 保険 1,038.0 46.8
49 エーザイ 医薬品 1,037.0 44.4
50 サントリー食品インターナショナル 食料品 1,032.8 40.9

福利厚生や手当もしっかりチェック

転職先を探すなら、福利厚生や手当のチェックを怠ってはいけません。

転職の時は、給与の額面だけに注目してしまいがちですが、住居手当・通勤手当・資格取得手当などの諸手当は、事実上の年収をアップさせうる要因となるでしょう。

月に2~3万円の住宅手当や資格手当・通勤手当が基本給与に加えられるだけで、年収が事実上30万円前後アップすることになるので、企業の諸手当は侮れません。

また、社食が無料・社内フィットネスなども、金銭的価値に換算すると非常に大きなメリットがあります。

ボーナス・賞与額は変動性の高さを認識

年収をアップさせる要因として、手当や福利厚生の他に意識しておきたいのはボーナスや賞与です。

ボーナスは、金額が年収アップに直結しますが、基本給よりも経営状況に左右されやすく変動性の高いものであることは認識した方がいいでしょう。

実際、航空業界や観光業界では、今回のコロナ騒動で大きな賞与減額がなされています。

例を挙げると以下の通りです。

  • 夏のボーナスが半額(JAL)
  • 冬のボーナスゼロが労働組合に提案(ANA)
  • 冬のボーナスゼロが決定(JTB)など

他業種も、ここまでではないものの、ボーナスの変動は今後十分に有り得る話なので、ボーナスの高さで転職先を選ぶのはやめましょう。

スキルを活かしたキャリアアップ転職を

転職後すぐにでも年収をアップさせたいなら、それまでの経験と知識を活かしてキャリアアップしましょう。

世の中には、

  • 専門的知識を深化させ能力を向上させる「キャリアアップ転職」
  • 異業種/異業界に未経験からチャレンジする「キャチアチェンジ転職」

が存在します。

年収アップを目指す場合、おすすめはキャリアアップ転職です。

新卒と違って一度社会人を経験している会社員の転職後の年収アップは、どれだけ即戦力として転職先の会社で活躍できるかに左右されます。

中途採用の場合、企業側からは短期的に成果を出すことが求められることから、成果を出すためには高いスキルがないと難しいでしょう。

そのため、ただ単純に「給与が高いこと」のみを判断基準で企業選定すると、自分の活躍できないような会社に入社してしまう可能性があり、転職先で思うような昇進・昇給を重ねることができなくなります。

そうならないために、 転職先を探すときは、転職前の業種と共通点・類似点のあるような職種に絞りましょう。

年収アップと異業種・異業界への転職

転職者希望の方々の中には、今までと全く違う業種にチャレンジしようとする人も多いです。

しかし、即戦力となる知識と経験が求められることを考えると、現在の仕事と異なる業種や異なる業界への転職はスキルがないという点でリスクが伴い、年収アップにつながりにくいと考えられます。

例えば、スキルが必要な業界(ITエンジニア・システムエンジニアなど)に未経験で転職しても、即戦力になれず年収アップはなかなか見込めません。

同様に、専門知識が必要な業界(医療関係など)も、それまでの関連がない中では難しいでしょう。

ですから、 異なる業界・業種に転職するとしても、自分のスキルや知見・経験などがベースとなるような職種・業種を選ぶべきです。

  • アパレル業界→ファッションコンサル
  • 証券会社→メーカーの財務部門

など、前職の知識が生かせる職種なら、年収アップの可能性もあります。

年収アップなら転職エージェントを使うべき

ここからは、簿記2級資格を活用した年収アップのためにどうやって転職エージェントを使っていけば良いのかについてわかりやすく解説します。

実績豊富なリクルートエージェントがおすすめ

簿記2級資格を活かした転職で年収アップを達成するのであれば、リクルートエージェントを利用するのがおすすめです。

世の中の転職エージェントには、有名企業がやっているものからフリーランスのエージェントが引き受けているものまでさまざまなものがあります。

その中でもリクルートエージェントを利用するのがおすすめな理由は、

  • 転職支援実績No.1
  • 20万件に上る豊富な非公開求人を紹介
  • プロのキャリアアドバイザーの手厚いサポート

の3つです。

以下では、リクルートエージェントがおすすめな理由とそれぞれのポイントについて解説していきます。

20万件以上の豊富な非公開求人

リクルートエージェントでは、幾多もの転職者を支援してきた実績が評価され、20万件を超える豊富な非公開求人が用意されています。

これにより、ご自身の希望によりマッチした転職選択を取ることができ、進路の決断をより有意義な形で展開することができるのです。

転職支援実績No.1

リクルートエージェント最大の強みは「転職支援実績No.1」という、多数の転職希望者と向き合い続けてきた実績にあります。

幅広い転職希望者のキャリアプラン一つひとつに丁寧に寄り添い続けたからこそ、現在まで連綿と転職支援の輪が広がり続けており、それは他の転職エージェントでは作り出せないリクルートエージェントならではの大きな強みとなります。

転職活動を安心して進めたいとお考えの方にとっては、大きな安心材料の一つになると言えるでしょう。

頼りになるプロのアドバイザーの存在は大きい

リクルートエージェントでは、転職業界を知り尽くしたプロのキャリアアドバイザーが求職者一人一人の希望に沿って求人案件を丁寧に紹介、その後の内定まで手厚くサポートしてくれます。

当然簿記2級を活用した転職についても熟知しており、資格を最大限活かした形で有利に転職活動を進めることのできる大きな手助けを用意してくれます。

年収アップ転職で気を付けるべきポイント9選

年収アップを目指した転職活動では、転職の自己PRや面接のそれぞれの段階で上手く転職を進めるための特有のコツがあります。

以降では、給料アップを目指した転職活動におけるポイントについてお伝えします。

必ず在職中に転職活動をはじめる

転職活動は必ず、現在勤めている企業を辞めずに勤務している段階から始めましょう。

一度企業を退職して就職活動を始めてしまうと、「生活も苦しいだろう」「余裕がないだろう」「こちらが厳しい条件突きつけても飲むだろう」と足元をみられてしまい、給与交渉において先方企業が主導権を握りやすいのです。

必ず在職中に転職を始めて「現状からの給与アップが敵わないならば転職しない」ぐらいのスタンスを見せ、企業とのやり取りの主導権を握りましょう。

職歴とスキルは前面に出そう

年収アップを目指した転職では、経験した業務は、かじった程度の業務も含めて職歴とスキルは全て書いて埋めましょう。

日本人は「完璧にできる」「自信を持ってできる」というほどのことでないと職歴欄に書けない人が多く、アピールポイントが少なくなってしまう人も少なくないです。

しかし、 小さなことでもアピールポイントは書いておいて損はないので、遠慮しないで身につけた業務全てを書いてしまいましょう。

判断するのは面接官ですので、こちらは経歴詐称にならない限りやっておいたことを全て書き並べてもOKです。

異なる業務を担当した場合は

前職で異なる業務をいくつか担当した経験がある人も、そのすべてを履歴書に書きましょう。

営業と人事など異なる業種を担当していた場合、どちらかの部署での経験にフォーカスして書く人も多いですが、どの分野にも学びはあります。

「営業の職種で培った経験を活かして人事の職種で上手くいった」などのエピソードが語れれば、全く問題はありません。

中途採用でもコミュニケーション力を磨こう

コミュニケーション能力を日ごろから磨くことで、自分の市場価値が上がります。

中途採用であっても、近年の採用の潮流としてコミュニケーション力を重視する傾向があるので、面接などでも気を付けなければいけません。

実際、業務の遂行プロセスや社内における指導スタイルなどもまちまちである場合がほとんどで、同業種への転職であっても業務に関しては最初は未経験新人とあまり変わらない場合も多いでしょう。

ここから転職先の人に追いついて業務を遂行し活躍できるかは、コミュニケーション能力がものをいいます。

企業目線でも、「一匹狼で尖っている性格だが絶大な成果を出した」人よりも「チームのみんなと協調して泥臭く汗をかき、そこそこの成果をあげた人」を好む傾向があります。

年齢・経験・知識の深さに関係なく、新しい職場では「新人」としてコミュニケーションを取り、人とのつながりを大切にしてください。

中途採用者の給与の決定方法を知ろう

これは参考程度の情報ですが、中途採用の社員に対する給与の決め方も知っておくと有利です。

中途採用者の給与決定方法は、主に以下の3つです。

  • 自社相場を元に決める方法
  • 前職の給与を元に算定する方法
  • 過去の成績・業績で決定する方法

1つ目は自社の相場を元に決める方法で、転職先の会社で同じような年齢・職階・業務をしている社員の給料を参考に決める方法です。

自社社員と同程度かそれより少し少ない金額を提示される可能性が高く、年収アップにつながりにくいのですが、一般的な日本企業ではこの方法が多くとられています。

2つ目は前職の給与を元に算定される方法で、前職の給与額が保証されつつ、一定の上積みした金額を提示される場合が多いです。

3つ目は転職者が過去に成し遂げてきた成績や業績で決定する方法で、自己アピールと交渉を上手に行えば相場よりももっと高い金額を提示してもらえる可能性があります。

2つ目や3つ目は、大きな年収アップを期待でき、自分の持つ能力値を評価されやすい方法です。

適正年収で自分の市場価値を算定しよう

転職は、自分の市場価値(=適正年収)を知っていないと給与交渉の際に強く出られなかったり、謙遜して低い額を提示して損してしまったりするので気を付けましょう。

自分の市場価値(=適正年収)を知るためには、以下のような計算するためのツールを利用すると便利です。

  1. PASONA 年収診断年収査定

  2. doda 年収査定

  3. PROSEEK 年収査定

ただし、これらの適正年収シミュレーターは、あくまでも簡易的なものです。

本格的に転職活動をする際は、転職エージェントに依頼し、正しく査定してもらってください。

相場をチェックし給与交渉で遠慮しない

年収アップを狙いたい人は、給与交渉で遠慮してはいけません。

日本人は遠慮しがちなので、「給与はどれくらいがいいですか」と聞かれても「650万円くらいあれば」などと高望みしない人が多いです。

そのような人は、正直に希望額を言ってしまったら「こんなに高いなんて金目当ての転職か」「仕事より給与の方が大事なのか」などと心象を悪くする可能性を考えてしまい、遠慮した金額を提示してしまいます。

しかし、給与交渉は自分の市場価値を決定する行為であり、ここで妥協してしまうと転職できても後々「こんなはずじゃなかった」と後悔することになるでしょう。

そうならないために、 まず自分の経歴とスキルから市場価値をチェックしましょう。

転職活動は、相場を知ったうえで緊張感を持って戦略的に取り組むべきです。

転職活動をするにあたって、まず自分の適正な年収を把握し、把握しっかりと交渉できるようにしておきましょう。

交渉次第では、市場相場の+50~100万円まで上振れすることも十分あり得ます。

転職後の初任給など給与関連は細部まで確認

転職活動中には、転職後の初任給など給与関連は細部まで確認しておくべきです。

転職した後の給与に関してはシビアな問題で、企業に入社してしまうと聞きにくくなってしまいます。

そのため、 金銭にまつわる事項については、面接時など、最初に全て聞いて解決しておくのがおすすめです。

具体的に聞いておくといいことは、例えば

  • 転職後の初任給がいつ振り込まれるか(締め日・支払日・振込月など)
  • いくら位もらえるか

などは思い切って聞いてしまいましょう。

転職エージェントで100万円UPを実現しよう

給与アップすることを目的とした転職では、転職エージェントの利用を強くおすすめします。

エージェントの場合は、スキル・経歴・業界事情を考慮した年収の相場についての情報提供から、給与交渉の代行まで行っているため、 企業相手の交渉や要望の摺り合わせが苦手という方には大きな力になるでしょう。

加えて自己アピールの方法や添削、面接の練習なども引き受けているため、エージェントの有無で転職成功の可否や給与の上昇幅が大きく変わりますし、エージェントなら先ほど紹介したような+50~100万円も夢ではありません。

さらに、一般的に転職エージェントは無料で利用できますから、年収アップを狙いたい人は登録しておいて損のないサービスと言えるのです。

日商簿記3級から1級までの道のりを解説

実際に簿記資格を活用して、転職活動を優位に進めるためには、まず簿記資格を確実に取得していく必要があります。

以下では、簿記3級から2級までの道のり、さらには1級以降の応用的なステップの部分まで解説していきます。

簿記2級は合格率20~30%台の難関

簿記2級は、直近の第164回試験では合格率21.1%を記録するなど、簿記初学者にとって超えるべき最初の関門であることがこちらの数字から窺い知ることができます。

必要学習時間は350~500時間となっており、簿記3級で身につけた商業簿記の試験範囲がさらに広がり、プラスで工業簿記の試験分野も対策する必要があります。

想像以上の試験範囲の広さに、どこから手をつければ良いかわからなくなりますが、まずは簿記3級の基本的な簿記一巡の手順から基礎を丁寧に積み上げていくことが必須となります。

一つ一つの会計処理の仕訳方法を丁寧に押さえていくことが合格への近道となるため、合格の際には簿記3級試験から順番に受験することがおすすめです。

簿記1級は合格率10%未満の最難関試験

日商簿記の最高峰となる簿記1級試験では、相対評価試験という試験の性質も相まって、合格率が10%前後となるように得点調整がなされます。

よって、2級をパスしてきた猛者たちの中でさらに上位10%以上に入ることが求められる試験方式となっており、必要学習時間は800~2,000時間と2級の必要時間の2~4倍もの数字となります。

求められる知識の深さも簿記2級と比較して桁違いに深いものとなっており、今まで以上に各会計処理の根拠を腹落ちさせた状態で問題を解けるように学習を進めていく必要があるのです。

また、試験の得点配分は多くの受験生が解ける「基本問題」に多く割かれるため、「みんなが落とさない問題を絶対に落とさない」、という意識で学習を丁寧に進める必要がある点にも注意が必要です。

簿記2級を活用した転職で年収アップさせるコツについてまとめ

簿記2級を活用した転職や年収アップの実態調査を分析し、転職で年収をアップさせるコツについて詳しく解説してきました。

年収アップを狙うには、確実に年収アップにつながる好条件の求人に出会わなければいけませんし、自分の能力の高さと貢献度を企業にしっかりアピールし、適正年収を把握したうえで賃金の交渉をする必要があります。

これらは、自分一人で行うのはとても大変なので、転職活動のプロである転職エージェントを利用すると良いでしょう。

リクルートエージェントでは、皆様の希望通りの転職成功を全力でサポートしますので、利用をご検討ください。

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