高校生が簿記を受験するメリットは?全商・日商の合格率の違いまで解説!

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簿記

公認会計士たぬ吉

「高校生が簿記を受験するメリットは何があるのかな?」

「簿記の試験には全商簿記とか日商簿記とかあるけど、どのような違うがあるんだろう?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

就職や転職の際に役立つ簿記資格ですが、高校生も取得するメリットが多くあります。

就職するときはもちろん、大学へ進学する際にもメリットを享受できるため、簿記資格に興味がある高校生は取得を目指すと良いでしょう。

こちらの記事では、高校生が簿記を受験するメリットや全商簿記と日商簿記の違いなどを解説していきます。

簿記資格に興味がある高校生に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください!

高校生が簿記を取得するメリットについてざっくり解説すると

  • 就職だけでなく大学進学の際にも役立つ
  • 将来的に独立する際にも役立つ
  • 迷ったら日商簿記の合格を目指そう

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高校生が簿記を取得するメリットは豊富

高校生が簿記資格を取得するメリットは多くあります。

就職の場面だけでなく、進学の場面でも簿記資格を活かすことができるため、簿記に興味がある高校生は取得を目指しましょう。

以下で、在学中に高校生が簿記を取得するメリットを紹介していきます。

簿記は高校卒業後の就職活動にも有利に働く

在学中に簿記資格を取得すると、卒業後の就職活動で有利になる可能性があります。

大学へ進学する予定がなく、就職を検討している方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

資格保有者は応募できる求人数が多く、経理の仕事を目指す場合は2級まで取得すると安心です。

採用されやすくなることに加えて、昇進や昇給の条件になることもあるため、キャリアにいい影響をもたらしてくれます。

進学時にも有利に

就職時に役立つだけでなく、簿記資格は進学時にも有利になるメリットがあります。

実際に、日商簿記の取得により優遇措置を受けられる大学が多くあるため、進学時にもメリットを享受できます。

進学を目指している大学を目指す場合、簿記を勉強して資格を取得する意義は大きいでしょう。

なお、通常の大学入試ではほぼ役に立つケースはほとんどなく、共通テストも2024年で最後となっている点には注意が必要です。

つまり、簿記資格を進学で活かせるのは2024年度が最後となります。

独立する際にも有利に

簿記を学べば、企業活動をする際のお金の流れや管理方法を学ぶことができます。

将来的に独立したいと考えている方や家業を継ぐ予定がある方にとって、簿記の知識は非常に役立ちます。

どのような業種であっても、お金の動きを把握することは欠かせません。

金融機関などの外部へ財務状況を情報開示だけでなく、内部会計を把握した上で改善案を提案するスキルも習得できるでしょう。

就職や転職で役立つだけでなく、将来的な独立でも役立つ点は簿記を学ぶメリットです。

高校生は全商簿記・日商簿記どちらを受けるべき?

簿記試験には、日本商工会議所が主催する「日商簿記」と、全国商業高等学校協会が主催する「全商簿記」があります。

多くの試験の種類があると「どの試験を受験すればいいんだろう」と迷ってしまうこともあるでしょう。

以下で、高校生は全商簿記・日商簿記どちらを受けるべきか解説していきます。

同じ2級・3級でも試験ごとに難易度は異なる

全商簿記は、日商簿記の同級と比較すると問題が易しい特徴があります。

つまり、全商簿記2級と日商簿記2級を比較すると、日商簿記2級の方が難しいです。

目安としては、

  • 全商1級=日商2級
  • 全商2級=日商3級
  • 全商3級=日商簿記初級

上記のようなイメージです。

まずは難易度の低い試験の合格を目指しつつ、徐々に難易度が高い試験の合格を目指してレベルアップすると良いでしょう。

合格率をチェック

全商簿記2・3級の合格率と日商簿記2・3級の合格率は、下記のとおりです。

日商簿記の方が、総じて合格率が高いことが見て取れます。

合格率をチェックすることも大切ですが、問題の内容もチェックして合格を目指すべきか判断しましょう。

一般的に「簿記」は日商簿記を指しており、就職の際にも日商簿記が評価の対象になりやすいです。

どの試験を受験するか迷ったら、日商簿記の受験を目指すのがおすすめです。

1級の難易度は別格

簿記1級は非常に希少価値の高い資格ですが、2・3級と比べて学習範囲が広く難易度も非常に高いです。

日本商工会議所によると、日商簿記1級は

極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析をおこなうために求められるレベル

と定義されています。

簿記や会計に関するスペシャリストとして活躍したい場合は、簿記1級の取得を目指しましょう。

1級の合格率は毎回約10%程度、合格者は約1,000名程しかおらず、高校生が合格を目指すのは現実的ではありません。

なお、1級では簿記のルールを理解して事例に当てはめるだけでなく、背景や根拠まで理解する必要があります。

経営管理のプロとして、高い次元の知識が要求される点は知っておきましょう。

高校生が簿記を取得する際の注意点

高校生が簿記を取得するメリットは多くありますが、注意点も存在します。

簿記の資格取得に注力しすぎるとデメリットを被る恐れがあるため、注意しましょう。

以下で、高校生が簿記を取得する際の注意点を解説します。

就職で一番大切なのはあくまでも学校の成績

学校の成績が将来の成長の物差しに

簿記資格を取得することも大切ですが、高校生の本業はあくまでも学校での勉強です。

学校の成績は、生徒がやるべきことにしっかりと取り組んだかを判断する材料になるため、軽視するべきではありません。

大学進学や就職の際には、資格よりも学校の成績が重視されます。

そのため、学校の成績を犠牲にしてまで簿記資格の取得を目指さのは悪手です。

高校生が簿記を目指す場合は、学校の勉強に合間に、余裕があれば取り組むくらいの温度感がベストです。

商業科の高校生は日商簿記2級まで

商業高校では全商簿記の勉強をするため、もともと簿記に関して専門的に学べるプログラムとなっています。

商業科の高校生は、在学中に最低でも日商簿記2級まで取得するようにしましょう。

商業科の高校生の場合、在学中に全商簿記1級に合格することも十分に可能です。

全商簿記1級に合格する知識があれば、日商簿記2級はキチンと対策すれば合格できるため、ぜひ取得を目指しましょう。

普通科の高校生は日商簿記3級まで

普通科の高校では、カリキュラムに簿記の勉強は含まれていません。

普通科の高校生の多くは簿記や会計の勉強が未経験となるため、普通科の生徒は日商簿記3級の取得を目指すと良いでしょう。

将来、経理事務などのお金に関する仕事に携わりたい場合、在学中に日商簿記3級を取得できれば十分です。

あくまでも学校での勉強を優先して、無理に目指す必要はありません。

大学進学の際には簿記が優遇要件に含まれるかチェック

日商簿記又は全商簿記が優遇される

日商簿記が優遇される大学は、商工会議所のホームページで確認できます。

全国の多くの大学で簿記資格取得者を優遇していることがわかります。

全商簿記は「全商協会特別推薦入試」という制度で利用でき、大学入試で有利に作用します。

なお、社会に出たら一般的に簿記は「日商簿記」を指すため、どちらの取得を目指すか迷うなら日商簿記の取得を目指しましょう。

共通テストで「簿記・会計」を選ぶべきか

大学進学の際に簿記資格を活かす際には、共通テストで「簿記・会計」を選ぶべきかも含めて判断しましょう。

共通テストの簿記・会計は、数学と比べると難易度が低いため、取り組みやすい特徴があります。

大学によって

  • 簿記・会計の選択を認めない
  • 商業高校卒の生徒のみ、簿記・会計の選択を認める

などの条件があるため、事前に確認することが大切です。

「簿記・会計」は誰でも選べるわけではないため、受験する大学の情報は必ず収集しましょう。

【高校生向け】簿記のおすすめ勉強法を解説

高校生が簿記資格の取得を目指すにあたり、おすすめの勉強法があります。

特に、始めて簿記の勉強をする場合は効率的に学ぶことと、体系的に会計を理解することが大切です。

以下で、高校生が効率よく簿記の取得を目指すための、おすすめ勉強法を解説していきます。

取るなら日商簿記が1番おすすめ

簿記試験には

  • 日商簿記
  • 全経簿記
  • 全商簿記

上記の3つがありますが、就職で最も評価されるのは日商簿記です。

世間一般的にも簿記は「日商簿記」を指すため、どの資格取得を目指すか迷ったら日商簿記を選択しましょう。

なお、就職の際に評価されやすいのは「日商簿記2級以上」ですが、高校生の場合はポテンシャルも含めて簿記3級でも評価されやすいです。

将来的なキャリアも含めて考えた場合、簿記資格を取るなら日商簿記が1番おすすめです。

簿記の勉強への準備

簿記の勉強を進めるための準備として、下記が挙げられます。

  • 電卓を買う
  • 勉強する時期を決める
  • 独学で進めるか予備校を使うか決める

簿記の問題に取り組むにあたり、電卓は必須です。

自身が使いやすい電卓を用意して、試験本番までに使い慣れておきましょう。

また、効率よく勉強するためには時期を決めて綿密なスケジュールを立てることが大切です。

効率よく学べるスケジュールで勉強を進めつつ、適宜疑問を解消するためにも予備校や通信講座の活用を検討しましょう。

テキスト選びは念入りに

基本的には、独学よりも予備校や通信講座の活用がおすすめです。

もし独学で勉強する場合は、テキスト選びを念入りに行いましょう。

効率よく理解を深めるためには、わかりやすいテキストを使うことが欠かせないため、テキスト選びは非常に大切です。

自分に合っているテキストを選ぶことで学習効率が高まるため、何冊か比較検討してみてください。

もし自分にあったテキストが絞り込めない場合は、イラストや図表が多く用いられているものを選ぶと良いでしょう。

高校生が簿記を取得するメリットまとめ

高校生が簿記を取得するメリットまとめ

  • 就職や進学など、様々なシーンで簿記資格は役立つ
  • 商業科の高校生は日商簿記2級、普通科の高校生は日商簿記3級を目標にしよう
  • 効率よく勉強するための方法を実践することが大切

高校生が在学中に簿記資格を取得すると、様々なメリットを享受できます。

高卒で就職するときはもちろん、大学へ進学する際にも優遇されるメリットが期待できる可能性があります。

なお、簿記には多くの試験の種類がありますが、迷ったら知名度と信頼度が高い日商簿記を受験するのがおすすめです。

また、会計や経理を体系的に理解するためにも、予備校やスクールで学ぶことをおすすめします。

簿記資格の取得を検討している高校生は、こちらの記事を参考にしながら勉強に着手してみてください。

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