簿記2級試験の直前対策方法とは?合格のポイントや一夜漬けの可能性まで解説!

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簿記

公認会計士たぬ吉

「簿記2級試験の直前対策方法について知りたい!」

「工業簿記のポイントや解く際のコツはあるの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

簿記2級は多くの方が取得を目指す人気資格ですが、直前期の過ごし方は合否を分けるポイントとなります。

きちんと直前対策を行えば合格が大きく近づくので、間違った過ごし方や勉強法をしないように気を付けましょう。

こちらの記事で簿記2級試験の直前対策方法などを解説したので、受験を控えている方は参考にしてください!

簿記2級試験の直前対策についてざっくり説明すると

  • 本番の直前まで緊張感を保つことが重要
  • 弱点をできるだけ潰しておくことも効果的
  • 一夜漬けに頼らずに済むように、日頃から勉強する習慣を身に着けよう

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簿記2級試験の直前対策方法

試験の直前期は集中力が途切れがちですが、直前期にサボってしまうとこれまでの努力が水の泡になってしまいます。

合格を掴み取るためにも、正しい勉強方法で効率的に勉強を進めていきましょう。

過去問を解きまくる

簿記2級試験は過去問の類題から多く出題される傾向にあるので、過去問を多くこなすことで得点力は鍛えられます。

過去問を解くことで、問題の頻出分野を直に把握することができ、それを日々の学習のインプットにも活かすことができるのです。

また、問題演習に慣れてきたら次のステップとして「時間内に解き切ること」を意識し、より実践的なトレーニングを積みましょう。

本試験を想定しながら問題に取り組むことで、「早く正確に」解くスキルが鍛えられるのでおすすめです。

模試や予想問題を解き進める

問題演習を積んだら、模試や予想問題を活用して力試しをしましょう。

本番のつもりで取り組むことが何よりも重要で、とにかく「本番の試験形式に慣れる」ことを意識してください。

また、模試や予想問題に取り組む際にも「時間内に解き切ること」を意識して、タイムマネジメントについても体感しておきましょう。

合格点をクリアできる自分なりの戦略を作っておくことで、本番でも慌てることなく問題に向き合うことができます。

あくまでも過去問が最優先

初学者の中には、過去問をやらずに模試や予想問題を先に取り掛かろうとする方がいらっしゃいますが、問題を解く優先順位は必ず過去問を先にするようにしましょう。

模試や予想問題も過去問を研究して作られていますが、一方で各予備校の出題の癖も色濃く現れた作問がなされる為、予想問題や模試だけをやってしまうと、予備校の問題に過度に最適化される恐れが出てきてしまいます。

あくまでも本番の試験の問題を解けるようになるための手段として問題演習を積んでいるため、過去の本番問題を解くことが実戦の演習としては最適である点を押さえておくようにしましょう。

勉強済みの単元のまとめに入ろう

直前期は、新しい内容に手を付けるよりも今まで勉強した内容の総復習をする方が有意義です。

簿記2級試験では、確実に取れる問題を正解できれば合格点をクリアできるので、確実に正解できる問題を増やす子を優先しましょう。

中途半端な知識を身に着けるよりも、確実に使える知識を増やした方が点数に繋がるので、しっかりと知識を固めておくことをおすすめします。

弱点分野を勉強しよう

問題演習を繰り返す中で、何度も間違える弱点分野があれば徹底的に対策をしましょう。

テキストに戻って読み直したり、問題の解説を読んで復習するなど、基本に立ち返って勉強し直せば本番での同じミスを防ぐことができます。

間違えた箇所にマークしけおけば復習する際に便利なので、直前期にスムーズに復習できるように日頃から工夫しておくことも重要です。

すき間時間を利用しよう

移動時間はついつい眠ったりスマホで遊んでしまいがちですが、寸暇を惜しんで勉強する意思も重要です。

簿記2級は3級よりも格段に難易度が上がるので、移動時間はテキストを読んだり暗記作業をしましょう。

直前期は合否を分ける重要な時期なので、体力的に疲れていても頑張りましょう。

本番まで緊張感を持つ

直前期で学習したことは本番の時に思い出しやすいため、本番の直前まで緊張感を保って勉強しましょう。

直前期の勉強は本番での点数に直結するので、手を抜いてしまうと他の受験生に後れを取ってしまうことになります。

自信がある方は気を引き締めて努力を継続して、自信が無い方も諦めることなくベストを尽くして勉強してください。

簿記2級試験の一夜漬けは可能?

簿記2級は、一夜漬けで対策できるほど甘い試験ではありません。

一般的に、簿記3級を合格した後に200~300時間程度の学習が求められるレベル感なので、計画的に勉強を進めることが必須です。

日頃から少しずつ勉強を積み上げていくことが、合格への近道と言えるでしょう。

また、工業簿記を解くには演習を積んで慣れておく必要があることから、やはり一夜漬けは現実的ではありません。

とはいえ、何らかの事情でで一夜漬けに頼らざるを得ない方は、単元の中からヤマを張る論点を1~2つ選んで勉強する論点を絞り込みましょう。

一夜漬けしやすい単元

工業簿記は特定の範囲から出題される傾向にあるので、過去問題の出題傾向を見ながらヤマを張る分野を決めましょう。

また、商業簿記第一問の仕訳に関しては3級程度の知識でも対策できることから、第一問は必ず正解する意思を持ちましょう。

仕訳は他の問題を解くための根幹にもなる知識なので、仕訳の確実な理解は点数の底上げにも繋がります。

予想が外れて勉強していない分野が出題されたら、潔く諦めて次回の試験に向けて勉強しましょう。

一夜漬けを避けるべき理由

そもそも、一夜漬けで仮に合格できても勉強した内容をすぐに忘れてしまうので、勉強の本来の趣旨とはズレてしまいます。

簿記2級は、仕事などの実務で使うために取得するものなので、忘れてしまうと取得した意味がありません。

実践的な力が無い方は資格があっても実務を行うことができないので、企業側からも歓迎されないでしょう。

直前対策講座は利用すべき?

各予備校では簿記2級試験の直前対策講座を展開しており、下記の一例を示します。

企業 講座名 費用
TAC 2級直前対策 web通信23,700円
DVD通信35,000円
教室講座+wevフォロー28,600円
資格の大原 2級直前対策パック 通学36,200円
通信29,700円
LEC 2級直前対策パック 通信web18,700円
通信DVD24,200円

直前期対策講座は経験豊富なプロの講師が教えてくれるので、安心して受講できます。

試験に対して不安がある方や、追加費用を払ってでも確認したいことがある場合は受講する価値があると言えるでしょう。

なお、TACのプレ答練や大原の模擬試験プログラムなど、ネット試験に対応している講座もあるので、ネット試験に不安がある方にとってはありがたいサポートと言えます。

特に大原は簿記試験の合格実績に定評があるので、直前対策を万全にしたい方は是非一度チェックしておくと良いでしょう。

直前期のありがちな誤った勉強法

こちらのトピックでは、直前期にありがちな誤った勉強法について解説していきます。

新しいテキストを進めだす

最もありがちなミスですが、新たな教材に手を出してもメリットはありません。

今まで学んできたテキストで十分に合格は狙えるので、不安があっても新しくテキストや問題集を購入する必要はありません。

先述したように、直前期は新しく出来る問題を増やすよりも「確実に取れる問題を増やす」というスタンスで勉強するべきです。

新しいテキストを買うと、知識の定着が中途半端な学習になったり今まで勉強した範囲の復習が疎かになる恐れがあるので、要注意です。

完璧にこだわる

簿記2級の合格ラインは7割なので、満点は必要ありません。

難問や奇問と遭遇することがありますが、滅多に出されないようなレベルの問題は迷わずに捨ててしまいましょう。

多くの過去問演習を積むことで問題の取捨選択能力は鍛えられるので、重要論点や頻出論点に的を絞って対策しましょう。

目的が曖昧なまま学習のまとめを作る

自分のオリジナルの「まとめ表」を作る方がいますが、何も考えずにまとめるのは自己満足で終わってしまいがちなので、おすすめできません。

学習の復習としてまとめを作る際は、まとめながら知識の整理ができるように工夫する必要があります。

例えば「単にテキストの写経をするのではなく、思い出しながら自分の言葉で書き出す」など、頭を使っていることが実感できるような勉強をしましょう。

簿記2級合格のためのポイントは?

それでは、簿記2級に合格するためのポイントについて解説していきます。

解く順番を決めておく

試験本番に焦らないためにも、事前に問題を解く順番を決めておくと良いでしょう。

自分の得意な問題から解くことで気分的にも乗れるので、リズムよく問題に取り組めるはずです。

特に、工業簿記の第4問と第5問は商業簿記に比べると解きやすいので、問題演習を解きまくって問題慣れしておきましょう。

工業簿記をしっかりと対策する

工業簿記は2級から出題される新しい分野なので、理解が難しい場合もあるでしょう。

しかし、商業簿記よりも学習量は少ない上に仕訳をきっちり理解すれば案外簡単に攻略できるので、重点的に対策しましょう。

「目的」と「製品の状況」に着目することで全体像を把握できるので、問題演習を積み重ねて満点を狙うと良いでしょう。

実際に、商業簿記に比べると出題される内容が絞りやすく点数を取りやすいため、合格するためには工業簿記を得点源にするべきです。

テキストだけでは理解ができない方は、視覚的にも理解しやすいネット動画の活用がおすすめです。

商業簿記の対策

商業簿記は第1問・第2問・第3問で出題され、100点中60点が出題されます。

簿記3級の延長線上にあるため、既に3級を取得した方にとっては取っ掛かりやすい内容と言えるでしょう。

しかし、学ぶ内容が格段にレベルアップするので、工業簿記よりも得点しずらく勉強量も多い点が特徴です。

資産・負債・収益・純資産・費用の全体像をイメージしながら、丁寧に理解していきましょう。

第1問

第1問は仕訳から出題されるため、基本的な知識があれば正解できます。

ここで躓いてしまうと一気に合格が遠のくので、確実に正解したい問題です。

仕訳は商業簿記の基本にもなる重要ポイントなので、正確に勘定などを暗記して必ず出来るように仕上げてください。

第2問

第2問は対策が立てにくく、目新しい問題が出ることもあるので難しい場合があります。

もし難問が出てきた場合は無理をせず、一旦保留して解ける問題から取り組みましょう。

取れるポイントだけ取れるようにベストは尽くしつつ、合格に必要な点数を取るイメージで取り組むと良いでしょう。

第3問

第3問は試算表の作成がメインですが、第2問と同様に難しい問題が出されることがあるので、もし分からない問題が出てきても慌てずに対処しましょう。

無理に完答を狙わず、部分点を取ることに注力することも重要です。

出来ない問題はいくら時間をかけても出来ないので、深追いは不要です。

試験本番では粘り切ろう

試験で分からない問題があっても、他の問題を解き終えて時間が残っている場合は、最後まで諦めることなく粘り強く取り組みましょう。

また、解けた問題が本当に正しいのか見直すのも有効です。時間がある限り得点を伸ばすための努力をしてください。

小さな得点を積み重ねることで合格ラインに届くこともあるため、今までの自分の勉強を信じてベストを尽くしましょう。

簿記2級試験直前期の過ごし方

続いて、試験直前期の過ごし方について紹介します。

本番当日のスケジュールを決めておく

本番は緊張しがちなので、起床時間や会場までの到着時間を早い段階で決めてしまいましょう。

当日の持ち物もチェックし、忘れ物が無いように気を付けてください。

試験本番は試験に集中できるように、他の事に気を取られないように工夫することが大切です。

生活リズムを習慣化する

試験中に目くなってしまうと集中できないので、日頃から規則正しい生活習慣のルーティンを作ることも重要です。

試験何時から逆算して起床時間などを決めて、試験時間は集中できるよう工夫しましょう。

いきなり規則正しい生活を送るのは無理なので、試験本番の1ヶ月程前から規則正しい生活を送るように意識してください。

イメージを膨らませる

自信を持って試験に臨むためにも、合格したイメージを持つことも重要です。

ポジティブなイメージを持つことでモチベーションも向上するので、資格取得後に経理事務で活躍する自分をイメージするのも有意義でしょう。

落ちてしまったケースをイメージすると、雑念が生じてしまうのネガティブな方は注意してください。

体調は万全にする

当日の体調は合否に直結する重要なポイントなので、体調管理には注意を払いましょう。

試験前日は早く寝て睡眠時間を確保し、万全のコンディションで試験を迎えてください。

睡眠時間が少ないと集中力不足に陥ってしまい、ケアレスミスを連発してしまう恐れがあります。

その結果、わずかな点差で不合格になってしまうケースも有るので。体調管理を怠るのはやめましょう。

簿記2級はきちんと勉強すれば合格できる

試験の直前期における勉強や過ごし方は合否に直結しますが、簿記2級はそもそも「きちんと勉強していれば合格できるレベル」の試験です。

そのため、日頃からしっかりと勉強している方は、直前期に「油断してサボる」などしない限りは十分な学力が身に着いているはずです。

直前期も気を抜かずに勉強したにも関わらず不合格になってしまったら、シンプルに勉強不足と言えるでしょう。

「運が悪かった」「ヤマを張った以外の分野が出てきた」というのは所詮言い訳に過ぎず、きちんとテキストを網羅的に学習していれば合格できます。

直前期の過ごし方も重要ですが、最も重要なのは「計画的に勉強すること」なので、一夜漬けに頼らざるを得ない状況にならないように気を付けましょう。

簿記2級試験の直前対策まとめ

簿記2級の直前対策まとめ

  • 過去問を活用すれば得点力は自然と鍛えられる
  • 工業簿記は満点を目指すレベルで対策しよう
  • 本番に焦らずに済むように、生活習慣を整えて体調管理にも注意を払おう

簿記2級は決して簡単な試験ではないので、直前の過ごし方は非常に重要です。

手を抜かずに最後まで緊張感を持って勉強すれば、合格できるチャンスはグッと広がるでしょう。

こちらの記事を参考にして対策を行い、簿記2級の合格を掴み取ってください!

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