簿記2級勉強スケジュールの立て方は?必要な勉強時間や最短合格に向けたコツも紹介!
この記事は専門家に監修されています
簿記
公認会計士たぬ吉
「簿記2級の勉強スケジュールについて知りたい!」
「簿記2級の合格に必要な勉強時間はどれくらい?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
簿記2級は高い汎用性から人気が高く、多くの方が取得を目指しているでしょう。
取得を目指している方にとって、必要な勉強時間は気になりますよね。
こちらの記事では、簿記2級の合格に向けた勉強スケジュールや合格のコツなどについて、詳しく解説していきます!
簿記2級の勉強スケジュールの立て方についてざっくり説明すると
- 3級を既に持っている人は有利
- 6か月の勉強期間を想定しておけば安心
- スキマ時間を有効活用したり効率性を高めることが短期合格のコツ
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簿記2級に必要な勉強期間とスケジュールの立て方
簿記2級は簿記3級の上位資格で、スケジュールは既に簿記3級を取得しているかどうかで変わります。
簿記2級の合格率
簿記2級に合格するためのスケジュールの立て方を見る前に、合格するのがどのくらい難しいのかイメージを持っていただくため、過去5回分の簿記3級と2級の合格率を紹介します。
回 | 簿記3級 | 簿記2級 |
---|---|---|
164(2023.6.11) | 34.0% | 21.1% |
163(2023.2.26) | 36.5% | 24.8% |
162(2022.11.20) | 30.2% | 20.9% |
161(2022.6.12) | 45.8% | 26.9% |
160(2022.2.27) | 50.9% | 17.5% |
データ出典:商工会議所 2級受験者データ(統一試験)
このように簿記2級の合格率は約20~25%ほどで、簿記3級の合格率よりも約10~15%ほど低く、合格するのはやや難しい試験であることがわかります。
まずは比較的難易度の高い試験であるとのイメージを持った上で、スケジューリングの肌感覚を掴むようにしましょう。
独学で学習を進める場合
まずは、独学で簿記2級を取得する際の勉強時間について見てみましょう。
簿記3級を持っていないパターン
簿記3級を持っておらず簿記や会計に関する予備知識が無い状態であれば、概ね350~500時間の勉強時間が必要と言われています。
初学者の場合は3級と2級の学習を進める必要があるため、それぞれの学習スケジュールを立てていく必要があります。
具体的には、3級の取得ために100~150時間、2級の取得のために200~250時間を目安に学習計画を立てると良いでしょう。
簿記3級を持っているパターン
簿記3級を取得している場合は、概ね250~350時間の勉強時間が必要と言われています。
簿記や会計に関する基礎知識は既に身に着いているので、着実に学習を進めていけば2級の取得は難しくないでしょう。
早いケースでは1~2ヶ月程度で取得した方もいますが、このような短期間で2級に合格するのは簡単ではありません。
ですので、4~6か月ほどの期間でスケジュールをしっかりと立てていくことがおすすめになります。
なお、勉強のスケジュールを立てる際には、商業簿記と工業簿記のバランスと過去問演習のバランスを意識すると良いでしょう。
通信講座を使って学習を進める場合
独学ではなく通信講座を活用する場合は、効率的な学習スケジュールが既に講座側で作られています。
通信講座を活用すれば、簿記3級を持っていない場合でも250~350時間程度、簿記3級を持っている場合であれば150~250時間程度の勉強時間で2級を取得することが可能です。
通信講座では無駄を省いたスケジュールが組まれており、独学よりも効率よく合格を目指せるので非常におすすめです。
具体的なスケジュール例
それでは、独学で6ヶ月という期間で簿記2級の取得を目指すケースの具体的なスケジュールを紹介していきます。
まずは最初の4ヶ月で知識のインプットを行いますが、この段階では商業簿記と工業簿記を2ヶ月ずつくらいのバランスで進めると良いでしょう。
前述したように、勉強のバランスが重要となるので、偏らないように常に意識しながら適宜スケジュールを見直していきましょう。
次に、残りの2ヶ月程度で過去問や予想問題などを用いて演習を行い、実践的な学力を鍛えていきましょう。
試験問題に対応するためにはインプットするだけでは足らず、実際の問題を使ったトレーニングが欠かせません。
なお、これらの問題は一度解いて終わりにするのではなく、何度も繰り返し解いて解法や簿記の知識を確実に脳に定着させましょう。
勉強期間の前半で大切なポイント
こちらのトピックでは、学習の前半にスケジュールを立てる際に押さえておくべきポイントを解説していきます。
全体像を掴む
まずは、いきなりテキストを熟読するのではなく簿記や会計の全体像を掴み、勉強する分野の大枠を知っておきましょう。
これにより勉強の効率が高くなるので、「これから自分は何を勉強しようとしているのか」を把握することは非常に重要です。
なお、テキストを選ぶ際には内容が分かりやすく、頻出ポイントが絞られた教材を選ぶのをおすすめします。
全てを覚える必要は無いので、大枠を掴みながら「簿記とは何か」を理解することを優先し、自分なりに分かりやすく整理しておくと良いでしょう。
商業簿記は頻出ポイントを重点的に学習
商業簿記は2級のメインとなる科目であり、試験範囲が広い点が特徴です。
具体的には、簿記3級の内容をベースにした応用レベルの問題が幅広く出題されるので、じっくりと丁寧に勉強を進めていきましょう。
2級は3級と比べると試験範囲が広く、細かいポイントまで押さえようとするとスケジュール通りに勉強が進まなくなってしまう恐れがあります。
そのため、着実に得点力を鍛えるためにも頻出ポイントを中心に学習を進めると良いでしょう。
工業簿記は全体の流れを理解して学習を進める
工業簿記は3級で取り扱っていない上に商業簿記よりも複雑なため、最初は難しく感じてしまう方も多いでしょう。
しかし、工業簿記の原理を理解して出題形式に慣れれば高得点を狙えるので、苦手意識を払拭できるまでトレーニングを重ねましょう。
一方で、苦手意識を払拭できないと全く点数が取れず合格が遠のいてしまうので要注意です。
原価計算をなどの全体の流れを理解すれば着実に理解を深めることができるため、まとまった学習期間を確保して工業簿記を学習することも有効です。
アウトプットを意識的に行う
学習の前半は丁寧に勉強したいがためにインプットに時間を多く割いてしまい、後々のアウトプットの時間が不足してしまうケースは多くあります。
インプットも重要ですが、試験での対応力に関しては試験前にどれくらいのアウトプットをこなしてきたかが大きく影響するので、学習当初からアウトプットを意識的に積み重ねるようにしましょう。
アウトプットを行うことで自分が理解できていないポイントを確認できるメリットもあるため、適度にインプットができたらすぐさまアウトプットを意識的に行い、実践的な問題演習に取り組んでいきましょう。
最初の内は分からないことも多く自信を無くすことも多くあるでしょうが、演習を重ねれば自然と解けるようになるので問題ありません。
勉強期間の後半で押さえておきたいポイント
続いて、学習の後半に押さえておくべきポイントを解説していきます。
なお、前半で思うように理解が進まなかった場合は、無理をせずに学習期間を延ばすことも検討しましょう。
過去問を解く
過去問はこれまでの本試験のデータなので、多くの量をこなしておけば問題傾向をつかめるだけでなく、自信を深めることもできます。
なお、過去問演習の質を高めるためにも本番と同じ制限時間を設けて取り組んでみてください。
実際に過去問に触れて問題傾向や時間配分の仕方などを体感しておくことは非常に重要なプロセスなので、漫然と解くことのないようにしましょう。
過去問演習を繰り返し解くことでテキストを確認する回数も減っていくはずなので、辛抱強く演習を重ねましょう。
予想問題でアウトプットの量を増やす
予想問題も優れた学習ツールですが、基本的には予想問題よりも過去問をこなすことを優先しましょう。
予想問題は過去問が一通り終わった後に着手し、初見問題が出てきた際の自分の対応力を測るのに利用することをおすすめします。
また、予想問題集は解説が丁寧なものを選び、過去問演習と同じように時間を計りながら取り組みましょう。
復習をしっかりと行う
問題は解きっぱなしにするのではなく、復習も意識的に行いましょう。
序盤は復習に時間がかかってしまいがちですが、復習することで間違えた問題がより印象に残り正確にインプットできるため、しっかりとテキストや参考書を確認しながら復習しましょう。
また、復習の際には解けなかった問題をピックアップし、自力で解けるようになるまで解き直すことが重要です。
ノートに間違った情報をまとめておくと、試験直前の総まとめをする際に便利なので、オリジナルノートも作成することをおすすめします。
直前1~2週間にしたほうがいいこと
続いて、試験1週間~2週間前にしておくべきポイントを解説します。
新しいテキストに取り組まない
1週間~2週間前のような直前期に新しいテキストに取り組んでも、時間的余裕が無いため無駄に終わってしまう可能性が高いです。
また、そもそも新しい教材に載っている内容や情報はこれまでに勉強した内容とほとんど重複しているので、特段目新しい情報はありません。
使い慣れない教材を使うことで混乱してしまう恐れもあるので、これまで使ってきた教材を使って最後の総仕上げをしていきましょう。
苦手分野をまとめる
過去問・予想問題を解く過程で苦手分野を把握したら、その苦手分野を徹底的に復習しましょう。
苦手分野が多いと合格は遠のいてしまうので、時間を使ってでも徹底的に勉強し、苦手意識を払拭するべきです。
なお、商業簿記と工業簿記のそれぞれに苦手分野がある場合は、得点に繋がりやすい工業簿記を優先して勉強するのがおすすめです。
試験に向けて体調を整える
試験本番に体調が悪いと、せっかく勉強して身に着けた力を100%発揮することができません。
そのため、睡眠時間をしっかり確保して体調を整え、また当日のルートなどを調べて当日に無駄な緊張をせずに済むように意識しましょう。
不安になったときは「もし落ちても次のチャンスで合格できればいいや」くらいの開き直りの精神で試験に臨み、過度に緊張しないように工夫してください。
最短での合格を目指すコツ
簿記2級は、徹底的に効率性を高めれば最短1ヶ月程度で合格も目指すことが可能です。
できるだけ短い期間で合格したい場合、「効率性を高める」「勉強時間をできるだけ確保する」の二点が鍵となります。
スキマ時間を活用する
やはり、最短で合格するためにはスキマ時間の活用はマストです。
例えば、スマホアプリやオリジナルのまとめノートなどを活用して、スキマ時間での学習がしやすくなるように工夫していきましょう。
通勤時間や待ち合わせなどのちょっとした合間で勉強できるようにしておくと、短時間で集中する力も身に着きます。
このような細かい努力を継続できれば合格に近付くことができるので、ゲームや動画視聴などに充てていた時間は勉強に置換することをおすすめします。
勉強の効率を高める
時間が少ない場合は勉強の質を高めることが非常に重要で、集中力を高めることでパフォーマンスを高めることができます。
また、勉強のパフォーマンスを高めるために睡眠時間をしっかりと確保したり、自分が勉強に集中できる場所などを探すことも有効です。
自分にとってベストな勉強方法やスケジュールが分からない場合は、予備校などに通って自分に合ったスケジュールを考えてもらうと良いでしょう。
簿記2級取得におすすめの通信講座
簿記2級は決して簡単な試験ではないため、独学で最短かつ効率性を高めた勉強を行うのは非常に難しいと言えます。
そのため、最短かつ確実に合格を掴み取りたい方であれば、通信講座を利用すると良いでしょう。
おすすめの通信講座はスタディングで、スタディングではスキマ時間を効率よく使うためのスマホ学習機能が充実しており、忙しい社会人や学生でも効率よく知識を習得できるので、ぜひ受講を検討すると良いでしょう。
さらに、他社と比較してもリーズナブルに受講できる強みもあるため、気軽に簿記の勉強を始めたい方にもおすすめできます。
簿記2級の勉強スケジュールの立て方まとめ
簿記2級の勉強スケジュールの立て方まとめ
- インプットをある程度こなしたら、問題演習などのアウトプットに着手しよう
- 商業簿記と工業簿記は別物なので、それぞれしっかり対策を練ろう
- 実務をイメージしながら勉強することで理解が速くなる
簿記2級は簡単な試験ではありませんが、着実に勉強を重ねて工夫をしていけば誰でも合格を狙えます。
迷子状態にならないためにも事前にゆとりのあるスケジュールを作り、適宜調整しながら勉強の質を高めていきましょう。
こちらの記事を参考にして、ぜひ自分にとってベストな勉強スケジュールを作ってみてください。