簿記2級合格体験記|勉強時間から勉強法まで合格者に直接インタビューしました!
簿記2級は人気で知名度も高い資格で、3級と比較すると取得は困難かつ近年で難易度が上昇してきています。
そこで今回、資格Timesでは簿記2級の合格者に独自インタビューを行い、2級合格者に勉強する際のコツや、スケジュールの管理法、取得したときのメリットについて伺ってきました!
簿記2級の取得を目指している方や、まだ簿記2級を受験するか迷っている方はこの記事を参考にしてください。
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勉強時間・計画面について
お忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございます。
株式会社ベンドの池田と申します。本日はよろしくお願い致します。
なつめと申します。よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
それでは早速1つ目の質問に移らさせて頂きます。まずは簿記2級取得までの計画面についてお聞きしたいと思います。
簿記2級の取得まで何時間勉強していましたか。
私の場合は、3か月から3か月半ですかね。
時間でいうと400~450時間くらいです。
どのようにして勉強時間を捻出したのか、教えて頂きたいです。
私は主に通学時間や講義の間などのすき間時間で勉強していました。
動画を見るインプットと、練習問題を解くアウトプットの時間があって、インプットはまとまった時間で、アウトプットはすき間時間で取り組みました。
すき間時間を利用することは大切ですよね。
なつめさんは勉強する際に、動画教材は何を使っていましたか?
私はTACを使っていました。動画教材があると、テキストを自分で読み進めるよりも勉強しやすいです。
インプットに時間がかからないし、分かりにくい箇所も丁寧に説明されているので覚えやすかったです。
動画教材は勉強時間短縮や、理解のしやすさにつながるから非常に魅力的ですね。
次に、勉強時間をどうやって見積もりましたか?その際に工夫したポイントについても合わせて伺いたいです。
私は逆算して勉強計画を立てました。
例えば8月までに「工業簿記」の勉強を終わらせたいから、8月の中頃には原価計算を完璧にしておこう、と言った風に計画を立てていきました。
各単元について勉強を終わらせる期間をあらかじめ決めておき、それに合わせて計画を立てていくことがポイントだと思います。
計画を立てるには逆算することが大切なのですね。
また映像講義の場合、各単元の勉強に必要な動画キャプチャーの数が分かるので、勉強の計画が立てやすいです。
例えばTACの場合、工業簿記は12個の動画キャプチャーが用意されています。これらを2週間ですべて視聴しようと思ったら、1日だいたい1個ペースになるなど計算していました。
確かに動画チャプターで数えると計画が立てやすいですよね。
そうですね。計画をスムーズに立てることができたので、動画キャプチャーがある講座を選んでよかったと思っています。
計画を立てる上で工夫したポイント
なつめさんはインターンなどで毎日忙しかったと思うのですが、スケジュールを立てる上で工夫したポイントがあったら教えて頂きたいです。
私の場合は朝早く起きて、朝の時間を有効活用しました。
時間で言うと、およそ1時間弱くらいですかね。1時間半くらいが私の最大限集中できる範囲なので、そのくらいの時間でコーヒーを飲みながら一生懸命勉強しました。
朝勉することで、まとまった勉強時間を確保していたのですね。
他にも計画で工夫した点について伺いたいのですが、計画を立ててもサボってしまう日があって、そのスケジュール通りに勉強が進まないことも起こると思います。
その場合何か解決方法はありますか?
私も勉強をしなかった日はありましたけど、勉強スケジュールはゆとりをもって設定していたのでサボった弊害はあまり感じませんでしたね。
先ほどの例で言うと、工業簿記の全12回にわたる動画キャプチャーを、1日1個ペースで進めると12日かかりますよね。
この時、勉強スケジュールも動画キャプチャーを見るのを12日ピッタリで設定せずに、2週間にすることで、2日ほどゆとりができます。
このように、ある程度のゆとりを持たせて勉強計画を練るのがコツだと思います。
なるほど。学習計画にゆとりを持たせる点は計画をうまく進めるうえで鉄則ですね!
質の高い学習を行うためのポイント
次に学習面についてお聞きしたいと思います。
簿記試験の合格にあたって、意識した学習ポイントがあれば教えてください。
私は暗記ではなく、理論をしっかり理解することを学習の際に心がけていました。
例えば「借方」と「貸方」は、なぜ負債になるのか、なぜ資産になるのかを理解することで、振り分けしやすかったです。
また勘定科目や工業簿記も理論が大切で、その計算法についても「差異」は何かを考えれば理解できました。
なので理論面を重視して勉強することが内容の要点をうまくつかむためのポイントだと思います!
丸暗記ではなく、まずは内容を理解することから始めることが大切なのですね。
次に勉強する簿記の各学習範囲をどう理解したか、についてお聞きしたいです。
私は工業簿記は特に計算が多く、商業簿記は暗記が多いというイメージを持っているのですが、この2つの範囲についてなつめさんがインプットで意識したことはありますか?
工業簿記は勘定連絡図を使って考えることがコツです。
仕訳を転記した勘定を図で考えると、借方と貸方があって、その差額が差異にあたる、という風に理解して勉強を進めていました。
工業簿記は計算パターンがあり、図から計算式を読み取っていくことが大切だと思います。
工業簿記は、図からわかったことを計算に落とし込むことが重要なのですね。
商業簿記は各勘定ごとに決められたパターンがあって、そのパターンの仕組みを理解することが大切です。
パターンについては、1つの勉強項目である減価償却のなかでも色々なものがあるので、パターン数は数えきれないですね。
商業簿記はパターン分けをして、それぞれを暗記するといった感じですね。
簿記全般のインプットで苦労した点はありますか?
各単語の漢字を覚えるのが難しかったですね。特有の名前が多かったので、覚えるのに一苦労しました。
対策として、練習問題では平仮名ではなく漢字で書くようにしていました。見落としがちなポイントですが、とても大切だと思います。
普段から漢字で書くことを意識しないと、テスト本番で漢字を思い出せなかったりしますよね。
漢字などは本番できっちり実力を出し切る観点から、とても良い習慣だと思います。
テスト本番を想定したアウトプットのコツ
ここまで簿記のインプットについて伺ってきましたが、次にアウトプットについてお聞きしたいと思います。
アウトプットを行う際に、問題集は何を使っていましたか?
TACの問題集を使っていました。
この問題集の良かったところは2点あって、1つ目はテキストが薄い点です。ページの面積は大きいけれど、問題集自体は薄いので持ち運びやすく、勉強するやる気も起きます。
2つ目は問題の形式です。例題を見て、練習問題を解く形式になっているので、例題の解答通りに問題を解けば、正解を導けるようになっていました。
なるほど。このように問題集は内容が工夫されたものを用いることで、アウトプットを有効に進められるのですね。
問題集を選ぶにあたって、気を付けた方がよいポイントとしてどのような点が挙げられますか?
問題集を選ぶ時に注意してほしいポイントとして、インプット用のテキストと対応しているものがおすすめです。
私が使っていたTACのテキストでは対応していたので、分からない問題があったときに調べやすいという利点がありましたね。
確かにテキスト同士が対応していると、様々なメリットがありますよね。
次にアウトプットの際に重要な過去問の活用方法について質問させて頂きたいです。過去問は試験勉強の際に解きましたか?
3級を取得する際は解いていませんが、2級を取得したときは巻末に付いてきた過去問を解きました。
3級の過去問を解かなかった理由についてなのですが、前払金などの扱いが苦手で、その部分の勉強と演習に学習時間を使ったからです。
逆に2級では、試験時間に対して問題数が多いので、過去問を通して時間配分を掴むための練習が必要だと思い、過去問をそこそこやり込みました。
結果的に解くスピードも早くなったので正解だったと思います。
なつめさんとしては、3級なら原理を理解すれば解ける問題も多いので「過去問を解かない」という選択もできるけれども、問題量が多い2級となるとやはり過去問に触れないのはNGということなんですね。
計算ミスに対する対処法
続いての質問ですが、なつめさんが問題を解く時に特に意識したポイントはありますか?
私は必ず検算をするようにしました。
簿記は計算する中で、借方と貸方の合計など、数字が一致しなければならない部分があるので、ミスがあればすぐに分かります。
また1つでも計算がずれるとドミノ式に結果がずれてしまうので、必ず検算をすることが大切です。
簿記はミスが見つかりやすいので、検算を徹底することは必須条件ですよね。
計算問題が多いとその分ケアレスミスも増えてしまうと思うのですが、その場合どのような対処法を実践していたのか併せて教えて頂きたいです。
ケアレスミスは頻繁にしていましたね笑
対処法で言うと、例えば工業簿記の場合、材料費と間接費が書かれた図があり、その図の中で一致するはずの数字があるので、合わない場合は逐一計算を見直し、解き直しをしていました。
図のフラグメントごとに計算をチェックしていくと言った感じですね。
そうですね。
また問題ごとに答えを計算していくのではなく、一度にすべてを計算し終えてから解答していました。一つ一つの計算を逐一行うと何を計算したか分からなくなり、混乱してしまうからです。
簿記の問題の特徴をよく踏まえたうえで、ミスしないように様々な工夫を施していたのがよく伝わりました。
本番のわからない問題に対する対処法
なつめさんはこのように質の高いアウトプットを行っていますが、これらの入念な準備をしていてもテスト本番で分からない問題が出てくることがあると思います。
この場合、どのように対応していましたか?
すぐに飛ばしていましたね。
最後に精算表を作成する問題があったので、それを終えてからもう一度解いていました。
飛ばしたときは時間配分をあらかじめ決めていて、戻る時間を10分ほど用意してあるので、特に焦りなどはなかったです。
一度わからないものについては、見切りをつけてわかるものから優先的に解いていくのは非常に重要なポイントですね。
簿記2級の取得は難化
次に簿記2級の難易度面についてお伺いしたいと思います。
簿記2級の難易度は近年急速に上がってきていますが、その要因について教えて頂きたいです。
1級の試験範囲が広すぎたので、1級の範囲だったものが2級に移行してしまったことが大きな要因だと考えられます。
また計算量も増えたため、検算時のミスが起こりやすくなりました。暗記に関しては元々3級である程度の知識は覚えているので、暗記量はあまり変化はないと思います。
確かに簿記1級が難しすぎたという意見がありますよね。
次に2級と3級には、どれくらい難易度に差がありますか?多くの簿記受験者が気になる話題だと思いますので、具体的に教えて頂けるとありがたいです。
私個人の見解なのですが、3級は発展問題が省かれているので簡単ですね。
難易度差を具体的に表すと、富士山の頂上が2級、4合目が3級にあたると考えています。
3級で基本的なことを学んで、2級でより高い難易度の問題にチャレンジするといった感じです。
富士山の例はとても分かりやすいです!
勉強期間で見ると2級と3級の間に、どれくらいの時間差がありましたか?
私の場合、3級は週1回2時間で勉強を進めて、直前2週間で問題集を解いて詰め込むという感じでしたね。
しかし2級は2、3か月の間で毎日勉強時間を確保して学習しなければ、合格できなかったと思います。
期間でみると、両者で大きな差がありますね。
2級で工業簿記という新しい分野が追加され、その分勉強時間も増えたことが大きな要因だと考えています。
3級を合格しても、2級は油断や慢心をせずに勉強を続けることが大切だと思います。
試験の合格において、油断は最大の敵なので最後まで気を引き締めて勉強を続けていくことが大切ですね。
簿記二級を受けるメリット
次に簿記2級を取得したときのメリットについて伺いたいと思います。
また、簿記を取得しようと思ったきっかけも併せてお聞きしたいです。
きっかけとしては、ゼミで会社の財務状況について扱った回が挙げられます。
負債が多いが良いと言われる企業を見て、その理由を知りたいと思い簿記の勉強を始めようと思いました。
簿記2級のメリットは、勉強することで財務諸表を読み解けるようになることです。
これによって、特定の企業の経済状況が分かるようになり、ゼミで当初抱いていた疑問も解消することができました。
この企業は危機的状況になっている、その企業は負債は多いけど経営はまわせているな、などの企業の財務状況が見えてくるのでとても面白いです。
企業の経済状況が分かるのは、大きなメリットですよね。
では普段の生活で使うような簡単な計算が速くなるなど、生活面でのメリットはありましたか?
私生活でのメリットは2つあって、一つ目は電卓使うのが得意になることです。だけど今の時代では必要ないかもしれませんね。
2つ目は原価などの製品の流れについて、しっかり考えたり、流れを読み取れたりすることです。
ただ簿記2級を取得したときの一番のメリットは、会社の財務状況を読み取れることだと私は思います!
やはり会社の経済状況が分かると、色々なことに役立ちますよね。
その他、就活や授業などに役に立ったことはありますか?
簿記3級は多くの人が持っているので、2級からはアピールポイントとして使うことができます。
あと簿記の授業の単位を楽にとることはできる点はよかったです。
ただ、バイトやインターンでメリットを感じたことはあまりなかったですね。
なるほど。バイトやインターンなどで資格を役に立たせることは難しいのですね。
他の資格のメリットとして、資格取得者だけのコミュニティに入れるなどがあると思うのですが、簿記2級ではコミュニティはあるのですか?
簿記取得者のコミュニティはありません。
公認会計士などの難関資格ならコミュニティはあると思いますが、簿記は取得者が多いかつ他の難関資格よりも難易度は低いことが主な理由ですね。
なるほど。確かに簿記は他の資格と比較して、母数が多いためコミュニティを作るのは比較的難しいですね。
簿記資格を生かしたこれからのキャリア
最後に簿記資格を生かした今後のキャリアについてもお伺いしたいです。
簿記よりもさらに専門的な内容を取り扱う、公認会計士の資格を取得することは考えていますか?
お金について扱う職種には就きたいと考えていないので、今のところ公認会計士資格の取得予定はないです。
なるほど。
では今後、この簿記2級の資格をキャリアの観点からどのように活かしていきたいと考えていますか?
私は現在コンサル会社に内定を頂いているのですが、そちらの方でこの知識を役立てようと思っています。
依頼を受けた会社の財務状況が分かるからこそ、改善のためにどれくらいの費用がかけられるのか、経済状況のどこに問題があるのかが分かるので、それらを踏まえたアドバイスがきちんとできると考えております。
就職する方は、自分が就きたい職種で簿記を取得したときのメリットがあるかも確認するべきですね。
質問は以上になります。本日は貴重なお話ありがとうございました!