弁理士はやめとけって本当?ブラックな特許事務所の特徴や向いている人まで解説!
「弁理士はやめとけと言われたけど本当?」
「特許事務所はブラックなのかどうか知っておきたい!」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
確かに、「弁理士はブラックだからやめとけ」という噂があるのは本当です。しかし実際の労働環境については、噂だけではわかりませんよね。
そこでこの記事では、弁理士は本当にブラックなのかどうか、さらに特許事務所の実態、弁理士に向いている人の特徴なども詳しく解説していきます。
読み終わる頃には弁理士の本当の姿が見えてくることでしょう。ぜひ参考にしてください。
弁理士はやめとけって本当?についてざっくり説明すると
- 弁理士は年々減っているため「人気がない=やめとけ」と思われているのは事実
- ブラックな特許事務所もあるが、ごく一部である
- 年収は一般的なサラリーマンよりも高い
- 企業への就職や独立など色々な働き方ができる点は大きなメリット
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なぜ弁理士はやめとけと言われているのか
まずは、どうして弁理士はやめとけと言われているのか、その理由をご紹介します。
志願者数・合格者数が減少傾向
実は、弁理士を目指す人は年々減少しています。
特許庁から発表された統計によると、平成20年以降は弁理士の志願者は少しずつ減少しており、平成24年からは志願者数に合わせて合格者数も減ってきました。
こうしたデータを見て弁理士は人気がない職業だと思う人がいるのは、ある程度仕方がありません。
近年は「人気がない職業・志望者が減っている仕事=ブラックな業界だ」というイメージが社会的にも浸透しています。
数が減っている弁理士という職業を、内情を知らずに「ブラックだからやめとけ」と決めつける方がいてもおかしくないと言えるでしょう。
特許事務所がブラックというイメージ
弁理士の資格を取得した方の多くは、特許事務所に就職します。
この「特許事務所」は以前からブラックだというイメージを持つ方が多く、弁理士の仕事にもマイナスの印象が持たれることがよくあります。
確かに特許事務所は楽な仕事場ではありませんが、全てがブラックだということはなく、高収入も狙える環境です。
ただし特許事務所の仕事は「書面作成が中心」「成果主義」「基本的に単独業務」という特性から、向き不向きがあります。しかし向いている方にとっては、楽しく働ける良い職場だと言えるでしょう。
とは言え、一部にブラックな特許事務所も存在していることは事実です。
以下では「入ってはいけない特許事務所の特徴」をご紹介しますので、これから弁理士を目指す方はぜひ参考にしてください。
ノルマが厳しい
特許事務所の中には、まともな指導を行わないにもかかわらず厳しいノルマを課している事務所があります。
このようにノルマが厳しすぎる特許事務所は、できるだけ避けたほうが無難です。
不当に高いノルマを要求する悪質な事務所に入ってしまうと、正しい指導を受けられないため成長できず、労働環境の厳しさから精神が病むという負の連鎖にはまる可能性が高いでしょう。
薄利多売性
特許事務所の中には、少数ではありますが非常に安価に仕事を引き受けている事務所があります。
商品となるサービスが安く提供されるのはクライアントにとっては嬉しいですが、利益は少ないと従業員の給与はどうしても低くなります。まさにブラックな働き方になってしまうでしょう。
また、このような特許事務所は指導力が低い傾向にありますので、弁理士としての成長も見込めません。薄利多売を行っている特許事務所には気をつけてください。
業務が多く残業続き
特許事務所が受ける案件には、期限が設定されていることがほとんどです。
もし同じ期限の仕事が大量にあった場合、その時期の業務量が膨大になりますから、休日出勤が必要になることも増えるでしょう。
仕事が多いのは有り難いことですが、キャパシティを超えると残業や休日出勤など厳しい労働環境を作る原因になります。あまりにも忙しすぎる特許事務所は避けたほうが良いでしょう。
年功序列制
年功序列制度が残っている特許事務所もまだ多いですが、こうした事務所は若手を育てるための指導力がない場合が多いです。
若手の時期は一番物事を吸収できる時期ですが、年功序列制の特許事務所に入ってしまうと成長できない可能性があるので気をつけてください。
それだけではなく、年功序列制の事務所は仕事の量に関わらず若手の給料はかなり低いです。
現在と将来、どちらのことを考えた場合でも、年功序列制の特許事務所はおすすめできません。
年収は出来高制
特許事務所で働いた場合の年収は、基本的に出来高制です。
そのため頑張れば年収1,000万円を超える場合もありますが、これはかなり稀で、弁理士の平均年収は500万~600万円程度が相場とされています。
成長すれば年収も増える
出来高制である以上、20代~30代の若い時期に弁理士としてどれだけ成長できるかは、その後の年収に顕著に響きます。
うまく成長できれば、年齢とともに年収を上げることはもちろん可能です。
しかし30代までに思うような成長が出来なかった場合はキャリアを諦めて途中でやめてしまう方も多く、これでは苦労が無駄になってしまいます。
より良い弁理士になるためには、成長できる特許事務所を就職先として選ぶことが非常に重要です。就活時にはこれをしっかり心に留めておきましょう。
弁理士は本当にやめるべきか検討
弁理士の仕事には大変な側面もありますが、だからと言って最初から諦めるべき職業なのでしょうか。
実は、弁理士の資格を取得することで得られるメリットは非常に多いと言えます。どういうことなのかを解説していきましょう。
弁理士の価値が増加
「弁理士はやめとけ」と言われている理由のひとつは、受験者数や合格者数が減少していることにあります。全体の数が減っていることで「人気がない=価値がない」と考える人がいるのは当然でしょう。
確かに数字のデータだけを見れば、弁理士は人気が下がりつつある仕事だと捉えることもできます。
しかし数が少ない職業というのは、依頼者にとっては貴重です。
よほどのことがない限り弁理士どうしで仕事を取り合う事態にはならず、依頼者のほうから案件を持ってきてくれるケースがほとんどでしょう。
弁理士が少ない今、弁理士の資格を取れば、ある程度安定して仕事を得られる可能性が高いです。弁理士の資格には依然として高い価値があると言えます。
サラリーマンよりも年収は高い
弁理士の仕事で年収1,000万を超えるのは難しいものの、弁理士の平均年収は一般的なサラリーマンよりも高めの水準です。
実際のデータを見てみましょう。
国税庁の調査では、ここ数年の一般サラリーマンの平均年収は、436万円となっています。それに対して、弁理士の平均年収は500万~600万円です。
弁理士の仕事はいわゆる専門職ですから、年収の高さには期待ができるでしょう。
「弁理士はやめとけ」と言われる理由のひとつには「ブラックだから」というものがありますが、ブラックというのは「きつい仕事で給与も安い」という状態です。
弁理士の仕事は本来の意味での「ブラック」ではありませんので、職場さえしっかり選べば充実した仕事人生が送れるでしょう。
様々な働き方が可能
弁理士の就職先として最もメジャーなのは特許事務所ですが、それ以外にも様々な働き方ができます。
例えば、一般企業に就職すると「企業内弁理士」という働き方ができます。
弁理士は特許関連のプロですから、社内の特許に関する業務は全て任せることができます。社内でリソースを完結できれば外部の顧問弁理士と契約するよりもコストを削減できますから、高待遇で迎えてもらえることでしょう。
また、最初は特許事務所で勤務して経験を積み、独立して経営側に回るという弁理士もいます。
弁理士の資格を持っていることでライフスタイルに合わせて色々な働き方が可能ですから、得られるメリットは非常にたくさんあると言えます。
弁理士に向いている人の特徴
最後に、どのような人が弁理士に向いているのか、その特徴をご紹介していきましょう。
情報収集能力が高い人
弁理士の仕事のひとつとして「特許の出願書類作成」というものがありますが、この書類を作る時には情報収集能力が必要とされます。
特許申請を行う際、技術に関する市場の動向や商品発売の背景を把握した上で、その技術がどれだけ斬新で、役に立つのかをまとめる必要があります。
この時、法的に不備があってはなりません。そのため、法改正なども含めが最新情報を常に頭に入れておくことが、弁理士には求められるのです。
こうした感度の高さを備えることは簡単ではありませんが、普段から情報収集能力の高い方なら、色々な情報を仕入れることが苦にならないでしょう。
アンテナを高く張り巡らせるのが得意な方は、弁理士に向いていると言えます。
新しいことに興味を持てる人
弁理士は、日々の特許出願業務において、新しい技術や発見に多く触れることができる仕事です。
毎日新しいことを知れることに生きがいを見出せる方は、弁理士に向いていると言えます。科学的な発明品の特許も多いですから、知的好奇心が豊富な方はあらゆる業務を楽しくこなすことができるでしょう。
しかも特許案件には、国内だけでなく世界中の動向に関わる内容も多く含まれます。クライアントと世界情勢について話し合う機会も多くなりますので、グローバルな視点があるとなお良いでしょう。
常に最新情報を求めてあらゆるニュースをチェックしている方は、将来の職業の候補に弁理士を入れてみることをおすすめします。
納得感を持って物事を説明できる人
特許権の申請の際は、出願書類を特許庁に提出して審査請求を行います。ここでは主に「この発明に特許権を付与しても良いのか」が審査されます。
当然、全ての特許がスムーズに審査を通過するわけではありません。中には特許権付与は妥当ではないとして「拒絶理由通知」が届くこともあるでしょう。
この時に弁理士の手腕が問われます。
特許権の申請が拒絶されても、審査官に対して「特許権を付与するべき理由」を説明し、相手を納得させることができれば、特許権を得ることができます。
逆に説明する力が弱いと、本来なら特許を得られるはずの内容であるにもかかわらず、審査を通過させることができません。
物事に対してしっかりと納得感を持ち、理論的に説明できる方であれば、弁理士は向いています。ぜひ挑戦してみてください。
弁理士はやめとけって本当?まとめ
弁理士はやめとけって本当?まとめ
- 弁理士の人数は減っているが、その分仕事が潤沢にあるというメリットがある
- 良い就職先を選べばどんどん成長してステップアップできる
- 一般的なサラリーマンよりも高年収が見込める
- ライフステージに合わせて色々な働き方ができる
「弁理士はやめとけ」という声は確かにありますし、労働環境の一部を見ればその意見は妥当と言える側面もあります。
しかし弁理士の存在は、新しい技術や発見を世の中に送り出す過程において欠かせません。給与ややりがいなどを考えても、非常に大きなメリットのある仕事であると言えるでしょう。
今回ご紹介した内容で弁理士の仕事に興味を持った方は、ぜひもっと弁理士の世界を知ってみてください。そして将来は弁理士の一人として、世の中を発展させるお手伝いをしてみてはいかがでしょうか。