慶應法科大学院の難易度は?司法試験合格率・合格者数から過去問の使い方まで全て紹介!

「慶應法科大学院ってどのくらいの難易度なの?」

「慶應法科大学院と他の法科大学院はどう違うの?」

慶應法科大学院は人気の法科大学院の一つであり、法科大学院への進学を検討している方は、慶應法科大学院について気になっている方が多いでしょう。

そこで今回は慶應法科大学院について徹底解説します。

入試の難易度、入試情報、入試科目の対策法、コースの紹介、司法試験合格率・合格者、他法科大学院との違いなど、あらゆる面を分析しました。

ぜひこの記事を参考に、慶應法科大学院の受験を検討してみてください!

慶應法科大学院の難易度についてざっくり説明すると

  • 慶應法科大学院は私立の法科大学院の中では難易度が高い
  • 司法試験合格者ランキングでは法科大学院35校中1位
  • 司法試験合格率は50%以上で私立の法科大学院では1位

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慶應法科大学院の受験難易度

分析

まず、慶應法科大学院の受験難易度について解説していきます。

高校や大学は偏差値で難易度を測りますが、大学院には偏差値がありません。そのため、受験難易度については偏差値以外の面から解説します。

慶應法科大学院の難易度はどのくらい?

慶應法科大学院は、法科大学院の中で司法試験の合格率では上位にランクインしており、私立の法科大学院の中では合格率は1位です。そのため、入試の難易度は非常に高いと言えます。

ネームバリューの点からも、ロースクール受験生なら、一度は慶應法科大学院の受験を検討したことがあるのではないでしょうか。

ただ、入試は慶應義塾大学出身者でも落とされることがあるほど難易度が高くなっていますので、受験する場合気を引き締めて受験準備をする必要があります。

コース別の定員数と倍率・合格率

次に、慶應法科大学院のコースについて紹介します。慶應法科大学院には4つのコースがあります。各コースの倍率、合格率、店員数を以下にまとめました。

  • 2023年度
コース名 倍率 定員
法学部未修者コース 3.4倍 50人
法学部既習者コース 一般選抜 3.3倍 80人
法学部既習者コース 特別選抜(開放型) 2.2倍 45人
法学部既習者コース 特別選抜(5年一貫型) 1.1倍 45人

データ出典:慶應義塾大学大学院 法務研究科 入学試験結果について

コースの特性によって相違はあるものの、未修・既習コースともに倍率は非常に高くなっており、高い競争率であることがうかがえます。

特に既修者コースの一般選抜は3.3倍を超えており、その難易度は非常に高いといえます。

他大学院との比較

弁護士

慶應法科大学院は全国でトップクラスの法科大学院だと言えますが、他大学院とはどのような違いがあるのでしょうか。

慶應法科大学院と同じくトップクラスの法科大学院についてご紹介します。

一橋大学

一橋大学は、定員が85名であるにもかかわらず、例年司法試験の合格率が50%以上と非常にレベルが高いロースクールです。

一橋大学は、少数先鋭でレベルの高い学問研究を行う大学であり、大学院も同じくレベルが高い研究を行っています。

入試では、第一次選抜でTOEICのスコアを提出する必要があることに注意が必要です。

早稲田大学

早稲田大学は、特別選抜の定員が80名、一般選抜の定員が120名と、慶應法科大学院と同程度の定員数です。

早稲田大学は設備が整っていることが特徴で、24時間使える自習室があるため、定期試験対策、修論執筆、司法試験の受験勉強などがいつでもできる点が魅力です。

また、早稲田大学法科大学院の修了生チューターからの学修サポートが充実しており、日々の学修や生活面、受験勉強についてなどアドバイスをしてくれます。

チューターには司法修習生もおり、司法試験のことや司法修習のことも質問できるためモチベーション維持にも役立ちます。

京都大学

京都大学法科大学院は司法試験の合格率が60% を超え、法科大学院別の司法試験合格率ランキングではトップクラスであり、超一流の法科大学院だと言えます。

京都大学法科大学院のポリシーは「多様性・開放性」であり、多様なバックグラウンドの学生を受け入れているのが特徴です。

そのため、入試では、法学未修者枠内に「法学未修者特別選抜」を設け、法学部以外の学部を卒業した人や社会人の人用の枠を15名分ほど設けています。

中央大学

中央大学は 「法科の中央」 と呼ばれるほど法曹界に人材を輩出していることで有名な大学です。そのため法科大学院も定員が多く、多数の学生が在籍しています。

中央大学法科大学院では独自の奨学金制度が充実していることも特徴です。「中央大学院法務研究科特別給付奨学制度」があり、第一種は年間130万円、第二種は年間65万円、第三種は年間65万円が給付されます。

なお、第一種、第二種は入試での成績で選抜され修了まで給付されます。また、第三種は前年度の成績で選抜され、一定期間奨学金が給付されます。

慶應法科大学院の入試情報まとめ

まとめ情報

ここからは、慶應法科大学院の入試について詳しくみていきましょう。

慶應法科大学院のコース別受験情報

慶應法科大学院は一般の法科大学院のように既修者コースと未修者コースに分けられているだけではなく、既修者コースがさらに細かく分けられていますので、自分がどのコースを受ければよいのかしっかり見極めましょう。

慶應法科大学院の未修者コース

未修者コースの入試では、小論文と提出書類で選考されます。小論文の比重は6割となっており、気になる評価基準は以下のとおりです。

課題文を読み解く力,自然・社会・文化・人間等に関する問題意識の鋭さ・深さ,着眼点の 良さ,論理の明快さ,論旨の説得力,文章の構成力・表現力,語彙の豊かさ,見解の独自性 などを総合的に評価し,法科大学院における学修に必要な基礎的能力を測ります。 引用:慶應法科大学院2024年度入学試験要項

また、提出書類の比重は4割です。

学部での成績に加え、法科大学院で学修できる能力があるか、法曹界の人材として素質があるか、社会人経験や法曹を志したきっかけなど、さまざまな点が評価されるため、こちらの対策も事前に入念に行う必要があります。

慶應法科大学院の既習者コース(6科目)

「既習者コース(6科目)」の6科目とは、憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法です。

この6科目についての筆記試験の結果と提出書類で選考されます。筆記試験の割合は8割と非常に比率が大きいため、十分な対策が必要です。

なお、3年生で既修者コースへの入学を希望する場合は、入試では憲法、民法、刑法の筆記試験と提出書類で選考され、商法民事訴訟法、刑事訴訟法については、3年次が終了した際に筆記試験を行います。

商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の試験で規定の水準を満たさなかった科目は、大学院に入学後1年次で科目を履修します。

慶應法科大学院の5年一貫型特別選抜

5年一貫型特別選抜は、慶應法科大学院と法曹養成連携協定を締結している大学の学部で法曹コースの修了を予定している3年生 が対象です。

この「5年一貫型特別選抜」の入試では、法曹コースでの科目の成績や志願者報告書などの書面で選抜を行います。3年生が終わった時点での成績で既修者認定を行うため、筆記試験はありません。

出願手続き期間は6月初旬で合格発表は7月です。なお「5年一貫型特別選抜」に出願しても、他のコースと閉眼することができます。

慶應法科大学院の開放型特別選抜

「開放型特別選抜」は、学部で法曹コースを修了予定の3年生が対象ですが、「5年一貫型特別選抜」とは違い、慶應法科大学院と法曹養成連携協定を締結している大学の学生かは問いません。

入試は憲法・民法・刑法の筆記試験と、志願者報告書などの書類選考があります。

商法、民事訴訟法、刑事訴訟法は3年生が終了した際に筆記試験が行われれ、規定の水準に至らなかった科目は入学後1年次に履修します。

なお、「開放型特別選抜」に出願しても、既修者コースの 6 科目、未修者コースにも併願することが可能です。

慶應法科大学院の受験日程

慶應法科大学院の受験日程は、2024年度向け試験の場合、5年一貫型特別選抜の選考は入学前年の6月初旬に行われ、合格発表は7月です。

また、既修者コースの一般選抜、特別選抜(解放型)、未修者コースは、入学前年の6月中旬に該当者の出願資格認定があります。

出願登録、入学検定料支払い、出願書類郵送は7月1日から7月15日までに行われ、筆記試験が9月上旬に開催され、9月中旬に合格発表されます。

なお、3年生で既修者コースに入学希望の場合、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の試験を行う既修者認定試験は入学年の3月に行われます。

慶應法科大学院の学費情報

慶応法科大学院の学費は初年度学費が168万円強(2020年度)です。

ただ、慶應法科大学院独自の給付型奨学金制度があり、入試の成績優秀者は授業料が1年間免除されます。

1年次に免除された学生は、2年次以降も前年度の成績で判断され、成績優秀な場合引き続き授業料が免除されます。

その他にも、慶応義塾大学が行っている給付型奨学金も数種類あり、日本学生支援機構の奨学金も利用できますので、奨学金をもらいながら通えば、高めの学費でも学生生活を無理なく継続できるでしょう。

慶應法科大学院受験に向けた対策法

ペンと電卓

ここからは、慶應法科大学院の合格に向け、どのように受験対策をしていけばよいのか解説していきます。

過去問を解いて出題傾向を確認

法科大学院の受験問題は、各大学院、各科目によって形式が異なりますので、受験する法科大学院の過去問を分析し、出題傾向・出題形式を把握することが大切です。

慶應法科大学院では、筆記試験として憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の論述試験があります。

各科目の過去問を見てみると、民法では応用力が求められ、刑法は問題文をよく読み、問われていることを適切に解答できれば特に難しくはありません。

憲法は、他の科目よりは比較的簡単であるため、過去問で頻出する内容を中心に勉強していきましょう。

民事訴訟法は、問題文の論点をしっかり把握すれば答えられる問題となっており、商法も基本的な論点を押さえていれば解ける問題になっています。

しかし、どの科目も基本がなっていないと解けないことは言うまでもありません。過去問分析と同時に、基礎的な知識や判例についてはしっかり頭に入れておきましょう。

また、時間配分に注意することも重要です。時間内に解答が書ききれないことがありますので、日頃から時間を計って解答をする練習をしておきましょう。

予備校を利用して確実に合格

慶応法科大学院対策を行う際には、十分な試験情報を得たうえで正しい学習方法を実践できないと合格の可能性が極めて低くなってしまいます。

この情報は独学だとなかなか得るのが難しいため、各法科大学院の入試情報に精通している予備校に通って法科大学院対策を進めていくことがおすすめです。

特に受講しやすいリーズナブルな価格と、数々の難関法科大学院に合格者を輩出した実績を持つアガルートは一番のおすすめです。

慶応法科大学院にも数々の合格者を輩出しており、50万を切る価格で対策をフルに行える点は大きな魅力といえるでしょう。

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慶應法科大学院の様々なメリット

パズルのピース

ここからは、慶應法科大学院に入学することもメリットについてお伝えします。

評判やメリット

慶應法科大学院では、司法試験合格をみすえ、司法試験に受かるための講義を行っているのが特徴です。

ただ教員が講義を一方的にするのではなく、学生を当ててやり取りしながら解説していくため、内容が入ってきやすい講義になっています。また、司法試験で出やすい論点を教えてくれる教授もいます。

慶應法科大学院の期末試験は難しいものですが、司法試験の本番レベルの試験であるため本番のいい練習になり、司法試験に向けて実力がついていくでしょう。

入学後のGPAと司法試験合格率の相関

GPA(Grade Point Average)とは成績の平均値を指します。慶應法科大学院でのGPAと、司法試験の合格には相関関係があります。

つまり、GPAの値が高い人ほど司法試験に合格しているということです。慶應法科大学院では、GPAが3.5以上の人の司法試験合格率は100%です。

このことから、慶應法科大学院の講義をしっかり受けていれば司法試験に合格しやすいと言えます。入学後は予習・復習を行い、講義内容をしっかり理解することが重要です。

ただ、未修者コースについては司法試験の合格率が低くなっていますが、現在未修者コースのカリキュラムを見直すなどの改革を行っています。

内部生の声

一般的に、法科大学院では進級の基準が厳しいところが多いですが、慶應法科大学院では、留年する学生はほとんどいません。試験の成績が悪すぎるなどの大きな問題がない限り進級できます。

必修科目は担当の教授が決まっていることがほとんどですが、複数の教授が担当の科目では、どの教授の講義をとるか選べる場合もあります。

ランキング上位の他校と比較すると

男性とはてな

ここで、司法試験合格率ランキング上位の他の法科大学院と慶應法科大学院の合格率を比べてみましょう。

なお、データは令和4年司法試験の合格率です。

合格率は高い

司法試験の合格率が特に高い法科大学院は以下のとおりです。

法科大学院 受験者数 合格者数 合格率
京大 175 119 68.0%
東大 192 117 60.9%
一橋 110 66 60.0%
慶應 181 104 57.5%
東北 48 27 56.3%

出典:法務省 法科大学院等別合格者数等

このように、慶應法科大学院の合格率は50%以上と高い水準です。

また、同じ私立の早稲田の法科大学院でも合格率は42.1%であり、慶應法科大学院は、私立の法科大学院で最も合格率が高くなっています。

合格者数は日本一

次に、合格者の数を見てみましょう。

法科大学院 受験者数 合格者数 合格率
京大 175 119 68.0%
東大 192 117 60.9%
慶應 181 104 57.5%
早稲田 232 104 44.8%
一橋 110 66 60.0%

出典:法務省 法科大学院等別合格者数等

慶應の場合は104名の合格者を輩出しており、全体的な順位では早稲田と並んで同一3位となります。

有名大学じゃないと司法試験は受からないのか

先ほどのランキングを見て「東大や慶應などの有名大学じゃないと司法試験に受からないのでは?」と疑問に思った方もいるでしょう。

しかし、愛知大法科大学院、静岡大法科大学院、神戸学院法科大学院など、地方でも合格者を出している法科大学院はあります。

つまり、有名大学か否かではなく、どのような場所であっても大学院の講義をしっかり受け、講義以外の時間もチューター制度や図書館などの施設を利用して受験勉強に邁進できるかが合格に向けたポイントとなります。

法科大学院を選ぶポイント

対談の様子

有名な法科大学院でなくとも、司法試験に合格することは可能です。どのようなポイントに気を付けて法科大学院を選べばよいのでしょうか。

交通の便

法科大学院を修了するためには単位取得が必須です。単位を取得する要件として出席率を重視する講義は多いため、アクセスのよさは重要です。

今後コロナ禍が収まれば対面授業が再開されますので、コロナ禍であってもアクセスについては考慮しておくことが必要です。

学習環境が整っているか

いつでも自由に勉強できる環境が整っているかも重要なポイントです。

例えば、自習室は24時間空いているか、図書館に院生専用の閲覧室があるかなど、いつでも勉強に集中できる環境が揃っているのかもチェックしましょう。

教員の質

法科大学院の教員の中には、自分の専門分野以外には詳しくない人もいます。

そのような教員が自分の専門分野以外の講義を受け持った場合、講義の質が低くなってしまうことも考えられますので、教員の質は非常に重要です。

法律科目全体の教科書を書いている研究者は法律科目を全体的に熟知していますので、そのような研究者がいる法科大学院に通うこともよいでしょう。

奨学金の充実度

冒頭の「慶應法科大学院の学費や入試情報」でも述べたとおり、慶應法科大学院では奨学金制度が充実しており、自分に合った奨学金が見つかりやすいと言えます。

奨学金を利用することで経済的な負担が減らせます。大学独自の奨学金は給付型であることが多いため、返還で困ることもありません。ぜひ奨学金を検討してみてください。

予備試験も視野に

現在法科大学院の入学者は減少していますが、その一方予備試験の受験者は増加しています。

予備試験の合格者の令和元年司法試験合格率は 81.8% と非常に高く、予備試験に合格した人は法科大学院に行く人よりも合格しやすいと言えます。

また、予備試験を経て司法試験に合格した人は大手法律事務所への就職が有利になりやすいと、現在予備試験の人気は高まっています。

慶應法科大学院の合格体験談

吹き出し

論点の理解・記憶に時間を費やした

慶應義塾大学法科大学院も東京大学法科大学院も、予備試験の一次試験と異なり、短答式試験がなく、専ら論文式試験であることから、論文用の対策として、論点の理解・記憶には多くの時間を費やしました。 2018年度合格/伊藤塾合格体験記より

難関法科大学院は論文式を法科大学院入試を課すことで、本質的な法的思考力を問うてきます。

よって、些末な知識の暗記よりは基本的な論点をいかにしっかり理解できるかが合否を分けてくるため、基礎を徹底的に理解していく必要があることが合格者の声からもわかるでしょう。

よって、本質的な理解を主眼に置いて慶応法科大学院入試の対策を進めていくことが必須です。

慶應義塾法科大学院を目指したきっかけ

ロースクール入学前は他の職業についていましたが、司法制度改革を受けてロースクールができたことから、予備試験はともかく、ロースクール経由ならば弁護士になるという道もあるのではないかと考え、ロースクールを受験することとしました。

予備試験はあまりにも合格率が低く、難易度が高すぎるため、勉強が苦手な私には、予備試験を受けるという選択肢はありませんでした。

ロースクールについては、合格者・合格率ともコンスタントに高い数字を出していることから、慶應義塾大学法科大学院を選択しました。 2016年度合格/LEC合格体験記より

慶応法科大学院は、合格率・合格者数の観点からも安定して高い数字をたたき出しており、この点が選ぶ際の大きなポイントになったとの声が挙がりました。

ハイレベルな環境に身を置き司法試験合格を目指したい方にとっては、まさにうってつけの環境であるといえるでしょう。

慶應法科大学院の難易度についてまとめ

慶應法科大学院の難易度についてまとめ

  • 難易度は私立法科大学院の中でトップクラス
  • 入試対策としては過去問で出題傾向を把握することが大切
  • 慶應法科大学院は奨学金が充実しており、成績優秀者には学費の免除がある

慶應義塾法科大学院は、全法科大学院の中で司法試験合格者数が1位であり、合格率も50%と非常に高い実績を誇る法科大学院です。

現在法科大学院に進学する人は減少傾向にはありますが、慶應義塾法科大学院は、司法試験合格に直結する講義を行っており、司法試験に合格しやすい法科大学院だと言えます。

どの法科大学院に行こうか迷っている方、予備試験は難しそうと不安な方は、ぜひ慶應義塾法科大学院への進学を検討してみてはいかがでしょうか。

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