法科大学院の選び方は?合格率や学費・偏差値も踏まえた判断の基準を解説!
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「法科大学院の選び方のポイントは?」
「司法試験の合格率は参考になる?学費はどのくらい?」
などと疑問をお持ちの方のいるでしょう。
日本国内だけでも法科大学院は70以上あるので、どれを選ぶべきか迷う方も多いはずです。
どの法科大学院を選ぶかによって、学識の深まりや司法試験での結果が変わってくるため、十分な検討をしたうえで自分に合ったところを選びましょう。
そこで今回は法科大学院の選び方について解説します。司法試験の合格率や偏差値、学費などを踏まえた選び方を紹介するので参考にしてください。
法科大学院の選び方についてざっくり説明すると
- 合格実績だけに囚われない
- 学費はもちろん、奨学金や授業料免除の制度も確認
- 入試の難易度も調べておくべき
- 各大学院の強みや特色を比較するのもおすすめ
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法科大学院(ロースクール)の選び方のポイント
法科大学院を選ぶ際には、以下で紹介するポイントに着目するのがおすすめです。
司法試験の合格率で選ぶ
司法試験の合格率は、明確でわかりやすい基準なので、参考にする人が多いです。しかし、合格率だけに囚われるのも良くありません。
司法試験の合格率ランキングで例年上位にランクインするような大学院には、そもそも優秀な学生が集まりやすいです。そのような大学院は、教授の実力や授業の質に関わらず、高い合格率を記録しやすいと考えられます。
また法科大学院の規模は大学によって様々です。1学年20名程度のところもあれば、1学年で200名を超えるところもあります。
以上のようなことを踏まえると、合格率だけでなく、その他の項目にも注意を向けたほうが良いと言えます。
学費が払えるか
法科大学院の学費は一様ではなく、金額は大学によってバラバラです。ただし、国立大学だけは一律で、入学金282,000円。授業料年間804,000円を支払えば通えます。
私立の場合は、入学金が10〜30万円程度、年間の授業料が50〜140万円程度とかなりの幅があります。
以上より、自分の予算や経済力を踏まえて、無理なく通える法科大学院を選ぶのがおすすめです。
またいずれの大学院を選ぶにせよ、決して安い金額ではないので、慎重に検討したうえで決めるのが良いでしょう。
奨学金や授業料免除制度もチェック
奨学金や授業料免除などの制度が使える法科大学院も多いので、そうした情報もチェックしておきましょう。
例えば、私立では10〜30万円程度の入学金が必要な場合が多いですが、その大学の卒業生にはそれを半額にしたり、支払いを免除したりするところもあります。
また奨学生として選抜された学生は、授業料の全額免除や毎月の奨学金給付といった恩恵を受けることが可能です。
なお、そうした制度の内容は各法科大学院によって大きく異なるため、ここも大学院を比較する良いポイントになります。
入学試験の難易度
法科大学院に通うには、入学試験を突破しなければなりません。未修コースの入試では、法律知識の要しない小論文が課されることが多いです。
一方で既修コースの入試に合格するには、ある程度の法律知識がなくてはなりません。
なお、法科大学院入試は十分な対策をしたうえで臨めば、出身大学に関わらず合格できると言われています。そのため、無名大学に通っていた方にとっては、有名大学出身という肩書きを得るチャンスでもあります。
各大学院の特徴が自分にあっているか
「金融法務に強い」「渉外法務についての学びが充実している」など、各ロースクールによって強みにする分野や授業の特色が異なります。
教授陣の経歴や専門などにもそれぞれで違いがあり、詳しく調べることで自分に合った大学院かどうかが見えてきます。
将来自分がどのような領域で活躍したいのかといったことも踏まえて、より良い学びができる法科大学院を選択するのがおすすめです。
授業の質が良いか
教授の指導力や授業の質は、学習効果や通学のモチベーションに大きく影響します。それらも合格率には表れない重要な要素です。
なお、授業内容について情報収集をする際は、公式の情報だけでなく、身近な先輩や友人の話、ネットの口コミなども参考にしましょう。
人気の教授や有名な大学院の授業が、必ずしも自分に合っているとは限らないからです。
学習環境・立地
質問に対応してくれる制度はあるか、ゼミの充実度は高いか、教授とコミュニケーションが取りやすいかなど、良い学習をするのに適した環境があるかも調べておきましょう。
また自宅から通いやすい距離か、交通の便は十分かなど、立地に関する条件も確認するのがおすすめです。
社会人向け夜間コースがある場合も
日中学校に通えない人でも法学を勉強できるように、夜間コースを設けている法科大学院もあります。
夜間コースなら18時ごろから授業が始まるため、昼間仕事をしている社会人でも通うことができます。
社会人としてのキャリアと、法律の勉強を両立させたいと考えている方などは、ぜひ夜間コースへの通学を検討してみてください。
具体的にはどんな法科大学院がある?
ここからは人気のある主な法科大学院やそれぞれの合格率などを紹介していきます。
司法試験合格率ランキング
以下は日本国内の代表的な法科大学院と、それぞれの2022年度の司法試験の結果をまとめたものです。
法科大学院 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
京都大学 | 175 | 119 | 68.0% |
東京大学 | 192 | 117 | 76.3% |
一橋大学 | 110 | 66 | 70.4% |
慶應義塾大学 | 181 | 104 | 57.5% |
東北大学 | 48 | 27 | 56.3% |
愛知大学 | 4 | 2 | 50.0% |
神戸大学 | 111 | 54 | 48.7% |
大阪大学 | 111 | 51 | 46.0% |
早稲田大学 | 232 | 104 | 44.9% |
創価大学 | 32 | 12 | 37.5% |
大阪市立大学 | 41 | 15 | 36.6% |
九州大学 | 66 | 22 | 33.3% |
南山大学 | 15 | 5 | 33.3 |
筑波大学 | 55 | 18 | 32.7% |
日本大学 | 75 | 24 | 32.0% |
同志社大学 | 81 | 25 | 30.9% |
岡山大学 | 26 | 8 | 30.8% |
関西大学 | 53 | 15 | 28.3% |
合格実績のランキングを見る際の注意点
司法試験の合格実績を見る際は、合格者数と合格率の両方に注目するのがおすすめです。
合格者数だけを見ていては、学生数が多い大学院を過大評価してしまう恐れがあります。一方で合格率だけを見ると、今度は極端に人数が少ない大学院を正当に評価できません。
そのため、合格者数と合格率をセットで見ることが大切だと言えます。また単年だけなく複数年の実績を見て、例年安定した成績を残している大学院を評価するという方法も有効です。
合格率と大学の偏差値は比例しないことも
上記の表を見てもわかりますが、基本的に合格実績に優れた大学は、偏差値の高い大学であることが多いです。
しかし、それほど偏差値が高くない大学が、難関大学に勝る合格率を記録する場合もあります。そのため、法科大学院を選ぶ際には、大学名に囚われず、幅広く調べてみることも大切です。
法科大学院に進学するメリット
法曹志望の方には、法科大学院ルートだけでなく、予備試験ルートもあります。そのため、法科大学院に進学すべきか迷っている方もいるでしょう。
以下では法科大学院に通うメリットを紹介するので、今後の進路を決める上での参考にしてください。
司法試験の受験資格を得られる
法科大学院を卒業すれば、司法試験の受験資格を得ることができます。
受験資格は予備試験合格によっても得られますが、予備試験は合格率4%程度の超難関試験です。よって、より確実に司法試験の受験資格を得たい方には、法科大学院への進学をおすすめします。
法科大学院に入学すれば卒業までに2〜3年かかりますが、その年数を経れば確実に受験資格は得られます。一方で予備試験に2〜3年で絶対に合格できる保証はありません。
双方向式の授業スタイル
法学部と比べて学生の数が少ない法科大学院では、小規模の授業が行われることが多いので、教授と学生との距離が近いです。
双方が積極的に意見を出して学識を深めていくソクラテスメソッドを採用するロースクールもたくさんあります。そのため、学識者とのコミュニケーションを通して、法律を学んでいきたい方におすすめです。
教授と距離感が近い
最近は法律を学べる予備校や通信講座も多いですが、そうしたところで教わるのは試験合格のための知識やテクニックが中心です。
一方で法科大学院では、法律のあるべき姿や原理、歴史なども含めたアカデミックな深い学識を身につけられます。そのため、学問として法学を修めたい方には法科大学院がおすすめです。
また大学教授は学術的な知識だけでなく、進路に関する情報や人脈も持っているため、将来につながる良い恩恵を受けられることもあります。
仲間ができる
日本で有数の難関試験である司法試験に合格するには、かなりの勉強をしなければなりません。
受験勉強以上に勉強漬けの日々を送ることになるので、独りで勉強していると精神的にキツくなることも多いです。そのため、忍耐力がない方には独学での司法試験挑戦はおすすめしません。
一方で法科大学院に通えば、同じく法曹を目指す仲間に出会うことができます。彼らと励まし合いながら勉強すれば、モチベーションを維持しやすいので、精神的に辛い時期も乗り越えられるでしょう。
法科大学院に進学するデメリット
法科大学院に進学すれば様々なメリットを得られますが、以下のようなデメリットもあるので注意してください。
費用が高い
法科大学院に通うには、多額の学費が必要です。国立のロースクールの場合、既修者なら200万円弱、未修者なら300万円弱がそれぞれ卒業までに必要です。
一方で予備試験ルートを選択する場合、予備校を活用したとしても順当に合格できれば、そこまで高額な学費がかかることはありません。独学や通信講座の場合は、かなり学費を抑えて司法試験の受験資格を得ることも可能です。
ただし、法科大学院に通う場合でも、奨学金や授業料免除を利用すれば、格安の学費で通学することもできます。学費が払える経済力がないとロースクールに通えないわけでは必ずしもありません。
弁護士になるのに時間がかかる
法科大学院ルートで法曹を目指す場合、ロースクールに2〜3年通ってから司法試験を受けることになるので、一定の時間がかかります。
一方で予備校試験ルートなら、予備試験合格から半年後に司法試験なので、うまくいけば1年以内に司法試験に合格することが可能です。
そのため、できるだけ早く法曹になりたいとの理由で、法科大学院ルートではなく、予備試験ルートを選ぶ人も少なくありません。
ちなみに司法試験を合格してすぐ法曹になれるわけではなく、そこから1年の司法修習を受けなければならないため、時間に余裕がない方は予備試験ルートも含めて検討してみてください。
法科大学院の選び方まとめ
法科大学院の選び方まとめ
- 合格実績は合格率と合格者数の両方をチェック
- 授業の質が高いロースクールを選ぶべき
- 学習環境や立地条件も重要なポイント
- 社会人は夜間コースも検討
法科大学院の選び方について解説しました。
合格率や合格者数といった実績ももちろん重要ですが、それ以外に注目すべきポイントが色々あります。
例えば、学費や奨学金・授業料免除の制度、入試の難易度、各大学院の強み・特色などです。また学習効果やモチベーションに大きく関わる授業の質も必ずチェックしましょう。
さらに学習環境や立地条件、自分のキャリアプランとの相性についても検討するのがおすすめです。社会人の場合は、夜間コースという選択肢もあります。
以上を参考に、ご自身にぴったりのロースクールを探してみてください。