弁護士はやめとけって本当?オワコン・食えない・仕事がないと言われる理由を解説!
「弁護士はやめとけって本当?」
「弁護士はオワコンとか、仕事がないって声を聞くのはなぜ?」
弁護士と聞いて「高給取りで一生生活に困らない」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
確かに以前までは弁護士の希少価値は高く食いっぱぐれることはありませんでしたが、現在は食えない弁護士が増えてしまっています。
こちらの記事では、「弁護士はやめとけ」「弁護士は仕事がない」などのネガティブな声が多くある理由や実態について、詳しく解説していきます!
弁護士がやめとけと言われる理由や実態についてざっくり説明すると
- 取得までの時間がかかりすぎる
- 以前よりも平均年収が落ちている
- 実際にはオワコンではなく、自分の腕次第で長く社会に貢献できる
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弁護士がやめとけと言われる理由
司法試験合格に時間がかかりすぎる
弁護士になるためには、国内トップクラスの難易度を誇る司法試験に合格しなければなりません。
司法試験に合格するには膨大な勉強時間が必要で、数年に渡って法律の勉強を継続するのが普通です。
また、司法試験を受けるためには受験資格を満たさなければならず、司法試験予備試験に合格するか法科大学院を卒業しなければ司法試験を受験することも不可能です。
法科大学院を卒業するためには高い学費が必要となる上に2年~3年に渡る勉強をこなさなければならず、また難易度が高い司法試験予備試験に合格するためには2,000~5,000時間ほどの勉強が最低でも必要と言われています。
つまり、どちらのルートで受験資格を満たそうとしても、まず司法試験を受ける土俵に上がるために数年の時間が必要となってしまうのです。
せっかく受験資格を満たして司法試験の勉強に着手しても、合格するために必要な勉強時間は1,000~2,000時間と言われているので、ここでも長期間に渡って勉強を継続する必要があります。
トータルで見ると司法試験合格までに必要な勉強時間は最低でも3,000時間にも及び、途中で力尽きて挫折してしまう方も少なくないことから「やめとけ」と言われてしまっているのです。
仕事がない
インターネットでは「弁護士は仕事がない」という旨の書き込みが多くあり、これを見て弁護士を目指すことを躊躇してしまう方もいるでしょう。
残念ながら「仕事がない」という点はあながち間違いではなく、法改正により弁護士の数が倍増したことが挙げられます。
また、弁護士として独立開業すると定年が無くなるため、定年後も働き続ける現役弁護士も多くいます。
2006年の弁護士人口は約2万2千人でしたが、2023年には約4万5千人と約2倍に人数が増えています。
一方で弁護士にとって「仕事」となる事件数は2009年の25万件をピークに2015年には約15万件まで減少しています。
そのため、弁護士1人当たりの案件数が以前よりも少なくなっており、仕事の奪い合いが生まれています。
日本弁護士連合会の基本的な統計情報によると、2010年の民事事件の総新案件数は235,508件で弁護士1人当たりの案件は8.2件だったのに対し2021年には民事事件の総新案件数は130,860件で弁護士1人当たりの案件は3.0件にまで減少しています。
このように、弁護士の人数は増えているのに案件数は増えていないので、以前よりも弁護士の仕事が減り「仕事がない」と感じる弁護士が多いのが実情なのです。
給料が下がってきている
弁護士と聞いて「高収入で一生安泰」というイメージを持つ方も多いですが、今後も安泰とは断言できないかもしれません。
日本弁護士連合会の近年の弁護士の活動実態についてによると、2010年の「事業(営業等)収入と給与収入の合計」の平均値は3,304万円、中央値が2,112万円の一方で、2020年の平均値は2,558万円、中央値は1,437万円となっています。
一方で、厚生労働省の令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-によると、日本人の平均給与は2009年が421.1万円だったのに対し2018年は433.3万円に増えています。
これを考えると、弁護士の収入は減少傾向にあると言えるかもしれません。
前述したように弁護士の増加と仕事の減少が主な原因と考えられ、これらの原因はすぐに改善するものではないため、今後も弁護士の給料は減少していくと考えてもいいでしょう。
弁護士になるために負担する膨大なコストと時間が、収入に見合わないと考える人が「やめとけ」と意見しているのです。
弁護士は本当にオワコンなのか
「弁護士はオワコンだからやめとけ」などと言われてしまっている弁護士ですが、実際にはそこまで悲観する必要はありません。
弁護士に対するネガティブな意見が存在することは間違いありませんが、弁護士になることで得られるメリットは数多く存在します。
食えないなんて嘘
弁護士の給料は減少していることから「弁護士は食えない」と意見する人がいますが、弁護士が食えないという事は一切ありません。
先程「2018年の平均所得は約950万円」と紹介しましたが、一般のサラリーマンが950万円の所得を稼ぐのは簡単ではありませんよね?
弁護士の年収は減少傾向にあり、独立しても仕事がない弁護士が存在するのは確かですが、賃金構造基本統計調査によると弁護士の2017年の平均年収は1026万円とされています。
この中には、平均値を押し下げる1年目の新米弁護士や比較的年収の低い女性弁護士なども含まれているため、1,026万という数字は決して低いものではありません。
一般的なサラリーマンの平均年収が約400万円であることを考えると、弁護士は未だに高収入な職業の代表であると言えるでしょう。
様々な働き方ができる
弁護士には様々な働き方があり、弁護士事務所に所属する企業内弁護士になるケースや独立開業するケースなどがあります。
更に、弁護士の仕事は自分の裁量で決めることができるものが多く、自分が取り扱う専門分野や活動場所などをすべて自分で決めることができます。
個人で自由に動いたり組織の中で活躍するともできるため、弁護士の働き方は自由かつ幅広いと言えるでしょう。
一般的なサラリーマンは多くのしがらみや縛りの中で仕事をせざるを得ないため、この点は非常に魅力的に映るはずです。
一生働き続けることができる
弁護士には基本的に定年が無いため、一度弁護士になればその後も自分が健康である限り働き続けることができます。
弁護士という職業は実績と顧客からの信頼性が非常に重要になってくるため、年齢の高さが「経験や実績」の裏付けとなり、仕事を受ける際に有利に作用することがあります。
また、仕事が無くなることも考えられないことから、将来性に関しても安定感があると言えるでしょう。
AIの発達に伴って現在の多くの仕事は機械に奪われてしまうと言われていますが、弁護士の仕事でAIが代替できるのは一部の雑務に限られます。
つまり、AIによって仕事が奪われる心配も無いため、弁護士は時代が変化し続けたとしても安心して働き続けることができる職業なのです。
弁護士に向いている人とは?
それでは、弁護士に向いている人の特徴について見てみましょう。
まじめで責任感の強い人
弁護士に最も必要とされるのは、真面目さと責任感の強さです。
弁護士は基本的人権や社会正義を守り、不当に権利を侵害されている人を守ることが仕事なので、責任感が欠けている弁護士に仕事は舞い込んできません。
また、自分に仕事を依頼してくれたクライアントの力になるために、仕事をやり遂げる強い責任感が求められるため「とにかく人の役に立つのが好き」という方は弁護士に向いています。
法律を扱う際には専門的な知識が求められることから、試験に合格した後も真面目に勉強し続ける意識も重要です。
根気のある人
弁護士の仕事は様々な問題や困難が降り掛かってくるため、自分の思うよう仕事が進まない事はザラにあります。
そのため、弁護士は辛抱強く問題解決に取り組まなくてはならなず、根気がなければ挫折してしまうでしょう。
弁護士の仕事には手間のかかる作業が多くあるため、それらの仕事を正確にこなすためにも根気強さは必須となります。
精神力のある人
弁護士の仕事柄、話し合いや裁判の間に立つ場面が多くあることから、他人のトラブルに深く介入することになります。
また、クライアントの利益を最大化するために知恵を絞らなければならないため、第三者から恨みを買うこともあるでしょう。
トラブルや誹謗中傷を受けることも考えられるので、精神的にタフで臆することなく業務をこなせる方でなければ弁護士は務まりません。
向上心のある人
弁護士になるだけでも膨大な労力を費やすことになりますが、弁護士として食っていくためには更に努力をしなければなりません。
弁護士になってからも大変なことや困難は続くので、目標や自分の理想を持ち、向上心を常に持たなければ一流の弁護士にはなれないでしょう。
モチベーションを保つためにも目標や向上心を持ち、日々研鑽を積む意識を持つことが重要です。
弁護士がやめとけと言われる理由や実態まとめ
弁護士がやめとけと言われる理由や実態まとめ
- やりがいが大きく魅力的な職業
- 一般的なサラリーマンよりも遥かに高い年収を稼げる
- 弁護士を目指している方は、愚直に努力を継続するべき
ここまで弁護士がやめとけと言われている理由や、メリットの大きさについて詳しく解説してきました。
弁護士に対するネガティブな意見については無視して全く問題ありません。
弁護士の社会的な価値やステータスは相変わらず高いため、本気で目指している方は引き続き努力を続けて司法試験の合格を目指しましょう!