働きながら2級建築士試験に受かるには?受験資格や社会人向けの勉強法まで解説!
「働きながら二級建築士試験に合格することはできるの?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
結論からお伝えすると、働きながら二級建築士に合格することは可能です。
しかし、難易度の高い試験なので効率の良い勉強を意識しながらスキマ時間を有効活用することが重要となります。
こちらの記事では、働きながら二級建築士試験に受かる勉強法などを解説していくので、受験を検討している方は参考にしてみてください。
働きながらの二級建築士試験についてざっくり説明すると
- まずは実務経験などをクリアして受験資格をクリアする必要がある
- 合格率20%程度の難関試験なので、効率とスキマ時間の活用が重要
- 実際に働きながら合格を掴み取った社会人はいる
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働きながら2級建築士は合格できるのか
建築士を目指す際には、学歴や職歴によって建築士になるために必要な条件が異なります。
資格取得のためには二級建築士試験に合格する必要がありますが、その前段階として受験資格を満たす必要があります。
2級建築士の受験資格
二級建築士試験には受験資格が設けられており、建築に関する学歴によって違いがあります。
なお、受験資格はクリアするためには下記のいずれかに該当している必要があります。
- 大学や短大や高等専門学校を卒業した人
→実務経験は必要なし
- 高等学校や中等教育学校で指定科目を習って卒業した人
→卒業後3年以上の実務経験がいる
- 各都道府県知事が定める建築士法第15条第三号に該当するもの
→定められた実務経験が必要
- 建築に関する学歴がない人
→実務経験が7年以上必要
なお、通信大学では最短で受験資格を2年間で得ることができるので、受験資格を得たい方は活用を検討すると良いでしょう。
また、実務経験に関しては試験に合格した後に積んでも問題なく、この場合は実務経験を積んだ後に免許が発行されることになります。
建築関係の指定科目とは
学歴によって求められる実務経験に差があるのは述べた通りですが、「指定科目を修めて卒業した者」という条件も付いています。
指定科目とは、
- 建築設計製図
- 建築計画
- 建築環境工学
- 建築設備
- 構造力学
- 建築一般構造
- 建築材料
- 建築生産
- 建築法規
- 複合関連科目
上記の9つを指しているので、履修したか否かは確認する必要があるでしょう。
中卒・高卒の人
高校の建築・土木科を卒業している方であれば3年の実務経験が必要で、高校の普通科を卒業した方や中卒の方であれば7年の実務経験が必要となります。
卒業後に建築業界で実務経験を積んでいる方であれば、概ね23~25歳頃のタイミングで受験資格をクリアできるでしょう。
大卒の人
大学の建築科を卒業している方であれば実務経験が求められないので、卒業と同時に受験資格をクリアできます。
土木科卒の場合は実務経験が1年必要となり、それ以外の学部卒の場合は実務経験が7年必要となります。
建築とは関係ない学部を卒業した方の場合、二級建築士の受験資格をクリアできるのは概ね29歳~30歳頃になるでしょう。
建築関係を卒業してない人たちへ
通信制の専門学校
建築関係の勉強をしたことがない方が実務経験を7年積むのは大変なので、通信制の専門学校に入ることをおすすめします。
通信制の学校であれば通学不要なので、働いている方でも勉強と両立することが可能です。
体力的に大変なのは間違いありませんが、最短2年で受験資格を得られるメリットは非常に大きいと言えます。
対面式の専門学校
通信制ではなく、対面式の専門学校に通って最短2年で受験資格をクリアすることもできます。
働きながらでも通学できる夜間コースなどもあるため、生活リズムに合わせることも容易です。
また、通学制であれば疑問点などを逐一解消できるメリットがあるので、勉強に対して何らかの不安を抱えている方におすすめです。
転職
受験資格を得るためには実務経験が7年必要となるので、クリアするために建築業界へ転職する選択肢もあります。
建築業界と言っても様々な職種があるため、携わる職務内容をしっかりと検討した上で転職先を絞り込んでいきましょう。
なお、建築士試験の合格を目指すためには、設計図書と施工図に関わりがある職種を選ぶのが非常におすすめです。
建築士事務所や設計事務所であれば実務をこなしながら学習できるメリットがあるので、有力な選択肢となるでしょう。
また、実務経験を積みながら給料も得ることもできるため、勉強の経済的負担を軽減できるメリットもあります。
試験内容
二級建築士資格を得るためには、学科試験と設計製図試験の両方に合格する必要があります。
また、合格した事実に加えて実務経験年数をクリアすることで免許を取得できる仕組みです。
試験の合格率は約20%の難関試験で、科目ごとに最低基準点を満たさないと不合格になるので要注意です。
学科試験
学科試験は学科Ⅰ(建築計画)・学科IⅡ(建築法規)・学科Ⅲ(建築構造)・学科Ⅳ(建築施工)の4つに分かれています。
学科Ⅰでは、建築名論・環境工学・建築士・建築設備の4分野から出題されますが、環境工学と建築設備では難易度の高い問題が出題されるケースが多いので要注意です。
学科Ⅱでは、約8割が建築基準法・約2割が建築士法・バリアフリー法から出題されますが、法令問題だけでなく計算問題も出題されるため難易度が高い科目となっています。
学科Ⅲでは、構造力学・各部構造・材料の3分野から出題されますが、中でも構造計算は難易度が高いので重点的に過去問で対策を練ることが重要となります。
公式をしっかりと理解・暗記すれば計算問題対応できるようになるので、不安な方は反復して問題慣れしてしまいましょう。
学科Ⅳは施行計画・各部工事・測量・精算・契約の5分野から出題されますが、約8割が施行計画と各部工事から出題されます。
そのため、施行計画と各部工事の対策を中心に行い、プラスアルファで測量・精算・契約の対策をすればいいでしょう。
学科試験は各科目で25問ずつ出題される100点満点の試験となっており、各科目の足切り基準は13点となっています。
足切りとなる最低基準点をクリアできないと、総合得点で合格点を上回っていたとしても不合格になってしまうので、できるだけ苦手を潰す勉強法が効果的です。
学科試験だけの合格率は約40%となっているので、時間をかけてきちんと勉強すれば突破できるはずです。
設計製図試験
設計製図試験では、あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成が課せられます。
使用人数や使い道などを踏まえたテーマが出題されますが、近年の傾向としてはカフェや3世帯住宅などの出題内容が多いです。(2021年の課題は歯科診療所併用住宅でした)
5時間という試験時間の中で手書きで作成しなければならないので、設計する能力と効率的に製図する能力が求められます。
法令に抵触するような製図をしてしまうとほぼ不合格になってしまうので、法令に関する知識も復習しておきましょう。
なお、設計製図試験単独の合格率は約50%です。
社会人の2級建築士試験勉強法
社会人の方が限られた時間の中で二級建築士試験の勉強を行う際のコツについて見ていきましょう。
合格には1000時間の勉強時間が必要
二級建築士試験に合格するためには、トータルで1000時間以上の勉強が必要と言われています。
相当な勉強量が求められることから、生半可な努力では合格することはできません。
集中して勉強に励むことも重要ですが、勉強期間が長期化する以上モチベーション維持も重要となります。
日ごとのノルマを設けたり、適度にリフレッシュ日を取り入れるなどしてモチベーション維持をしていきましょう。
通勤時間や隙間時間を有効活用
勉強方法に関係なく、社会人の方であればスキマ時間を活用した勉強が欠かせません。
通勤時間や休憩時間など、短時間でも勉強を積み重ねれば大きな成果となります。
早起きが苦にならない方であれば、脳がフレッシュな状態で勉強できる出勤前の時間を活用するのがおすすめです。
自分なりの勉強スタイルを確立して、効率良く知識を習得していきましょう。
学習計画をしっかりと立てる
二級建築士の試験勉強期間はかなり長くなるので、無闇に勉強するのではなくスケジュールを立てながら勉強することが大切となります。
計画通りに進めることで、不安が軽減されて雑念を払った状態で勉強に着手できます。
なお、突発的な予定が入ってもリカバリーできるように、無理なスケジュールは立てずに余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
過去問を何度も解く
二級建築士試験は過去問からの出題や類似問題がかなり多いので、過去問演習をこなした量は得点力に直結します。
分からない単語が出てきたら調べて復習し、地道に知識を蓄えていきましょう。
同じ問題集を3周以上こなして、問題を覚えてしまうレベルを目指せば本番での対応力も鍛えられるでしょう。
通信講座がおすすめな人
効率的な勉強法が分からない方や勉強時間の確保が難しい方であれば、通信講座の活用がおすすめです。
通信講座であれば、効率的なカリキュラムが作成されていて自分の都合のつく時間帯で勉強できるので、誰でも安心して取り組むことができます。
また、場所や時間に関係なく動画講義を視聴できたり講師による質問回答が受けられるサービスも存在するので、疑問点が放置される恐れもありません。
- カリキュラム
- 料金と
- 合格実績
- サポート体制
- 教材
- Eラーニング
上記6点を中心にチェックして、自分に最も合う講座を探してみてください。
2級建築士試験対策ができる通信講座については、以下の記事で紹介しています。
独学すべき人
勉強の進め方が分かっていてモチベーション維持もできる方であれば、独学で挑むと良いでしょう。
基本的には、参考書を読み込んで知識を習得し、問題演習の際に知識をしっかり活用できれば大きな問題にはなりません。
また、仕事で疲れている日でもモチベーションを保って机に向かって勉強できる方であれば、費用を抑えられる独学がおすすめです。
独学が難しい理由
合格に必要な勉強時間は1000時間程度ですが、独学でこの勉強量をこなすのは正直しんどいです。
特に、設計製図試験はテーマが出されてから3ヶ月しか対策期間が無いので、独学で対処するには限界がるのも事実です。
自分の製図の問題点を客観的に把握しにくい点は大きなデメリットなので、少しでも不安がある方は通信講座などの活用がおすすめです。
予備校がおススメな人
勉強の進め方が分からない方やモチベーションの維持に自信が無い方であれば、予備校の利用がおすすめです。
予備校では、経験豊富なプロの講師から講義を受けられる上に質問対応もすぐに応じてくれるので、効果的な学習が可能です。
分かりやすい対策講義に参加できる点は大きなメリットですが、夜の時間に仕事が入りやすい方は利用しにくい点は留意しておきましょう。
2級建築士合格は決して簡単ではない
二級建築士は1000時間の勉強が必要となるレベルの難関試験なので、合格を目指す場合は覚悟が求められます。
この記事を読んで二級建築士の受験を目指すに至った方であれば、合格の可能性を高めるためにも通信講座の活用を強くおすすめします。
特に、忙しい社会人の方にとって、自分のスケジュールに合わせながら効率よく勉強を進められる通信講座は大きな助けとなってくれる存在です。
勉強に集中するために仕事を辞めたり休職する方もいますが、これでは不合格になった際の精神的ショックは計り知れません。
人生が狂ってしまうリスクを軽減するためにも、通信講座を用いて勉強と仕事を両立していきましょう。
オススメの通信講座
二級建築士の通信講座は様々ですが、中でも資格Timesがおすすめするのがハウジングインテリアカレッジの通信講座です。
ハウジングインテリアカレッジでは、ベテラン講師が講義を行うので合格するために重要なポイントを残すことなく学ぶことができます。
また、的中率の高い添削課題を6題用意しているので、しっかりと取り組むことで着実に合格できるレベルの学力を習得できます。
ハウジングインテリアカレッジの受講生の合格率は63.8%という高い数字を叩き出しているので、信頼性も抜群と言えるでしょう。
2級建築士合格者の声
それでは、実際に二級建築士試験に働きながら合格した方の声を掲載していきます。
独学は厳しい
独学だと、モチベーションの維持が難しく限界を感じたという声が多く見られます。
また、適切な時間配分も把握できずに非効率な勉強法をしてしまいがちなのが現実です。
一方で、通信講座や予備校の講義の中では実務に関する話も聞けることから、独立では学ぶことができない現場のエピソードなどを聞ける点を高く評価する声がありました。
独学よりも費用はかかるものの、自信を持って試験に臨めたという声も見られました。
意思は強く持つ
勉強法ではなく精神論にはなってしまいますが、やはり諦めずに勉強を継続する意思も非常に重要です。
モチベーションを保ちながら勉強を継続する意志があれば、多少勉強法を誤ったとしてもリカバリーできるはずです。
周りの受験生と自分を比較しても意味が無いので、自分のペースで着実に勉強を積み重ねていくことが重要です。
勉強時間のひねり出し方
移動時間などのスキマ時間についついゲームなどをしてしまう方は多いですが、欲望に負けず勉強することも重要という声が見られました。
具体的には、製図の手順が乗っているメモなどを持ち歩き、ちょっとした時間を活用して見直していたという方もいました。
机上で勉強するときとは環境が違う点も良い刺激になり、記憶に残りやすくなるメリットもあるようです。
働きながら二級建築士試験に受かるにはまとめ
働きながらの二級建築士試験についてまとめ
- 1000時間の勉強時間を確保できるようにスケジュールを立てよう
- 勉強時間をひねり出し、強い意思を持って勉強を継続しよう
- 確実に合格を目指すなら、独学ではなく通信講座の利用がおすすめ
働きながら二級建築士の合格を掴み取るのは容易ではありませんが、決して不可能ではありません。
スキマ時間を有効活用してモチベーションを保ちながら勉強すれば、努力が実を結ぶでしょう。
二級建築士は非常に価値が高く活躍できるフィールドも広い資格なので、働いている方でも諦めることなく合格を目指してみてください!