建築士は取る意味がない資格?価値がないと言われる背景や実際のメリットを徹底分析!

更新

「建築士の資格は取る意味がないって本当?」

「価値がないと言われるのはなぜ?取得するメリットは?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

一級建築士、二級建築士、木造建築士は、建築業界やその関連業界で働くのであれば、取得しておいて損のない資格です。

しかし、ネットを見ると建築士に関する「意味ない」「価値がない」といったネガティブな書き込みが散見されます。実際、それを見て取得するのをためらっている方もいるでしょう。

そこで今回は建築士は意味のない資格なのかについて、価値がないと言われる理由や取得によって得られるメリットなどを含めて解説します。

建築士は意味ないのかついてざっくり説明すると

  • 取得すれば昇進・昇格や就職・転職に役立つ
  • 一級建築士は高収入も期待できる
  • 需要や将来性もあるので今からでも取得を目指すべき

このページにはプロモーションが含まれています

建築士の資格は意味ないって本当?

シーソーで揺れる男性

建築士は、建築士法などの定めに従い、建造物の設計や工事の施工管理などに携わる職種及び国家資格です。

一級・二級・木造の3種類があり、合格率10%程度と取得難易度の高い一級建築士は特に取得するメリットがたくさんあります。

建築士はネットなどで「足の裏の米粒」、つまり取らないと気持ち悪いが、取ったところで食えないものと皮肉られることも多いですが、取得すれば以下のような恩恵を受けられる魅力的な資格です。

企業内評価に直結する

一級建築士に関しては、扱える建造物の規模に制限が設けられていないため、大きな建物の設計や国家的なプロジェクトなどにも携われます。

取得すれば仕事の幅がグッと広がるため、会社や事業所に勤めている人にとっては、上司などへの良いアピール材料となるでしょう。

実務的な能力が評価されることはもちろん、難関資格なので、学習意欲や行動力などを買われる可能性もあります。

一級建築士の資格が昇進や昇格につながるケースも珍しくなく、キャリアアップを狙う方におすすめです。

なお、一級建築士として5年以上の実務経験を積めば、「構造一級建築士」や「設備設計一級建築士」といった上位資格への挑戦も可能になります。

また一級建築士でなく、二級建築士や木造建築士であっても、取得のメリットは大きいです。

資格があることによって、顧客からの信頼を得やすくなることから、キャリアに好影響を与えることができます。

就職・転職で需要アリ

建築士の勤務先は、ゼネコンや設計事務所、工務店、ハウスメーカーなど多岐にわたります。

また官公庁や不動産会社、住宅関連設備メーカーなどで働くことも可能です。

建築士資格は様々な職場で高く評価され、知識やスキルを活かすこともできるので、就職や転職を有利に進めるために取得するのもおすすめできます。

キャリアプランが多岐にわたる

建築士は独立・開業に活かせることはもちろん、建設会社や設計事務所、不動産業界などへの就職・転職の際にも役立ちます。

また建設施工管理技士やインテリアデザイナー、建設関連のコンサルタントとして活躍することも可能です。

このように幅広いキャリアプランに活用できることも、建築士資格の大きな魅力だと言えます。

なお、建築士は意匠設計がしたいのか、デザインがしたいのか、はたまた構造設計がしたいのかなどによって、進むべきキャリアが変わってきます。

そのため、就職先・転職先や独立開業の方向性などを決める際は、建築士資格を使ってどのように活躍したいのかをよく考えるようにしましょう。

一級建築士は高収入

一級建築士の平均年収は681万円と言われています。日本人全体の平均年収が大体440万円前後なので、比較的高収入です。

通常は20万円程度の初任給も、一級建築士の場合は27万円前後であり、若いうちから十分に稼ぐことができます。

また二級建築士に関しても、480万円前後の収入が得られると言われており、こちらもしっかり稼げる職業及び資格です。

ただし、このように収入の水準が比較的高いのは、建築士が激務であるからだとも考えられています

高い収入を得るには、それ相応のハードワークをしなければならない可能性もあるため、その点には注意が必要です。

一級建築士は20代でも70代でも十分な年収が得られる

以下は一級建築士の男性の収入に関するデータです。

①所定内給与額 ②年間賞与その他特別給与額 ①×12+②
20〜24歳 221,600円 967,000円 3,626,200円
25〜29歳 247,100円 1,211,100円 4,176,300円
30〜34歳 356,900円 1,334,600円 5,617,400円
35〜39歳 395,300円 1,610,100円 6,353,700円
40〜44歳 406,700円 1,416,800円 6,297,200円
45〜49歳 476,500円 1,927,500円 7,645,500円
50〜54歳 489,800円 1,596,700円 7,474,300円
55〜59歳 460,400円 1,835,000円 7,359,800円
60〜64歳 402,200円 988,700円 5,815,100円
65〜69歳 298,600円 709,700円 4,292,900円
70歳〜 279,300円 624,900円 3,976,500円

参照:賃金構造基本統計調査(2018), 職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額

上記を見ると、一級建築士は20代〜70代まで安定した収入が得られる職種であることがわかります。

また40代、50代ではかなりの高収入になるので、たくさんお金を稼ぎたい方にもおすすめです。

独立や設計事務所開業も狙える

一級建築士の資格を取得すれば、独立して自らの事務所を構えるというのも現実的になります。

独立すれば、雇用される場合と比べてより自由な働き方ができ、活躍次第では大幅な年収アップも可能です。

さらに、建築士としての名前を売って、著名人としてメディアに出演したりといったこともできます。

また個人の設計事務所であれば、デザインから構想設計、設備設計等に至るまで、一連の仕事を一手に担えるため、仕事のやりがいも増していくでしょう。

顧客獲得が大変であったり、収入が不安定になったりといった懸念材料もありますが、スケールの大きい成功が目指せるので、挑戦する価値は大いに選択肢であるといえます。

建築士資格に価値がないと言われる背景

崩れるシーソー

上述の通り、建築士資格の取得には様々なメリットがありますが、「意味ない」「価値がない」などとネガティブに語られる場面があることも事実です。

以下ではそのように語られる背景について解説します。

建築業界の就職に資格はいらない

建築士資格が免許として必要になるのは、独立・開業の際です。就職・転職の場面では、資格がなくても仕事に就くことはできます

つまり独立しないならば、建築士の資格がなくても、建築業界で活躍することは可能であるということです。

これが「建築士は意味ない」と語られる大きな理由だと考えられます。

しかし、業務に携わる上で必須ではないだけで、建築士の資格に価値がないわけではありません

資格を取ることで社内・所内での評価が高まったり、顧客からより一層の信頼を得られたりするので、取得は十分有意義です。

仕事が今後なくなるとの声がある

建設できる土地が減少しつつある、建築士の業務がAIによって代替される可能性があるといった理由から、一部では建築士の仕事がなくなると言われています。

しかし、都市部では再開発が、地方では地域振興を目指した建設が進んでおり、建築士の需要は今後しばらくはなくならないと考えられます。

2018年のデータによると、建設技術者の有効求人倍率は6.18倍であり、建築士を含む建設技術者は明らかに人手が不足している職種であるといえます。

また建築業界は高齢化が進んでいることから、若手が重宝される傾向にあり、これから就職や転職を考える人の多くは、問題なく職を得られるでしょう。

「建築士資格は足の裏の米粒」である理由は?

一級建築士は「足の裏の米粒」と例えられることもありますが、それは「取ったところで食えない」というほどネガティブな意味合いで言われているのではありません。

一般的には「資格を取れれば高い確率で儲かる医師や弁護士とは違い、建築士は取得が即ち高収入に結びつくわけではない」というニュアンスであることが多いです。

実際、一級建築士は一定の実務経験を積んでから登録する資格であるため、一級建築士になった段階からの大幅な収入アップは期待できません

また建築関連の仕事は資格がなくても行うことができ、すでに十分に活躍していれば、一級建築士の資格は必要ないとも言えます。

しかし、なんとなく取っておかないと気持ち悪いことから、「足裏の米粒」と言われることもあります。

これは建設技術者目線の表現であり、これから建築士を目指そうとする人などにとって「足裏の米粒」であるとの意味ではありませんd

無資格者や不合格者のコンプレックスも一因

一級建築士試験は難易度が高く、例年25,000人以上が不合格となっています

また受験資格として学歴要件が設けられており、登録には実務経験も必要です。

そのため、取得や登録のハードルは高く、様々な理由で断念する人も多いと考えられます。

よって一級建築士に対してコンプレックスを抱く不合格者や無資格者が、「建築士資格は意味ない」「取る価値がない」といった過大なことをネットに書き込むケースがないわけではありません。

これに対し、一級建築士として第一線で活躍している人が、「建築士資格は有用」「大いに価値がある」などとネットに書くのはあまりないと考えられます。

建築士は意味がないのかまとめ

建築士は意味がないのかまとめ

  • 取得すれば年収アップや独立・開業が狙える
  • 多彩なキャリアプランが選択可能
  • 今後も高い需要が見込まれる資格
  • 勇気を持って資格取得にチャレンジしてみるのがお勧め

建築士の資格は意味がないのかについて解説しました。

建築士が「意味ない」「価値がない」と言われるのには様々な背景がありますが、建築士の資格を保有すれば様々なメリットが得られるので、積極的に取得を目指すべきです。

取れば社内・所内での評価は高まりますし、顧客からの信頼も得やすくなります。また色々なキャリアに活用でき、転職や独立の際にも便利です。

需要や将来性も十分であり、これからの取得も自信を持っておすすめできます。現在、試験勉強に取り組んでいる方は、ネガティブな言説に惑わされず、引き続き頑張ってください。

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1