一級建築士は独学で合格可能?勉強方法や学習計画の立て方・おすすめのテキストも紹介
「独学で一級建築士試験に合格することはできるの?」
「独学で一級建築士試験合格を目指す場合の勉強時間やスケジュールは?」
このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一級建築士試験を目指す人の中には、仕事をしながら試験対策を行なう人も一定数います。その場合、独学で勉強するという選択肢を取る人が多くなります。
結論から申し上げますと、独学で一級建築士合格を目指すことは可能です。そこで、この記事では具体的な勉強時間やスケジュール、おすすめのテキストなどを紹介します。
一級建築士の独学についてざっくり説明すると
- 独学で一級建築士試験の合格を目指すことは可能
- 独学で勉強する場合にはメリットとデメリットがある
- 独学で合格可能な人には共通の特徴がある
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一級建築士国家試験は独学でも合格出来る?
一級建築士の試験は難易度が高いことで有名です。そのため、独学で勉強をして合格することは難しいと思っている人もいるでしょう。
しかし、ネットで調べてみると独学で勉強して合格している人は一定数存在しています。独学で合格を目指すことは決して不可能ではないということです。
ただ、一級建築士試験の難易度が高いことは事実です。独学で合格を目指す場合には、しっかりした試験対策を行なうことが重要です。
一級建築士試験の合格率はなぜ低いのか
建築士の試験には、一級の他に二級と木造が存在します。これら3種類の中で一級建築士試験の合格率は約10%と低いのが現状です。
合格率が低い理由として、科目数の多さと内容の難しさが挙げられます。科目数が多いということは、それだけ試験出題の範囲が広いということです。その上で更に内容が難しいため、必然的に合格率は低くなっているのでしょう。
また、一級建築士試験の合格点は他の2種類の試験に比べて比較的高く設定されています。内容の範囲が広くて難しい上、合格に必要な点数が高いので、思うように合格できない人が多いのです。
独学では1000時間の勉強時間が必要
一級建築士試験に独学で勉強する場合、必要な勉強時間は1000時間と言われています。これはあくまで最低時間です。勉強の進み具合や1日に確保できる勉強時間によっては、さらに増える可能性も充分あります。
一級建築士は建築士試験の中でも大変難易度が高くなっています。一夜漬けで試験に臨んで合格できるような甘い内容ではありません。毎日一定の勉強時間を確保し、コツコツ積み重ねて知識を身につけることが重要です。
一級建築士の勉強期間が一年の場合も
初学者が独学で一級建築士に合格しようとした場合、必要となる勉強時間は最低でも1000時間です。仮に一日2時間の勉強時間を確保した場合でも、単純計算で合格まで一年以上かかってしまうことになります。
具体的なスケジュールとしては、通勤時間と帰宅後にそれぞれ1時間確保し、更に昼休み休憩中に30分程度の勉強時間を確保します。また、土日祝など仕事がない日は5~10時間程度勉強時間を確保します。
このようなスケジュールを試験日まで続けていくことで、合格にこぎつけることができるでしょう。ポイントは平日は3時間未満に勉強時間を抑えることです。仕事をしている平日に3時間以上確保することは非現実的です。
また、適度なリフレッシュも必要です。一日ごとのスケジュールを立てることも重要ですが、1週間というある程度の期間でスケジュールを立てて調整していくという方法も取り入れましょう。
独学で勉強するメリット
独学で一級建築士を目指す人がいるのは、メリットがあるからです。どのようなメリットがあるのか、具体的に取り上げて解説します。
予備校よりも費用を抑えらえる
独学で勉強する最大のメリットは、費用が抑えられる点です。仮に備校へ通学した場合、その費用は最低でも20万円かかります。
しかし、独学で勉強する場合はかかる費用はテキスト代のみです。通信講座を選択した場合でも、予備校に通学する費用ほどかかることはあまりありません。
通学に比べると独学にかかる費用は圧倒的に安くなります。安い費用で一級建築士の資格が取得できるのは大きな魅力と言えます。
自分に合った学習量で勉強出来る
独学は自分に合った学習量で勉強を進めることが可能です。一度に多くの内容を覚えられる人ばかりではありません。また、時には仕事が多忙になり、勉強時間が確保できないこともあります。
独学は自分のペースで学習を進めることが可能です。理解しにくい分野はペースを落としてじっくり学習することができます。また、不足した学習時間を後日消化することも可能です。
通学では学習スケジュールが決まっているため、自由な勉強スタイルを取り入れることができません。独学なら自分の勉強スタイルで進められるので、大きなメリットと言えます。
一級建築士試験独学のデメリット
一級建築士試験の独学にはさまざまなメリットがあります。ですが、その一方でデメリットがあることも事実です。ここでは、特に無視できないデメリットについて解説します。
一人では学習スケジュールが立てづらい
独学の最大のデメリットは、学習スケジュールが立てにくいという点でしょう。通学の場合は、学校に行って学習をしなければならないため、ある意味強制的に勉強時間を確保することが可能です。
しかし、独学の場合は時間を自由にできる分、決まった勉強時間を確保できない可能性も高まります。すると、最初に立てた学習スケジュール通りには進まなくなり、予定を大幅に超えてしまうことも多々あります。
独学で勉強をする場合は、自分の生活スタイルに合わせたスケジュールを立てることが大切です。忙しい時期などを見極め、無理のないスケジュールを立てて学習を進めましょう。
モチベーションを維持するのが大変
独学は一人で勉強をするということです。一人で勉強をするということは、誰かと励まし合って学習を進めるということができません。
また、一級建築士の試験対策は長期的な計画が必要です。1年以上に渡って長期的に一人で勉強することになります。すると、モチベーションが下がってくる可能性が高まります。
モチベーションを維持する為には、自分で一定の区切りをつけて学習をすることが必要です。「ここまで出来たら確認試験を行なう」や「ここまで進んだら復習問題に取り組む」などのように、メリハリをつけましょう。
また、学習の環境に変化をつける方法もおすすめです。自宅から外に出て別の場所で学習を進めることで気分転換になります。そのようなさまざまな工夫をしてモチベーション意地を心掛けましょう。
独学でも建築士試験に合格出来る人の特徴
建築士試験の中でも特に難しい一級建築士ですが、独学で合格している人は一定数存在しています。独学で合格している人にはある特徴があります。その特徴について解説します。
他の建築士系資格に合格した経験のある人
独学で一級建築士試験に合格している人に見られる特徴として、他の建築士系の資格に合格した経験があることが挙げられます。
合格しているということは、すでに建築系資格の勉強方法がわかっているということです。自分に合った勉強方法も熟知している可能性が高いため、独学で一級建築士試験を目指しても合格する可能性は高くなります。
建築系の職業の中には、資格がなくても携わることができる仕事も多くあります。建築系の仕事の経験がある人は、資格がなくてもテキストなどを読んだことがあるため、独学で目指しても合格する可能性が高いと言えます。
難易度の高い試験に独学合格したことがある人
建築士系の資格に限らず、難易度の高い試験に独学で合格したことがある人も、合格する可能性が高くなります。
試験の内容は異なっていても、難易度が高い試験は基本的な勉強方法が大変似ています。それは、いかに自分スタイルの勉強方法を構築できるかということです。
難易度の高い試験に独学で合格したことがある人は、自分の勉強方法がしっかり身についています。スケジュールの立て方や試験直前の勉強の仕方なども知っているため、焦らずに学習を進めることが可能です。
また、すでに難易度が高い試験に独学で合格しているという事実があるため、自信もついています。慌てず騒がず試験対策を進めることができるので、合格する可能性が高いと言えるのです。
一級建築士の独学におすすめの参考書
独学合格を目指す方の中には参考書での学習を考える方も多いでしょう。ここでは、独学に特化したおすすめの参考書を紹介していきます。
令和5年版 建築関係法令集 法令編
まず法令集としては「令和5年版 建築関係法令集 法令編」がおすすめです。
総合資格学院から出版されており、総ページ数は1,290ページで価格は1,999円です。
この法令集は見開きで載っている条文の数がどの法令集よりも多く、試験に必要な知識の穴を作ることなく勉強できます。
また、インデックスを法令集の下に付けておくことで法令集を開く動作すら短縮できます。
試験会場での最後の追い込みまで使い倒せる一冊なので、本番までにボロボロになるぐらい何度も読み込むと良いでしょう。
令和5年度版 2級建築士試験学科ポイント整理と確認問題
次にオススメするテキストは 「令和5度版 2級建築士試験学科ポイント整理と確認問題」 です。
出版社は総合資格学院、価格は3,630円、総ページは387ページです。
このテキストの中にある「ポイント整理と確認問題」では、重要ポイント編で要点学習をこなすことができ、確認問題をこなすことで理解度のチェックも可能です。
耐震・環境、新技術などの最新の試験問題に対応しているため、このテキストをやり込めばインプットは問題ありません。
初学者でも分かりやすい構成となっているため、基礎知識のインプットに最適です。
テキスト選びに迷ったら、このテキストを購入すると良いでしょう。
令和5年度版 2級建築士試験学科過去問スーパー7
過去問に関してオススメの教材が「令和5年度版 2級建築士試験学科過去問スーパー7」です。
出版社はこちらも総合資格学院で価格は3,630円、総ページは915ページとなっています。
この過去問題集は、オリジナル解説をつけた過去7年分の問題を収録しているため、過去問をこなすべき量としては十分です。
また、解説がどの教材よりも分かりやすいと評判で、事前知識がある人はもちろん初学者でも安心して使うことができるでしょう。
この問題を3〜5周しておけば合格に必要な力は間違いなく付くでしょう。
らくらく突破の一級建築士スピード学習帳
独学で一級建築士を目指す人におすすめの参考書は「ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳」です。エクスナレッジという出版社から3,520円で出ています。毎年最新のものが出版されますので、年数に注意してください。
このテキスト一冊でインプットとアウトプットの両方を行なうことが可能です。インプットしたことをこまめにアウトプットできる仕組みになっているので、確実に実力を身につけることができます。
図や表も豊富に使用されているので、学習の途中でモチベーションが下がってしまうということも避けられるでしょう。わかりやすい解説にもなっているので、自信を持って学習を進めることが可能です。
一級建築士 製図試験 独習合格テキスト
こちらは独学では難しいと言われる一級建築士の製図試験を独学で突破することを目標に作られたテキストです。
「課題文の読み込みから製図までを細かく分析し、受験生の一番知りたいことを解説した」と豪語しているだけあり、課題文と解答例だけのテキストとは一線を画するクオリティになっています。
手書きの図面解説やフルカラーの別冊付録などもあり、まさに独学受験者のバイブルとも言える一冊です。
一級建築士合格 構造力学
こちらは最重要科目である「構造力学」の解き方の手順を実践的に学習することで、計算問題が苦手な方でも機械的に解くことができるようになるテキストです。
過去20年分の出題傾向を分析し、必要十分な解説を盛り込んだこのテキストをやりきれば専門的な知識を持っていない初学者でも充分に合格圏を狙えるようになるでしょう。
一級建築士の独学でのテキストの選び方
独学で一級建築士の合格を狙うのに重要なテキストの選び方を紹介します。
テキスト選びの際の注意点
テキスト選びで最も注意すべき点は、自分にそのテキストがあっているかどうかです。自分に合っていないテキストで勉強をしても知識は身につきません。また、モチベーションも下がってしまうでしょう。
テキストを選ぶ際には、一度は書店に足を運んでみてください。現物を手に取って中身をチェックしてみましょう。イラストや図表が多く使われているものや、見た目がカラフルなものは、モチベーションアップにつながります。
テキストの具体的な内容や、本当に自分に合っているかどうかということは、現粒を手に取ってみないことにはわかりません。書店に行ってテキストの中身をチェックしましょう。
最新版のテキストを購入しよう
書店で売られているテキストの中には、過去のものもあります。試験対策に役立つのは最新版のテキストです。購入する際は必ず最新版のテキストかどうか確認しましょう。
テキストのタイトルには必ず、「〇版」や「〇〇年度」などと書かれています。版の場合は最も大きな数字が最新版です。年度の場合は現在の年度に一番近いものが最新版になります。
また、建築士学科試験は、過去20年以内の問題から出題されることが多くあります。最新版であると同時に、過去20年分の内容が掲載されたものかどうかも合わせてチェックした方が良いでしょう。
予備校のテキストを使うのもおすすめ
建築士試験に対応したテキストの中には、予備校で実際に使われているものもあります。予備校の教材として使われているテキストは、ポイントや重要な問題が厳選されているため、効率よく学習することが可能です。
独学で勉強を進めると、テキストや問題集を複数冊購入し、並行して学習進めてしまうことがあります。ですが、これは効率が悪いのであまりおすすめできません。
予備校のテキストを一冊購入し、何度も繰り返し勉強した方が効率がアップするでしょう。問題集についても複数冊購入するのではなく、予備校で実際に使用されているものを購入することをおすすめします。
一級建築士の独学におすすめのサイト・アプリ
最近は、スマホやPCを使って学習を進める人も多くなっています。スキマ時間を有効に活用して勉強することで、知識を定着させようとしている人が増えてきているのです。
そのような人たちのために、さまざまなアプリやサイトも公開されています。アプリやサイトのみで学習を進めるのは難しいことですが、補助教材として活用することで、着実に実力を身につけることが可能です。
一級建築士試験に対応したアプリや動画などが無料で公開されています。これらも有効に活用すると、独学でも一級建築士試験に合格する可能性が高くなるでしょう。
建築士の勉強に役立つおすすめサイト
建築士.com
建築士.comは建築士試験の過去問を公開しているサイトで、Web上で実際に過去問を解いてみることも可能です。
出典:建築士.com
多少古いデザインのサイトではありますが掲載されている内容自体は最新で、オリジナルの設計製図用紙や製図テンプレートの販売も行っています。
また、スマートフォンにも対応しているので通勤通学やスキマ時間にも学習できるのも嬉しいポイントです。
井澤講師の勉強部屋
井澤講師の勉強部屋は「資格の学校TAC」で建築士の講座も持っている井澤講師のブログです。
ブログ形式なので試験に直接関係ない内容もありますが、時期ごとの最新情報やアドバイスが更新されることもあるので息抜きも兼ねてチェックすると良いでしょう。
また、井澤式暗記法というユニークな勉強方法も紹介しているので是非参考にしてみてください。
ura410(ウラシドウ)物語
一級建築士試験に関する講演会なども行う荘司さんのサイトで、現在はnoteに移動しています。
建築士に関する情報が盛りだくさんで、勉強会のお知らせなども投稿されるので独学で情報が少しでもほしいという方はTwitterなどと合せてフォローしておきましょう。
建築士の勉強に役立つおすすめアプリ
「1級建築士」受験対策
1級建築士受験対策は、スマホ上で過去問を繰り返し解くことができるアプリです。
いつでもどこでも勉強ができるため、ちょっとしたスキマ時間や通勤時間を有意義に活用することができます。
正答率や全体の進捗も確認できるなど、便利な機能も多いので毎日の習慣の中に取り入れてみてください。
e-建築用語集
e-建築用語集は、学科試験対策のための○×問題をを無料公開しているアプリです。
こちらもスマートフォンで簡単に学習できるため、通学時間や通勤時間で勉強をすすめることができます。
手元にダウンロードしておき、スキマ時間ができたらアプリを開くようにしておくとよいでしょう。
独学での勉強方法
独学で一級建築士試験の合格を目指すには、勉強方法が何より重要です。具体的にどのように勉強を進めれば良いのか、迷っている人もいるでしょう。
そこで、独学の勉強方法の中でも特に重要なポイントをピックアップして解説します。具体的な注意点なども紹介しますので、参考にしてください。
また、これから解説する勉強方法とは別に、勉強記録をつけることも大切です。記録をつけることで進捗状況が把握できます。更に、モチベーションアップにもつながりますので、ぜひあわせて取り入れてみてください。
まずは試験日までの勉強計画を練る
まずは試験日に合わせて勉強計画を練りましょう。試験日から逆算して勉強スケジュールを立てるということです。一級建築士の試験は毎年7月の第4日曜日に実施されます。ここから逆算して計画を立てます。
1~3月までの3か月間は参考書やテキストを中心に学習を進めます。試験科目は「計画」「環境・設備」「法規」「構造」「施工」の5科目ありますが、3カ月でこれらすべてを一通り学習します。
4~5月の2か月間で、分野別問題集を学習します。具体的な問題集の使い方としては1回目はテキストや参考書を併用、2回目は間違えた部分や理解不足の部分を学習、3回目はテキストなどを使わずに1冊分解くと良いでしょう。
6月から試験直前までは年度別問題集を使用します。本番さながらの状態で問題を解きます。模擬試験の代わりですから、試験会場にいるつもりで取り組みましょう。
これらは一般的な勉強計画です。あくまで計画ですから、その通りに学習を進めることができるとは限りません。そのため、必ず予備日を定期的に設けておくことも忘れないでください。
インプット・アウトプットが重要
一級建築士の試験では、インプットとアウトプットをバランスよく行なうことが重要です。覚えることは膨大になるので、時間を置きすぎてしまうとアウトプットがうまくいかないこともあります。
ある程度インプットしたら、こまめにアウトプットをすることを忘れないでください。まとめてインプットとアウトプットをしても、知識が身につかない可能性があります。
参考書で学習したら、繰り返しアウトプットをしましょう。過去問を何度も解くという方法もおすすめです。バランスよく行なって、確実に知識を自分に定着させてください。
参考書は読み進める
一級建築士の試験は全部で5科目あります。その中でも、「計画」「環境・設備」「構造」「施工」の4科目は、参考書を読み進める方が学習効率がアップするという声が多く上がっています。
まずは参考書やテキストを3周は熟読しましょう。スピード学習長なども活用すると良いでしょう。その後で過去問を解くという方法で学習を進めると、知識が身につきやすくなります。
法令集は勉強に必須
一級建築士試験の科目の中に「法規」があります。この法規とは建築士法のことです。簡単に言えば、一級建築士試験には、法律の問題が出てくるということです。
法規の試験対策をするには、法令集が必要不可欠です。法令集は試験に持ち込みが可能です。そのため、自分の目で見て見やすいものを選ぶことが大切です。
試験自体は、条文や法律の構成を理解していれば解くことが可能です。満点が取れる科目でもあるため、しっかり準備をしておいた方が良いでしょう。
また、いくら試験会場に法令集の持ち込みが可能であっても、どのページに必要な答えが掲載されているかわからなければ意味がありません。そのため、事前にある程度学習しておくことをおすすめします。
一級建築士の科目別勉強法
ここまでは全体的な科目についての勉強方法を解説してきました。ただそれぞれの科目における具体的な勉強方法は、少し異なります。
そこで、ここからは科目別の勉強法表について紹介します。
「環境・設備」は問題集を繰り返す
「環境・設備」は20問で、建築設備に関する内容が出題されます。具体的には環境工学や設備機器などの概要が含まれる試験内容です。
問題集を繰り返し解いて学習を進めることをおすすめします。ただし、繰り返し解いていると、問題を見ただけで答えがわかってしまいます。それでは不充分なので、実際の試験では対応できません。
そこで、選択肢一つひとつを熟読し、どこがどのように間違っているのかも解説できるようにしておきましょう。どのように訂正すれば正しい説明になるのかもできるようになれば、試験で高得点を取ることが可能です。
また、学習する際にはスピード学習帳を使用することをおすすめします。学習の効率が上がり、確実に知識を身につけることができるでしょう。
「法規」は法令集を使って勉強する
法規はまず最初に参考書で学習し、一通り学んだら問題集を解くという方法で進めます。学習を進める際には、法令集を使うことが大切です。
法規では法令集の持ち込みが可能です。法令集を使い込めば使い込むほど、試験でフルに活用することが可能になります。また、インデックスを使ってわかりやすくしておくと、更に使いやすくなるでしょう。
法規は過去問を解くことが重要でもあります。理解が不充分だった問題はもちろん、解けた問題についても時間をおいて繰り返し学習しましょう。
「計画」は過去問で確認する
「計画」は20問出題されます。内容は過去に出題されたものとほぼ同じものであるという特徴があります。
そこで、過去問を繰り返し解いて対策しましょう。多くの過去問を繰り返し解くことで、合格点に近づけることが可能です。数冊購入し、時間をおいてそれぞれ繰り返し解くことで力をつける方法がおすすめです。
「構造」は計算しながら覚える
「構造」は計算問題が登場します。しかし、計算機の持ち込みは不可となっています。計算機を使用して問題を解くということができないのです。
「構造」の勉強をする際には、計算することに慣れておきましょう。社会人になると、計算機を使用して計算することが多くなります。手書き計算に慣れていないと凡ミスをする可能性が高くなるので注意が必要です。
試験での計算問題では、複雑な計算はあまり出題されません。基本的な公式や考え方を理解した上で覚えておけば解ける問題が多くあります。得点源にもなるので、公式や考え方はしっかりインプットしておきましょう。
「施工」は専門用語に注意する
「施工」では、専門用語が多く出題されます。普段使用している言葉と試験問題として登場する用語では、内容が同じでも異なっていることが多々あるので要注意です。
特に建築工事標準仕様書や建築工事共通仕様書で使用される用語は、専門用語で出題される頻度が高いので、戸惑う人も多くいます。普段使用している言葉ではなく、専門用語としての知識を身につけるようにしましょう。
宅建士とのダブル合格もおすすめ
一級建築士は、建築士資格の中でも大変難しい試験と言われています。合格者の人数はあまり多くないため、独立した場合には大きな武器になるでしょう。
また、宅建士とダブルライセンスを取得しておくと、更に仕事の幅が広がります。建築に関する知識と不動産に関する知識の両方を持っているので、実際の現場でも大変役に立ちます。
幅広い知識を保有することで、お客様のニーズに合わせた提案も可能なので、顧客の人数も増えていくでしょう。
一級建築士資格取得のメリット
一級建築士の資格を取得するとどのようなメリットがあるのでしょう。具体的なメリットについて解説します。
将来性がある
建物を建てる際には、建築基準法に基づいた最低限のルールを守らなければなりません。ただ、建築基準法を正しく理解するには、専門的な知識が必要です。その知識を有しているのが建築士です。
中でも一級建築士は、建築基準法について深く学習しているため、確実に法律に則った建物を建てることが可能です。
常に新しい建物が建てられているという現状を考えた時、一級建築士の仕事がなくなるということは考えられません。将来性の高い重要な資格と言えるでしょう。
事務所で働くと安定した収入を得られる?
一級建築士が建築士事務所で働く場合は、サラリーマンという扱いになります。サラリーマンは一定の仕事と収入を得ることができます。建築士事務所に所属している一級建築士も同様です。
ちなみに一級建築士が建築事務所に所属して仕事をした場合の平均年収は600万円ほどと言われています。一方サラリーマン全体の平均年収は400万円程度です。同じサラリーマンでも一級建築士の方がはるかに年収は高くなっています。
安定して高い収入を得たい人にはおすすめの資格であり職業と言えます。
ダブルライセンスが出来る
一級建築士の資格を取得した後は、宅建士や一級建築施工管理技士の資格も取得してダブルライセンスを狙うという道が開けます。
中でも一級建築士施工管理技士は、一級建築士の資格保持者でなければ受験できません。ダブルライセンスを取得すれば現場監督として建築業界で活躍することが可能です。
現場監督として仕事に従事すれば、当然給料もその分高くなります。仕事の幅も広がり、やりがいを感じる機会も増えるため大きなメリットとなります。
資格があると独立の際に有効
将来独立を考えている場合には、一級建築士の資格が大きな武器になります。その理由は2つあります。
1つは、「一級」という肩書です。一級が他の級に比べて高い知識を保有していることは誰でもわかります。仕事を依頼する際、多くの知識を持っている人がいいと思うのは誰でも同じです。
一級建築士の資格があるということは、それだけ幅が広くて深い知識を有していることになります。「この人なら信頼できる」という目安になるため、顧客を獲得しやすくなります。
2つ目は、一級建築士の資格を持っている人が少ないという点です。保有しているい人が少ないということは、それだけ保有している人に仕事が集中することになります。結果、高い収入を安定して得ることが可能になります。
独学と通信講座はどちらがおすすめ?
独学と通信講座では、どちらの方が一級建築士の試験合格がしやすいのでしょう。独学と通信講座を比べた場合のおすすめ度について解説します。
通信講座で勉強するのが確実
一級建築士の試験に独学で挑戦し、合格したという人は増加傾向にあります。ですが、全体的な割合で見るとまだまだ少ないと言わざるを得ません。確実に合格を目指したい場合は、通信講座の受講がおすすめです。
通信講座の最大のメリットとして、わからない部分を質問できるという点が挙げられます。独学では質問することができませんが、通信講座なら講師に質問することが可能です。
確実にわからない点や苦手な部分を攻略できるので、合格する確率も高くなります。
おすすめの建築士通信講座
スタディングの建築士講座は他社の講座と比較しても圧倒的に安く、教材の質も高いため最もおすすめできる講座です。
スタディングの講座はスマホやパソコンを使用していつでもどこでも学習できるため、独学とほぼ変わらない条件で勉強しても学習効率が高いため、非常におすすめです。
オンラインでのサポートや質問対応もあるため、独学よりも非常に心強いといえるでしょう。
一級建築士の独学についてまとめ
一級建築士の独学まとめ
- 独学で一級建築士試験の合格を狙う場合は1000時間の勉強時間が必要
- 自分に合ったテキストと問題集を選ぶことが重要
- 独学よりも通信講座の方が合格する確率は高い
一級建築士の独学について解説してきました。実際に独学で一級建築士の勉強をし、合格した人は一定数存在します。しかし、その数はまだまだ少ないというのが現状です。
もし独学で一級建築士合格を狙うのなら、自分に合ったテキストと問題集を選びましょう。そして毎日必ず一定の勉強時間を確保しましょう。日頃の努力の積み重ねが合格への近道になります。