税理士は無駄で意味ない資格なの?稼げない・仕事がないと言われる理由を徹底考察!
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税理士
脇田弥輝
「税理士は取得しても意味ない資格って聞いたけど本当?」
「税理士は飽和状態で仕事がない状況なの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
非常に難易度が高く取得するまでに数年はかかる税理士ですが、取得しても無駄に終わるという意見があります。
難関資格を取得したのに稼げない状況に陥るのは虚しいですが、しっかりと税理士の現状を知っておくことは非常に重要です。
こちらの記事では、税理士は無駄で意味ない資格と言われてしまう理由や実態について、詳しく解説していきます!
税理士資格の価値についてざっくり説明すると
- 「取得しても意味ない」という意見もあるが、それは誤り
- メリットは多く、生かし方次第でキャリアの幅を広げることができる
- 独立開業すれば高年収も期待できる
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税理士が無駄でも意味ない資格でもない理由
税理士試験の難易度は非常に高く、合格するまでに3年以上に渡って勉強をする方もいます。
取得までに長い年月を要することから、「税理士の取得はやめた方がいい」と主張する方もいます。
しかし、難関資格である分税理士を取得するメリットは非常に大きいため、しっかりと資格の活かし方を知っておくことが重要です。
就職や転職でかなり有利になる
多くの一般企業では、経理や財務についての専門知識を備えている人材は貴重な存在として評価しています。
つまり、税理士資格を持っている方は一般的には高く評価されるため、就職や転職で非常に有利になります。
税理士事務所や会計事務所などでは税理士資格の保有を採用条件としているところもあるため、専門的な知識を持つ税理士の価値の高さは折り紙付きなのです。
また、単に優れた知識を持っているというだけでなく、「目標に向かって長期間に渡って努力を続けることができる」という人間性もアピールできます。
働き口も多い
税理士の活躍できるフィールドは非常に広く、働き口が多い点も魅力です。
一般企業だけでなく、税理士事務所や会計事務所、コンサルティングファームの税務コンサルタントなどでは税理士の需要が非常に高いです。
近年は節税意識の高まりもあり、税に関する専門知識を生かした働き口は非常に多いため、どのような状況でも働くことが強い資格と言えるでしょう。
税理士の平均年収は高い
税理士平均年収は600∼700万円程度であり、一般的なサラリーマンの平均年収である441万円と比べるとかなり高いことが分かります。
さらに、税理士資格を取得していることで資格手当がつくことも多く、収入アップに直結する資格と言えるでしょう。
勤務型税理士でも十分な年収を稼ぐことができますが、独立開業することによってさらに高い年収を目指すことも可能です。
その際には営業力なども必要となってきますが、働くモチベーションを高める効果も期待できるため、独立開業を視野に入れるのもおすすめです。
独立や開業がしやすい士業である
税理士は独立開業しやすい士業であり、多くの税理士が実務経験を積んだ後に自分の事務所を構えています。
独立した後にしっかりと稼ぐためにはスキルだけでなく営業力なども必要にりますが、事業が軌道に乗れば年収1000万円以上も狙うことができます。
ただし、地方では昔からの付き合いを持つ税理士事務所仕事をほぼ独占しているケースが多いため、新規参入が難しいエリアがあるのは事実です。
とはいえ、自分の営業力や税理士のスキルを磨くことで新規顧客から信頼を得ることができるため、日々の研鑽が重要と言えるでしょう。
デジタル化が進む現代では、オンラインでのコンサルティングや最新の税制変更に対する情報提供を活用することで、幅広いクライアントとの接点を持つことが可能です。
会計士や中小企業診断士にもつながる
税理士の勉強で得た知識は様々な資格にも関連しており、公認会計士へのステップアップにも繋がりやすいです。
公認会計士は会計に関する専門家で、企業会計を客観的に評価して適切な助言を行う仕事を行っています。
また、中小企業診断士との相性も良く、税理士と中小企業診断士を組み合わせることで税理士コンサルタントやCFOも目指せるようになります。
このように、関連資格を複数取得することで自分の価値をより大きく高めることができるため、税理士資格の価値は非常に高いのです。
さらに、税理士の知識は日常生活の中でも役立ち、資産運用や節税対策のアドバイスとして個人からの相談も増えてきています。
女性にもおすすめの資格である
税理士と聞くと男性をイメージする方も多くいますが、実際には女性税理士も多く活躍しています。
また、働き方に柔軟系を持たせることができ、例えば子どもが学校に行っている時間に会計事務所等にパート勤務し、子どもが成長したらフルタイム勤務に切り替える、という働き方も可能です。
また、子育て等の理由から一度離職して再就職を目指すにあたり、税理士資格を持っていることで大きな強みになるでしょう。
このように、様々な事情に合わせてフレキシブルな働き方ができるため、ライフステージの影響を受けやすい女性にもおすすめの資格なのです。
税理士の仕事は専門的知識を要するため、資格を持っていることで経験が浅くても評価されるチャンスが増え、女性のキャリア形成にも寄与します。
相続税法改正で見込み客急増
2015年に相続税法が改正された影響を受け、相続財産が相続税の基礎控除を超えてしまう方が増えました。
つまり、新たに相続税を納税することになる対象者が増えたことで、税理士の活躍の場も増えているのです。
相続税に精通している一般人は少ないため、必然的に多くの方が税理士を頼って相談に訪れることになります。
そのため、相続税の適切な計算や納税をするにあたり、以前よりも多くの方が税理士に業務を依頼するケースが増えると予想できるのです。
働きながらでも合格しやすい
税理士試験は非常に難易度が高いですが、全ての科目を一発合格する必要はありません。
科目合格制を採用しているので、数回に分けて受験して合格を狙うことが可能なのです。
また、科目合格できればその合格は永久に有効なので、働きながらでも取得を目指すことができます。
実際に「毎年1科目ずつ合格を目指し、5年で税理士になる」という計画を立てている方もいるため、長期的なスパンで着実に合格を掴み取ると良いでしょう。
税理士が食えない・稼げないと言われる理由
税理士を取得するメリットは非常に大きいですが、「税理士は仕事がない」「稼げない資格」という評価があるのも事実です。
こちらのトピックで、そのような悪評が流れてしまう理由について解説していきます。
取得に労力がかかる
「時間をかければ働きながらでも取得を狙える」と述べましたが、税理士試験は11科目中5科目に合格しなければなりません。
一般的に、仕事をしながら取得を目指す場合は5年以上かかることもザラなので、非常に労力がかかってしまう点は否めません。
中には、合格するまでに平均して10年程度かかってしまうこともあるレベルなので、勉強する前から諦めてしまう方も多いのです。
なお、科目ごとの合格率は15%程度で、最終的な合格率は10%程度と言われていることからも、非常に高い難易度を誇っていることが分かるでしょう。
資格取得には実務経験が2年必要である
税理士の資格を取得するためには、試験に合格した後に2年の実務経験が必要になります。
税理士事務所や税理士法人ら一般企業の経理部門などで経験を積む必要があるため、試験の合格後にも手間がかかるのです。
この期間は給料もあまり高くない点がネックですが、資格を取得できれば大きなメリットがあるため、将来的なリターンを期待して我慢しましょう。
資格取得にお金がかかる
税理士試験は非常に難易度が高いことから、独学で勉強するのは現実的ではありません。
ほとんどの方が通信講座や予備校を利用しており、本気で合格を目指すのであれば、このような講座を受講するべきです。
また、市販の税理士試験用の参考書も多くないため、独学で始めても最終的に予備校などを利用することになるでしょう。
そのため、資格取得にあたってかなりの出費が必要になる点には留意しておきましょう。
会計ソフトが台頭してきている
近年は市販の会計ソフトのクオリティが高まっており、税金に関して全くの素人の方でも扱うことができるレベルに到達しています。
利便性や分かりやすさに優れた会計ソフトが普及しているため、税理士の仕事が減ってしまう懸念があります。
とはいえ、税務に関する知識が無い方が会計ソフトを完璧に使いこなすのは難しいため、税理士の仕事が完全になるなることはあり得ません。
また、税理士からはむしろ業務を効率化してくれる存在として、このようなソフトを歓迎する声が増えています。
つまり、会計ソフトは税理士の仕事を奪う存在ではなく業務を助けるものであるため、上手に付き合うことで業務を円滑にしてくれるパートナーなのです。
転職しづらくなることがある
企業サイドから見ると、もし雇用している税理士資格者が独立すると、その際に顧客が奪われてしまうかもしれない、という懸念を持ちます。
つまり、長い目で企業利益について考えた結果、税理士資格者を積極的に採用しない企業もあるのです。
とはいえ、このような考えを持つ企業は少数であり、基本的に税理士資格を持っている人材は高く評価され、転職や就職の際には圧倒的に有利になります。
特に、経理部門への就職を目指す場合は勉強した内容をフルに生かすことができるため、これ以上ないほど有利になるはずです。
資格のみでは給料は上がらない
資格を取得していることは素晴らしいことですが、当然のことながら税理士として優れたサービスを提供することも重要です。
そのため、単に資格を持っていても実務能力が伴っていないと相応の評価を得ることができません。
つまり、円滑な業務を行うためにはある程度経験やコミュニケーション能力・営業力が必要になるため、税理士資格を取得したことに満足して努力を怠るのはやめましょう。
せっかく価値の高い資格を取得したのですから、努力を重ねてより自分の価値を高めるようにするべきです。
税理士は飽和してしまっている?
税理士業界では全体的に税理士が飽和状態にあり、仕事がないと言われています。
企業の顧問税理士業務がすでに飽和状態であることは間違いなく、新規参入して顧客を獲得するのは難しいのが現実です。
ただし、毎年のように法人が設立されていることを考えると、税理士の新規参入の余地は十分に残されているため、諦めるのは早いです。
人脈を広げたりや営業力を磨くなどして、顧客を獲得する努力を重ねていきましょう。
ベテラン税理士が業界にのこる
独立開業をした税理士には定年退職という概念が無いため、スキルや信用を生かして生涯現役で活躍することができます。
その弊害として、長年に渡って業界に居座るベテラン税理士がいるのも事実です。
年配の方には長年に渡る実績がある強みがありますが、情報社会に適応できる方は少ないため、一概にベテランの方が優れているわけではありません。
そのため、営業力や基本的なスキルなどを備えておけば活躍できるため、自分のやるべきことに注力すると良いでしょう。
税理士資格の価値まとめ
税理士資格の価値まとめ
- 収入アップやキャリアアップに繋がるため、価値は非常に高い
- 長いスパンで勉強を継続できれば、確実に合格を狙える
- 取得にお金と時間がかかってしまう点には注意
税理士は取得しても無駄、という意見がありますがそれは誤りです。
専門性を生かして活躍できる場は多くあるため、非常に価値の高い資格と言えます。
悪評に振り回されることなく、税理士の合格に向けて頑張っていきましょう!