SQLの勉強におすすめの資格4選!資格の難易度から取得メリットまで解説!
「SQLの勉強におすすめの資格はどれ?」
「それぞれの難易度はどのくらい?取得のメリットは?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
SQLは最も幅広く用いられているデータベース言語の一つです。
そのため、仕事に活用するためにSQLを勉強したいと考えている方も多いでしょうが、SQLを効率よく学びたいなら資格を取得することをおすすめします。
実は筆者も仕事のデータ分析のためにMy SQLを書いてみたことがあるのですが、体系的な知識を学ばなかったばっかりに無駄に長いコードを量産してしまい、後からかなり苦労しました。
資格取得を通じてベースとなる知識をインプットできれば、後々の実務でも効率の良いコードが書けるでしょう。
そこで今回はSQLの勉強におすすめの資格を4つ紹介します。それぞれの難易度や取得のメリットについても解説するので参考にしてください。
SQLの勉強におすすめの資格についてざっくり説明すると
- 資格を取れば、SQLの知識を深めることができる
- 就職・転職の際のアピール材料としても有用
- SQLを効率よく学ぶにはオンライン講座もおすすめ
SQLの概要
Structured Query Language(SQL)とは、リレーショナルデータベースの操作に用いる言語のことです。
ちなみにリレーショナルデータベース(RDB)とは、お互いに連関させられている表にデータを格納するデータベースのことを指します。
RDBとSQLは、現在最も普及しているデータベース及びデータベース言語の一つです。
またSQLを用いたデータベースへの指示を「SQL文」と呼びますが、この命令文を組み合わせることによって様々な処置が実現されます。
なお、SQL文は規格化されているため、以下において同様の形式で利用することが可能です。
- My SQL
- PostgreSQL
- Oracle Database
- Microsoft SQL Server
SQLで主にできること
SQLでは、主に以下のような処理を行うことができます。
出来る処理 | 具体的内容 |
---|---|
データの条件検索 | 検索の際に詳細な条件を指定可能 |
データの取得・登録・更新 | 条件検索の結果に基づいて 特定の行や列などのデータの取得・登録・更新を行う |
テーブル作成・削除・変更 | データを格納するテーブルの自在に構成(作成・削除・変更)する |
上記の処理を活用すればDBに入っている膨大な情報を素早く処理することができます。
それらの命令を出すためのSQL文を覚えるのに最初は苦労するでしょうが、一度覚えてしまえば後は処理をスムーズに進めることができるので非常に便利です。
SQLの資格を取るメリット
SQLの資格には国家資格とベンダー資格がありますが、どちらを取得した場合でも以下のようなメリットを享受することができます。
SQLの知識を深められる
SQLの資格では、SQLの利用に必要な体系的な知識が問われるので、試験勉強は知識を深めるための良い機会になります。
特に仕事でデータベースに関する知識を早急に習得しなければならないような場合には、効率よく知識をインプットしていく必要がありますが、それなら資格試験の出題範囲に沿って勉強するのがおすすめです。
就職の際にスキルを証明できる
SQLの資格を取得すれば、SQLに関する一定の知識やスキルを有することを客観的に証明することができます。
自身の能力を可視化することができるため、就職や転職の際には採用担当者への良いアピールとなるでしょう。
採用担当者にとっては、いかに応募者の能力を見極められるかということが課題になりますが、主催団体から特定の能力に関するお墨付きを得ている資格の保有者なら、採用担当者が選びやすい人材だと言えます。
非常時にも円滑に対応できる
SQLの資格を取得する過程で獲得した知識やスキルを活用すれば、リレーショナルデータベースにトラブルが発生した場合でも適切な処置を行うことができます。
試験勉強で学んだノウハウを元に素早く原因を特定し、それを改善することが可能になるため、業務を円滑に進められるようになるでしょう。
そのようにデータベースに関わる業務で活躍できる機会が増えるため、職場での信頼度も増してくるはずです。
SQL関連の多様なソフトウェアを使える
SQLは様々なソフトウェアで活用されており、SQLの資格でも中心的に扱うソフトウェアは異なります。
よってSQLの資格を複数取得することにもメリットがあります。なぜなら資格を取得することによって、使いこなせるソフトウェアの数はどんどん増えていくからです。
多様なソフトウェアが扱えるようになれば、幅広い業務や職場に対応できるようになるため、仕事において活躍できるチャンスも増えていくでしょう。
SQLの資格を取得する際の注意点も押さえよう
SQLの資格を取得する際は、以下のような点に注意するべきです。
自分のレベルに合った難易度の資格を探す
第一に確認すべきことは、取得を目指す資格が自分の知識やスキルのレベルに合っているかということです。
難易度が高い資格の方が、実力の証明として価値が高いことは事実ですが、初心者がいきなりそうした資格に挑戦するのが無謀と言えるでしょう。
難しくすぎて勉強が捗らず、結果不合格となってしまうくらいなら、まずは実力相応の易しい資格から始め、少しずつレベルアップを図っていく方が建設的です。
必ず出題範囲・傾向を把握
資格試験では、事前に決められた出題範囲の中から問題が出されるので、試験対策の際は必ず出題範囲を確認しておかなくてはなりません。
また試験には一定の傾向が認められることが多いです。出題範囲が幅広い試験であれば、限られた時間の中で効果的に得点能力を高めるためにも、その傾向に沿って試験対策を進める必要があります。
よって過去問演習などを通して、試験の傾向についてもきちんと把握しておきましょう。
取得後の活用法を必ず考える
資格を取得しても十分に活用できなければ宝の持ち腐れなので、資格取得後の活用方法を十分に考えた上で取得する資格を決めるのが良いでしょう。
特に就活や転活に向けて資格を取得する場合は、希望する職種や職場において、その資格の知識やスキルがどの程度役に立つのかを十分に見極めるべきです。
そうしたことをきちんと検討することによって資格を取得する目的をはっきりさせることができ、それは試験勉強を行う上でのモチベーションを高めることにもつながるでしょう。
一般的なデータベーススキルも同様に必要
SQLの資格を取得するには、SQLだけでなくデータベース一般に関する知識やスキルを習得することも必要です。
特に中級者以上を対象にした資格試験では、受験者は基本的なデータベーススキルを有しているという前提で問題が作成されているので注意しましょう。
よって、順調にレベルアップしていくためにも、一般的なデータベーススキルに関する基礎はしっかり固めておくべきです。
SQLに関連するおすすめ資格4選
ここからはSQL関連のおすすめ資格を4つ紹介します。
Oracle Master
オラクルマスターは、Oracle Databaseのスキルを証明することができるベンダー資格です。累計受験数は26万人を超えており、データベース技術者には定番の資格と言えるでしょう。
ちなみに現在オラクルマスターでは4種類の試験が実施されていますが、難易度はBlonze、Silver、Goldの順に上がっていきます。
またSliver以上を取得すれば、グローバル資格である「Oracle Certification Program(OCP)」の認定を受けることも可能です。
以下では現在実施されている4つの試験についてそれぞれ解説します。なお、オラクルマスターの合格率は公開されていません。
Oracle Master Bronze DBA
Oracle Databaseのアーキテクチャや構成についての重要用語に関する理解が求められる試験です。またそれと同時にデータベースを日常的に運用・管理していくための基礎知識についても試されます。
なお、Oracle Master Bronze DBAの試験概要は以下の通りです。
内容 | 項目 |
---|---|
試験名 | Bronze DBA Oracle Database Fundamentals |
試験形式 | 選択式 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 70問 |
合格ライン | 65% |
受験料 | 26,600円(税抜) |
Oracle Master Silver DBA
データベースの運用管理業務に関する知識やSQLによるデータアクセス及びオブジェクト管理についての知識を活用し、日常的なデータベースの運用管理を行えるだけのスキルがあることを証明できる資格です。
Oracle Database Administration I という試験に合格することで取得することができます。この試験の概要は以下の通りです。
内容 | 項目 |
---|---|
試験名 | Oracle Database Administration I |
試験形式 | 選択式 |
試験時間 | 150分 |
出題数 | 90問 |
合格ライン | 60% |
受験料 | 26,600円(税抜) |
Oracle Master Gold DBA
以下のような技術要素に関する知識を有するデータベース管理者として、様々な状況に対応した手法の提案・助言が行えるだけのスキルがあることを証明できる資格です。
- RMANを用いたバックアップやリカバリ・リストア
- マルチテナント・データベースのセキュリティ管理
- スタンドアロン・サーバー用のGrid Infrastructureのインストール
なお、この資格を取得するには、Oracle Database Administration I とOracle Database Administration IIという二つの試験に合格する必要があります。
しかし、すでにOracle Master Silver DBAを取得している場合は、Oracle Database Administration Iを受験する必要はありません。
以下ではOracle Database Administration IIの試験概要をお伝えします。
内容 | 項目 |
---|---|
試験名 | Oracle Database Administration II |
試験形式 | 選択式 |
試験時間 | 150分 |
出題数 | 85問 |
合格ライン | 57% |
受験料 | 26,600円(税抜) |
Oracle Master Silver SQL
Oracle Master Silver SQLでは、SQLに関する必須スキルを証明することができます。開発者やデータアナリストとして働く方やそれらを目指す方におすすめです。
なお、取得するにはOracle Database SQL試験に合格する必要があります。試験概要は以下の通りです。
内容 | 項目 |
---|---|
試験名 | Oracle Database SQL |
試験形式 | 選択式 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 78問 |
合格ライン | 63% |
受験料 | 26,600円(税抜) |
オラクルマスターの詳細については下記の記事も併せてご覧ください。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベースについての知識やスキルを証明できる資格です。この資格では、特に「PostgreSQL」というソフトウェアにおけるSQLの活用力が問われます。
なお、この資格の難易度は、SQLにあまり詳しくない人でも比較的取得しやすいというレベルなので、これからSQLを勉強したいという人にもおすすめです。
以下ではOSS-DB技術者認定試験におけるSilverとGoldという二つのレベルの試験についてそれぞれ解説します。ちなみにOSS-DB技術者認定試験に関しても合格率は公開されていません。
OSS-DB-Silver
OSS-DB-Silverを取得すれば、以下のような知識・スキルを証明することができます。
- RDBM(リレーショナルデータベース管理システム)とSQLについての知識
- オープンソースデータベースの基礎知識
- オープンソースを用いた小規模データベースの運用管理・開発に関するスキル
- PostgreSQLを用いたデータベースシステムの運用管理に関するスキル
- PostgreSQLを用いた開発(データベース部分)に関するスキル
なお、この資格を取得するための試験の概要は以下の通りです。
内容 | 項目 |
---|---|
試験形式 | CBT方式(マウスによる選択方式が大半・一部キーボード入力問題もあり) |
出題数 | 約50問 |
試験時間 | 90分(解答時間は85分) |
出題範囲 | ・一般知識(16%) ・運用管理(52%) ・開発/SQL(32%) |
受験料 | 15,000円(税抜) |
OSS-DB-Gold
OSS-DB-Goldを取得すれば、以下のような知識・スキルを証明することができます。
- RDBMSとSQLに関する知識
- オープンソースデータベースについての深い知識
- オープンソースを用いた大規模データベースの運用管理・開発に関するスキル
- PostgreSQL等のOSS-DBの内部構造に関する深い知識
- PostgreSQL等のOSS-DBの利用方法やデータベースの状態を検証し、パフォーマンスチューニングやトラブルシューティングをすることができるだけのスキル
なお、この資格を取得するための試験を受験するには、「有意なOSS-DB Silver」を保有していなければいけません。また試験の概要は以下の通りです。
内容 | 項目 |
---|---|
試験形式 | CBT方式(マウスによる選択方式が大半・一部キーボード入力問題もあり) |
出題数 | 約30問 |
試験時間 | 90分(解答時間は85分) |
出題範囲 | ・運用管理(30%) ・性能監視(30%) ・パフォーマンスチューニング(20%) ・障害対応(20%) |
受験料 | 15,000円(税抜) |
データベーススペシャリスト
企業活動を支えるビックデータを管理しつつ、高いパフォーマンスを持つデータベースシステムを構築し、ビジネスに役立つデータ分析の基盤を提供するための知識・スキルを証明する国家資格です。
IT系国家資格の最高峰に位置する高度情報技術者試験の一つなので、取得するのは比較的に難しいと言えるでしょう。
以下ではこの資格試験の概要についてお伝えします。
内容 | 項目 |
---|---|
試験形式 | 午前I・II:多肢選択式(四肢択一) 午後I・II:記述式 |
出題数 | 午前I:30問 午前II:25問 午後I:3問中2問に解答 午後II:2問中1問に解答 |
試験時間 | 午前I:50分 午前II:40分 午後I:90分 午後II:120分 |
出題範囲 | 午前試験(大分類): ①基礎理論 ②コンピュータシステム ③技術要素 ④開発技術 ⑤プロジェクトマネジメント ⑥サービスマネジメント ⑦システム戦略 ⑧経営戦略 ⑨企業と法務 午後試験: ①データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること ②データベースシステムの運用・保守に関すること ③データベース技術に関すること |
合格基準 | 4つの試験全てで100点満点中60点以上 |
合格率 | 14.4%(2019年度) |
受験料 | 5,700円(税込) |
データベーススペシャリスト試験の詳しい内容については以下の記事をご覧ください。
Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate
Microsoft Azure Data ServicesとMicrosoft SQL Serverにおいて構築されたクラウドネイティブやハイブリッドデータプラットフォームソリューションの実装・管理に関する知識・スキルを証明するための資格です。
またT-SQLの使用方法についての知識を経営管理に適用することや、その他色々な方法・ツールを活用して日常的な操作を行うためのスキルも試されます。
SQLの他の勉強方法は主に2種類
SQLを勉強するなら、以下2種類の勉強方法が考えられます。これらの方法は資格試験対策にもつながるため、SQLの学習者であれば是非知っておくべきです。
参考書を活用しての勉強が基本
参考書を用いて知識やスキルを習得するというのが、SQL学習の王道であると言えます。
インプレス『スッキリわかる SQL 入門 ドリル256問付き! 』
図解を豊富に用いたわかりやすい解説で、データベースとSQLに関する基礎知識を身に付けることができる入門的な参考書です。
楽しげな解説でSQLを用いた開発中にありがちな疑問点を解消しながらスキルを学ぶことができるため、SQLの初心者でも安心して学習を進めることができます。
また巻末のドリルには256問の練習問題も収録されているため、学んだ知識・スキルに関する十分なアウトプットも可能です。
以下ではこの参考書の基本情報を紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | スッキリわかる SQL入門 ドリル256問付き! |
著者 | 中山清喬・飯田 理恵子 |
出版社 | インプレス |
価格(税込) | 3,080円 |
ページ数 | 488ページ |
オライリージャパン『初めてのSQL 』
SQL言語の初心者(プログラマ)に向けて、SQL言語に関する基礎を解説する参考書です。
SQLの実践的な使用に関する必要最低限の知識・スキルを学べるため、短期間でSQLに関する基礎を固めたいという方などにおすすめできます。
それぞれの章末には、こちらも練習問題が載っているため、適宜アウトプットをしながら効率よく知識を定着させることができるでしょう。
なお、この参考書のサンプルにはMySQLが用いられていますが、それはOracleやSQL Server等にも応用可能です。
以下ではこの参考書の基本情報を紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 初めてのSQL |
著者 | Alan Beaulieu |
出版社 | オライリージャパン |
価格(税込) | 3,080円 |
ページ数 | 302ページ |
学習サイトを使用して勉強
以下のような学習サイトを用いてSQLを勉強するというのも良いでしょう。
ドットインストール
1回3分の動画でプログラミングをはじめとする様々な知識やスキルを学ぶことができる学習サイトです。レッスン動画はスマホから手軽に視聴できるため、特に忙しい社会人にとっては良いでしょう。
スキマ時間を活用してコツコツ学習を継続すれば、忙しなく働きながらもスキルアップ・レベルアップをすることが可能です。
ちなみにSQLに関しては「PostgreSQL入門」や「MySQL入門 基礎編」をはじめとする44件のレッスンと67件のレッスン動画が利用できます。
Progate
Progateはプログラミング初心者を対象にしたオンライン学習サービスです。
イラストを多用したスライドで手順などを詳細かつ丁寧に解説してくれるため、SQL未経験者の独学でも効率よく知識やスキルを習得することができます。
また実際にプロダクトを作りながら勉強することができるので、スキルをどのように活用するかという実践的なイメージを持ちながら学習を進めることが可能です。
ちなみにSQLに関しては全5レッスン・2記事が公開されています。1レッスンは1〜2時間程度で修了できるボリュームです。
CODEPREP
CODEPREPは、1冊10分程度のブックが100冊以上学び放題というプログラミング学習サービスです。
ヒントなどを参考に空欄を埋めていく穴埋め形式の実践的な学習で、プログラミングスキルを直感的に体得することができます。
またコードを自由に編集できる「Playground」というモードを使えば、空欄箇所以外の細部についての理解も含めたより実践的なスキルを培うことも可能です。
SQLの勉強におすすめの資格まとめ
SQLの勉強におすすめの資格まとめ
- 自分のレベルに合った難易度の資格に挑戦するべき
- 出題範囲や傾向は要確認
- 勉強には参考書や学習サイトもおすすめ
SQLの勉強におすすめの資格を4つ紹介しました。
SQLに関する体系的な知識・スキルを身に付けたいなら、資格試験に挑戦するのがおすすめです。
なお、資格はご自身のレベルに合った難易度のものを選ぶようにしましょう。
また資格試験対策も含めてSQLを効率的に勉強したいなら、参考書だけでなく学習サイトを利用するのも良いでしょう。
以上を参考に、ご自身に合ったSQLの勉強法及び資格を選んでみてください。