ITパスポートは取っても意味ない無駄な資格なのか？メリットや必要性を徹底考察！

ITパスポートはITの基礎的な知識を証明する国家資格です。IT技術が各段に発展し、パソコンやインターネットが日常的に使われるようになった今日、ITパスポートの取得を考える人も多いでしょう。

しかし、ITパスポートは意味がない・必要がないなど、ITパスポートやITそのものに対してネガティブな声が聞かれるのは、なぜなのでしょうか。まず、ITパスポートは意味ないといわれる理由を見ていきましょう。

業務独占資格ではない

まず、ITパスポートは国家資格ですが、業務独占資格ではないことが「意味ない」といわれる理由の1つです。国家資格にも、業務独占資格とそうでない資格があります。業務独占資格は、医師や弁護士など、資格がなければその業務を行うことができない資格です。

ITパスポートは業務独占資格ではないので、取得したからといって、それだけでIT関係の仕事にすぐに就けるわけでもなく、必ず就職が有利になるわけでもないのです。

しかもIT業界では、ITパスポートはレベルの低い資格と見られがちです。ITパスポートを持っているからといって、就職にそれほど役に立たず、期待するような価値が認められないのなら、ITパスポートは意味ないと考える人も出てくるでしょう。

知識の専門性が強くはない

次に、ITパスポートは知識の専門性が強くないことも「意味ない」といわれる理由の1つです。確かに、ITパスポートは数あるIT系資格の中でも、ファーストステップに位置するIT系資格の基礎のようなもので、知識の専門性が求められる資格ではありません。受験資格もありません。

それは、ITパスポートはすべての社会人が備えておくべきITの基礎知識を証明する国家資格だからです。資格の意味からすれば、ITパスポート取得に向けて必要な知識は、ITを扱う上で必須な広く浅い基本的知識に限られます。つまり、手慣れたIT関係者から見ると、知っていて当たり前の知識です。

非実用的な知識

ITパスポートの知識は、実践で役に立つものはほとんどない、非実用的な知識と考える人も少なからずいます。試験問題にしても実践向きではなく、資格を取得しても試験に向けて学んだことを実際に仕事に活かす場面は少ないとの見方も多いです。

簡単なので希少価値はない

また、ITパスポート試験は簡単で希少価値がないとの見方もあります。IT系資格の中でも人気の高い基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などの合格率は20%前後でかなり難しいですが、ITパスポートの合格率は50%前後と高い合格率です。

しかも、ITパスポートの試験は毎月行われます。何度でも気軽に受けられるので、試しに受験してみて、落ちたらまた翌月受験しても良いのです。ITについて基本的な知識があれば合格できるので、綿密な計画を立ててじっくり取り組むほどのことはありません。

実際、試験1週間前に勉強を始めて合格できた例もあります。合格しやすい試験であることは事実ですので、希少価値はないと言われるのもやむを得ないところでしょう。

就職・転職時にメリットが小さい

ITパスポートは、就職・転職時にメリットが小さいことも、「意味ない」とされる理由の1つです。資格取得を目指す場合、その資格を就職や転職に活かしたいと考えるのは普通のことです。

しかし、ITパスポートは業務独占資格でもなく、専門性の高い資格でもありません。ITパスポートがあることだけで、就職や転職で他の人より優位に立つことはまずないと考えた方がよいでしょう。

就職・転職で重視されるのは、新卒であればポテンシャルや人柄、転職ではスキルや経験・実績です。ITパスポートを持っていて、それが就職・転職希望先が求める条件や希望に合致するのであればラッキーですが、一般的には転職時の価値はほとんどないかもしれません。

もっとも、ITパスポートは、ITだけでなくマネジメントなど幅広い分野の基礎知識の証明にはなります。大きなメリットにならないとしても、無駄ではありません。

ITパスポートが意味ないといわれる理由を見てきましたが、ITパスポートは役に立たない資格ではありません。

ここでは、ITパスポートは役に立たない資格ではないことを説明します。

IT業界以外で評価される

今ではパソコンやインターネットの使用は、どんな仕事・どんな業界でも当然のことです。ITに関する知識はあるに越したことはなく、必要ないということはありません。

ITパスポート取得者は、ITに関する基礎的な知識が身についているはずです。IT業界では評価されなくても、それ以外の業界にとって、ITパスポートは歓迎される資格です。

就職の際も、IT化に熱心な企業ならITに無頓着な人よりも優先される可能性は高いでしょう。入社後にIT関係の業務に抜擢される可能性もあります。ITパスポートが役立つことはあっても、無駄ということはありません。

ITの勉強につながる

ITパスポートは、ITの次のステップへの大事な足掛かりになります。IT初心者にとっては、ITパスポートを取るだけでもITが身近になり、十分意味のあることでしょう。

しかし、ITの基礎がわかれば、もっとITを活用したいという気持ちが強まる人も多いです。ITパスポートが、さらなる勉強に進むきっかけになれば、とても意味があることです。

ITへの関心を示せる

ITパスポートの取得を目指せば、否応なくITへの関心が強まり、基礎的とはいえ知識も身につきます。ITは苦手と毛嫌いする人もいる中で、ITに関心を持ち多少なりとも知識を身につければ、後々間違いなくそれを活かす場面が出てきます。

もちろんITパスポートを実際に取得すれば基本的な情報技術の知識・スキルがある人材として認識されるので、仕事の機会も増える可能性があるでしょう。

ITパスポートを取得するメリットやデメリットなどについて説明してきましたが、実際にITパスポート取得に向いている人はどういう人なのか、具体的に見ておきましょう。

IT業界とかかわりのある人

ITパスポート取得に向いている人は、まずIT業界とかかわりのある人です。取引先にIT企業が多い場合や、ITの担当部署との折衝などが多い場合、どうしてもITに関わる話題や業務が出てきます。

その時に、自分はIT担当でないから何もわからないとはいえないでしょう。ITに関する最低限の知識がなければ、仕事をスムーズに進めることはできないのです。

IT業界で直接働かなくても、そのような場合にITパスポートを取得しておくことが役に立つのです。ITの基礎知識があるかないかで、相手の信頼感・仕事の展開は大きく変わってしまいます。

ITの基礎知識を学びたい人

これからITの基礎知識を学びたいという人も、ITパスポート取得が向いています。今や日常生活でも仕事でも、あらゆる場面でITは避けて通れません。IT業界を目指すかどうかに関係なく、ITの基礎的な知識・素養は必須と言ってよいでしょう。

ITに興味はあるけれど何をどう始めたらよいのか全く分からない、という人も多いでしょう。そういう人は、手始めにITパスポート取得を目指すのも良い方法です。

ITパスポートは、誰でもが知っておくべきITの基礎知識取得がねらいです。パソコンやITは苦手という人も勉強しやすく、気軽に始めることができます。

これから新入社員になる人

これから新入社員になる学生さんなども、ITパスポート取得に向いています。見てきたようにITパスポートは、IT業界では評価されなくても、IT業界以外では評価され歓迎されることも多い資格です。

ITの基礎的な素養はあらゆる仕事で求められます。ITパスポートを取得することで、パソコンやインターネットに慣れておくことができます。しかも、ITだけでなくコンプライアンスやマネジメントなどの幅広い基礎知識も身につけられるのです。

そのことがプラスになっても、無駄にはなりません。IT関係の優先したい資格などがないのであれば、前向きに考えてみてもよいでしょう。

簡単に知名度のある資格を取りたい人

簡単に知名度のある資格を取りたい人にも向いています。ITパスポートは意味ないとの意見もありますが、簡単に取得できる知名度のある資格ということは間違いありません。

実際、年に約5万人もの方が、ITパスポート取得を目指して試験を受けています。それだけ人気もある資格なのです。その資格をわずか数週間～1か月程度でとれる可能性が高いのです。

仕事や他の勉強をしながら、片手間に気軽にとることもできるので、たとえ使えなくても、それほどメリットがなくても、時間を無駄にしたと感じることもないでしょう。名のある資格が1つ増えることは、それだけで意味あると考えてもよいでしょう。

ITパスポートについて、取っても意味ない資格なのか、資格を取得するメリットや必要性などについて解説してきました。

ITパスポートは意味ない・無駄などの声もありますが、IT業界以外では評価されており、資格取得のメリットもあります。

ITパスポートが、さらに次のステップへの足掛かりともなりうるもので、決して役に立たない資格ではありません。ITパスポートの資格を目指してぜひ勉強を続けてください。