応用情報技術者の合格率はどれくらい?合格点から難易度・勉強時間まで徹底解説!

「応用情報技術者試験の合格率はどれくらいなの?」

「基本情報技術者試験と比べると難易度はどのくらい違うの?」

応用情報技術者試験を受験する予定の人ならこのようなことが気になるのではないでしょうか?

応用情報技術者試験は実務経験を積んだベテランのITエンジニアが受験する、やや高度な試験です。

以下では応用情報技術者試験の合格率を中心に取り上げ、さらには試験の難易度や必要な勉強時間、平均合格者年齢なども解説します。

応用情報技術者試験の合格率についてざっくり説明すると

  • 応用情報技術者試験の合格率は20%前半で推移している
  • 合格者平均年齢は20代後半で、中には小中学生の合格者もいる
  • 未経験者の勉強時間は500時間ほど必要。基本情報技術者試験に合格した人でもさらに200から300時間は勉強しなければならない

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応用情報技術者の合格率は低い

頭を抱える男

応用情報技術者試験の合格率は20%程度です。これまでの合格率の推移を以下の表にまとめました。

年度 合格率
21年春期 26.1%
21年秋期 21.4%
22年春期 20.3%
22年秋期 22.9%
23年特別 20.6%
23年秋期 23.6%
24年春期 22.7%
24年秋期 20.5%
25年春期 19.2%
25年秋期 18.5%
26年春期 20.1%
26年秋期 20.2%
27年春期 19.0%
27年秋期 23.4%
28年春期 20.5%
28年秋期 21.4%
29年春期 20.2%
29年秋期 21.8%
30年度春季 22.7%
30年度秋季 23.4%
平成31年度春季 21.5%
令和元年度秋季 23.0%
2年度秋季 23.5%
3年度春季 24.0%
3年度秋季 23.0%

この表を見てわかる通り、合格率は18%台から26%台とおおよそ20%台前半で推移しています。試験そのものに大きな変動が起きていないため、今後もこの合格率で推移していくと思われます。

応用情報技術者試験は実務経験5年から6年ほどのエンジニアが受験する試験です。知識と経験のあるエンジニアでこの合格率なので、難易度にも厳しいものがあると言えるでしょう。

基本情報技術者試験と合格率を比較

応用技術者試験は下位資格の基本情報技術者試験とよく比較されます。以下に基本情報技術者試験の合格率の推移を記載します。

年度 合格率
平成21年春期 27.4%
平成21年秋期 35.4%
平成22年春期 22.2%
平成22年秋期 23.4%
平成23年春期 24.7%
平成23年秋期 26.2%
平成24年春期 23.7%
平成24年秋期 27.1%
平成25年春期 23.0%
平成25年秋期 22.1%
平成26年春期 23.9%
平成26年秋期 23.6%
平成27年春期 26.0%
平成27年秋期 25.6%
平成28年春期 30.4%
平成28年秋期 23.6%
平成29年春期 22.5%
平成29年秋期 21.8%
平成30年春期 28.9%
平成30年秋期 22.9%
平成31年春期 22.2%

基本情報技術者試験の合格率もまた、20%台前半で推移しています。このように、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は合格率がよく似ているため、難易度も同じくらいなのではないかとも思えてきます。

しかし、ITエンジニアの登竜門である基本情報技術者試験の受験者層はIT初学者の学生や新卒社会人などが中心です。それに対して応用情報技術者試験は5年から6年程度のベテランエンジニアが主に受験する試験です。

このように受験者層が異なるため、そもそものレベルが違うのです。よりハイレベルなライバルの中で上位20%に入る必要がある分、応用情報技術者試験の方が難易度が高いのです。

応用情報技術者の合格点

応用情報技術者試験は午前試験と午後試験の二段階で行われます。どちらの試験も100点満点であり、合格点はそのうちの60点です。

午前試験と午後試験の両方で合格点に達しなければならず、片方だけが良くてももう片方が低ければ不合格になってしまいます。

午後試験は記述式問題もあるため、特に難易度が高めです。午前試験はマークシート式とはいえ範囲が広く、問題数も80問あります。

本番で安全に合格点を取るためにも、試験対策では60点プラスアルファの得点を目指して勉強しましょう

応用情報技術者の基本データ

クエスチョンマーク

受験者数は近年やや減少している

応用情報技術者試験の受験者数は減少傾向にあります。次の表は応用情報技術者試験の応募者数、受験者数、合格者数の推移です。

年度 応募者数 受験者数 合格者数
21年春期 56,141人 36,653人 9,549人
21年秋期 62,294人 41,565人 8,908人
22年春期 65,487人 42,338人 8,592人
22年秋期 66,241人 43,226人 9,898人
23年特別 62,116人 37,631人 7,745人
23年秋期 56,085人 36,498人 8,612人
24年春期 55,253人 35,072人 7,945人
24年秋期 57,609人 38,826人 7,941人
25年春期 52,556人 33,153人 6,354人
25年秋期 54,313人 34,314人 6,362人
26年春期 47,830人 29,656人 5,969人
26年秋期 51,647人 33,090人 6,686人
27年春期 47,050人 30,137人 5,728人
27年秋期 50,594人 33,253人 7,791人
28年春期 44,102人 28,229人 5,801人
28年秋期 52,845人 35,064人 7,511人
29年春期 49,333人 31,932人 6,443人
29年秋期 50,969人 33,104人 7,216人
30年春期 49,223人 30,435人 6,917人
30年秋期 52,219人 33,932人 7,948人
31年春期 48,804人 30,710人 6,605人
元年秋期 50,643人 32,845人 7,555人

かつては40000人ほどいた受験者も近年では30000人程度です。時期によっては30000人を下回っていることもあります。

また、応募者数に対して受験者数が少ないこともわかります。理由は人によって様々ですが、勉強が思うように進まなかったため受験を断念したケースや、仕事との両立が上手くいかずに受験できなかったというケースが挙げられます。

このように、受験する際にはスケジュール管理もポイントになってきます。試験当日に受験できるのか、本番までに十分な実力を身に着けられるのかを考えて申し込みましょう。

30代目前での受験が多い

応用情報技術者の合格者平均年齢は20代後半が中心です。基本情報技術者試験と比較すると、おおよそ3歳ほど高くなっています。

ここから、応用情報技術者試験の受験者はIT企業で経験を積んだ社会人が中心であると言えます。

また、最年少合格者を見てみると小学生から中学生程度でも合格できるということがわかります。プログラミング教育の必修化にともなって若年層の受験がより増えていくことも十分に考えられます。

年度 合格者平均年齢 最年少合格者 最年長合格者
21年春期 29.5才 15才 63才
21年秋期 29.0才 14才 75才
22年春期 28.6才 13才 67才
22年秋期 28.8才 13才 62才
23年特別 29.3才 15才 60才
23年秋期 29.2才 13才 62才
24年春期 29.0才 12才 62才
24年秋期 28.5才 13才 63才
25年春期 28.3才 13才 63才
25年秋期 28.9才 11才 66才
26年春期 28.5才 14才 62才
26年秋期 29.4才 14才 66才
27年春期 28.7才 14才 66才
27年秋期 28.9才 16才 65才
28年春期 28.8才 13才 66才
28年秋期 29.4才 14才 67才
29年春期 29.4才 15才 67才
29年秋期 28.7才 14才 65才
30年春期 29.3才 15才 75才
30年秋期 29.2才 14才 74才
31年春期 28.2才 14才 63才
元年秋期 29.0才 14才 64才

応用情報技術者の難易度

犬

難易度は高くなっている

応用情報技術者試験の難易度はだんだん高くなっています。情報処理技術者試験の試験区分ではレベル3に位置する試験です。

近年の難易度上昇の主な理由は難易度の広さと記述形式という試験方式にあります。アルゴリズムやプログラミングだけでなく、ストラテジ系やマネジメント系などの問題も出題されるため、ITエンジニアであっても幅広い勉強が必要です。

また、基本情報技術者試験とは異なり記述形式の問題が出題されます。知識だけでなく読解力や状況把握能力なども求められます。多面的な能力が必要なことも難易度を押し上げる理由の一つといえるでしょう。

初心者はかなりの勉強が必要

応用情報技術者試験合格には全くの未経験者では500時間以上の勉強時間が必要です。毎日2時間くらい勉強したとしても半年以上、8か月ほど必要な計算です。

基本情報技術者試験に必要な勉強時間が200時間から300時間ほどなので、差し引き200時間以上の勉強時間を確保することになります。同じく一日2時間で計算すると、3か月から5か月ほどの勉強が必要です。

この勉強時間はあくまで目安なので、人によってはより多くの勉強が必要です。自分の状況を考えた上でスケジュールを立てましょう。また、難易度が高いのでかなり長期の勉強が必要な試験であるという前提で準備しましょう。

応用情報技術者試験の対象者

パソコンを使う女性

応用情報技術者試験の対象者像として、次のように書かれています。

高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

ここで挙げられているように、応用情報技術者試験では応用的な知識や技能が問われます。応用情報技術者試験の問題は基本情報技術者試験よりも高度試験に近い難易度です。実際、応用情報技術者試験の合格者は高度試験の一部科目が免除されます。

とはいえ、応用情報技術者試験の受験そのものは誰でも可能です。受験資格に制限はありません。もちろん、基本情報技術者試験を受験しないで応用情報技術者試験を受験しても構いません。

また、プログラミングの技能も必須ではありません。午後試験の選択科目はストラテジ系とマネジメント系の問題のみを選択できます。そのため、アルゴリズムなどの問題が苦手な人でも受験しやすい試験です。

応用情報技術者試験の合格率についてまとめ

応用情報技術者試験の合格率まとめ

  • 合格率は基本情報技術者試験と同じくらいだが、基本情報技術者試験の合格者の上位20%なので、レベルが異なる
  • 合格点は60点。記述式問題もあるため難易度は高い
  • 申し込んだけれど受験しない人も多い。受験すること自体も一つのハードル

この記事では応用情報技術者試験の合格率について紹介してきました。

応用情報技術者試験は合格率・合格点で見れば基本情報技術者試験とあまり変わりません。

しかし、難易度は大きく跳ね上がります。実務経験のあるベテランエンジニアを相手に記述式試験で上位20%に達するのはかなり大変です。

出題される内容も高度になり、初学者では500時間もの勉強が必要です。適切なスケジュールを立てて、地道に勉強していきましょう!

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