応用情報技術者の午後試験の内容は?対策のコツから選択科目の選択方法まで解説

「応用情報技術者試験の午後試験は何の科目を選べばいい?」

「午後試験の対策法が知りたい!」

応用情報技術者試験を受験する人なら午後試験でお悩みのことでしょう。応用情報技術者試験の午後試験は午前試験よりも難易度が高く、合格しにくい試験です。

ここでは午後試験の科目ごとの特徴や対策方法について紹介します。選択科目でお悩みの方はぜひご覧ください。

応用情報技術者試験の午後試験内容についてざっくり説明すると

  • 情報セキュリティのみ必須解答で、残りは10科目から4科目を選ぶ。
  • 配点は大問1つ当たり20点で、合格には100点中60点とる必要がある。
  • 選択科目はあらかじめ5科目から6科目くらいに絞って対策する。

応用情報技術者の試験に出る内容は?

はてなマーク

応用情報技術者試験の対象者像は次の通りです。

高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

このように、応用情報技術者試験では応用的な知識や技能について問う問題が多く出題されます。

試験は午前試験と午後試験に分かれています。応用情報技術者になるにはこの両方の試験で合格しなければいけません。片方でも合格点を下回ってしまうと不合格になってしまいます。

午前試験は四肢択一式のマークシート式で実施されます。試験問題は80問あり、すべて必須解答です。試験時間は9:30から12:00までの150分間です。

午後試験は多肢選択式や記述式で行われます。試験問題は大問が11問あり、その中から5問を解答します。必須問題が1問あり、残りは10問中4問を選ぶ選択問題です。試験時間は13:00から15:30までの150分間です。

午前試験はどちらも100点満点のうちの60点です。午後試験は記述式で60点を取得する必要があるため、国家試験の中でも難易度が高めの試験であると言えます。

午前試験は主に3分野

午前出題範囲は以下の表のとおりです。ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3つに大きく分けられます。

それぞれの出題数はおおよそに決まっています。ストラテジ系が20問、マネジメント系が10問、テクノロジ系が50問程度です。

試験は100点満点で行われ、合格点は60点です。配点はどの問題も同じで1.25点です。試験問題は全部で80問なので、48問正解すればよいということですね。

基本的にはテクノロジ系からの出題が多いので優先して対策していくとよいでしょう。午後試験とは違い、すべて回答が必須なのでなるべく苦手分野は作らないようにすることが望ましいと言えます。

大分類 中分類
基礎理論 基礎理論
アルゴリズムとプログラミング
コンピューターシステム コンピュータ構成要素
システム構成要素
ソフトウェア
ハードウェア
技術要素 ヒューマンインタフェース
マルチメディア
データベース
ネットワーク
セキュリティ
開発技術 システム開発
ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系
プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント サービスマネジメント
システム監査
ストラテジ系
システム戦略 システム戦略
システム企画
経営戦略 経営戦略マネジメント
技術戦略マネジメント
ビジネスインダストリ
企業と法務 企業活動
法務

午後試験は鬼門となる

午後試験の出題範囲は以下の表のとおりです。この中で情報セキュリティに関することだけは必須解答です。残りの問題は4つのみ選んで解答する選択形式が採用されています。

見てわかるようにデータベースやネットワーク、プログラミングなどのテクノロジ系の問題が中心です。しかし、ストラテジ系やマネジメント系の問題もあるため、テクノロジ系の問題を選ばずに合格することもできます。

配点は必須科目を含め、いずれも大問一つあたり20点です。基本情報技術者試験と異なり必須科目と選択科目の間に差はありません。

午後試験は多くの問題が長文を読み進めていく形式で出題されています。ITの知識はもちろん必要ですが、設問の意図を把握する読解力も必要です。

午前試験と比べると、難易度が大きく上昇していることが特徴です。午前試験よりもはるかに入念な対策が必要になるでしょう。

  • 経営戦略に関すること
  • 情報戦略に関すること
  • 戦略立案・コンサルティングの技法に関すること
  • システムアーキテクチャに関すること
  • サービスマネジメントに関すること
  • プロジェクトマネジメントに関すること
  • ネットワークに関すること
  • データベースに関すること
  • 組み込みシステム開発に関すること
  • 情報システム開発に関すること
  • プログラミングに関すること
  • 情報セキュリティに関すること
  • システム監査に関すること

午後試験対策のポイントを押さえよう!

机

午前試験で基礎知識を身に着ける

午後試験に取り組む際には、先に午前試験の対策を済ませて基礎事項を押さえておくことを勧めます。午後試験の問題は難易度が高く、午前試験程度の知識がない状態ではまず解けません。午後試験は午前試験の内容が身についている前提で出題されていると思ってもよいでしょう。

午前試験対策は暗記や理解が中心です。用語の意味や計算方法などを問うような問題がマークシート式で出題されるだけなので、試験範囲をテキストで押さえておけば十分合格できます。テキストのインプット学習が基本です。

午前試験では60%が合格ラインです。余裕をもって午前試験を突破できるくらいの実力があれば午後試験対策もスムーズにいきます。まずはこの辺りを狙って準備しましょう。

過去問演習で問題に慣れる

応用情報技術者試験の午後試験では過去問演習が大切です。時間配分を確かめたり、頻出事項を押さえたりできるので、過去問は必ず解いておきましょう。

午後試験は長文で出題されるため、どうしてもある程度の慣れが必要です。短い制限時間内に出題意図を理解し、答えとなる部分を抜き出して解答する練習をしておきましょう。

また、午前試験や基本情報技術者試験とは異なり記述式問題が多いことも課題です。答え方や書き方などは採点が厳しいと言われているため、ぶっつけ本番で挑むのはリスクが高すぎます。

午前試験同様、午後試験でも頻出の論点は限られています。あらかじめ過去問で押さえるべき要素を押さえておけば本番でも慌てずに対応できるでしょう。

復習することで自分の特徴を理解する

問題演習においては間違えた問題を必ず復習しましょう。応用情報技術者試験では過去問と似た問題がよく出題されるので、同じ問題で間違えないことはとても重要です。

もし知識を問う問題で間違えたのであれば、テキストに戻って再度内容を確認しましょう。何度も覚えなおして知識を定着させるのが暗記のコツです。

文章読解や内容把握の問題でミスをした場合には解説や解答を読みましょう。自分がどういった部分で間違えたのか、どこで題意を取り違えたのか把握することが大切です。問題を解くときの癖もわかるので、次回以降の演習で改善できるようになります。

おすすめ参考書の使用も合格のカギ

午後試験では記述式の出題が中心です。マークシート式の問題と違ってどのような手順で書くべきかなどの疑問点や課題も多数あります。そのため、午後試験用の参考書には解説が詳しいものを選ぶとよいでしょう。

ここでのおすすめは「2020 応用情報技術者 午後問題の重点対策」という参考書です。著者は小口達夫、出版社はアイテックです。価格は3740円です。

この本1冊で午後試験のすべての科目が対応できます。どの科目も問題演習を通して問題を解くために抑えるべきポイントや問題の読み方などが書かれているため、無理なく解答テクニックを身に着けることができます。

また、要点がとても分かりやすく、ボリュームを感じさません。スムーズに演習を進めることができるでしょう。午後試験対策では必須ともいえる1冊です。

午後試験の選択問題はあらかじめ決めておこう

看板

午後試験は情報セキュリティの問題のみが必須解答で、残りの10問の中から4問を選んで解答する形式です。

そのため、午後試験ではあらかじめ選ぶ予定の科目を決めておき、その科目だけを対策する方が効率的です。すべての科目を勉強することはとても良いことですが、試験合格のみを考えると効率が悪いと言わざるを得ません。

本番で解答する科目は4科目だけです。そのため、一見4つだけ対策することが近道に思えます。しかし、可能であれば5科目から6科目は対策しましょう

応用情報技術者試験の午後試験では、毎年いずれかの科目で例年より難しい問題が出題されています。もし選択肢に余裕がない場合、難しい問題を選ばざるを得ないため得点が低くなることが予想されます。

選べる科目に余裕があれば、難しい科目を回避できるためより高得点が狙えるのです。急がば回れを意識して対策を進めましょう。

以下ではそれぞれの科目の特徴を紹介していきます。参考にして選択科目を決めましょう。

ストラテジ

ストラテジ系は技術的な問題があまり問われないので、文系出身のエンジニアや経験が浅い技術者に好まれる分野です。ただし、ストラテジ系の問題が簡単かといえばそんなことはありません。

上記の試験範囲表を見てわかる通り、試験範囲がとても広い科目です。マーケティングやキャッシュフローから法律まで幅広い内容が含まれています。

ほかの試験なら何科目かに分けるであろう内容が1科目にまとめられているため、どれが出題されるかわからないという怖さがあります。難易度の変動も激しく、対策なしでも解ける問題もあれば高度な知識が必要なこともあります。

この科目に向いているのは簿記や会計を学んだことのある人や経営の経験がある人です。経営分析の手法や簿記の勉強をするのも有効です。

プログラミング

プログラミングの科目は基本情報技術者試験でも出題されたように、指示された処理をコーディングしていく作業が基本となります。

ただし、マークシート式であった基本情報技術者試験とは異なり、応用情報技術者試験では記述式で解答します。処理の内容は詳細かつ丁寧に指示されています。

そのため、コードを書くのが得意な人にとってはむしろ基本情報技術者試験よりも簡単に感じるでしょう。基本情報技術者試験のプログラミングが得意だった人なら得点源になるかもしれません。

一方で、コーディングが苦手な人やそもそも開発経験がない人には難易度の高い試験です。マークシート式ではない分、答えに窮することも予想されます。

プログラミングに向いているのは、現役のエンジニアやプログラマー、基本情報技術者試験でプログラミングが得意だった人です。ひたすら手を動かしてコーディングを行うことが対策になります。

システムアーキテクチャ

システムアーキテクチャはMM1モデルや稼働率などのコンピュータアーキテクチャについて出題される科目です。

基本情報技術者試験や午前試験の内容から予想できる通り、非常に計算問題のウェイトが大きい科目です。高度な計算はほとんどなく、四則計算がメインです。

また、出題範囲が非常に狭いので、何度も同じ問題や似た問題が繰り返し出題されています。過去問を数年分取り組んだだけでも取れなりの点数は取れるでしょう。

そのため、現役のシステムアーキテクトでなくとも十分得点源にできる科目です。よほど計算が苦手という人でない限りは選ぶことをお勧めします。

対策は過去問が基本です。午前試験でも計算方法は出題されているので。ほかの科目よりも対策に必要な勉強時間は短くて済むでしょう。

ネットワーク

ネットワークは試験範囲がやや広く、最新技術からやや時代遅れの技術まで出題されます。また、参考書に記載されていないようなプロトコルが出題されることもあります。

IPアドレスやサブネットなどの問題もあり、2進数変換問題も見られます。プロトコル名を問うような知識問題もあります。

出題内容が極端に易しいというわけではなく、ほかの科目と比べると標準的な難易度の問題です。

ネットワークに向いているのはネットワークやルータに触ったことのある人やネットワークエンジニアの経験がある人などです。また、プロトコルの説明や問題の状況把握が必要なため理解力や読解力がある人も適しているでしょう。

データベース

データベースはアーキテクチャ同様出題内容に偏りがあります。例年、E-R図とSQLの問題が出題されています。とはいえ、アーキテクチャと違って必ずしもおすすめの選択科目とは言えません。

SQLはプログラミングに比べるととっつきやすいので、データベースに触ったことがない人でも学びやすい内容です。出題される句もほぼ決まっています。

問題はE-R図です。矢印の向きを問う問題が非常に多く、毎回聞かれると思ってもよいでしょう。

対応関係、書く順番なども注意が必要です。手を動かして何度も練習しましょう。苦手な人は別個参考書や問題集で勉強しておくことを勧めます。

出題傾向がはっきりしているので、E-R図を描くのが苦手ではない人や勉強するのが苦ではない人にはおすすめです。E-R図が大嫌いな人ならほかの科目を選んでもいいでしょう。

組込みシステム開発

組み込みシステムとはハードウェアに組み込まれて一体になったシステムです。ハードウェアがどのように動くのか制御するシステムと言えます。

特定の処理を行うシステムが複数あるので、それぞれどのように動くのかを問う問題がよく出題されます。ビット数計算、データ転送速度、条件分岐やプログラミングなどの出題も見られます。

問題文を読めば解けることが多いので、比較的対策に時間のかからない科目と言えます。システムアーキテクチャやプログラミングなどとの融合問題もあるので、併せて選択すると効率よく解けます。

プログラミングを選ぶ予定のある人や読解力のある人におすすめです。問題によっては見ただけで解けることもあるので、選ぶかどうかは当日問題を見て決めてもよいでしょう。

情報システム開発

情報システム開発では情報システムを開発する手法について問われます。組み込みシステムのようにシステムの挙動が問われるわけではないので誤解しないようにしましょう。

基本的にはクラス図やシーケンス図などの図からの問題が中心です。そのほか、ブラックボックステストやホワイトボックステストなどもよく出題されます。

似た問題や同じ問題がよく出題されているので、過去問を通して図の使い方や答え方などをしっかりとマスターしておきましょう。

知識そのものは午前試験程度の内容でも十分です。しかし、問題設定が複雑だったり出題意図がつかみにくかったりするので読解力が求められます。

基本的には情報システム開発の経験者が有利と言えますが、図の解き方さえ理解できていれば未経験者でも解答できます。問題を理解する理解力の方が重要になるとも言えるでしょう。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントは技術系の科目ではないので、文系の人におすすめされることの多い科目です。しかし、計算問題や知識問題も多く、読解力だけでどうにかなる科目ではありません。

プロジェクトマネジメントではリスク管理とスケジュール管理の問題が頻出です。これらの分野はしっかりと押さえておきましょう。

ほかの科目との大きな違いは前提知識の重要性です。本文中の言葉を抜き出すタイプの問題が少ないので、あらかじめ知識を頭に入れておく必要があります。

そのため、プロジェクトマネジメントの経験がある人やスケジュール管理・リスク管理などの分野が得意な人におすすめの科目です。暗記が苦手な人は避けてもよいでしょう。

サービスマネジメント

サービスマネジメントでは品質管理や顧客管理などの問題がよく出ます。提供するサービスに関する問題が中心です。

出題内容はITILに即したものが多く、ITILに従って考えるとどうするのが正解か、が聞かれます。そのため、基本的にはITILの内容を押さえておけば大丈夫です。

サービスマネジメントの実務経験がない場合、ITILの内容は必須だと思ってよいでしょう。逆に、普段からサービスマネジメントに携わっている人にとっては当たり前のことしか問われないので簡単に解けてしまいます。

システム監査

システム監査では客観的な立場での考え方やモノの見方が問われます。知識よりも観察眼や推理力が必要な科目です。

架空の企業の監査をする立場で、どのような問題があるか及び同修正することが望ましいかを答える問題がほとんどです。

問題文には常に何かが間違っているシチュエーションしか出されないので、おかしなところに気が付くかどうかがポイントです。

セキュリティ上の問題が発生する可能性があり、その際にこういった対策をするべきという考えができる人におすすめです。セキュリティが得意な方が解きやすい科目です。

午後試験問題の実際の解き方

筆記用具

午後試験では長文を読み解いたうえで問題を解いていきます。問題文を読む際には設問で聞かれている部分の把握やかける時間を調整して解答することが大切です。ここでは問題を解く時のコツを紹介します。

設問の要求を理解する

応用情報技術者試験では設問の要求を理解することが特に重要です。いきなり本文を読まずに先に設問を把握することをすすめます。

こうすることで問題を解くために必要な部分と重要ではない部分がわかり、メリハリをもって読むことができるようになります。本文を最初から最後までだらだらと読む必要がなくなります。また、記述問題も漠然とした要素も確定しやすくなります。

ここで問われている読解力とは文章の意味を客観的に把握するちからです。学校の国語の授業で学んできたような基本的なものです。特別なものは必要ありません。

問題文の意味が分かるにも関わらず問題に答えられない場合、客観的に本文を理解できていない可能性があります。

主語述語の関係や文章の起承転結、論理関係を意識して読むことが読解力を身に着けるコツです。

各問題時間を決めて解く

問題を解く時には設問ごとに時間を考えましょう。問題によって知識のみで解ける問題と本文を読まなければ解けない問題があります。あらかじめ分類しておくと時間配分を決めやすいでしょう。

知識問題を早く解き、文章問題に時間をかけるなど、問題の形によって対応策を変えましょう。また、選択式問題と記述式問題によって対応を分けることも重要です。記述式問題には時間がかかると見積もっておいた方がよいでしょう。

解答時間は150分あり、解答する問題は大問5つです。そのため、大問一つ当たり30分しかかけられないと思っておいた方がよいでしょう。それを踏まえたうえで各設問の解答時間を逆算して決めましょう。

応用情報技術者試験の午後試験についてのまとめ

応用情報技術者試験の午後試験についてのまとめ

  • 記述式で難易度が高く、午前試験程度の知識は必須。
  • 1科目30分という時間配分が重要。
  • 過去問での対策が効率的。

ここでは応用情報技術者試験の午後試験について紹介してきました。いかがでしたか?午後試験は難易度が高く、そのうえ記述式です。初心者や経験の浅い人にとってつまずきやすいポイントです。

制限時間や記述の仕方にはコツがあるため、ベテランの人でも簡単ではないでしょう。科目ごとの特徴や傾向を理解したうえでどの科目を選ぶのか決めておきましょう。

難易度が高い試験ですが、合格率は大きくは変わらないので基本情報技術者試験に合格した人なら十分合格の可能性があります。地道に頑張りましょう。