司法書士の平均受験回数は?何年も不合格にならないための秘訣も一緒に解説!
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「司法書士の平均受験回数はどのくらい?」
「何回も落ちてしまったけど、周りの人はどれくらいで合格できているんだろう…」
司法書士試験は超難関であり、合格までに数年かかるのが平均的だといわれています。なので不合格だったとしても気にしすぎることはありません。
ここでは司法書士の平均受験回数について徹底解説します。そして何年も不合格にならないためにはどうしたら良いのかについても考察していきます。
これを読めば沢山の人が司法書士試験を諦めずチャレンジし続ける理由が分かるでしょう。
司法書士の平均受験回数についてざっくり説明すると
- 司法書士試験の合格までの平均受験回数は4回前後
- 何年も不合格になることは珍しいことではない
- 司法書士は試験の難易度が高く合格率が低い
- 勉強法にはコツが必要である
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司法書士合格までの平均受験回数は4回前後
司法書士に合格するまでの受験回数は平均的には4回前後といわれています。
1~2回で合格してしまう人もいれば5年ほどかかってしまう人もいます。全体の割合としては1~4回で合格する人が最も多いものの、10回以上かけて合格する人も全体の1割程度存在します。
受験生それぞれに個人差はあるものの、これらの平均をとるとおおよそ4回前後になるのです。
合格の難しさは例年ほぼ一定
司法書士試験の合格率は3~4%の間で毎年非常に安定しており、その年によって試験難易度が大きく変わるということはありません。
そのため運悪く不合格になってしまう可能性は低く、一発合格する人はどの年に当たっても合格できますし、何年かけても合格できない人も出てくる試験だといえます。
よって、合格レベルに到達するためのルートはある程度確立されているといえ、正しいの道のりに沿って学習を進めていくことが最も大切です。
受験者数の減少で短期合格しやすくなる?
司法書士の受験生は年々減少しています。受験生が減るとそれだけ合格しやすくなるのが一般的ですが、司法書士の場合はどうでしょうか?
2年ほど前までは司法書士試験の受験者数の減少が顕著でしたが、直近では減少率も下がってきており、受験する人が大幅に減っているわけではありません。
今後も、合格難易度が下がるという事態は考えづらく、今までの想定難易度のもとで学習を進めていく必要があるでしょう。
実質的な難易度は変わらない
もし受験生が減ったとしても、実際に試験の合格争いに食い込む上位10%前後の人数は毎年変化がないので、実質の合格の難しさにはほぼ影響しません。
そのため受験生が減ったからといって昔に比べて明らかに顕著になった、というようなことはなく、依然として合格までに数年を要する試験であることがわかるでしょう。
司法書士は何年もかけて目指す価値があるのか
「何年も受験を続けて意味があるのだろうか?」と不安があるかも知れませんが、司法書士の資格取得にはメリットがあります。
開業しやすく廃業しにくい
司法書士には独立しやすく廃業しにくいというメリットがあります。試験に合格後は、しばらく勤めて経験を積んでから開業という道もありますし、合格後すぐに開業も可能です。
開業するときにオフィスを借りると家賃がかかりますが、自宅で開業する場合は事務関連用品などの最低限必要なものを準備すれば良く、開業資金も30万円程度で済みます。
開業後は実務だけでなく経営に力を入れることが重要で、時代の変化に対応できる力が必要になります。全体的に物事をみて周囲の人とのネットワーク作りを意識することが大切になります。
就職先には困らない
司法書士のメリットの一つに就職で困らないということがあります。
司法書士事務所であれば、基本的に引くて数多であり、一般企業への就職や転職でも資格が有利に働くことがあります。
年齢については何歳が有利になるとは一概には言えません。若い人を積極的に採用する企業もありますが、社会経験が豊富な中堅クラス以上の人材を求めていることもあるのです。
求人探しには研修先で働く、司法書士会からの紹介、転職エージェントをや求人サイトを利用するなどの方法があります。自分が携わりたい専門分野や方向性に合わせて仕事先を探すのが良いでしょう。
司法書士の年収はかなり高い
司法書士の平均年収は877万円であり、高収入は大きな魅力です。
また、近年では司法書士の業務範囲も増えてきており、より単価の高い付加価値の仕事を請け負うことができるようになっています。
実際、開業している司法書士の中には年収2000万円以上の人も多く、実力次第ではこうした超高年収を狙うこともできます。
実力のある司法書士になるには営業力や集客力が不可欠です。日頃からニーズを察知し、お客様、同業や他士業の人などとコミュニケーションを取り、新たな仕事につなげていく努力が大切です。
司法書士の合格点と合格率
ここでは司法書士の合格点や合格率について、詳しくみていきたいと思います。
司法書士試験の合格点
司法書士試験では「午前の部択一」「午後の部択一」「記述式」でそれぞれ合格基準点が設定されており、合格基準点を全てクリアした人のうち上位4%前後が筆記試験で合格となります。
過去5年間の合格基準点の推移は次のようになっています。
※満点は午前択一と午後択一は105点、記述式は70点
年度 | 午前択一 | 午後択一 | 記述式 |
---|---|---|---|
H29年 | 75点 | 72点 | 34.0点 |
H30年 | 78点 | 72点 | 37.0点 |
H31年 | 75点 | 66点 | 32.5点 |
R2年 | 75点 | 72点 | 32.0点 |
R3年 | 81点 | 66点 | 34.0点 |
3つの合格基準を満たしたうえで、さらに合格点に届くように受験者のなかで上位に入るためには、各基準点と総得点の両方を意識することが重要です。
しかし、社労士試験などのように科目ごとの得点で足切りになることはなく、必ずしも全ての科目を満遍なく勉強する必要はないといえます。
11科目のうち主要4科目と呼ばれるメインの科目でしっかりと得点する力が何より大切で、どの科目でどのくらいの得点を取るかの計画をしっかりと立てることも大切になります。
司法書士試験の合格率
司法書士試験の合格率と合格者の年代別割合は以下のようになっています。
※令和3年度試験合格者の年齢層
毎年の合格率の変動は0.3%未満であり、ここ5年間は合格率が4%前後で安定しています。
よって、安定して高い競争率にさらされた試験であるといえるでしょう。
また、合格者のうち30代と40代が3分の2を占めており、難易度は高いものの、会社勤めの人でも働きながら取得を目指せる資格です。
司法書士試験の合格率が低い理由
司法書士試験の合格率が低いのには、受験資格や勉強法に関することなど、それなりに理由があります。
合格率と実際の難易度の乖離
司法書士試験には受験資格がないので、受験する年齢層も幅広く、受験生それぞれの学歴や職歴もさまざまです。なかにはあまり勉強していない人や、やる気のない人も受験しています。
合格までに必要な勉強時間は3000時間程度であり、一日3時間勉強しても3年間ほどかかる試験なので、準備が不十分なまま受験する人も多いです。
また、受験生のなかには高齢の人も多く、趣味の延長で受験している人も一定数存在します。
よって、合格率は極端に低いですが、これら当落線上の人たちを除いた合格率はさらに高いことが予想されます。
勉強法にコツが必要
司法書士試験に合格するためには、ただがむしゃらに勉強すれば良いわけではなく、いくつかおさえておくべき勉強のコツがあります。
そういったノウハウを知らずに勉強していても、なかなか合格ラインに達することができず、かえって逆効果になることもあります。
そのため予備校や通信講座を利用している人にとっては、講師の指導やカリキュラム通りに勉強すれば問題ありませんが、独学では効率的な勉強法がとれずに不合格になりやすくなります。
科目ごとの勉強量の設定が難しい
司法書士試験には11科目存在し、基本的には主要4科目をメインに学習を進めることが大切です。
一方で、実は残りの 「マイナー科目」である7科目 も捨て科目として良いというわけではなく、実はこれらの科目でいかに効率良く得点できるかが合否を分けることになるのです。
このように、司法書士試験の勉強では勉強量の分配や科目学習の順番を工夫するなどのコツが必要になるでしょう。
記述式の対策が困難
司法書士試験では記述式問題が合否に非常に大きく関わってきます。
記述式では登記申請書の作成等の問題が出題されます。限られた時間内に問題文を正確に読み取り手順を確認するなど、対策が必要になります。
独学の場合は記述式問題の対策が非常に難しく、どうすれば点数がもらえるのか、実際自分の回答でどれくらいの点が見込めるのかがわかりづらいです。
このように、司法書士の勉強にはコツが必要なので、独学者の合格率がかなり低くなってしまいます。
専業?それとも働きながら勉強する?
合格するために、仕事を辞めて受験勉強に集中したいと思うことがあるかも知れません。しかし専業受験生になるか働きながら勉強するかを考えた場合、どちらにもメリットとデメリットがあります。
専業の魅力は時間があること
専業で受験するときの最大のメリットは時間があるということです。仕事に振り回されることもなく時間を自由に使えて勉強だけに専念できます。
しかし、勉強に専念したからといって必ず合格できるという保証はなく、プレッシャーと戦いながら勉強し続けるには精神力の強さが必要です。
経済面も考慮すると、実家暮らしだったり当面の生活費に困らない環境であれば、時間を最大限に活用して専業受験生としてチャレンジするいう選択肢もあります。
働きながら勉強することのメリット
働きながら資格取得を目指す場合はどうしても勉強に使える時間が限られてしまいます。仕事の疲れや人間関係などストレスで勉強が進まないときもあるでしょう。
しかし仕事をしているとメリットがあります。勉強中もキャリアは継続できますし、もし試験に不合格だったとしても精神的に余裕があります。
専業にするか仕事を続けながら勉強するかは自分にとって一番合った方法で選択するのが良いでしょう。
独学は本当におすすめしない
上述のように、司法書士試験に合格するためには科目別の学習分配を適切に行なったり、記述式対策を行う必要があるので、独学だと十分な対策をとることができません。
こうした試験の特徴に加えてそもそもの難易度が極めて高いので、普通は予備校や通信講座で勉強を行います。敢えて独学という茨の道を選択することはないでしょう。
まだ予備校や通信講座選びを済ませていない方は
司法書士講座を検討中の方はスタディングの司法書士講座をチェックしてみることをおすすめします。
通学生の予備校は受講料や通学時間の関係で厳しいと感じる方もいらっしゃるかと思います。
対してスタディングではスマホ1つであらゆる学習が可能なのでいつでもどこでも勉強を進めることができます。また、受講料も予備校の3分の1以下と、費用面での負担もこの上なく小さいです。
安くても高品質だということで、受講生からの評判も極めて高い司法書士講座です。この機会にぜひ受講してみてはいかがでしょうか。
何年も不合格を重ねたとしても大丈夫
何回も司法書士試験に不合格になってしまうと、これからも勉強を続けるかどうか悩むことがあるかと思いますが、心配しすぎなくても大丈夫です。
司法書士は簡単に合格できる試験ではなく、資格取得までに数年以上かかることも珍しいことではありません。
努力は無駄にはならない
一回で合格する人よりも、何年も勉強してきた人のほうが理解度は高く、知識が定着しています。
司法書士試験は受験勉強が実務に生かされやすく、合格後に仕事をするときも確実に有利になります。
また司法書士試験に受験資格がないことからもわかるように、年齢、学歴、職歴を問わず、あらゆる人にチャンスがあります。努力してきたことは無駄にはなりません。
司法書士試験は試験範囲が広く、合格までには相当の勉強時間と勉強量が必要です。反復を継続してひたすら理解して覚えることを続けるしかありません。合格を目指して勉強に打ち込んでください。
一発合格を近づける勉強法の基本
司法書士試験では効率的な学習をすることで勉強時間を大きく短縮することができます。
ダラダラと勉強していても時間ばかりかかってしまい、なかなか合格ラインを越えることはできません。
ここでは合格に近づくための勉強法をご紹介します。
学習スケジュールを軽視しない
司法書士試験を乗り切るにはスケジュール管理が非常に大切です。
学習スケジュールを立てることで、本番試験までに過不足のない学習ができることに加えて、自分の進捗が可視化されてモチベーションの維持につながります。
試験日から逆算して「○月には△△をやる」というように月単位で行うことを決めて、1週間のうちに勉強できる時間帯をピックアップしていくと、1日にどのくらい勉強できるかが具体的になります。
継続が何より大切
学習スケジュールを立てることで勉強が継続しやすくなります。司法書士試験ではとにかく継続が何より大切です。
特別な才能や頭の良さというよりは、諦めずにコツコツ勉強を続けてきた人が最後は合格を勝ち取ることができます。
暗記で最も大切なのは反復
司法書士試験では覚えることがたくさんあり、暗記に苦戦する人も多いのではないでしょうか。
心理学者のエビングハウスによって研究された忘却曲線にもあるように、人は覚えたことを時間の経過とともに忘れていくので、何度も繰り返し学習して思い出すことが大切です。
学習した翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後というような間隔で復習を行うと、反復して学習することで記憶が定着しやすく効果的です。
司法書士の平均受験回数まとめ
司法書士の平均受験回数まとめ
- 司法書士試験の合格率は4%前後
- 合格までに必要な勉強時間は3000時間程度
- 働きながら合格を目指すことも可能
- 反復して勉強を継続する努力が大切である
ここまで司法書士の平均受験回数について、あらゆる角度から徹底的に解説してきました。
司法書士試験は合格までに数年かかるのが普通であり、たとえ何年も不合格だったとしても心配しなくて大丈夫です。
司法書士は時間をかけてでも目指す価値がある魅力的な資格です。
司法書士を目指している人、これから目指そうとしている人は前向きにチャレンジして頂きたいと思います。