司法書士YouTuber「加陽麻里布(かようまりの)」の気になる実態とは?直接取材しました!
「司法書士の実態についてよく知りたい!」
現在司法書士を目指して学習を進めている方の中には、このような考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は司法書士YouTuberの先駆者として数々のメディアにもご出演なさっている加陽麻里布様に司法書士の実態についてインタビューしてきました!
ここでしか聞けないお話も盛りだくさんですので、ぜひ最後までご覧ください!
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司法書士の仕事
司法書士の仕事内容
本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。 資格Timesを運営しております、加藤と申します。
本日はどうぞよろしくお願い致します。
永田町司法書士事務所で代表を務めております、加陽麻里布(かようまりの)と申します。
本日はよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
はじめに、加陽様が現在どのようなお仕事をされているのかについて、教えていただいてもよろしいでしょうか?
現在は、法人登記業務を中心に、相続や裁判事務など、専門的な業務を行なっています。
法人登記業務というのは、主に法人の設立や組合の組成手続きをメインで行うものです。
その他には、会計士の先生など他士業の先生と連携し、増資やストックオプションの発行手続き等をメインの業務としております。
他にも裁判事務手続きをしており、弁護士の先生に依頼するほどではない少額の債権等の回収の引き受けや、予防法務で企業のリーガルチェックを行うことなど、様々行なっています。
また最近では、SNSの風評被害など相談も多く、発信者情報開示手続きの資料作成も行っております。
司法書士の先生はかなり幅広く業務を行なっているという認識でしょうか?
そうですね。
基本的に司法書士は弁護士の先生とは異なり、何かに特化することはなく、なんでも取り扱うのが大前提ですね。
登記に関することなら、実際はどうであっても、ジャンル関係なく司法書士=できると見られるのが当たり前です。
加陽様の現在のお仕事内容についてより詳しく知りたい方は、加陽様が代表をされている「永田町司法書士事務所」のHPもぜひご覧ください!
司法書士事務所の強み
司法書士は、オールマイティに業務を引き受けることが当たり前とされているため、他の士業事務所と業務面での差別化を図るのが難しいと思います。
他の事務所に対して、どのような観点から競合優位性を持っていらっしゃるのか、教えていただけますか?
我々の事務所の競合優位性としては、他士業の人といかに連携できるかという ところであると考えています。
みなさん、何をどこに頼めばいいか正確に分かる方は少なく、いかにワンストップサービスを提供できるかが大事です。常にお客様ファーストです。
税理士など他士業の先生方からお仕事をいただくことも多く(逆に依頼することも多く)、他士業の先生との繋がりは非常に重要になってきます。
司法書士の先生にとっては人脈がとても重要なんですね。
そうですね。人脈づくりは力を入れています。
私自身は、他士業の先生との飲み会などにできるだけたくさん参加することで、先生方との交流を広げるようにしてきました。
コロナで飲み会などができない中、開業している人たちはどうやって人脈を作っているのか、気になりますね。
キャリアについて
加陽麻里布様のキャリアについて
続いて、加陽様の司法書士取得までのキャリアについて教えていただいてもよろしいでしょうか?
私は最終学歴が高卒なのですが、一念発起して20歳の頃に宅建士の試験に挑戦し合格しました。
その後は不動産会社に就職したのですが、その会社が超体育会系企業でした。電話営業するのですが、朝は椅子が無くて立ちっぱなしでひたすら電話をかけまくります。アポイント取れた順から席に座れるルールでした。
当時は、不動産を死ぬ気で売ってました。歩合を入れて1か月の給料は22歳で80万を超えました。
だけど毎月胃が痛くて仕方ありませんでした。お金を得ても全然幸せになれなくて人生を見つめ直すようになりました。
もともと起業したいという気持ちはあったものの、何をしたらいいか分かりませんでした。
そこで、20歳の頃の宅建士試験合格という小さな成功体験があったので、資格で起業しようと思いました。
学歴不問で受験できて起業しやすい資格という条件で消去法で出会ったのが司法書士でした。
24歳の頃に司法書士になろうと決意し、不動産会社を退職しました。
不動産会社での勤務が今後のキャリアを見つめなおすきっかけになったのですね。
資格取得後についても教えていただいてよろしいでしょうか?
資格取得後は研修に半年ほど通い、その後は司法書士事務所に9ヶ月間勤務していました。
その頃から独立すると決めて勤務していたので、自分の色はすべて消して先生のやり方を学ぶことに専念していました。
司法書士資格取得者のキャリアについて
司法書士資格取得後のキャリアとしては、主にどのようなものがあるのでしょうか?
まずは半年ほどの研修を経て、その後は司法書士事務所に就職するか、独立する人が多いと感じます。
他には、予備校講師になる人、サービサーに勤務する人、企業内司法書士になる人など、さまざまな働き方があると思います。
最近、司法書士試験合格者を対象にした法務局の職員求人等もありました。なので合格すると法務局の職員にもなれます。
司法書士資格を取得すると様々なキャリアを選択することができるんですね。
仕事に困ることは基本的にないのでしょうか?
司法書士であれば、日当3万円のアルバイト(業界用語で言うといわゆる決済ヘルプ)などありますので、仕事に困ることはないですね。
国・地方公共団体からの仕事もありますよ。
独立の流れ、苦労について
独立までの主な流れを教えていただけますでしょうか。
基本的には、資格取得後に半年ほど研修を行い、その後は事務所で働いてから独立する、という場合が多いです。
意外と短い期間で独立することができるんですね。独立に際して苦労された場面などがあれば教えていただきたいです。
司法書士の独立はPC1台あればできてしまうほど手軽にできるものなので、あまり苦労したことというのは実はないかもしれないです(笑)
むしろ独立が手軽すぎて、そこに感動すらしました。 10万円もあれば独立できるんです。
ただ、独立したての頃は案件の取り方が分からず、苦労しましたね。そこで、私は自分を認知してもらう場としてYouTubeに挑戦してみることにしました。
YouTubeを始めたことで、反響はありましたか?
YouTubeの施策は、うまく当たって多くの案件を継続して依頼していただくようになりました。
独立後すぐ、相続事業専門のとある税理士事務所様とご縁があり、順調に売上を伸ばし、有難いことに永田町の一等地へ事務所を移転するにまで至りました。
独立当初からYouTubeを始めることで、仕事の追い風になったのですね!
現在はYouTubeで仕事が取りやすくなっていると言えるのでしょうか?
今は多くの士業の先生がYouTubeをされています。 以前は、YouTubeに対してあまりいいイメージを持たない先生もいらっしゃいました。
士業の先生は保守的な方が多い印象なので、新しいものが入ってくる際にはいい顔をしない方も多いのです。
私の場合は、まだYouTubeが一般的になっていない段階で始めたことで認知度を急速に高めることができたため、トライしてよかったと感じています。
若さゆえに苦労した場面も
独立以外においても、何か苦労されたポイントはありますでしょうか?
司法書士業界では私の年齢は低い方なので、それによって苦労することはありました。
司法書士は合格者の平均年齢が約40歳なので、同じ経験年数であっても年齢が上の方の方が信頼してもらいやすいのです。
心理的な問題だとは思いますが、私を見て「大丈夫なの?」という顔をされてしまうこともありました。
それに対して、どのように対応されたのでしょうか?
人間の心理ですので仕方ないと思い、財産管理等の仕事はもっと年齢を重ねてから扱うと割り切りました。現在は、法人のお客様をメインにしています。
そのように柔軟にご対応されているのですね。
このような背景から、司法書士は年齢が上の方にとって有利な資格ということなのでしょうか?
そうですね。50・60代の方でも絶対に就職先は見つかりますので、いつから勉強を始めても遅くはありません。
独立に向いている人の特徴
独立に向いている方の特徴について教えていただけますでしょうか?
一概に独立に向いている人の特徴があるというわけではないと思っています。
そもそも司法書士は、独立前提の資格といっても過言ではありません。
明確な適正というものはないのですね。
独立について検討する方は多くいらっしゃるのでしょうか?
すごく多いと思います。
司法書士は独立することが一般的なので、同業者が独立していく機会も本当に多いです。そうすると、自分も独立しようか、と考えることが多いですね。
多くの方が独立されるということですが、「もし独立に失敗してしまったら・・・」という不安はないのでしょうか?
その心配はあまり必要がない気がします。
というのも、私も独立した際は自宅のワンルームマンションで行いましたし、金銭的な負担もないので迷うなら独立してみていいと思います。
もしうまくいかなかった場合にも、事務所勤務に戻ってもいいですし、他にも先ほど申し上げた通り様々な働き方があり、業界全体としても人手不足なので、仕事には困ることがないと感じますね。
仕事に困らないのは司法書士最強の魅力だと感じているので、司法書士を選んで良かったなといつも思っています。
司法書士の勉強について
資格取得にあたってはどのくらいの時間勉強されていたか、教えていただくことはできますか?
私は2年間で司法書士資格を取得したのですが、通常12・13時間ほど勉強していました。
直前期は18時間ほど勉強していましたね。ご飯の時も、お風呂に入っているときも、トイレの中でも勉強してました。
寝てる時間以外は勉強でしたね。末期は夢の中でも勉強していたので、24時間でした(笑)
それくらい勉強をしていたので、直前期は覚えたことを忘れないよう、1日も早く 試験を受けたくてたまなくて、常に試験が待ち遠しかったです。
それはすごいですね。そんなに長い時間勉強を続けるモチベーションはどのように保たれていたのでしょうか?
私は1回目の試験で不合格だったので、経済的状況を考えても受からなきゃ、と思っていましたし、精神的にナーバスになっていました。
1回目の試験で失敗してしまった原因が自分の精神の弱さだと考えていたので、それをどうしても克服したいと思っていました。
だから疑いがなくなるまで頑張らないと、と思えましたし、受験期は無駄な時間を過ごさないように、とスマホも1年以上も封印していましたね。
勉強をする中で苦労されたポイントなどはあったのでしょうか?
やはりそれも精神面ですね。
勉強期間が1年以上に及ぶので、モチベーションが下がってしまったり、落ちたらどうしようと思ったりする時期もあります。
周りを見て不安になる時も、自分は絶対受かるんだという気持ちを持つことが1番重要でした。
勉強がわからないことによる苦労は、周りを見ていてもあまりなかったと思います。
加陽様のYouTubeでは気になる受験生時代のお話など、司法書士を目指される方に必見のコンテンツが満載です。
ぜひ一度ご覧になってみてください!
合格のための勉強のコツ
司法書士試験の勉強のコツなどがあれば、教えていただけますでしょうか?
合格法のコツとして、私は2つの要素があると考えています。
1つ目が素直でいること、2つ目が1人の先生を信じてついていくことです。
周りを見ていても、素直に先生の言うことを聞き、愚直に努力できている人は合格していました。
先生というのは、講義を取った先生のことで、その1人を信じることが大事だと感じます。
逆に、この勉強法はダメであると考えるものはありますか?
自分独自のやり方を確立させてやってしまうことだと思います。
勉強をはじめてある程度時期が経つと、自分のやり方でやるようになってしまう生徒もいますが、そういう生徒は概してあまりうまくいっていなかったですね。
司法書士の今後について
司法書士の将来性について
司法書士の将来性は低いという声も出ていますが、これに関してはどうお考えでしょうか?
確かに業務によってはAI等にとってかわられる部分もあると思います。
しかし、手続きなどのAIに任せられる仕事はAIに任せるとしても、公証機能は残るのではないかと考えています。
やはり士業には取引の安全性を担保する存在であってほしいですね。
同時に、AIの発展に伴って新しい仕事が生まれるとも思います。 そこで必要とされる能力をつければ生き残っていけると考えますね。
しっかりと自身の能力を磨いていくことで、司法書士の仕事は将来的にも大丈夫だと考えていらっしゃるのですね。
どんな時代であっても、自分自身がどう行動していくかによって、必要としてもらえる存在になれると考えています。
司法書士業界の課題について
今後の業界としての課題などございましたら、教えていただければと存じます。
コロナ禍において、士業全体としてはDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだのですが、それに対して司法書士業界は遅れているなと感じます。
司法書士界はコロナの状況下でも変わらず対面で本人確認を取ることが必須だったので、高齢者の方や施設に入られている方とは面会できず、仕事が滞ってしまうこともありました。
今後それに対して、どのような対応をしていくことが必要だとお考えですか?
今の段階ではこの状況をどうにかしないと、という流れがない状態だと感じています。
なので、私自身も今年から司法書士会の理事として、司法書士界のIT化が進んでいくように、環境を変えていきたいと思っています。
司法書士受験者へのメッセージ
最後に、司法書士受験者の方にメッセージをお願いします。
司法書士の試験は厳しいですし、勉強も1日10時間以上やらないといけないので、とても大変だと思います。
でも、それだけの努力をする価値があると思いますし、それを乗り越えられたら独立はきっと簡単に思えるはずです。
絶対に受かるんだという気持ちを持って、頑張って欲しいです!
応援しています!
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございます。