電気工事士の平均年収はいくら?一種・二種の相場の差や給料アップの方法まで解説!

「電気工事士って年収どれくらい?」

「電気工事士資格を取得すれば独立できるの?」

こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

電気工事士はスキルを求められる仕事ですから、資格の取得によって仕事内容や会社での立場がかわり、そのことで給料も大きく変化します。

この記事では電気工事士の給料事情や資格と仕事の関係、給料アップの方法まで解説しますので、資格取得や独立を目指す際の参考にしてください。

電気工事士の平均年収をざっくり説明すると

  • 平均年収の相場は400万~500万円
  • 第2種電気工事士を取得すると、年収は48,000~360,000円程度増加
  • 第1種電気工事士を取得すると、年収は84,000~720,000円程度増加
  • 独立した電気工事士の平均年収500万円~1,000万円程度

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電気工事士の平均年収の相場は400万~500万円

時と硬貨

電気工事士の平均年収(39.4歳・勤続12年)は、400万~500万円程度と言われています。

しかし、会社規模や仕事内容によっては、この平均年収を下回る場合もあれば800万~1,000万円の高い年収の電気工事士も存在するのが実情です。

以降では、まず、電気工事士の給与について解説します。

見習いから給料がアップしていく給与形態

電気工事士として働きはじめた当初は、一般企業と同じように年齢を基準に設定された給与が支給されることから、年収は250万~350万円程度です。

その後、資格取得や実務経験を積むことで一人前になると、400万~500万円位の年収が得られるまで昇給します。

この電気工事士の給料を構成しているのは、次の2つの要素です。

1つは年齢や勤務年数で決定される「基本給」で、他の1つは会社が推奨する国家資格を取得することで支給される「手当 」です (手当ではなく基本給を昇給させる会社もあります)。

したがって、電気工事士の給料は、『まじめに働いて経験年数を積むだけではなく、資格を取得して仕事の幅が広がれば昇給する』といった給与体系にもとづいて決定されます。

種類による平均年収の違い

硬貨

電気工事士として同じ会社で同じ年数の勤続をしても、「取得資格の違い」や「立場や役職の違い」などによって年収に違いが生じます。

以降では、資格取得・立場や役職の違いで、平均年収にどの程度の違いが生じるかを解説しましょう。

第1種、第2種の違い

電気工事士として仕事をする人は電力会社・電気工務店・ビル管理会社などに就職し、電気工事士の見習いとしてスタートします。

この電気工事士としての資格を持たない見習い期間中の平均年収は、約320万円前後が相場です。

見習いで働く人の多くは、この期間を利用して日常の仕事以外に勉強に取り組み、第2種電気工事士資格を取得します。

第2種電気工事士は、主に一般家庭や小規模店舗などでの電気設備工事などの作業を行うことができる資格です。

この第2種電気工事士資格所有者の平均年収は約450万円前後ですから、見習い時に比較して130万円の年収増を実現できます。

さらに、500kW未満の電気設備工事や管理・監督などに従事できる第1種電気工事士資格を取得すると、平均年収は550万円前後まで増えるのです。

つまり、第2種電気工事士が第1種電気工事士資格を取得することで、年収は約100万円増えます。

取得した電気工事士資格の種類によって平均年収にどの程度の違いがあるかは、次のとおりです。

  • 資格取得をしていなければ約320万円前後
  • 第2種電気工事士であれば約450万円前後
  • 第1種電気工事士であれば約550万円前後

立場による違い

電気工事士の仕事に就いた人は、社員として勤めている間に、3つの立場を経験するのが一般的です。

この立場の違いによって、仕事上の責任や権限だけではなく年収も大きく変化します。

年収の違いを生む3つの立場は、次のとおりです。

  1. 見習いや新入社員として上司や先輩の指示どおりに作業をする立場

  2. 一定のキャリアを積んだ電気工事士として、上司の指示・命令にしたがって作業をする立場

  3. 監督クラスや責任者・役職者として、部下を使って作業を推進する立場

こうしたそれぞれの立場における年収は、次のとおりです。

  1. 250万~350万円

  2. 300万~500万円

  3. 400万~600万円以上

なお、電気工事士の場合、これら3つの立場以外に「会社から独立した立場」の人がいます。

会社から独立し、個人事業主として電気工事士の仕事をする「一人親方」と呼ばれる人です。

この独立した電気工事士の年収は400万〜700万円ですから、会社勤めの電気工事士が独立して成功すれば、さらに大きな収入アップの可能性があります。

働き方による年収の違い

仲間

年収の違いは「取得資格の違い」や「立場や役職の違い」だけではなく、「企業規模」や「会社勤めと独立」といった働き方によっても違いが生まれます。

以降の見出しからの記事は、「働き方による年収の違い」についての解説です。

企業の規模

電気工事士が働いている企業の規模は、個人経営の小規模な電気工事屋から大企業までさまざまです。

給与水準は規模の大きい企業の方が高いのですが、年収においては労働時間が関係することから、年収も規模の大きい企業ほど高額であるとは言い切れません。

厚生労働省の2019年度「賃金構造基本統計調査」によれば、電気工事士の企業規模別の年収は次のとおりです。

企業規模 平均年収
10〜99人 467万円
100〜999人 442万円
1,000人以上 568万円

企業規模別の年収は大企業ほど高額と思われていますが、上表のとおり、現実には100〜999人規模の企業より10〜99人規模の企業の方が高額です。

これは、10〜99人規模の企業の給与水準が高いのではなく、時間外労働や休日出勤といった労働時間が長いことに因ります。

とはいえ、この表から明らかなことは、1,000人以上の大企業における電気工事士の年収が圧倒的に高額であることです。

独立している場合

会社勤めの電気工事士と独立して仕事をしている電気工事士では、年収に違いがあります。

会社勤めを辞め、電気工事業界や建設業界で個人事業主として働くことが「独立」です。

会社勤めの電気工事士の平均年収は400万~500万円程度ですが、独立している電気工事士の平均年収は400万〜700万円(調査機関によっては500万~1,000万円)と言われています。

独立することで会社勤めの電気工事士よりも年収が高額になるのには、それだけの理由があります。

独立すると、営業活動・打合せ・工事施工などの作業も、事業に係る経理や庶務の実務も自分一人で処理しなければなりません。いわば24時間体制で仕事をしなければならないのです。

会社勤めの時のような「労働時間」や「仕事量」よりもはるかに長時間で多量の仕事をこなさなければ会社は成り立たたず、独立は失敗に終わってしまいます。

なお、独立した電気工事士の年収が高いのは事実ですが、これは独立に成功した電気工事士の平均年収であり、失敗した電気工事士の年収は含まれていない点に注意してください。

電気技師として高収入を得るには?

収入

電気工事士の年収は、取得資格・立場・役職や実務経験・会社員勤務か独立事業か、といった要因によって違いが生じることについては、すでに解説したとおりです。

ですから、電気工事士が高収入を得るには、年収の多くなる要因を備えること、身に付けることが必要になります。

以降の見出しからの記事では、電気工事士が電気技師として高収入を得るための代表的な2つの方法を解説しましょう。

第1種の資格をとる

電気工事士が高収入を得るための一番確実な方法は、国家資格である第1種と第2種の電気工事士資格を取得することです。

第2種を取得すると一般住宅や小規模店舗などでの電気設備工事などに従事でき、第1種取得すると500KW未満の電気設備工事などの基本的な工事のすべてを施工できます。

つまり、第1種資格を持つ電気工事士が担当する仕事は第2種に比べて本格的で重要なうえ、高額な案件が多くなるのです。

そのことから、第1種電気工事士には、第2種電気工事士よりも高い給与が支払われます。

電気工事士の資格を取得すればどの程度の収入増が期待できるかは、前述の「種類による平均年収の違い」の見出しの記事で解説したとおりです。

具体的には、第1種電気工事士資格を取得すると、年間で84,000~720,000円程度収入が増えます。

独立する

電気工事士は独立しやすい職業で、2種電気工事士でも3年以上の実務経験があれば独立できますし、1種電気工事士の資格があればすぐにでも独立開業ができます。

「独立する」ことは、電気工事士として高収入を得る働き方の1つです。

会社勤務の電気工事士の平均年収は400万~500万円程度と言われるのに対し、独立している電気工事士は平均400万〜700万円程度の年収を得ています。

また、ネット上には提供されている独立している電気工事士の年収は500万~1,000万円程度とする情報だけで判断すれば、独立しない手はありません。

しかし、独立している電気工事士の平均年収の情報には、「独立に成功すれば・営業に成功すれば」といった条件設定が欠落していることに注意する必要があります。

独立すればだれでもが成功する、といったことではありません。

なお、独立を成功させるためには、独立したときの営業でのセールスポイントになる「スキルと資格」を会社勤務期間中にしっかりと身に付けておくことが大前提です。

原則として経理や備品管理などの仕事も、自分でこなさなければなりません。

さらに、労働時間は受注量とお客の都合に合わせざるを得ないので、いわば24時間体制で働きます。

なお、独立を成功させるためには、独立したときの営業でのセールスポイントになるスキルと資格を会社勤務期間中にしっかりと身に付けておくことが必要です。

電気工事士の平均年収はいくら?のまとめ

電気工事士の平均年収についてのまとめ

  • 平均年収の相場は400万~500万円(平均年齢39.4歳・平均勤続12年)
  • 第2種を取得すると年間4.8万~36万円程度増加し、年収は300万~500万円
  • 第1種を取得すると年間8.4万~72万円程度増加し、年収は400万~600万円
  • 独立に成功した電気工事士の平均年収は500万円~1,000万円程度

電気工事士の平均年収に関連して、資格の種類による年収の差や給料アップの方法といったさまざまな事項を解説してきました。

電気工事士にとっては、収入アップを目指す上でも独立を目指す上でも、電気工事士資格の取得は必須です。

無資格であれば第2種を、第2種を持っていれば第1種電気工事士資格の取得を目指した取組みを、ぜひ、すぐにスタートさせましょう!

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