【一種・二種】電気工事士の合格率は?受験者数の推移や試験難易度の実態を調査!
「電気工事士の合格率ってどれくらい?」
「第1種と2種で差はあるの?」
そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
電気工事士は電気工作物の作業をするのに必要な国家資格です。国家資格=難関試験というイメージもありますが、実は電気工事士の合格率は比較的高いです。
この記事では、そんな第1種、第2種電気工事士の合格率や受験者数の推移、難易度の実態、勉強時間の目安について解説していきます。
読み終わった頃には、電気工事士試験の合格率について明確に理解し、電気工事士試験に対する正しい向き合い方が分かるはずです!
電気工事士の合格率をざっくり説明すると
- 合格率は比較的高い
- 第2種の合格率は筆記試験が50%強~60%程度、技能試験は65~75%程度の年が多い
- 第1種の合格率は筆記試験が合格率は50%強、技能試験は60%前後の年が多い
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電気工事士試験の合格率の推移
電気工事士資格を取得するためには、1次の筆記試験に合格後、二次の技能試験を突破しなくてはなりません。
上記のグラフから、例年電気工事士試験の合格率は、筆記試験が60%前後、技能試験が70%前後であり、年によって大きな変動がないことが分かります。
また電気工事士には、1種と2種があります。1種は一般用電気工作物と最大電力500 キロワット未満の需要設備の自家用電気工作物の作業ができます。2種は、一般用電気工作物の作業が可能になります。
他の技術系試験の合格率との比較
電気に関係する国家資格には、電気工事士のほかに電気主任技術者があります。電気主任技術者の中でも一番下級の、電験3種の合格率は例年8%前後です。
また消防設備士試験の合格率はおおよそ、丙種で50%前後、一番受験者の多い乙4種で40%前後、4種以外の乙種では65%前後のことが多いです。一番上級の甲種の合格率は例年40%前後で推移しています。
1次、2次合わせた合格率が、第2種電気工事士試験は例年40%程度、第1種電気工事士試験は30%程度のことを考えると、ほかの資格と比べて難易度の高い資格ではないと言えるでしょう。
筆記試験の免除制度も
2次の技能試験で落ちた場合、次の回のみ筆記試験が免除になります。申し込み時に申請が必要ですが、技能試験対策だけに集中できるため合格しやすくなるでしょう。
電気工事士の筆記試験、技能試験単体の合格率は60~70%あることからも、対策を怠らなければ合格が期待できる試験だと言えるでしょう。
電気工事士試験の種類別の合格率は?
電気工事士試験の合格率は例年、筆記試験が60%程度、技能試験が70%程度です。電気工事士試験は1種と2種があるため、種類別に解説していきます。
第2種の筆記試験は50%強~60%程度の回が多いです。近ごろでは毎年12万人以上が筆記試験を受けており、そのうち約7万人が突破しています。また技能試験は例年8万5千人程度が受けており、6万人程度受かっています。合格率はおよそ65~75%です。
第1種の筆記試験を近年は毎年4万人以上が受験しています。そのうち合格者は2万人程度であり、合格率はおよそ50%強となっています。
第1種技能試験は例年筆記試験の合格者と筆記試験免除者合わせて2万人程度が受験し、約1万2千~1万5千人が合格しています。合格率は60%前後です。合格率15%以下の国家資格も多いため、比較的取得しやすい国家資格と言えるでしょう。
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120万→12万などガイドラインの人数ゼロが一つ多かったものは、減らしています。https://www.shiken.or.jp/situation/s-construction02.html
第2種筆記試験の受験者数・合格率の推移
平成24から令和4年までの11年間における、筆記試験の申込者数、受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。
年度 | 期 | 筆記申込者数 | 筆記受験者数 | 筆記合格者数 | 筆記試験合格率 |
---|---|---|---|---|---|
平成24年 | 上期 | 84,334 | 78,060 | 45,392 | 58.15% |
平成24年 | 下期 | 29,002 | 21,665 | 12,644 | 58.36% |
平成24年 | 計 | 113,346 | 99,725 | 58,036 | 58.20% |
平成25年 | 上期 | 90,791 | 83,746 | 52,758 | 63.00% |
平成25年 | 下期 | 34,644 | 25,818 | 15,630 | 60.54% |
平成25年 | 計 | 125,435 | 109,564 | 68,388 | 62.42% |
平成26年 | 上期 | 86,242 | 79,323 | 49,312 | 62.17% |
平成26年 | 下期 | 35,063 | 26,205 | 12,960 | 49.46% |
平成26年 | 計 | 121,305 | 105,528 | 62,272 | 59.01% |
平成27年 | 上期 | 85,749 | 79,002 | 49,340 | 62.45% |
平成27年 | 下期 | 48,160 | 39,447 | 20,364 | 51.62% |
平成27年 | 計 | 133,909 | 118,449 | 69,704 | 58.85% |
平成28年 | 上期 | 81,444 | 74,737 | 48,697 | 65.16% |
平成28年 | 下期 | 48,722 | 39,791 | 18,453 | 46.37% |
平成28年 | 計 | 130,166 | 114,528 | 67,150 | 58.63% |
平成29年 | 上期 | 78,199 | 71,646 | 43,724 | 61.03% |
平成29年 | 下期 | 48,930 | 40,733 | 22,655 | 55.62% |
平成29年 | 計 | 127,129 | 112,379 | 66,379 | 59.07% |
平成30年 | 上期 | 82,472 | 74,091 | 42,824 | 57.80% |
平成30年 | 下期 | 58,743 | 49,188 | 25,497 | 51.84% |
平成30年 | 計 | 141,215 | 123,279 | 68,321 | 55.42% |
令和元年 | 上期 | 84,529 | 75,066 | 53,026 | 70.64% |
令和元年 | 下期 | 54,794 | 47,200 | 27,599 | 58.47% |
令和元年 | 計 | 139,323 | 122,266 | 80,625 | 65.94% |
令和2年 | 上期 | - | - | - | - |
令和2年 | 下期 | 121,951 | 104,883 | 65,114 | 62.08% |
令和2年 | 計 | 121,951 | 104,883 | 65,114 | 62.08% |
令和3年 | 上期 | 95,351 | 86,418 | 52,176 | 60.38% |
令和3年 | 下期 | 79,274 | 70,135 | 40,464 | 57.69% |
令和3年 | 計 | 174,625 | 156,553 | 92,640 | 59.17% |
令和4年 | 上期 | 88,008 | 78,634 | 45,734 | 58.16% |
令和4年 | 下期 | 75,728 | 66,454 | 35,445 | 53.34% |
令和4年 | 計 | 163,736 | 145,088 | 81,179 | 55.95% |
筆記試験申込者数は、筆記試験免除者を含んでいません。
上記の表から、年度合計の合格率は60%前後で、毎年下期より上期の方が多くの人が受験していることが分かります。また上期と下期を比較すると、ほとんどの年で上期の方が高い合格率になっています。
また平成24年度と令和4年を比較すると年間の受験者数が若干増加傾向にあることが分かります。
第2種技能試験の受験者数・合格率の推移
平成24から令和4年までの11年間における、第2種電気工事士技能試験の申込者数、受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。
年度 | 期 | 技能申込者数 | 技能受験者数 | 技能合格者数 | 技能試験合格率 |
---|---|---|---|---|---|
平成24年 | 上期 | 64,086 | 60,961 | 43,748 | 71.76% |
平成24年 | 下期 | 15,702 | 14,244 | 9,334 | 65.53% |
平成24年 | 計 | 79,788 | 75,205 | 53,082 | 70.58% |
平成25年 | 上期 | 70,529 | 66,975 | 52,339 | 78.15% |
平成25年 | 下期 | 19,021 | 17,206 | 11,661 | 67.77% |
平成25年 | 計 | 89,550 | 84,181 | 64,000 | 76.03% |
平成26年 | 上期 | 66,274 | 62,919 | 47,447 | 75.41% |
平成26年 | 下期 | 16,582 | 14,962 | 10,304 | 68.87% |
平成26年 | 計 | 82,856 | 77,881 | 57,751 | 74.15% |
平成27年 | 上期 | 63,262 | 60,650 | 43,547 | 71.80% |
平成27年 | 下期 | 25,458 | 23,422 | 15,894 | 67.86% |
平成27年 | 計 | 88,720 | 84,072 | 59,441 | 70.70% |
平成28年 | 上期 | 65,236 | 62,508 | 46,317 | 74.10% |
平成28年 | 下期 | 24,509 | 22,297 | 15,899 | 71.31% |
平成28年 | 計 | 89,745 | 84,805 | 62,216 | 73.36% |
平成29年 | 上期 | 58,385 | 55,660 | 39,704 | 71.33% |
平成29年 | 下期 | 28,319 | 25,696 | 16,282 | 63.36% |
平成29年 | 計 | 86,704 | 81,356 | 55,986 | 68.82% |
平成30年 | 上期 | 59,032 | 55,612 | 38,586 | 69.38% |
平成30年 | 下期 | 43,490 | 39,786 | 25,791 | 64.82% |
平成30年 | 計 | 102,522 | 95,398 | 64,377 | 67.48% |
令和元年 | 上期 | 62,168 | 58,699 | 39,585 | 67.44% |
令和元年 | 下期 | 45,147 | 41,680 | 25,935 | 62.22% |
令和元年 | 計 | 107,315 | 100,379 | 65,520 | 65.27% |
令和2年 | 上期 | 7,236 | 6,884 | 4,666 | 67.78% |
令和2年 | 下期 | 70,216 | 66,113 | 48,202 | 72.91% |
令和2年 | 計 | 77,452 | 72,997 | 52,868 | 72.42% |
令和3年 | 上期 | 69,577 | 64,443 | 47,841 | 74.24% |
令和3年 | 下期 | 55,035 | 51,833 | 36,843 | 71.08% |
令和3年 | 計 | 124,612 | 116,276 | 84,684 | 72.83% |
令和4年 | 上期 | 57,715 | 53,558 | 39,771 | 74.26% |
令和4年 | 下期 | 48,159 | 44,101 | 31,117 | 70.56% |
令和4年 | 計 | 105,874 | 97,659 | 70,888 | 72.59% |
申込者数は、筆記試験の合格者と筆記試験免除者を足した数となっています。
合格率が60%を下回った回はなく、安定して高い合格率で推移していることが伺えます。また毎年上期の方が下期より、受験者数が大幅に多く、合格率も高いことが分かります。
第1種筆記試験の受験者数・合格率の推移
平成27から令和4年までの8年間における、第1種電気工事試験筆記の申込者数、受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。
年度 | 筆記申込者数 | 筆記受験者数 | 筆記合格者数 | 筆記試験合格率 |
---|---|---|---|---|
平成27年 | 43,611 | 37,808 | 16153 | 42.72% |
平成28年 | 45,054 | 39,013 | 19,627 | 50.31% |
平成29年 | 44,379 | 38,427 | 18076 | 47.04% |
平成30年 | 42,288 | 36,048 | 14,598 | 40.50% |
令和元年 | 43,991 | 37,610 | 20,350 | 54.11% |
令和2年度 | 35,262 | 30,520 | 15,876 | 52.01% |
令和3年度 | 46,144 | 40,244 | 21,542 | 53.52% |
令和4年度 | 43,059 | 37,247 | 21,686 | 58.22% |
毎年4万人以上の人が受験し、合格率は40%以上です。高い年では、半数以上が合格することもあります。受験者数は近年あまり変動がありません。
第1種技能試験の受験者数・合格率の推移
第1種電気工事試験の2次である技能試験の申込者数、受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。
年度 | 技能申込者数 | 技能受験者数 | 技能合格者数 | 技能試験合格率 |
---|---|---|---|---|
平成24年 | 17,835 | 16,988 | 10,218 | 60.15% |
平成25年 | 20,850 | 19,911 | 15,083 | 75.75% |
平成26年 | 20,612 | 19,645 | 11,404 | 58.05% |
平成27年 | 22,935 | 21,739 | 15,419 | 70.93% |
平成28年 | 24,776 | 23,677 | 14,602 | 61.67% |
平成29年 | 25,670 | 24,188 | 15,268 | 63.12% |
平成30年 | 21,134 | 19,815 | 12,434 | 62.75% |
令和元年 | 25,265 | 23,816 | 15,410 | 64.70% |
令和2年度 | 22,314 | 21,162 | 13,558 | 64.06% |
令和3年度 | 26,973 | 25,751 | 17,260 | 67.02% |
令和4年度 | 28,263 | 26,578 | 16,672 | 62.73% |
申込者数は、筆記試験の合格者と筆記試験免除者を足した数となっています。
ほとんどの年で合格率が60%を超えています。このことから難易度はそれほど高くなく、合格の期待できる試験だといえるでしょう。
電気工事士試験の合格率が低い理由
電気工事試験で苦戦するポイントを解説します。
2つの試験形式に対応が必要
電気工事資格を取得するためには、筆記試験と技能試験の両方に合格しなければなりません。
筆記試験はマークシート方式で行われ、試験範囲に合わせて暗記する必要があります。一方技能試験では、与えられた材料を使って実際に作品を作ります。それぞれの試験対策が必要であり、勉強する範囲も広くなります。
そのため、1つの試験に合格すればいい資格よりも難易度が高く、合格率を下げる要因になっていると考えられます。
試験科目が多め
電気工事士は、試験科目が比較的多い試験です。
第2種電気工事士の筆記試験は、
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論および配線設計
- 電気機器、配電器具ならびに電気工事用の材料および工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
の7科目から出題されます。
また、第1種工事士筆記試験の試験科目は9つもあります。そのため、幅広い知識を身につけなければならず、暗記量の多さに苦戦する人も多いです。
勉強不足の受験者も多い
第2種電気工事士試験は年2回、第1種電気工事士試験は年1回行われます。開催回数が少ないため、スケジュール調整が難しく、勉強不足のまま挑むことになる受験者も一定数います。
取得を目指し始めた時期によっては、「もしかしたら受かるかもしれないし、1年待つよりとりあえず挑戦してみよう」という人もいるでしょう。
そのため、実際の難易度よりも合格率が低くなっている面もあると考えられます。
合格率は今後も一定?
今後の合格率が気になる人も多いでしょう。未来のことなので確定ではありませんが、これまでの流れからある程度一定なのではないかと推測されます。
その理由を詳しく解説していきます。
合格基準は一定
電気工事士試験の合格ラインは、試験結果発表予定日に公表されます。事前に公開されていません。
ただ、第1種・第2種ともに例年筆記試験の合格ラインは100点満点中60点程度であり、安定しています。調整がある年でも数点合格ラインが下がるだけであり、今後も大きく変わることはないと考えられます。
60点を合格ラインの目安とし、それ以上を目指して勉強していくのがよいでしょう。
試験自体の難易度・形式もほぼ変わらない
筆記試験は、第1種・第2種ともに毎回マークシート方式で行われています。
またこれまで出題範囲の大きな変更もありません。第2種の場合、基礎問題から5~8問出るなど、ある程度傾向が決まっています。試験自体の難易度や形式が同じであれば、合格率の大きな変動は起こりにくいと考えられます。
電気工事士の対策テキストや通信講座は例年の問題を分析したうえで作られているものが多いので、上手に活用し効率よく勉強しましょう。
電工試験の本当の難易度
電気工事士試験、通称電工試験の本当の難易度や、必要な勉強時間、勉強法について解説していきます。
電気系資格の中では手頃な難易度
電気工事士試験は、国家資格であることを考えると、比較的難易度の低い試験であるといえます。
同じ電気系の国家資格である電気主任技術者試験は第3種の合格率が10%前後と難関です。
1次突破後に受ける技能試験の合格者は、第2種電気工事士は毎年6万人程度、第1種電気工事士は毎年1万人以上おり、努力次第で合格が狙える資格です。
合格に必要な勉強時間は
電工第2種の筆記試験対策に必要な勉強時間の目安は、50~100時間です。基礎知識や覚える速度に差があるため、個人差も大きいです。
また、第2種の技能試験対策に必要な時間の目安は、50時間程度です。筆記試験から技能試験まで2ヵ月程度空くことから、筆記試験に合格してから本腰を入れて勉強を始めるという人も少なくありません。
電工第1種試験は第2種より勉強時間が必要です。電工第2種の約1.2~1.5倍時間がかかると考えておくとよいでしょう。
独学でも合格できる?
電気工事士試験では、電気工事に関する幅広い知識が必要になります。電気の理論自体が難解なため、独学だと苦戦する人も多いです。
また、技能試験では実際に工具を使い作品を作ります。独学で合格できないことはないですが、勉強しにくい試験だと言えるでしょう。
そのため、「短期間で合格したい」、「効率よく取得したい」という人は、通信講座などを活用するのがおすすめです。動画付きの講座なら、作業をスムーズにイメージしやすいため、勉強もはかどることでしょう。
おすすめの電気工事士試験対策講座は?
電気工事士の中でも、特に受験者の多い第2種の対策の際の通信講座として、ユーキャンの第二種電気工事士講座をおすすめします。
この講座はとにかくわかりやすさを追求しており、見やすいレイアウトとわかりやすくかみ砕いた説明によって基礎からしっかり実力をつけることができます。
また、図表を豊富に用いた説明により、文章では理解しづらい情報も瞬時に納得した形で理解することができるのです。
質問対応など、学習サポートも充実していることから、万全の学習サポートのもと勉強を効率的に進められるでしょう。
ぜひ一度ユーキャンの講座を受講してみてはいかがでしょうか?
電気工事士の合格率まとめ
電気工事士の合格率まとめ
- 第2種電気工事士の筆記試験は例年50%強~60%程度が、技能試験は65~75%程度が合格している
- 第1種電気工事士の筆記試験はおよそ50%強が、技能試験は60%前後が合格している
- 国家資格の中では合格率が高い資格である
ここまで電気工事士の合格率や難易度について解説してきました。
電気工事士は国家資格の中では比較的合格率の高い資格です。
ただ、筆記試験と技能試験両方の勉強をしなくてならず、苦戦する人がいるのも事実です。難しそうだと感じる場合は、電気工事士試験対策講座を活用するのも選択肢の一つでしょう。
しっかり対策を行えば合格も夢ではありません。受験を迷っている人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか!