電気工事士の技能試験の対策法は?工具や本番までの流れ・予想問題についても解説!
「電気工事士の技能試験ってどうやって対策すればいい?」
「対策の流れは?問題は予想できる?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
電気工事士の筆記試験に合格すれば、1ヶ月半程度後に技能試験が行われます。公表される13パターンの候補問題で対策を行うのが一般的です。
今回は電気工事士の技能試験の対策法について、必要な工具や本番までの流れ、問題の予想などについて解説します。
これを読めば、万全の技能試験対策が行えるでしょう。
電気工事士の技能試験の対策法についてざっくり説明すると
- 候補問題は全て作成できるようにしておく
- 技能試験用の工具セットも販売されている
- 筆記試験合格後から本格的に対策を始めるという流れが良い
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電気工事士試験の技能試験の概要
電気工事士試験では、筆記試験合格者と筆記試験の免除対象者に技能試験の受験資格が与えられます。
技能試験が実施されるのは、筆記試験終了後から1ヶ月半程度後のことです。
筆記試験が終わると技能試験の候補問題が13パターン(第1種は10パターン)公表されるので、対策は比較的容易と言えるでしょう。
全ての候補問題の完成品を作成できるようにしておけば、本番でも良い結果が期待できます。
そのため、技能試験の対策は筆記試験終了後から本格的に行うのが一般的です。ただし、第1種は第2種よりも難易度が高いため、もう少し前から対策を始めるのも良いでしょう。
ちなみに以下に該当する場合は、筆記試験が免除されます。
- 前回の筆記試験に合格した者
- 第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者
- 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者
- 高等学校・高等専門学校・大学等で経済産業省令で定める電気工学の課程を修めて卒業した者(第2種のみ)
- 鉱山保安法第18条の規定による試験で、電気保安に関する事項を分掌する係員の試験に合格した者(第2種のみ)
- 旧自家用電気工作物施設規則第24条第1項(ヘ)及び(ト)の規定により電気技術に関し相当の知識経験を有すると認定された者(第2種のみ)
第2種・第1種の技能試験の出題内容と合格基準
技能試験は、与えられた配線図に従って、配線の作業・施工を行う試験です。問題は事前に公表されている候補問題の中から一つが出題されます。
問題は以下の事項の全部又は一部に関わるものです。
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
- 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物の検査(自家用電気工作物の検査)
- 一般用電気工作物の故障箇所の修理(自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理)
※()内は第1種の出題内容です。
合格基準ですが、完成品に目立った欠陥がなければ合格となります。これらの内容は第1種・第2種に共通です。
第2種試験の場合
第2種技能試験では、筆記試験終了後に候補問題13パターンが公表されます。
よって、筆記試験から技能試験までの1ヶ月半程度の間に、これら13パターンを一通り作成できるようにしておきましょう。
なお、第2種技能試験の試験時間は40分です。
第1種試験の場合
第1種技能試験の場合、事前に公表される候補問題は10通りです。そのため、第2種より難易度は上がるものの、対策する問題数自体は少なく済みます。
また第1種技能試験の試験時間は60分なので、第2種よりも時間には余裕があります。
試験問題は予想可能なの?
第1種・第2種技能試験共に、事前に公表された候補問題のいずれかがそのまま出題されます。
そのため、対策する範囲は非常に限定的です。また1/13もしくは1/10の確率で出題される問題を予想することもできます。
ただし、事前問題が公表されてから試験本番までには十分時間があるので、どれかにヤマを張るのではなく全ての問題を練習しておくのが良いでしょう。
技能試験の目的
電気工事士の筆記試験(一次)は、マークシート方式で電気工事に関する知識が試されます。合格基準は100点満点中60点以上の得点です。
残念ながら筆記試験に合格しただけでは、電気工事に関する知識があることしか確かめられません。そのため、電気工事士として現場で働くにはスキルが不十分な可能性もあります。
よって技能試験で十分なスキルがあるかどうかを確かめる必要があるのです。技能試験では工具の使い方や配線の仕方、複線図の読み方など電気工事士としての実践的な技能が試されます。
技能試験の実施日程は年2回
第2種電気工事士試験は、年に2回実施されます。技能試験の実施日は、上期が7月上旬の土曜日もしくは日曜日、下期が12月上旬の土曜日もしくは日曜日です。
一方で第1種電気工事士試験は年に1回実施されます。技能試験の試験日程は例年12月上旬の土曜日もしくは日曜日です。
令和5年度電気工事士技能試験の日程は以下の通りです。
試験 | 上期試験 | 下期試験 |
---|---|---|
第2種技能試験 | ①7月22日(土) ②7月23日(日) | ①12月23日(土) ②12月24日(日) |
第1種技能試験 | - | 12月10日(日) |
なお、①②はどちらか一方しか受験することができません。47都道府県にある試験地のうち、約半分では土曜日に試験が実施され、残りの試験地では日曜日に試験を行います。
そのため、第1種と第2種を両方受験したい場合は、試験地を別々にして一方を土曜日、他方を日曜日という日程で受験することになります。
技能試験は電験3種などでは課されない
電気主任技術者試験(電験)では、技能試験は実施されません。
難易度としては電験3種の方が電気工事士よりも上ですが、技能試験に合格している点では電気工事士の方が優れているとも言えます。
先述した通り、筆記試験では電気工事に関する知識を証明することはできても、現場で必要となるスキルを証明することはできないからです。
よって電気工事士の資格も合わせて取得しておけば、電験のみの合格者と差別化を図ることもできます。
技能試験対策の重要度と流れ
電気工事士筆記試験の対策は、第2種の場合、遅くとも試験の2ヶ月前からは始めた方が良いでしょう。
しかし、技能試験の対策に関しては、筆記試験終了後から始めても十分間に合います。
筆記試験と技能試験の対策を同時に行うのは、キャパシティ的にも限界があるので、まずは筆記試験対策に集中しましょう。
技能試験の対策は候補問題が公表されてから徹底的に行うのがおすすめです。
筆記試験受験後から本格的に対策しよう
電気工事士の筆記試験は全問マークシート方式なので、試験終了後はすぐに自己採点が可能です。
自己採点で合格基準である60点を上回っていた場合は、すぐに電気技術者試験センターの公式サイトをチェックしましょう。
筆記試験終了後には、技能試験の候補問題と欠陥の判断基準が公表されます。よって、それらを活用して技能試験の対策を開始しましょう。
13もしくは10通りの候補問題に関しては、全て作成してから試験に臨むべきです。苦手な問題がある場合は、重点的に対策するのも良いでしょう。
候補問題を使った対策をきちんと行うことが、技能試験攻略の鍵となります。
勉強時間は50時間を目安にスケジュールする
ここまで解説してきた通り、技能試験の対策は筆記試験終了後から始めるのが一般的です。
候補問題の対策に1問あたり2〜3時間程度を要するとしても、50時間以内の勉強で済むでしょう。
筆記試験終了から技能試験までは1ヶ月半ほどの期間があるため、コツコツ練習していけば十分間に合います。
筆記試験後、スムーズに技能試験の対策に移行できるように、あらかじめ50時間を目安にスケジュールを立てておくのが良いでしょう。
電工の技能試験の対策方法は?
電気工事士技能試験の対策には、以下の内容を参考にしてください。
7つの工具に慣れよう
電気工事士の技能試験では、電気技術者指定センターによって「指定工具」が定められています。具体的には以下の通りです。
- 電工ナイフ
- ペンチ
- 圧着ペンチ
- ドライバー(プラス)
- ドライバー(マイナス)
- ウォーターポンププライヤ
- スケール
また上記にプラスしてケーブルストリッパーを持ち込むのも良いでしょう。ケーブルストリッパーは電線ケーブルの外装をはぎ取るのに用いる道具で、あると作業をスピーディに進めることができます。
これらの工具は電気工事士が日常的に用いるものばかりなので、試験対策を通して使用に慣れておくことが大切です。
なお、指定工具とは試験に最低限必要と考えられる工具のことで、指定工具以外を持ち込むことも認められています。
ただし、以下の工具に関しては持ち込むことはできません。
- 電動工具
- カッターナイフ
- 回路計(テスター)等の計測機器
- 配布されたもの以外の「保護版」
- 改造した工具および自作した工具
試験本番までに完成物を作成しよう
候補問題を完成させる練習をいかに積んでおくかが、技能試験の合否を分ける重要なポイントです。
候補問題は一通り作成しておくようにしましょう。もしこの作業を怠った場合、初見の複線図を頼りに40分で完成品を作成しなければなりません。
また、試験当日は緊張や制限時間のプレッシャーに対応しなければなりません。
そのため、合格のハードルが大きく上がってしまいます。しかし全てを事前に作成できるようにしておけば、かなり余裕を持って試験に臨むことができるでしょう。
独学でも練習可能なの?
結論から言うと、独学でも技能試験の対策を行うことは可能です。候補問題を完璧に作成できるように練習しておけば、ほぼ確実に合格することができるでしょう。
ただし、独学では完成品の不備に気が付きにくという点がデメリットです。そのため、間違いに気付かないまま試験本番を迎えてしまうリスクがあります。
また工具の正しい使い方が身に付かない場合もあるでしょう。我流はどうしてもぎこちなくなりがちです。
ちなみに技能試験では、配線図を的確に読み、接続等の正しさに気を配りながら、回路を適切に構成する力が求められます。
正確な知識とスキルの習得が合格への鍵となるため、外部のサポートを活用することも検討してみるのもよいでしょう。
教材・テキストを揃える
独学での技能試験の対策には、「2020年版 第2種電気工事士技能試験公表問題の合格解答」というテキストがおすすめです。
テキストを参考にしながら、公表された候補問題を作成する練習を行いましょう。
また試験に持参する工具も買い揃える必要があります。ホームセンターに一つずつこだわりを持って選ぶのがおすすめですが、電気工事士の技能試験用に市販されている工具セットを買うのも良いでしょう。
例えば工具セットには以下のような商品があります。
名称 | 価格 |
---|---|
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験 工具セット 基本工具 + P-958 VVFストリッパー DK-28AZ 特典ハンドブック・DVD付 | 13,319円 |
SK11(エスケー11) 電気工事士技能試験工具セット 8点組+ツールケースセット | 14,925円 |
マーベル(MARVEL) 電気工事士技能試験工具セット MDK-17SC | 11,000円 |
勉強サイトの動画を活用するべき
「HOZAN 第二種電工試験の虎」というサイトでは、候補問題13問の動画が公開されています。
独学での対策では実演を見る機会は貴重なので、こうしたサイトを活用すると良いでしょう。
作成しているのは工具メーカーのHOZANなので、信用できる内容です。
通信講座を利用すれば実技能力が身につく
筆記試験の対策は独学でも比較的容易ですが、技能試験の対策には苦労する場合も多いでしょう。やはり実技に関しては、人から指導を受けるのがおすすめです。
しかし多忙な社会人にとって、予備校などに通うのは難しい場合が多いでしょう。そのような場合には、通信講座を利用するのがおすすめです。
例えばユーキャンなら、電気工事士の対策講座が開講されています。技能試験のみの対策を行うことも可能なので、独学が不安は場合は活用すると良いでしょう。
工具も付いてくるため、自分で買い揃える手間も省くことができます。
電気工事士の技能試験の対策法まとめ
電気工事士の技能試験の対策法まとめ
- 50時間を目安にスケジュールを立てる
- 候補問題は必ず一通り作成しておく
- 独学での対策可能だが通信講座の利用がおすすめ
電気工事士の技能試験の対策法について解説しました。
電気工事士試験では、まずは筆記試験対策に集中し、筆記終了後から技能試験対策を行うという流れが一般的です。候補問題が公表されるので、それを元に対策を行いましょう。
その際は50時間を目安にスケジュールを立てるのがおすすめです。一通り作成してみて、苦手な問題があれば重点的に対策を行いましょう。
問題を予想してヤマを張るのではなく、全てを完璧にしておくべきです。
独学でも対策は可能ですが、完成品の不備に気が付きにくいなどのデメリットがあります。そのため、通信講座を活用するのがおすすめです。万全の対策で合格を勝ち取りましょう。