電気工事士の難易度は?2種・1種試験の合格率から勉強時間・勉強方法まで解説!
「電気工事士の試験って難しいの?」
「合格率ってどれくらいなの?」
電気工事士に興味を持っているなら、気になる点ではないでしょうか。また、独学が可能かどうかや資格を取得するメリットなども同時に調べたくなりますよね。
そこでこの記事では、電気工事士の試験範囲や難易度、1種と2種の違い、試験対策、メリットなどをわかりやすく解説していきます。
受験しようかどうか迷っている人は、ぜひ読み進めてみてください。
電気工事士の難易度についてざっくり説明すると
- 電気工事士の試験は対策がしやすい
- 勉強時間は50~100時間
- 合格率は国家試験の中では高い
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電気工事士の難易度は?
「電気工事の試験の難易度ってどれくらい?」
試験を受ける前の大きなポイントですよね。結論からいうと、電気工事士の難易度は比較的簡単です。しっかりと対策を採れば誰でも十分に合格できます。
ここでは、試験内容や問題形式、受験資格などを詳しく解説していきます。
電気工事士の試験は筆記と実技がある
電気工事士の試験は多くの試験と異なり、筆記の他に実技があって2部構成です。この違いに戸惑う人がいるので、ここではどのような試験なのか、説明していきます。
筆記試験は対策しやすいマークシート方式
筆記試験の内容は下記のグラフの通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
出題方式 | 四肢択一のマークシート方式 |
試験問題数 | 50問 |
試験時間 | 120分 |
試験はマークシート方式が採用されているので、自己採点がしやすく対策も採りやすいです。基本はテキストをしっかりと勉強することで得点できるので、挑戦しやすい試験です。
また、合格点は6割、つまり60点とされています。1問あたりの配点は2点ですので、30点正解することで合格です。
言い換えれば20問は間違えるので、余裕を持って試験に挑めるのではないでしょうか。
なお、電気工事士には受験資格はありません。そのため、資格を取得すればメリットがたくさんあるので、電気や配線などに興味があればぜひ受験してみてください。
技能試験は難しいの?
「実技って不安…」実技と聞くと難しいようで、たじろいでしまう人も多いでしょう。しかし、実は電気工事士の実技もそれほど難しくありません。
実技試験の内容とともに詳細を解説していきます。
項目 | 内容 |
---|---|
試験内容 | 配線図に従って、配線の作業・施工の実施 |
試験問題 | 事前に公表されている中から1つが出題される |
試験時間 | 40分 |
試験内容は、シンプルに配線図に従って、配線の作業・施工を実施していきます。そして、実技試験が難しくない理由の1つは、出題される問題が事前に公表されているから。
具体的には、事前に13種類の問題が公表され、そこから1つ正式に試験問題として出題されます。
つまり、十分な試験対策ができるので、決して難しい試験ではないのです。
合格ラインもシンプルで、配線に欠陥がなければ合格です。
なお、実技には受験資格があり、筆記試験に合格するか筆記試験の免除対象者となる必要があります。
免除対象者とは以下の通りです。
-
前回(前年度)の電気工事士筆記試験の合格者(一種試験なら一種の筆記試験・2種なら2種の筆記試験)
-
第1種、第2種又は第3種電気主任技術者免状の取得者(一種・2種)
-
高等学校、高等専門学校及び大学等において経済産業省令で定める電気工学の課程を修めた卒業者(2種)
-
鉱山保安法第18条の規定による試験のうち、電気保安に関する事項を分掌する係員の試験の合格者(2種)
-
旧自家用電気工作物施設規則第24条第1項(ヘ)及び(ト)の規定により電気技術に関し相当の知識経験を有すると認定された者(2種)
-
旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者(2種)
-
旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者(一種)
1種と2種で免除者に違いがありますので、内容をしっかりと確認してください。
また、申請するためには書類が必要になる場合がありますので、試験を申請する前に詳細を調べて準備しておくようにしましょう。
電気工事士の試験範囲
「電気工事士の試験はどこを勉強したらいいの?」
試験範囲はどこからどこまでなのか、効率的に勉強するために知りたいですよね。
実は、出題内容がまとまっているテキストがたくさん売られているので、それを購入することで効率的に学習できます。
なお、実技試験はすでに説明した通り、出題される可能性がある13問が公表されています。それをしっかりと取り組んでください。
このように、筆記と実技それぞれ出題問題が把握しやすいので、勉強方法は自ずと決まってくるのではないでしょうか。
受験資格がない狙い目の国家資格
電気工事士は国が認める国家資格です。しかし、受験資格がなく誰でも受けられるので、人気がある資格でもあります。
また、電気工事士は医者や弁護士、公認会計士などと同様に、業務独占資格です。つまり専門的な知識を有する電気工事士でないとできない仕事があります。
そのため、努力して資格を取れば、就職や転職で有利になります。もちろん、収入面でのメリットもあり得ますので、狙い目の国家資格といえるでしょう。
難易度は第1種と第2種で違う
電気工事士には第1種と第2種があり、それぞれ少しずつ違いがありますので、詳しく解説していきます。
第1種と第2種がある
電気工事をする場合は、電気工事士の資格を持っていなければできません(工事内容による)。これは、法律でしっかりと明記されています。
つまり、電気工事士の仕事とはビルや工場、商店、一般住宅など、ありとあらゆる電気設備の安全を守るための電気工事をする人です。
しかし、一言に電気工事といっても、小規模のものから大規模のものまであります。そこで、より安全に工事ができるように、第1種と第2種が分けられています。
第1種と第2種の仕事内容
第1種と第2種の資格によってできる仕事内容は以下の通りです。
- 第1種
第2種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの電気工事
- 第2種
一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の電気工事
上記の通り、第1種は第2種と比べて扱える電力が大きくなるので、仕事の幅も広がります。
ただし、第1種は免許更新のために、有料の講習を受ける必要があるので、注意してください。
第1種と第2種での試験の違い・共通点
第1種と第2種での試験の共通点は以下の2点です。
- 出題方式はマークシート方式の筆記と実技の2部構成
- 実技試験は提示された13問の中から1問出題される
もし、どちらか一方をすでに取得しているのであれば、勉強方法は同じように進められます。
第1種と第2種での試験の違いは、試験範囲が第1種の方が広くなり、かつ難しくなることです。
その理由は、第2種は「600ボルト以下で受電する設備」までの範囲で工事ができるが、第1種では「最大電力500キロワット未満」まで扱える範囲が広がるため。
つまり、試験でも扱える電力に応じたものに変わるので、第1種の方が広範囲で難しいものに変わるのです。
合格に必要な勉強時間は?
第2種電気工事士試験の筆記試験に合格するには、50時間の勉強時間が必要といわれています。1日に1時間勉強するとすれば、約2ヶ月が必要です。
第1種の筆記試験に合格するには、50~100時間の勉強時間が必要といわれています。こちらは1日1時間勉強するとすれば、2~3ヶ月が必要です。
また、技能試験の対策は筆記試験が終了してからでも十分間に合いますので、合格証が届いてから始めます。技能の勉強時間の目安は、1ヶ月半程度です。
なお、ここで挙げた勉強時間の目安には個人差があります。「勉強が苦手」と不安がある人は目安よりも多めに時間を取り、余裕を持って学習に取り組むようにしてください。
合格基準は6割+「欠陥がないこと」
電気工事士試験の合格点の目安は、第1種・第2種ともに60点です。
試験はマークシート方式ですので、6割の得点はそれほど難しいものではありません。合格点の60点を目標に勉強をするようにしましょう。
技能試験に関しては、作成物に「欠陥がないこと」が絶対条件です。ここは重要なポイントです。対策としては、毎回しっかりと細部にまで気を配り、練習を繰り返すことです。
そうすれば、問題なく合格できるでしょう。
電気工事士の合格率から見る難易度
「電気工事士試験は簡単って、実際どれくらい簡単なの?」
ここでは、合格率を紹介しつつ難易度を具体的に解説していきます。ここを読んで、自信をつけてください。
第2種
電気工事士第2種の筆記試験と技能試験の合格率は以下の通りです。
- 筆記試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 109,564名 | 68,388名 | 62% |
平成26年度 | 105,528名 | 62,272名 | 59% |
平成27年度 | 118,449名 | 69,704名 | 59% |
平成28年度 | 114,528名 | 67,150名 | 59% |
平成29年度 | 112,379名 | 66,379名 | 59% |
平成30年度 | 123,279名 | 68,321名 | 55% |
令和元年度 | 122,266名 | 80,625名 | 66% |
令和2年度 | 104,883名 | 65,114名 | 62% |
令和3年度 | 156,553名 | 92,640名 | 59% |
令和4年度 | 145,088名 | 81,179名 | 56% |
- 技能試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 84,181名 | 64,000名 | 76% |
平成26年度 | 77,881名 | 57,751名 | 74% |
平成27年度 | 84,072名 | 59,441名 | 70% |
平成28年度 | 84,805名 | 62,216名 | 73% |
平成29年度 | 81,356名 | 55,986名 | 69% |
平成30年度 | 95,398名 | 64,377名 | 67% |
令和元年度 | 100,379名 | 65,520名 | 65% |
令和2年度 | 72,997名 | 52,868名 | 72% |
令和3年度 | 116,276名 | 84,684名 | 73% |
令和4年度 | 97,659名 | 70,888名 | 73% |
筆記試験は例年上・下期合わせて受験者数は110~120万人で、合格者数は70万人程度になることがほとんどです。そのため、合格率は基本的に60%前後となります。
令和元年は少し合格率がアップしていますが、変動率が小さいことから試験の難易度は毎年変わらないと考えられます。
技能試験は例年上・下期合わせて受験者数は約85万人(筆記合格者、筆記免除者の合計)程度のうち、合格者数は60万人でした。
ただし、ここ2年は受験者数は増加傾向にありますが、合格率は65%と安定しています。
全体としては、受験申込者数が150万人程度で合格者数は55~60万人が合格しています。つまり、全体を通しての合格率は、36~40%です。
難関国家試験の合格率は15%程度ですので、それと比べると難易度は低く合格しやすいといえるでしょう。
第1種
電気工事士第1種の筆記試験と技能試験の合格率は以下の通りです。
- 筆記試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 36,460名 | 14,619名 | 40% |
平成26年度 | 38,776名 | 16,649名 | 43% |
平成27年度 | 37,808名 | 16,153名 | 43% |
平成28年度 | 39,013名 | 19,627名 | 50% |
平成29年度 | 38,427名 | 18,076名 | 47% |
平成30年度 | 36,048名 | 14,598名 | 40% |
令和元年度 | 37,610名 | 20,350名 | 54% |
令和2年度 | 30,520名 | 15,876名 | 52% |
令和3年度 | 40,244名 | 21,542名 | 54% |
令和4年度 | 37,247名 | 21,686名 | 58% |
- 技能試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成25年度 | 19,911名 | 15,083名 | 76% |
平成26年度 | 19,645名 | 11,404名 | 58% |
平成27年度 | 21,739名 | 15,419名 | 71% |
平成28年度 | 23,677名 | 14,602名 | 62% |
平成29年度 | 24,188名 | 15,368名 | 64% |
平成30年度 | 19,815名 | 12,434名 | 63% |
令和元年度 | 23,816名 | 15,410名 | 65% |
令和2年度 | 21,162名 | 13,558名 | 64% |
令和3年度 | 25,751名 | 17,260名 | 67% |
令和4年度 | 26,578名 | 16,672名 | 63% |
筆記試験の例年の受験者数は約3.5万人で、合格者数は1.5万人程度です。そのため、合格率は50%弱です。
第1種に関しても、令和元年は合格率がアップしていていますが、基本的に合格率の変動率は小さく、難易度は毎年変わらないといえるでしょう。
技能試験の例年の受験者数は、受験者2万人(筆記合格者、筆記免除者の合計)程度のうち、合格者数は1.2~1.5万人です。そのため、合格率は60~70%になります。
全体の申込者が例年5万人程度で、合格者数は1.2~1.5万人ですので、全体を通しての合格率は30%弱です。
こちらも、第2種と同様、難関の国家試験と比べると合格率は高いので、合格しやすいといえるでしょう。
ただし、第1種は第2種を取得済みの人も受験することを考えると、第2種よりも難易度は上がります。
そのため、初めて受験する人はしっかりと対策をして試験に挑むようにしてください。
電気工事士がメリットの多い人気である理由
「電気工事士の合格率から見る難易度」でも触れましたが、電気工事士の受験者数は増加傾向にあります。それは、メリットがたくさんあるからです。
では、どのようなメリットがあるのか、具体的に解説していきます。
しっかりと対策すれば合格できるコスパのよさ
電気工事士のメリットは、しっかりと対策をすれば合格がしやすい試験であることが挙げられます。
例えば、筆記試験は過去問に似た出題が多く、マークシート方式なので対策が容易です。また、技能試験も事前に13問公開されているので、入念に練習をすることで、本番でも焦らずに完成させられます。
このため、試験対策に投じるお金も少なくて済む国家試験なので、コスパも優れています。しかも、受験資格もないので、人気はドンドン上昇しているのです。
実用的で実務に直結する業務独占資格
電気工事士の筆記試験の内容は、技能試験、つまり実務にも通じるものがあります。
また、電気工事士資格は業務独占資格で、電気工事士でないとできない仕事があるので、職場でも大切にされます。
特に、近年は太陽光発電やオール電化など電気系の新技術への注目が集まっていて、電気関連の仕事は増加傾向です。
そのため、ビジネスの観点からも注目されていて、取得するメリットは高まっているのです。
人材不足の市場で就職・転職しやすい
電機業界の仕事が増えている一方、団塊の世代が引退していくのに伴って、人材不足が深刻化しています。
そのため、電気工事士の資格を持つ現役世代が強く求められるようになっているのです。
このことから、電気工事士の資格を持っていれば、就職や転職を有利に進められるのです。もちろん、給料面でも優遇されるチャンスも広がると考えられるでしょう。
電気工事士は独学でも合格可能?
「電気工事士が簡単な試験だとしても、独学でできるの?」
費用や費やす時間などの負担を考えると、独学でできるのかどうかは大切な部分です。ここでは、試験対策と独学のメリットなどを紹介していきます。
筆記・実技ともに対策方法は明確
電気工事士の試験対策は、筆記と実技ともにはっきりとしています。筆記試験に関しては、「テキストをとにかく熟読する」です。
実技試験に関しては、問題が決まっているので市販の道具や材料を購入して実際にやってみましょう。そのため、どちらも独学でも十分に合格できます。
ただし、実技に関しては、一度つまずくとなかなか解決できない場面も出てきます。そのため、通信講座などを利用することも考えましょう。
もちろん、筆記もテキストがなかなか理解できない場合は、通信講座などで試験のプロの手を借りることも考えてください。
独学で勉強するメリット
通信講座などを利用すれば、よりスムーズに勉強を進められます。しかし、かなりの金額を費やしてしまいます。
一方、独学ならテキストや工具などの購入費だけで済むので、これで合格すればコスパ最強です。また、忙しいときでも自分の都合で勉強時間を変更できるのもメリットといえます。
ただし、独学のデメリットとしては、壁にぶつかっても自分で解決しなければなりません。独学で勉強を進めていく人は、そのことは注意しておきましょう。
おすすめの勉強方法は通信講座の利用
電気工事士は、独学でも合格可能ですが仕事で忙しい方や1回の試験で確実に合格したい方は、通信講座を利用することがおすすめです。
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教材として、紙のテキストだけでなく材料や機器も実際に送られてくるため技能試験の対策もバッチリこなすことができるでしょう。
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電気工事士の難易度についてのまとめ
電気工事士の難易度についてのまとめ
- 電気工事士の難易度は国家試験の中では簡単
- 難易度が低いので、勉強時間も短くて済む
- 受験者数は年々増えているが、合格率は一定
- 難易度が低いわりに、メリットは多い
電気工事士の試験の難易度は比較的簡単です。難関の国家試験が15%であるのに対して、第1種・第2種ともに30%程度あるので、取得しやすいといえるでしょう。
そのため、国家資格を取るための勉強が50~100時間と短くて済みます。また、受験者数は増えているが合格率は一定なので、信用ある資格を取得したい人にはおすすめといえます。
また、電気関係の仕事は年々増えていて、一方で団塊の世代の引退によって人材は不足気味です。そのため、就職や転職、収入面などで受けられるメリットはたくさんあります。
つまり、難易度は低いわりに、取得する価値は、どんどん高まっているのです。
少しでも興味を持った人は、電気工事士のテキストを購入して、受験を考えてみてください。