消防設備士の甲種1類の難易度は?合格率から製図の勉強法・おすすめ問題集まで解説!

「消防設備士の甲種1類って、どんな資格なの?」

「消防設備士の資格や職業に興味があるのだけど詳しく知りたい。」

このようにお考えの方はいらっしゃいませんか?

消防設備士という資格は国家資格で、甲乙に分類され、さらには甲種の場合、特類から5類まで計6つの種類に分かれています。その中でも人気があって毎回受験者が多いとされている消防設備士甲種1類の資格試験についてご紹介します。

この資格を所持するとどのようなメリットが生じるのか、また試験に一発合格するための学習のポイントなどについても簡単に触れていきます。就職や転職にもワンラックUPが期待できる消防設備士甲種1類の実情に迫っていきましょう。

消防設備士の甲種1類の難易度についてざっくり説明すると

  • 屋内外の水系消防設備を対象にする工事と点検をする際に必要な資格
  • 受験前にはある程度の基準を満たしておく必要がある
  • 合格率が20%前後というハードルの高い資格

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消防設備士甲種1類ってどんな資格?

消防士の画像

消防設備士甲種1類という資格をご存知でしょうか?これは、屋内外の消火栓設備やスプリンクラーなどの水系消防設備を対象とした、工事と点検する際に必要とされている国家資格です。

例えば、業務上で水回りの設備を扱う資格が必要になったり、何かしら資格を取得しスキルアップしたいといった様々な理由があって、毎年約10000人もの人々が受験をするという人気資格の一つです。

そもそも、消防設備士の資格は、甲種、乙種に分類されたり、さらには特類や1種、2種というように、細かな分類がされています。そこで今回は、消防設備士甲種1類にスポットを当てて、この資格の概要や試験の難易度、勉強方法についてをご紹介します。

甲種1類の扱う消防設備

もし、消防設備士甲種1類の資格を持っていれば、屋内や屋外を問わずに、消火栓設備やスプリンクラーなどの水系消防設備について、その点検から整備、あるいは工事作業に至るまでの担当をすることができます。

消防設備というのは、現在では必ずビルやマンション、商業設備などの一般的な建物に設置が義務化されていることは言うまでもありません。そのため、それらの設備についての定期的な点検や修理工事、いざというときの対処を行うことは恒常的です。

ビル管理などの関連会社や、上下水道などを扱う配管工事会社に勤務するスタッフにとっては、まさに消防設備士甲類1種は、取得しておいたほうが何かと実用的で役に立ちます。

甲種1類の受験資格

消防設備士甲種1類の試験を受ける場合、できれば受験をする以前に、ある一定の基準を満たしておく必要があります。その主な受験資格として、以下のようなものが挙げられます。

  • 国家資格、1類以外の甲種消防設備士資格(特類、2類、3類、4類、5類)、電気工事士、電気主任技術者、技術士などを所持していること
  • 学歴としては、機械、電気、工業化学、土木、建築分野での大学、短大、専門学校の学科を専攻し、卒業もしくは課程修了をしていること

実務経験次第で受験資格を得られる

ただし、受験資格には上記とは別な特例も設けられています。消防設備に関する実務経験をどのくらい持っているのか、その年数次第によっては、資格や学歴には一切関係なく受験資格を与えられます。その事例としては、以下のような条件が挙げられます。

  • 消防設備の工事などに補助者として5年以上の経験があること
  • 乙種消防設備士として、2年以上の消防設備に関する業務経験があること

受験資格の証明には書類が必要

消防設備士甲種1類の受験資格を満たしているという場合には、受験する前に必ずそのことを証明する書類を提出する義務が決まっています。

主なものとしては、既に取得している対象の条件資格を証明する免状や免許証、またはその関連の学歴を証明する卒業証書、実務経験を証明する書類などです。

消防設備士甲種1類の難易度はどのくらい?

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ここまでの内容を振り返ってみると、消防設備士甲種1類の資格を取得することは、特類以外の他の種類や、乙種の試験と比べてみても、かなり条件や難易度が高い傾向にあると感じられるはずです。

その難易度は、具体的にどのような程度を想像しておけばよいのでしょうか?では、さらに消防設備士甲種1類の試験の難易度について、詳しくご紹介してまいりましょう。

特類についで合格率が低い

消防設備士関連の試験の中で最難関は、特類と呼ばれる種類の試験です。それに次いで、消防設備士甲種1類の試験もハードルが高いとされています。過去5年間での合格率は、平均すると27.2%という数値が出ています。ちなみに乙種特類の合格率26.4%についで低い数値です。

甲種試験全体での合格率は平均30%前後なので、消防設備士の試験の中でも、難易度はそれなりに高い傾向が伺えます。

これは、甲種1類が水系の防火設備を扱っていることも関連し、特に配管や水理の複雑な知識まで問われるため、合格率を下げてしまう要因になっていると推測されています。

甲種1類の試験範囲と出題形式

出題形式は、筆記試験にて四肢択一のマークシート形式で行い、実技試験にて記述式で行われます。試験時間は筆記と実技をトータルで3時間15分、筆記と実技ともに同日中に実施されます。

また実技試験での鑑別等では、写真やイラストからの記述式解答の問題が出題されます。製図では、図面を見ながら水量、ポンプ吐出量を示す計算式を解答する問題を中心に出題されます。ちなみに、消火栓やスプリンクラーなどの機器や設備を、直接的に取り扱う意味での実技や実演は行いません。

甲1の試験範囲 出題数
消防関係法令・共通(筆記) 8
消防関係法令・種別(筆記) 7
基礎的知識・機械に関する部分(筆記) 6
基礎的知識・電気に関する部分(筆記) 4
構造、機能及び工事、整備の方法・機械に関する部分(筆記) 10
構造、機能及び工事、整備の方法・電気に関する部分(筆記) 6
構造、機能及び工事、整備の方法・規格に関する部分(筆記) 4
鑑別等(実技) 5
製図(実技) 2

甲種1類の合格基準

消防設備士甲種1類の筆記試験では、試験科目の出題数の中で40%以上の解答、かつ全体で60%以上の正解を導くことが合格ラインとなります。また、実技試験では、60%以上の正解率が必要です。その際、筆記試験にて合格ラインに達したものだけが、実技試験の採点対象となります。

科目免除をうまく利用しよう

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消防設備士甲種1類の試験では、それ以前にある種の資格を取得していたり、経歴次第によって、試験科目の免除が行われる場合があります。では免除対象となる資格や業務経験にはどのようなものがあるのかも含め、詳しく内容を見てまいりましょう。

甲種資格で免除を受けられる

もし消防設備し甲種1類以外での、他の甲種の資格を既に取得している場合には、筆記科目の一部免除が受けられる場合があります。

例えば、甲種2類や甲種3類の資格を既に取得しているのであれば、「消防関係法令・共通」と「基礎的知識」の部分が免除になります。また、甲種4類や甲種5類の資格得を既に取得していると、「消防関係法令・共通」が免除になります。

他の技術系資格でも免除がある

試験一部免除は、消防設備士関連の資格だけにとどまっていません。もし他の技術系資格を取得しているような場合でも、免除の対象としてくれます。

例えば、電気工事士、電気主任技術者の資格を取得している場合には、筆記試験「基礎的知識」と「構造、機能及び工事、整備の方法・電気に関する部分」が免除になります。他にも、技術士の資格を所持していれば「基礎的知識」と「構造、機能、工事、整備」の全ての部分が免除対象になります。

科目免除はメリットだけではない?

先述したような甲種3類や甲種4類、あるいは各種資格を既に所持している場合には、試験範囲がその分だけ狭まってくるため、楽になると考えられていますが、必ずしもそうとは限りません

なぜなら、筆記試験いて得点を稼ぎやすい個所は「基礎的知識」の分野です。その得点を取りやすい個所が免除されるということは、採点箇所の対象でもないと言えます。

科目ごとに40%以上の正答率を得るという合格条件は変わりがないため、免除されない出題箇所にて、どれくらい高い得点を取れるのかを、対策を練って学習しなくてはなりません

また、免除の適用によって試験時間が短縮されます。短い時間内で難しい分野の問題を解くというハードルを越えなければ、合格ラインが見えてこないからです。

甲種1類では実技試験を中心に対策する

読書の画像

消防設備士甲種1類の資格試験にて、最大のヤマ場となるのは「実技試験」です。実技では、「鑑別等」から全5問、「製図」から全2問の出題となっています。しかも甲種1類は、各種ある消防設備士甲種資格の中で難易度も高めです。

この実技に関しては事前に試験対策を怠らないように計画しておく必要があります。では、消防設備士甲種1類試験に一発合格するための、主な試験対策について詳しくご紹介していきましょう。

設備の知識が問われる「鑑別等」

実技試験の一部である「鑑別等」では、水系消防設備に関する図案やイラストを参照し、機器の名称、用途、役割などを解答する問題が出題されます。

また、消防設備の設置基準や作動原理とは何かを問う問題も出題されたこともあります。そのため、鑑別等の分野は、いつどのような問題が出題されても、即座に対応できる対策を練っておく準備が必要です。

またここの個所は、消防設備士乙種試験にも共通で出題される部分です。他の資格試験とも被ることも考えて、学習時間の考慮をしておきたいところです。

特に「製図」の難易度が高い

消防設備士甲種の試験の中で、最難関と呼ばれているのが「製図」の問題です。毎回の試験にて難易度が高くて、受験者が悩む箇所だとされています。製図の学習だけで、1ヶ月近くを浪費してしまうというケースも珍しくはありません。

特に製図に関しては、十分な学習計画と集中できる対策を必要とします。その事例として、水噴霧消火設備の図面記号への穴埋め、消火栓の揚程と水源水量についてという問題が頻繁に出題されます。これは言い換えると、筆記試験で学習した知識が活かされる場でもあるわけです。

他にも近年では、消化設備による人体への影響が問題視されていることから、そこに付随した出題もかなり高い傾向が伺えます。

問題集や過去問で対策をしよう

消防設備士甲種1類の資格試験で一発合格をしたいというのであれば、どのような学習対策を練っておく必要があるのでしょうか?その具体的な秘訣は何だと思いでしょうか?これはとてもシンプルな流れなのですが、とにかく過去問を徹底的に繰り返し対策を完璧に行うことにあります。

消防設備士の甲種に限らず、他の分野の多くの資格試験すべてに言えることで、必ず毎回の出題範囲や傾向は、過去問をやっていく中で掴めていくようになっています。

ただし、消防設備士に関する過去問題集は公的に市販がされていません。今現在で市販されている試験対策の問題集は、あくまでも「予想問題集」という形式になっています。

もし消防設備士の過去問を得たいという場合は、「一般財団法人消防試験研究センター」の公式ホームページなどからダウンロードができますので、必ず閲覧して活用することをおすすめします。

また、例題や練習問題を入手する他の方法は、ネット検索でヒットしますので、ネット上の情報も大いに利用しながら、とにかく演習する量を増やして刷り込み学習をしていくことです。結論を言えば、地道に繰り返すという遠回りなことが、最も合格に直結する近道だということです。

おすすめのテキストで学習しよう

消防設備士甲種1類の試験勉強をする際には、おすすめテキストで勉強することで、勉強効率が何倍にも上がり、実力が大きく向上すること間違いなしです。

1類のおすすめテキストとしては、「本試験によく出る! 第1類消防設備士問題集」をおすすめします。

本試験によく出る! 第1類消防設備士問題集 (国家・資格試験シリーズ 354)
3300円
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3300円

この問題集は、本試験傾向を徹底分析してその中から出題頻度の高い重要問題を抽出して演習しやすいようにしたものとなっています。

これにより、効率的な対策を打つことができるでしょう。

また、解説は参考書が不要になるくらいに充実したものとなっており、これ1冊で合格に大きく近づけるでしょう。

通信講座で効率よく合格

消防設備士の勉強方法としては、通信講座を使った対策法がおすすめです。

各講座会社が練りに練った質の高いテキストや講義を予備校と比較しても安い値段で受講することができ、効率よく実力を身につけられるでしょう。

資格Timesでおすすめの消防設備士の通信講座はたのまなの消防設備士講座です。

たのまなの一番の売りは、コスパに最も優れた講座であるという点であり、価格の安さと講座の質を両立している点が大きな魅力です。

教材はメインテキストのわかりやすさに加え、問題集の評判もいいことから繰り返し使用することで、実力を効果的に挙げられるものとなっています。

多くの面で優れた特徴を持つたのまなの通信講座をぜひ一度ご覧ください!

たのまなの公式サイトはこちら

甲種1類の取得メリット

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消防設備士の甲種は、1類以外にも2類、3類、4類、5類、そして特類という分類がされています。その中でも高い人気を誇るのが甲種1類です。ではなぜそれほどまでに人気があるのか、その理由について探っていきましょう。

甲種4類と同じく人気の資格

実は、消防設備士甲種試験の中で最も人気が高いのは甲種4類の資格なのです。そして、同等に受験者数が多くて人気を次いでいるのが甲種1類の資格です。実情としても、甲種1類と甲種4類の受験者数を合わせて、甲種試験全体の75%を占めてしまうくらいです。

また、消火栓やスプリンクラーといった分野を独占して扱えることもあり、甲種1類の資格を得ていると現場に直結して活かせることが最大のメリットです。ビルメンテナンスなどを行う会社に転職するという際は、この資格を持っていると重宝され高く評価されます。

昇給・昇任を目指せる

消防設備士甲種1類の資格を保持すると、ビルメンテナンス会社を代表とした様々な企業への就職に有利です。建設業界や消防設備会社、ビルメンテナンスの会社などで活躍ができるのがメリットです。

それらの分野や業界はいつも求人数が多いことと、資格手当などが充実しているケースが目立ちます。月額1〜2万円は多く支払われているようです。

既に実務経験が豊富な人や、他の国家資格も取得済みだという人は、さらに給料のアップや昇進・昇格を意識して、この資格を取得しておくことをおすすめします。

消防設備士の甲種1類の難易度についてまとめ

消防設備士の甲種1類の難易度についてまとめ

  • 筆記試験全体で60%以上の正解率が必須
  • 製図をメインに実技への学習方法がキーポイントとなる
  • 取得後には、ビルメンテナンス関連などの企業へ就職に有利なことがある

消防設備士甲種1類の受験資格や試験の難易度などを送りしましたが、かなり合格の難易度が高いという印象をお持ちになったのではないでしょうか?筆記と実技の所要時間も3時間強ありますので、試験当日も万端な準備を整えていく必要があります。

勉強方法などについては、製図の実技が一番の分かれ目になりそうです。ただしそこに至るためにも、筆記試験の解答を怠らないよう事前の学習計画の濃厚さが問われるといえます。

そして消防設備甲種1類の資格は、スキルアップするためにも取得しておいて損はない資格であることも頭の隅に置いておくとよいでしょう。

今後、甲種1類の資格取得を視野に入れている方は、 ぜひ頑張ってみてください!

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