消防設備士甲4とは?乙4との違いや免除・合格率・難易度・製図についても解説!

消防設備士甲種4類ってどんな試験なの?

乙4とはどう違う?合格率はどのくらい?

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

消防設備士甲種4類は、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備などの工事や整備、点検を行うのに必要な国家資格です。

乙4とは対象とする設備は同じですが、工事が行えるのは甲4だけであり、甲4には受験資格もあります。

今回は消防設備士甲4について、乙4との違いや免除制度、合格率・難易度、製図の攻略法などを解説します。

これを読めば、消防設備士甲4の概要と勉強法がよく分かるはずです。

消防設備士甲4についてざっくり説明すると

  • 消防設備の工事は甲種にしかできない
  • 偏差値は50程度だが合格率30%前後
  • 合格には実技試験の「製図」攻略が欠かせない

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消防設備士甲種4類ってどんな資格?

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消防設備士甲種第4類について、消防設備士一般の概要や受験資格などを解説します。

資格の種類によって扱える設備が異なる

消防設備士には甲種と乙種の2種類が存在します。また甲種には特類・第1類から第5類、乙種には第1類から第7類までがあるので、類の数としては乙種の方が多いです。

それぞれの種類では以下の消防用設備を扱うことができます。

分類 甲種 乙種 対象とする設備
特類 ある ない 特殊消防用設備など
1類 ある ある 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消化設備など
2類 ある ある 泡消火設備・パッケージ型消火設備・パッケージ型自動消火設備
3類 ある ある 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備など
4類 ある ある 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備など
5類 ある ある 金属製避難はしご・救助袋・緩降機
6類 ない ある 消化器
7類 ない ある 漏電火災報知器

甲種・乙種ともに対象設備の整備・点検を行うことができますが、甲種は工事を行うことも可能です。

このようにどの資格を取得するかで行える仕事内容が異なるため、自分に合ったものを取得するようにしましょう。

甲種4類の受験資格

甲種4類の受験資格には、「国家資格等による受験資格」と「学歴による受験資格」の2種類があります。

以下で紹介するように甲種4類の受験資格は非常に複雑なので、受験前には一度消防試験研究センターのホームページで確認するのが良いでしょう。

国家資格があると受験資格を得られる

甲種4類の受験資格となる国家資格は以下の通りです。なお、資格によっては試験の一部免除を受けられるものもあります。

免除の有無 国家資格
一部免除有 甲種消防設備士・技術士・電気工事士・電気主任技術者
一部免除無 乙種消防設備士(要実務経験)・管工事施工管理技士・工業高校の教員免許・無線従事者・建築士・配管技能士など

また消防行政や消防用設備等の工事などの実務経験を積んだ者にも受験資格が与えられます。

学歴によっても受験資格を得られる

学歴による受験資格を得るには、以下のような教育機関にて、機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学科もしくは過程を卒業するか、所定の単位を取得する必要があります。

  • 大学・短期大学・高等専門学校(5年制)

  • 高校・中学

  • 旧制の大学・専門学校

  • 外国の学校

  • 学校教育による各種学校

  • 防衛大学・防衛医科大学

  • 職業能力開発総合大学・職業能力開発大学・職業能力開発短期大学・職業訓練大学・職業訓練短期大学・中央職業訓練所

  • 水産大学校

  • 海上保安大学校

  • 気象台学校

  • 修士・博士

消防設備士甲種4類の難易度はどのくらい?

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ここからは消防設備士甲4の難易度について、合格率や出題科目、合格基準などをお伝えします。

甲4の合格率は30%程度

消防設備士甲種4類の合格率は近年は30%前後で推移しています。詳細は以下の通りです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 19,899 6,848 34.4%
令和3年度 20,877 7,753 37.1%
令和2年度 16,554 6,159 37.2%
令和元年度 11,436 3,716 32.5%
平成30年度 12,133 3,768 31.1%

例年7割程度の受験者は不合格になるということなので、試験の難易度は比較的高いと言えるでしょう。

そのため、きちんと対策をした上で試験に臨むべきです。

甲4の出題科目と問題数

消防設備士甲4試験の出題科目及び問題数は以下の通りです。

試験科目 出題数
消防関係法令(共通) 8
消防関係法令(種別) 7
基礎的知識 10
構造・機能・工事・整備の方法(電気について) 12
構造・機能・工事・整備の方法(企画について) 8
実技・鑑別等 5
実技・製図 2

上記より、筆記試験45問・実技試験7問という出題構成であることが分かります。

また筆記試験の解答形式は4肢択一のマークシート方式であり、試験時間は3時間15分です。

甲種4類の合格基準

甲種4類の合格基準は、以下の2つを満たすことです。

  1. 筆記試験の各科目で40%以上かつ全体で60%以上の正答率

  2. 実技試験で60%以上の正答率

筆記試験の各科目ではボーダーラインの設定もあるため、比較的厳しい合格基準と言えるでしょう。

ただし上位何%が合格というような相対的な合格基準ではないため、上記を満たせば確実に合格できます。

消防設備士資格所持による甲種4類の免除

先述した通り、消防設備士・電気工事士・電気主任技術者・技術士などの有資格者は、甲4試験の一部が免除されます。

甲4以外の甲種消防設備士資格を有している場合、消防関係法令の共通部分の免除を受けることが可能です。

なお、上記の免除を受けた場合、試験時間が3時間に短縮されるので注意しましょう。

また免除を受けるには、甲4以外の甲種消防設備士免状のコピーを提出する必要があります。

消防設備士の資格以外でも免除がつく

上記以外の免除の詳細は以下の通りです。

電気工事士の資格での免除

電気工事士の有資格者は、筆記試験において「消防関係法令」を除く「基礎的知識」「構造・機能及び工事・設備」の各科目中の「電気に関する部分」が免除されます。

また実技試験においては、鑑別等試験の問1の免除を受けることが可能です。

ただし、免除を受けるには電気工事士免状のコピーが必要になります。そのため、電気工事士試験には合格しているが免状のない者や認定電気工事従事者は、免除を受けることができません。

電気主任技術者や技術士の資格での免除

電気主任技術者の場合も、筆記試験で「消防関係法令」を除いた「基礎的知識」「構造・機能及び工事・整備」の各科目中における「電気に関する部分」が免除となります。

また技術士の場合は、筆記試験の「電気・電子部門」における「基本的知識」と「構造・機能及び工事・整備」の免除を受けることが可能です。

検定協会や検定期間の職員でも免除を受けられる

日本消防検定協会・指定検定期間の職員のうち、型式認証の試験の実施業務に2年以上従事した経験がある者も、甲4試験における一部免除の対象者です。

具体的には、筆記試験の「基本的知識」と「構造・機能及び工事・整備」で免除を受けることができます。

甲種4類の試験日程は地域によって変わる

消防設備士試験は各都道府県で実施されます。試験日程は都道府県ごとに異なるため、注意が必要です。前期試験は4月から9月、後期試験は10月から3月の間に行われます。

例えば2020年度後期試験の場合、東京では10月から3月にかけて、複数回の試験が実施されますが、千葉では9月3日(日)の1度しか実施されません。

また複数回実施される都道府県でも、試験日によっては甲4試験がない場合もあります。

よって申し込みの際は、自分が受験する都道府県の試験日程をよく確認するようにしましょう。

ちなみに東京及び大阪における2023年度試験の日程は以下の通りです。

  • 東京
試験日 受験地 電子申請受付期間 書面申請受付期間 合格発表予定
令和5年8月5日(土) 中央試験センター 6/13〜6/23 6/16〜6/26 令和5年9月5日(火)
令和5年9月30日(土) 中央試験センター 8/7〜8/18 8/10〜8/21 令和5年10月31日(火)
令和5年11月19日(日) 中央試験センター 9/26〜10/7 9/29〜10/10 令和5年12月19日(火)
令和6年1月8日(月) 中央試験センター 11/7〜11/17 11/10〜11/20 令和6年2月6日(火)
令和6年2月4日(日) 中央試験センター 12/5〜12/15 12/8〜12/18 令和6年3月6日(水)
令和6年2月25日(日) 中央試験センター 1/2〜1/12 1/5〜1/15 令和6年4月5日(金)
令和6年3月23日(土) 中央試験センター 1/30〜2/10 2/2〜2/13 令和6年4月22日(月)
  • 大阪
試験日 受験地 電子申請受付期間 書面申請受付期間 合格発表予定
令和5年7月23日(日) 国立大阪大学(豊中市) 5/23〜5/30 5/26〜6/2 令和5年8月24日(木)
令和6年3月17日(日) 国立大阪大学(豊中市) 1/22〜1/29 1/25〜2/1 令和6年4月18日(木)

上記を見ると、東京ではほぼ毎月甲種4類の試験が受けられることが分かります。また申し込みの受付期間は短いため、忘れず申し込むようにしましょう。

試験はどの都道府県でも受けられる

消防設備士試験は居住地以外の都道府県でも受験することが可能です。

希望する都道府県の消防試験研究センター支部にて受験の申請を行いましょう。

ちなみに東京都の中央試験センター及び大阪府支部の連絡先は以下の通りです。

  • 中央試験センター
住所 電話番号 問い合わせ時間
〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷1-13-20 03-3460-7798 平日 午前9時~午後5時(土日祝は不可)
  • 大阪府支部
住所 電話番号 問い合わせ時間
〒540-0012 大阪市中央区谷町1-5-4近畿税理士会館・大同生命ビル6階(一財)消防試験研究センター 大阪府支部 06-6941-8430 平日 午前9時~午後5時(土日祝は不可)

甲4と乙4どっちがおすすめ?

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甲種4類と乙種4類では、扱える消防用設備等が共通しているため、どちらを受験すべきか迷う人もいるはずです。

以下では甲4と乙4を様々な観点から比較してみましょう。

初学者であれば乙種4類から受験しよう

消防設備士第4類に関する知識が全くない状態なら、まずは乙4から受験するのが良いでしょう。

上記で紹介した通り、甲4を受験するには国家資格や学歴が必要です。一方で乙4には受験資格がありません

よってこれから消防設備士として働きたいという場合は、まずは乙4の合格を目指すのがおすすめです。

また乙4を取得して2年以上の実務経験を積めば、甲4の受験資格が得られます。そのため、その時に改めて甲4類を取得すると良いでしょう。

甲4の方がメリットは多い

消防設備士として活躍したいのなら、乙4取得後は積極的に甲4を狙うべきです。甲4には以下のようなメリットがあり、取得すれば長期的な活躍が期待できます。

甲4の方が求められる場合が多い

先述したように、乙4では対象となる消防用設備等の整備・点検しか行えませんが、甲4なら工事も行うことができます

甲4の方が業務の幅が広いため、需要が高いのは甲4の方です。甲4を取得すれば様々な職場で必要とされる人材になることができるので、就職・転職の成功やキャリアアップにつながるでしょう。

甲4の方が給与の面でも優れている場合も

甲4の方が乙4よりも需要が高い分、給与面でも優れていることが多いです。

具体的には消防設備会社では約1.5倍、ビルメンテナンスの会社では約2倍程度、乙4よりも甲4の方が手当を多くもらえる傾向にあります。

また甲4の方が手当が良いことは、求人サイトを見ても明らかです。例えば「工事士.com」などでは、甲4の有資格者には月に1万円近い手当が支給されるケースも散見されます。

ちなみに甲種消防設備士の平均年収は400〜500万円前後です。一方で乙種は300万円程度と言われています。これを見ると、設置工事ができる甲種を取得しておいた方が良いことが分かるでしょう。

さらなる高収入を狙いたいという場合は、他の甲種消防設備士や電気工事士の資格を取得するのがおすすめです。

合格基準・合格率は大差ない

乙4の合格基準は甲4と同じで、筆記試験にて各科目40%以上・全体で60%以上かつ実技試験で60%以上になります。

また乙4の過去5年間の合格率は平均で30%程度のため、こちらも甲4と大差ありません。乙4の合格率のデータは以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和4年度 8,449 2,773 32.8%
令和3年度 8,958 3,138 35.0%
令和2年度 8,492 3,007 35.4%
令和元年度 5,709 1,931 33.8%
平成30年度 6,361 2,104 33.1%

実技試験の比重が甲4の方が大きい

受験資格が設けられていることからも分かる通り、試験の難易度としてはやはり甲4の方が高いです。

また甲4の方が乙4よりも実技試験のウェイトが大きいという違いもあります。乙種の実技試験は「鑑別等」の5問のみですが、甲種ではそれに加えて「製図」が2問追加されるのです。

この製図によって甲種の難易度は乙種よりも高くなっています。そのため、試験対策の際は、山場である「製図」の勉強をより重点的に行うべきです。

甲種4類に合格するための勉強法

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消防設備士甲種4類の偏差値は50程度のため、他の資格と比べるとそこまで難易度は高くないと言えるでしょう。ただし合格率は30%程度なので、気を抜かずに入念な対策を行うべきです。

甲種4類の試験対策には、以下の内容を参考にしてください。質の高い勉強で一発合格を目指しましょう。

勉強期間は3ヶ月以上確保しよう

乙4であれば1〜2ヶ月程度の勉強時間で合格することも可能ですが、それよりも難易度の高い甲4では3ヶ月程度の勉強時間が必要です。

勉強時間が長くなる要因としては、やはり先述した「製図」の対策が挙げられます。製図は消防設備士試験の中では難関なので、対策にはそれなりの時間が必要です。

学習スタイルとしては「平日1時間・土日に3時間」という時間配分で勉強すると良いでしょう。これ以外の配分でも良いですが、3ヶ月で130時間程度勉強できるようなスケジュールがおすすめです。

過去問や練習問題はネットで手に入る

消防整備士の試験対策においても、他の資格試験同様、過去問演習が有効です。

甲4の過去問は一般社団法人消防試験研究センターのホームページから入手できるため、積極的に活用しましょう。

また様々なサイトで、甲4試験の想定問題を解くことができます。こうした練習問題も活用しながら、試験勉強におけるアウトプット量を増やすと良いでしょう。

実技試験にウェイトを置く

これまで解説してきた通り、甲4試験に合格するには実技試験、特に「製図」を攻略する必要があります

実技試験は7問しかないので各問題のウェイトが大きく、正確な解答でなければ部分点を取ることも困難なので、筆記試験よりも難易度は高いと考えるべきです。

そのため、試験対策は実技試験に力を入れて行うと良いでしょう。筆記試験:実技試験=2:3くらいの配分で勉強するのがおすすめです。

実技試験では解答の正確さに加えてスピードも要求されるため、時間を測りつつ素早く問題を処理できるように練習しましょう。

通信講座を利用して合格を目指す

上記のように消防設備士甲種の資格試験は簡単ではありません。しっかりとした学習方法や学習スケジュールを確立できない場合、一発合格は難しいでしょう。

独学では不安だという方は通信講座の受講を検討すると良いです。特に「たのまなの消防設備士講座」は非常に評判がよく、どのような人にもおすすめできます。

質の良いテキストや学習サポートを利用できる割に価格が安く設定されています。最もコストパフォーマンスに優れた講座であると言えるでしょう。

開講している会社の信頼性も高いので、確実に合格までサポートをしてくれます。

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製図対策が合格を決める

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実技試験の「製図」は甲種4類の鬼門です。そのため、製図を制する者が甲種4類を制すると言っても過言ではありません。

以下の内容を参考にして、製図の対策を効果的に行ってください。

消防設備士甲種4類の実技試験の内容

消防設備士甲種4類の実技試験は、「鑑別等」5問・「製図」2問という出題構成です。以下ではそれぞれの内容を解説します。

感知器などのイラストを見て答える「鑑別等」

甲種4類における「鑑別等」では、図やイラストを元に火災報知設備など消防設備士が取り扱う機器の名称・用途などを答えさせる問題が出題されます。

また感知器の設置基準や作動原理なども問われるため、対象となる消防用設備等に関する幅広い知識が必要です。

「鑑別等」に関しては乙4と出題範囲が重なるため、乙4を取得している場合は比較的対策がしやすいと言えるでしょう。

設備や配線などの記入をする「製図」

甲種4類の「製図」では、答案用紙に配線などを書き込んで、系統図や平面図を完成させるという問題が出題されます。

「製図」の出題数は2問ですが、系統図と平面図に関する問題がそれぞれ1問ずつ出題されるのが通例です。

また電線本数や受信機の仕様についての問題も出題されます。特に電線本数についての問題は頻出なので、正確に記憶しておくべきです。

製図対策には「筆記試験の勉強」も欠かせない

消防設備士に関する市販の対策テキストを見ると、大半が「筆記試験」から「実技試験(鑑別等)」そして「実技試験(製図)」という流れで記述されています。

そのため、試験対策を行う際も、同様の流れで進めるのが良いでしょう。なぜなら、実技試験のベースとなる知識は、筆記試験の内容と重複するからです。

例えば、筆記試験で出題される「感知器の名前や種類」や「感知器の設置基準」に関する知識がなければ、「鑑別等」の問題を解くことはできません。

「製図」においても同様の事態は起こり得ます。製図を攻略するにも、やはり筆記試験の知識が必要です。

よって試験対策を行う際は、まず筆記試験に必要となる基本的な知識を万全にし、それから実技の対策に取り掛かるのが良いでしょう。

製図で合格点をとるためのポイント

製図を攻略するには、以下5つのポイントを押さえておくと良いでしょう。これらを理解していれば、大抵の問題に対応することが可能です。

防火対象物の理解

防火対象物は、一般的な「防火対象物」と「特定防火対象物」の2種類です。

なお、防火対象物に関しては、筆記試験の「消防関係法令」で扱われるため、同範囲の対策が完璧にできていれば、問題なく解答できます。

先述した通り、実技試験でも筆記試験でもベースとなる知識は変わりません。

消防法施行令別表第1も重要

消防奉仕施工令別表第1(別名:消令別表第1)は、防火対象物・特定防火対象物の具体例を一覧表にしたものです。

消令別表第1では、劇場やキャバレー、遊技場、飲食店などの防火対象物が列挙されています。

病院や老人ホームなどの施設に関しては、用途等の定義が詳細に定められており、これらの内容を覚えることは「製図」を解く上でも重要です。

凡例記号(図記号)

製図における設備図を完成させる問題では、図記号を用いて感知器や発信器、表示灯、配線などの設置場所を示す必要があります。

実際の試験においては、「〜を設置する場合、下記の条件に基づき、凡例記号を用いて設備図を完成させなさい。」というような問題が出題されます。

特に感知器に関しては、「差動式スポット型感知器」や「定温式スポット型感知器」、「光電式スポット型感知器」など複数の種類があるため、混同しないように注意が必要です。

それぞれの感知器と設置基準

感知器と設置基準を対応させて記憶しておくことは重要です。これは筆記試験対策に有用ですが、製図でもその知識は必要になります。

設備図を完成させる問題では、問題の条件をよく読み、適切な場所に適切な感知器の図記号を記入しなければなりません。

感知器と設置基準に関する出題パターンは複数あるため、試験当日にどれが出されても良いように、きちんと練習を積んでおく必要があります。

警戒区域や感知区域

警戒区域と感知区域の定義については、筆記試験の頻出項目のため、この部分を押さえておくだけでも得点アップが可能です。

もちろんその知識は実技試験においても役に立ちます。

警戒区域とは、防火対象物で火災が発生した場合に、火災場所とそれ以外の場所を区別するために設けられる区域のことです。

一方で感知区域は、感知器によって火災発生を感知できる区域のことを指します。

製図の勉強時間を多めに確保する

甲種4類の合格には3ヶ月程度の勉強時間が必要だということは先述しましたが、特に時間を要するのは「製図」の対策です。

「製図」の問題が解けるようになるまでに1ヶ月以上かかるという人も大勢おり、それだけ難易度の高い分野になります。

そのため、製図には予想以上に時間がかかると心得ておき、勉強時間を多めに確保しておくのが良いでしょう。

また製図の勉強法としては、まずはテキストを読み込んで製図に慣れ、その後はひたすら問題演習を繰り返すのが一般的です。

消防設備士甲種4類の申し込み方法

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消防設備士甲種4類における受験の申請方法は、書面申請と電子申請の2通りがあります。

書面申請は願書を提出する申請方法で、電子申請はインターネット経由での受験申込です。

基本は書面申請

初めて甲種消防設備士試験を受験する場合は、電子申請はできません。よって必ず書面申請を行うことになります。

願書や受験案内は、消防試験研究センターの各都道府県支部・関係機関・各消防本部・東京中央試験センターにて、無料で入手が可能です。

書面申請では以下の書類を揃えた上で、受付期間内に各都道府県の消防試験研究センター支部(東京は中央試験センター)に申請を行います。

  1. 受験願書

  2. 受験資格を証明する書類

  3. 既得の消防設備士免状のコピー(すでに「消防設備士免状」を取得している場合)

  4. 免除の資格を証明する書類等(一部面免除を受ける場合)

  5. 郵便振替払込受付証明書(受験願書添付用)

なお、郵便振替払込受付証明書に関しては、受験願書を受け取る際に一緒に貰えます。

他の甲種を取得している場合は電子申請も可能

電子申請とはインターネットから行う受験手続きのことですが、この方法は受験資格を証明する書類等の提出が不要な試験にのみ利用できます。

そのため、甲種4類の試験に関しては、すでに他の甲種消防設備士免状の交付を受けている場合のみ可能です。

なお、電子申請で甲種4類の申請を行えば、試験科目の一部免除を受けることができます。

試験手数料は5,700円

甲種4類の試験手数料は5,700円です。支払いは郵便局の窓口にて行います。一度納入した試験手数料は返金されないため、注意しましょう。

また乙4の試験手数料は3,800円です。

なお、消防設備士の試験手数料は、受付や試験実施にかかる人件費や印刷製本費用・会場借上費などの物件費に当てられています。

取得後は講習の受講義務がある

消防設備士は、消防用設備等の工事・整備に関する知識及び技能をアップデートするために、定期的に各都道府県で講習を受ける必要があります。

消防法に定められた受講期限は以下の通りです。

  • 消防設備士免状が交付されてから最初の4月1日より2年以内

  • 消防設備士講習を受けた日から最初の4月1日より5年以内

また講習には4区分があり、資格の種類によって受ける講習が異なります。甲種4類が受けるのは「警報設備」です。以下の消防用設備等に関する内容を学びます。

  • ⾃動⽕災報知設備

  • ガス漏れ⽕災警報設備

  • 消防機関へ通報する⽕災報知設備

  • 漏電⽕災警報器

受講料は7,000円で、収入証紙によって納めます

消防設備士甲4についてまとめ

消防設備士甲4についてまとめ

  • 合格率・合格基準は甲4・乙4共に同じ
  • 試験日程は都道府県によって異なる
  • 通信講座の利用もおすすめ

今回は消防設備士甲種4類について解説しました。

甲4と乙4では、対象とする設備や試験の合格率・合格基準は変わりませんが、甲4は設備工事が行えるため、仕事で活かすなら甲4の取得を目指すべきです。

甲4と乙4の最大の違いとして、甲4では実技試験で「製図」が出題されることが挙げられます。「製図」は甲4における鬼門となるため、1ヶ月以上費やしてでもきちんと対策するようにしましょう。

実技試験を攻略するには筆記試験の知識が欠かせないため、ネットで入手できる過去問・練習問題も利用しながら知識を万全にするべきです。

また独学で試験対策が不安なら、通信講座を利用した方が合格の可能性は間違いなく高くなるでしょう。

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