MBAを取得するのは意味がない？無駄といわれる理由や必要性を徹底考察！

MBAを取得しても意味ないという意見がありますが、それは本当なのでしょうか？

以下ではそれらの意見の背景などについて徹底分析していきます。

MBAの必要性はその人の状況による

MBAを取得しても意味ないかどうかは、個人が置かれている状況によって違います。

ビジネスの現場で必要となる知識を学び、仕事に活かしたいと考えている方であれば、MBAスクールに通う意味は大いにあるでしょう。

逆に、ビジネスの特定の分野だけ学べれば良い、という方であれば書籍やオンラインスクール等で勉強すれば済みます。

このように、自分の考えているキャリアやビジョンによってMBAを取得する意味合いは変わってくるので、一概に「取得しても意味ない」「価値がなく無駄に終わる」とは言えません。

なぜMBAは無駄と言われるのか

MBAの価値を否定する方の主張としては、主に以下のような内容です。

• MBAの学習に気が取られ仕事が疎かになる
• MBAホルダーはより大きな仕事を求める反面、雑務などの重要性を過小視してしまう
• MBAで得た知識に固執して考えが固定されてしまう

以上のように、「取得すること」が目的となってしまうといった意見や、学んだ内容に捉われすぎてしまうため無駄であるといった主張が多いです。

しかし、専門家はビジネス教育自体を問題視してるのではなく、欧米における分析過多の教育を批判しており、決してMBAの価値を否定していません。

つまり、MBAの勉強に励むこと自体は奨励されているため、取得自体の価値を否定するのは間違いであるといわざるを得ません。

MBAはコスパが悪いとの意見も

「MBA否定派」の方は、取得までに多くのコストや費用が掛かってしまう点にも批判の声を上げています。

なお、取得までに必要となる時間やコストは海外MBAの場合は以下のようになっています。

また海外MBAの場合は、学費に加えて現地での生活費や移動費なども発生するため、これ以上の費用負担を見積もっておく必要があります。

また、MBAは「取得までに時間がかかりすぎる」という意見がありますが、上記の表を見るとこれはあながち間違いではないことがわかります。

つまり、取得するためには多大な時間や費用がかかってしまう点は事実なので、その点は予め押さえておく置く必要があります。

MBA取得によるリターンは豊富

前述したように、MBAの取得には多くのコストが必要となりますが、そのコストに見合うリターンが期待できます。

具体的なメリットを見てみると、以下のようになります。

• 世界中の人との人脈を築くことができる
• MBAに関する知識や語学力を向上させることができる
• 給与増加やキャリアアップが期待でき、転職でも有利になる
• 海外経験をすることで価値観が拡大する
• MBA取得というステータスを得ることで、自分に自信が持てるようになる

人脈や語学力はお金で測ることのできない貴重なスキル・財産なので、MBAに行くことでそれらを豊富に得る機会に恵まれる点は非常にありがたいといえるでしょう。

また、給与アップやキャリアアップは年収の増加を達成できれば職業人生に良い影響を与えるため、ここからもMBAを取得することによるリターンの大きさがわかるでしょう。

MBAでビジネス理論を学べる価値は大きい

ビジネス理論とは、ビジネスをする上でのルールや知識のことを指しますが、ビジネスに関わる社会人であれば当然知っておくべきものです。

MBAに通わなければ得ることのできない知識は多く、MBAを目指していない社会人は会社でビジネス理論を断片的にその都度学習しなければなりません。

しかし、スクールに通うことでビジネスの基礎を体系的・網羅的に学ぶことができるメリットがあります。

この点は大きなメリットとして考えられ、自分の視野を広げるという意味でも非常に有意義なのです。

MBAが意味のあるものになるかどうかを判断するためには、MBAがその人にとって必要であるか否かを判別する必要があります。

取得を目指す方のキャリアを考える上で重要なポイントなので、以下ではMBA必要である場合とそうでない場合のシチュエーションを詳しく紹介していきます。

MBAが必要ない例

まずは、MBAが必要がない例を見てみましょう。

MBAの内容を学びたい人

MBAで学習する内容は、市販の書籍やオンラインスクール等で学習する事ができる内容がほとんどです。

国内MBAを目指す場合、国立の大学院では約150万円、私立では約300万円程の学費が掛かってしまうため、単にビジネス知識を学びたい方は書籍や予備校で学べば十分です。

ただし、MBAスクールではディスカッションなどの実践的なスキルを鍛えたり他者の意見を直接聞けるプログラムも存在するため、そのような学びを得たい方はMBAスクールを検討するべきです。

海外経験を積みたい人

海外MBAを目指す理由が海外経験や語学力の向上の場合は、MBAの取得よりも海外転職の方がおすすめです。

海外MBAは非常に高いコストがかかってしまうため、大きなコストを払って海外経験を積むよりも働きながら経験を積むことで必要な経験を得られるでしょう。

また、「人脈の構築」についても海外転職で広げることが可能なので、わざわざMBAを目指す必要はあまりないといえるでしょう。

MBAの価値を享受したい人

MBAの取得を通して転職を目指す方が増えますが、MBAを高く評価してくれる企業は少ないのが実情です。

MBAの取得者は1年あたり数十万人にも上るため、供給過多の状況ともいえるのです。

また、MBAではビジネスに関する様々な事を広く浅く学ぶ傾向にあるため、自分の仕事に直結するスキルが得られるとは限りません。

そのため、自分に必要な知識をピックアップして必要なポイントを学んだ方が実用的であるケースも多くあります。

MBA取得に適している人

続いて、MBA取得に適している方の特徴やその理由を紹介していきます。

海外経験をした事がない人

海外に留学する方は、日本国内を飛び出して海外で生活しなければなりません。

居心地の良い日本を離れ、母国語が通じない環境に身を置く経験は誰しもができるわけではありません。

このような経験は社会に出た後にビジネスでとても役立つ貴重な財産となるでしょう。

また、海外で生活することでMBAの学習をしながら留学先の言語を習得できるメリットがあるので、一石二鳥なのです。

ビジネス系の資格を持っていない人

中小企業診断士などのビジネス系の資格を持っておらずMBAを取得したい方は、積極的に勉強すると良いでしょう。

MBAは難易度が高く、膨大な費用と時間を必要とすることから一般的にコストパフォーマンスが悪いと言われています。

しかし、難易度が低く自分が興味が無い資格を取っても、自分の身になることはありません。

また、MBAを取得していると転職や昇進などで優遇してもらえる事が多々あるため、多くのメリットが期待できる資格であるといえるのです。

会社が費用を負担してくれる人

MBAの悪い点としては、取得までのコストパフォーマンスの悪さが挙げられます。

とはいえ、勤めている会社が取得までの費用を助成してくれる場合もあるため、そのような機会があれば積極的にチャレンジするべきです。

また、会社によってはMBAの学習期間に会社から給与が出ることもあるため、就業規則などを確認しておき、チャンスがあれば取得を目指すべきです。

MBA取得が業界内で必須条件の人

業界によっては、MBAを取得することが業界内で一般的であることもあるでしょう。

経営コンサルタントなどの業界で勤めている場合はMBAの取得が必須となるため、負担をしてでも取得を目指すべきです。

取得していないと昇進や活躍に支障をきたす恐れがある場合は、MBAの取得を目指しましょう。

日本でキャリアアップをしたい人

海外で就職したい場合は海外MBAの取得がおすすめですが、日本国内でのキャリアアップを目指す場合は国内のビジネススクールに通うのがおすすめです。

国内MBAは海外MBAと比較すると保険料金や移動費などが掛からないため、コストパフォーマンスに優れています。

日本では海外よりもMBAの価値が高く評価される機会は少ないですが、働く業界によっては高く評価してもらえるのでキャリアアップを目指している方は積極的に勉強しましょう。

続いて、MBA取得を検討する上で注意するべきポイントを紹介していきます。

自分の将来のキャリアビジョンを想像できているか否かでポイントは異なるため、参考にしてください。

キャリアビジョンが描けていない人

前述したように、自分の描いているキャリアビジョンから逆算してMBAの必要性を考える必要があります。

以下では、MBAの必要性を考えるうえで大切なキャリアビジョンを把握するための手法を紹介していきます。

キャリア本を読む

自分のやりたい事が明確に定まっておらず、キャリア設計に悩んでいる方は将来について考えるためにもキャリア本を読むことをおすすめします。

自分がどのようなキャリアを歩み、最終的にどのようなゴールに到達したいのかを考え、MBAの取得が有効かどうかを判断しましょう。

キャリアのビジョンを考えた際に、MBAの取得が有効であると判断した場合は取得を前向きに検討してみることをおすすめします。

転職試験を受ける

MBAを取得する目的として転職やキャリアアップを考えている方は、転職試験を試しに受けてみると良いでしょう。

実際に転職試験を受ける事で転職試験の様子や自分の価値について把握できるため、実際にMBAを取得した後の対策としても役に立ちます。

また、試しに受けた転職試験で幸運にも採用をもらえれば、無理にMBAを取得する必要はありません。

このように、MBA取得を検討する段階で転職試験を受けるメリットは多くあるので、自分の価値を知るためにも実践してみてください。

転職エージェントの面談を受ける

MBAを検討する前に、転職エージェントに登録して無料で面談を受けることもおすすめです。

転職エージェントの面談では、第三者であるエージェントと面談することになるため自分の強みや弱点などを客観的に評価してもらえます。

また、面談ではエージェントからキャリア設計に関する有益なアドバイスをもらうことができるため、自分の将来的なキャリアを考える上でも有意義な時間となること間違いなしでしょう。

自分が目指すべきビジョンが定まっている人

逆に、自分がどういったキャリアを築いていきたいのか決まっている方の検討ポイントについて解説していきます。

企業派遣の有無を調べる

MBA取得を目指すにあたって、自分が働いている企業に企業派遣が存在するのか確認してから取得するべきかを検討すると良いでしょう。

企業派遣の制度がある場合は、MBAの学費や留学の際に発生する諸費用を企業側が負担してもらえるケースが多いため、勉強に集中できるメリットがあります。

また、MBAの勉強中でも給料をもらうことができるため、生活の面でも安心できる魅力があります。

休職制度も要確認

企業派遣制度が無かった場合は、休職制度があるかどうかを確認しましょう。

休職制度が整備されていれば、MBA取得後に就職活動をする手間が発生するデメリットを受けることなく再び同じ職場で働く事が可能となります。

また、転職活動に失敗しても今現在籍している会社が「保険」としての機能を果たしてくれるため、勉強に集中するためにも休職制度を活用することも視野に入れましょう。

仕事とMBAを両立できるか

MBAのカリキュラムには、一般的な学生のように平日の昼間に授業を受ける形態だけでなく、社会人向けに平日の夜間や土日にる講義を行うカリキュラムも存在します。

平日の夜間や休日に勉強するカリキュラムであれば、働きながらMBAの取得を狙えるでしょう。

仕事への影響が少なく勉強と仕事の両立も可能なので、休職して収入が途絶えることが不安な方は社会人向けカリキュラムを利用してみることがおすすめです。

退職してMBAの勉強に打ち込む選択肢も

リスクはありますが、現在勤めている企業を退職してMBAの勉強に集中するという方法もあります。

仕事と勉強を両立できれるのがベターではありますが、実際にやってみると肉体的にも精神的にも疲労が溜まり挫折してしまうことも考えられます。

そのため、将来のビジョンが定まっており、MBAの取得を本気で目指している方は勉強に一本化するのも選択肢として考えると良いでしょう。

二年間は無収入となりますが、MBAの取得で年収増加が期待できるため、長い目で見れば負担した費用は回収できるはずです。

ここまでは主に社会人の方がMBAを取得するメリットについて解説しましたが、それ以外の方にもMBAは意味のあるものとなっています。

ここでは、新卒学生・事業承継者・留学生などがMBAを取得するメリットについて見てみましょう。

大学卒業後に直接ビジネススクールへ行く人

大学卒業後に就職せず、いきなりMBAの取得を目指すと大きなアドバンテージを得ることができます。

ビジネススクールでは社会人学生が多いため、大学では出会うことのできない経歴を持つ方と関係を築き、会社で働いた経験談を直接聞くことができます。

また、新卒でMBAを取得すれば高収入が期待できる外資系企業などへの就職にも役立ち、社会人になってから勉強する手間と時間を省くことができるメリットがあります。

しかし、新卒からのMBA進学は実務経験がないため、具体的なビジネスシーンでの知識の応用や実例の理解が難しい点も考慮しなければなりません。

事業を継承し経営者になる人

MBAでは経営に関して総合的な知識を学ぶことができるため、事業承継等で経営者なる予定がある方にもおすすめです。

実際、ビジネススクールには事業継承を予定している学生も多く参加するため、そこで良質な人脈を築くことができるでしょう。

現在のMBAの授業は経営に関する授業に重きを置いているため、MBAの取得は起業家よりも二代目以降の経営者にとって有意義な内容を学ぶことができます。

また、事業承継の際に直面するリーダーシップや経営戦略の問題も、MBAのカリキュラムで深く学ぶことができるため、後継者としての自身の役割をより効果的に果たす手助けとなります。

日本のMBAスクールへの留学生

日本で就職を目指している留学生の場合は、日本のMBAスクールに通うのがおすすめです。

スクールでの生活を通して日本の社会人とコネを作ることができ、また実際の働き方についても直接学ぶことができます。

日本語をある程度マスターする手間は発生しますが、実際に日本に留学してくる学生も多いため、前向きに受講を検討すると良いでしょう。

続いて、MBAに進む際に予め注意しておくべき点についても紹介していきます。

MBAの学習は広く浅く

MBAでは、経営に関する事項を網羅的に学習していくため、2年間の学習期間で1つの分野を専門的に学習することはできません。

つまり、広く浅く勉強することになるので専門的に極めたいことがある方には向かない可能性があるのです。

そのため、MBAに進学する前にあらかじめ具体的にどのような内容を学ぶのか調べておくと良いでしょう。

しかし、多角的な視点からビジネスを考える能力や異なる分野間の結びつきを理解する力を養うことができるのがMBAの魅力とも言えます。

起業家志望はあまりおすすめしない

前述したように、近年のMBAでは起業家を養成するよりも、経営に関する広い知見を身に着けることを通して幹部の育成に力を入れています。

そのため、日本のMBAには起業家志望で学びに来る方はあまりおらず、学べる内容と目指している内容でミスマッチが生じてしまう可能性があります。

MBAスクールに行く前に実際に起業を試してみて、もし行き詰まってしまったらスクールを利用する、という方法も考えておくと良いでしょう。

国内MBAの権威性はチェックが必要

日本のMBAは国によって認可された学位ではなく大学が独自に認めている学位なので、海外とは異なりMBAの権威性が保たれていません。

そのため、日本のMBAに関しては世界基準のカリキュラムで学べるかどうかという点を企業側は評価しています。

取得後に高い評価を得るためにも、スクールを選ぶ際には学習カリキュラムの内容を確認し、世界基準かどうかをチェックすることも重要です。

MBAスクールは放任的

スクールでは学習する環境が整備されていますが、自分で努力しない限りは何も身に着けることはできません。

つまり、有益なスキルを身に着けることができるかどうかは結局のところ「自分の頑張り次第」となります。

自発的に学ぶ姿勢が無いと何も得られずに終わってしまう上に、人脈を築くためにも自分から積極的にコミュニケーションを取る必要があるため、スクール入学後の姿勢は非常に重要と言えるでしょう。

MBAホルダーになったからといって、社会人として成功するとは限りません。

こちらのトピックでは、MBA取得を意味あるものにするために大切なポイントを解説していきます。

データ至上主義に陥らない

MBAでは、データ分析などのビジネスを成功させるための論理的手法を学び、経営に関する幅広い知見を習得できます。

しかし、データがそもそも無い新規事業では学んだことを活かせないため、その際には自分で感じたことや見た情報をベースに分析しなければなりません。

データだけに頼るのではなく実際に自分の足でフィールド調査などを行う作業も欠かさずに行う必要があります。

経験だけに囚われないよう注意

MBAスクールでは大量の論文や文献を読む機会が多くあり、それらの文章を読むことで著者の経験したことを学ぶことができます。

しかし、重要なのは「自分の直接体験を過度に重要視しない」ことにあります。

自分の体験を絶対視して他者の経験を軽んじてしまうと、視野が広がらない上に自己成長にも繋がりません。

そのため、自分の経験と他者の経験をそれぞれ貴重な情報として受け入れ、そこから必要なポイントを学ぶことで成長することができるでしょう。

論文執筆経験から学ぶ

MBAの学位を取得するためには、学位論文を執筆しなければなりません。

高いレベルのな学術的な論文を書けるようになれば、自然と論理的・思考力・情報の収集と分析能力など、実務でも活用できるスキルが習得することができます。

また、論文の執筆を経験することで「相手に分かりやすく物事を伝える」能力も培うことができるため、社会人になってから役立つスキルを幅広く備えることができるのです。

異種職種を持つ人から学ぶ

MBAスクールには、社会人だけでなく新卒学生や留学生など、様々なバックグラウンドを持つ方々が集まります。

様々な方と関係を持ち人脈を築くことで、新たな価値観を得たり視野を広げることができるでしょう。

特に、社会人の方は自分の企業の考え方が体に染みついてしまっているので、異種職種の方から学べることは多いでしょう。

MBAは取得しても意味がないといわれる理由やメリットについて詳しく解説しました。

非常に価値の高い学位であり役立つ場面も多いことから、取得するメリットは大きいです。

社会人生活の中でも役立つ知識を得ることができる貴重な学位なので、興味がある方は前向きに勉強に励んでください！