MBAは独学で学べる?独学で勉強するメリットやおすすめテキストまで解説!
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「MBAは独学で学べる?」
「独学のメリットは?おすすめのテキストはどれ?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
MBA(経営学修士)は、大学院やビジネススクールで取得する学位なので、独学で取ることはできません。
しかし、MBAの取得過程で学ぶような内容を独学することはでき、それはビジネスパーソンにとって非常に有意義なことです。
そこで今回はMBAで扱う内容の独学について、独学するメリットやおすすめのテキストを含めて解説します。
MBAの独学についてざっくり説明すると
- 前提として独学でMBAは取得できない
- 独学なら柔軟にスケジュール調整ができる
- お金をかけずに勉強できるのもメリット
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そもそもMBAは独学で学べるの?
MBAは、大学院やビジネススクールで経営学を修めた者に与えられる経営学修士のことを指し、独学で取得することはできません。
しかし、MBAを取得する過程で学ぶ内容を独学することは可能です。この記事で「MBAを独学する」と言うのは、そのような自主学習のことを指します。
必要な勉強時間は?
MBAの学位を取得するためには大学院で2年間学習を積み、卒業することで取得が可能です。
一方、独学ではディスカッションなどは行わないため、MBAの取得過程で扱われる内容を2年よりも短い期間で学ぶことができます。
独学の主な学習手段は本を読むことです。
よって、集中的に本を読み進めることで2年以内に学習内容を理解することもできる一方、自分のペースでゆっくりと呼んだりするケースでは2年以上かかることも十分考えられます。
MBA(経営学修士)の内容を独学で勉強するメリット
MBAを取得するのではなく、それに関連する内容を独学することには、以下のようなメリットがあります。
自分のペースで学習を進められる
独学では、大学院ようにカリキュラムが決められているわけではないので、自分のペースで学習することができます。
大学院を卒業するには、決められた単位を取得する必要があり、そのためには決まった日時に授業に出なければなりません。よって仕事が忙しい方にとってはかなり大変です。
一方で独学なら、時間や場所を制約されることはありません。仕事の都合に合わせて、柔軟に勉強のスケジュールを変えられる点は大きな魅力です。
急遽予定が入っても問題ありませんし、仕事が忙しい時期にはしばらく勉強を休むことも可能です。
また仕事が落ち着いているタイミングなら、短期集中型で一気に勉強することもできます。通常MBAの取得には2年程度かかりますが、独学なら半年や1年で済むパターンも存在します。
特定の分野に力を入れられる
大学院であれば、興味関心や学習経験などに関わらず、色々な分野を満遍なく学ばなければなりません。
一方で独学なら、自分が興味を持っている分野や、学んだことのない分野だけを、重点的に勉強することが可能です。
例えば、経済学部出身者なら統計学などをすでに学んでいる場合もありますが、大学院ではそれらに関する授業も受ける必要があります。これに対し、独学ならそれらを勉強しないという選択もあるわけです。
加えて、独学ならリーダーシップやマネジメントなど、あまり深く学んでこなかった分野に特化して勉強することもできます。
このように独学は自由度が高いので、効率的に好きな勉強だけをできるという点で、学習モチベーションも維持しやすいでしょう。
費用を抑えて勉強できる
国内のMBA大学院やビジネススクールに通うなら、100万円以上学費が必要であり、海外に留学する場合は、生活費などを含めると1,000万円以上の出費になることもあります。
具体例を挙げるなら、国内の場合、公立の東京都立大学大学院の学費は2年間で1,323,600円、私立の慶應大学大学院は4,333,600円です。
海外だと、例えば、ハーバード大学大学院なら約76,000ドルの学費を要します。
そのため、MBAの取得は自由に使える貯蓄がある程度なければ、現実的な選択肢ではありません。
一方で独学なら基本的には参考書代しかかからないため、かなり出費を抑えられます。貯金があまりない新入社員でも、今日から気軽に始めることが可能です。
忙しい方でも続けられる
働きながら国内でMBAを取得する場合、平日の昼間は仕事へ行き、夜間や休日を利用して勉強することになります。会社にも大学院にも行くわけなので、相当なハードスケジュールです。
海外でMBAを取るなら、仕事は休職もしくは退職する必要があります。そうなれば、忙しさは少しはましになりますが、収入源がなくなってしまうのはかなりの痛手です。
これに対し、独学の場合は、忙しくても無理なく続けられるようなスケジュール設定ができます。
例えば、仕事で疲れたときは夜間の勉強を休むこともできますし、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間だけを利用して学習することも可能です。
もちろん休職や退職の必要はありません。仕事を優先して、勉強の方をしばらく休むという選択もできます。
気軽に始められる
MBAの取得には、膨大な学費がかかり、時間もかなり制約されるので、一般の社会人にとっては、始めるハードルはかなり高いと言えるでしょう。
一方で独学は、費用はあまりかからず、スケジュールも自由に決めることができるため、気軽に始められます。合わないと思ったり、興味がなくなったりした場合は、途中でやめることも可能です。
そのため、MBAに関心はあるものの、大学院に通うほどの決意はまだ固まらないという場合は、まず独学から始めてみるのも有意義だと言えます。
独学で十分に知識やスキルを身につけられれば、それで事足りますし、物足りなく感じれば、大学院やビジネススクールに入る良いきっかけになるでしょう。
ビジネスパーソンであれば、MBA関連の勉強をして損になることはまずないので、ぜひ一度独学をお試しください。
MBA(経営学修士)の内容を独学で勉強するデメリット
MBAの内容を独学することにはデメリットも多い選択となるので、この点は注意してください。
ディスカッションは不可能
大学院やビジネススクールでは、具体的なケースを題材に、クラスメイトや教授の間でディカッションが行われ、それを通じて考えを深めることができます。
一方、独学はディスカッションに不向きな学習スタイルです。一緒に勉強する友人などがいれば、議論できないことはありませんが、大学院やビジネススクールの水準で活発な話し合いをするのは難しいと言えます。
また、ビジネススクールや大学院では、異なる背景や経験を持つ人々との交流が魅力の一つです。これにより、自分が気づかなかった視点を知ることができたり、新しいアイディアや考え方を受け入れる機会が増えます。
一人で思索し、理解を深めていくことも可能である一方、他人の意見を聞いたり、自分の考えを発表したりすることで、考えがまとまるというような経験はできません。
ケーススタディの効果が薄い
大学院やビジネススクールで行われるケーススタディなら、クラスメイトとのディスカッションや教授からのフィードバックも付随するので、高い学習効果が期待できます。
より客観的・専門的に事例を学ぶことができ、正しい考えやビジネスの現場でも通用するような知識を習得することも可能です。
ケーススタディは具体的な事例について考察する学習のことであり、独学でも一応行うことはできます。
しかし、独学の場合はディカッションやフィードバックがないため、大学院やビジネススクールほどの学習効果は期待できません。
自分では良い学習ができたという気でいても、実際には適切な検討ができていなかったり、知識を現場で全く活用できなかったりすることもあります。
モチベーションの維持が難しい
決まった日時に授業が実施され、単位を取得しなければならない大学院やビジネススクールでは、半ば強制的に勉強を続けられます。
一方で独学にそのような強制力はなく、やめようと思えばいつでもやめられるので、モチベーションの維持が課題になりやすいです。
また大学院やビジネススクールでは、レポートの提出やテストの結果などによって達成感を得ることができます。さらにクラスメイトなどと励まし合いながら、勉強を頑張り続けることが可能です。
これに対し、独学の場合は絶対にこなさなければならないノルマは存在せず、同じ境遇で学ぶ勉強仲間もあまりいません。
よって仕事が忙しかったり、勉強が捗らなかったりすると、簡単に挫折してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
キャリアにつながらない
MBAは大学院やビジネススクールを卒業することによって取得できる学位のことで、それを取ることで経営学関連の知識やスキルを客観的に証明する手立てになります。
一方独学で学位は取れないので、一生懸命勉強しても、知識やスキルの証となるものは手に入りません。
MBAを取得すれば、年収アップや転職での成功などにつながりますが、独学者がそのような恩恵を得ることは不可能です。
大学院やビジネススクールに通うには、お金も時間もそれなりにかかるため、独学よりもリターンが大きいのはある意味当然と言えますが、独学では直接的なリターンはほとんどありません。
そのため、勉強が明確な成果につながるという状況を望むのであれば、MBAの取得を目指す方がおすすめです。
人脈が作れない
大学院やビジネススクールでは、経営者や幹部候補などと交流する機会がたくさんあり、人脈が比較的簡単に作れます。
その人脈でビジネスが大成功する可能性もあり、そうなれば数百万円の学費など安いものです。
一方で独学なら、そのような人脈を築くのは難しいです。テキストベースで黙々と一人勉強する中で、第一線で活躍するビジネスパーソンに交わることはほぼありません。
そのため、仕事に結びつく可能性はよっぽどのことがない限りあり得ず、このことは独学の大きなデメリットだと言えます。
もちろん独学によって得た知識やスキルが、仕事での活躍につながることはありますが、より大きな変化を求めるなら、やはり大学院やビジネススクールに行った方が成功確率は高いです。
学習ノウハウがない
著名な大学院やビジネススクールでは、それぞれ独自の学習ノウハウを用いて、効率的かつ効果的な授業が行われます。
一方でそのようなノウハウを持たない独学者は、暗中模索で勉強せざるを得ないので、効率性や学習効果の観点では、大学院やビジネススクールの勉強に劣ってしまう可能性が高いです。
勉強法がよくなければ、本を読んでも全然知識が定着しないこともあり得ます。「この仕方で良いのだろうか」と常に不安を感じながら勉強しなければならないのもデメリットです。
学習が捗らないとモチベーションが維持できず、途中で挫折してしまうこともあるので、勉強が得意でない方や独学での成功体験がない方などにとって、独学はかなりハードルが高い方法だと言えます。
入門者が独学で勉強する方法
ここからは初学者がMBAに関連する内容を独学するための良い方法を紹介していきます。
動画学習をしよう
独学の定番は参考書を使った学習ですが、学習動画を提供するサービスを活用するのもおすすめです。
参考書よりも若干費用が高くなってしまう場合もありますが、その分高い学習効果が期待できます。
具体的には「グロービス学び放題」や「Udemy」などを使ってみてください。
グロービス学び放題では、10,000本以上の動画を利用できます。初級レベルから中級・実践レベルまで、幅広い動画が用意されており、スキマ時間を使ってビジネスを総合的に学習可能です。
Udemyでは、多種多様な分野のオンライン学習コースが用意されており、MBA関連の講座も数々存在します。
どちらも月額2,000円以下で利用できるので、興味のある方はぜひ一度お試しください。
公開講座やセミナーに参加しよう
大学院やビジネススクールでは、誰でも参加できる公開講座が開講されている場合があります。
独学でビジネスを学んでいる方でも受講できるので、興味のある分野だけでも積極的に参加してみましょう。
またファイナンスやマーケティングをはじめ、MBAにまつわる色々なことが勉強できるセミナーに参加するのもおすすめです。
こうしたイベントでは、普段の独学で疑問に思っていることを質問できるチャンスもあるため、学習の効率性を高めることができます。
さらに同じように独学でビジネスを学ぶ人と知り合えたり、将来のキャリアにつながるような人脈ができたりする可能性もあります。
独学のモチベーションを高めることにもつながるまたとない機会となるでしょう。
YouTubeなどの動画コンテンツもおすすめ
YouTubeでもMBAに関する動画が数多くアップロードされているので、それを視聴してみるのもおすすめです。
京都大学大学院やグロービス経営大学院など、信頼性の高い機関が運営しているチャンネルもあります。それらでは、経営者に必要な能力をはじめ、色々なことを学べるため、ぜひ一度見てみてください。
なお、YouTubeのメリットは、お金がかからないことです。コンテンツのクオリティにばらつきはありますが、全て無料で視聴することができ、利用して損はありません。
中には非常にためになる動画もあることから、上手に活用すれば、独学を充実させることができます。
お金をかけずにMBA関連の学習内容を独学したいなら、これから解説する本での勉強と、YouTube学習を組み合わせるのが、リーズナブルかつ効果的だと言えるでしょう。
参考書を読むのもおすすめ
MBAを取得する過程で学ぶことを独学したいなら、各分野の本を読むのがおすすめです。本なら比較的手頃な価格で入手でき、十分な学習効果も期待できます。
大学院やビジネススクールで教科書として活用されているテキストや、それぞれの分野の第一人者が書いた書籍などもあるため、使い方によってはかなりの知識やスキルを習得可能です。
また本は通勤時間などのスキマ時間に読むことができ、動画コンテンツと違ってそこまで目も疲れないので、仕事が忙しい方にもおすすめします。
さらに本であれば、一冊読了するごとに達成感を得ることができ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。「1日何ページ」や「今週はこの本を読む」というように、予定が立てて学習を進めていくのがよいでしょう。
独学で学ぶ際のおすすめテキスト・参考書
続いては、MBAの勉強で扱われる各分野を独学するのにおすすめのテキストや参考書を紹介します。
マネジメント篇
マネジメントは、人材を育成・登用することによって組織を発展させていくことを考える分野です。
「マネジメント[エッセンシャル版]」
アメリカ経営学界で著名なドラッカーの著作です。マネジメントの基本が解説されています。
マネジメントに携わる人間は、自らの役割や責任をどう果たすべきなのか、どのような指針で自分の行動を律すれば良いのかなどを学習できる教材です。
「【新版】組織行動のマネジメント―入門から実践へ」
組織行動学という分野の教科書として名高いベストセラーです。心理学や社会学、政治学などの諸分野を総合した、包括的なマネジメントについて学べます。
組織行動学の基本が体系的に解説されているので、マネジメントに興味があるのなら、一読しておくべきです。
「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」
人類の歴史において、最先端の組織像である「ティール組織(進化型)」について学べるテキストです。
最新のマネジメント手法を、人間組織の進化の歴史を踏まえて勉強できるので、大きな視野でマネジメントを眺めたい人などにおすすめできます。
経営戦略篇
組織戦略は、組織全体の活動計画を定めたり、それを実行するための体制づくりをしたりといった行為について学ぶ分野です。
各企業が理想とするビジョンを実現するためには、この経営戦略が非常に重要とされています。
「企業参謀 戦略的思考とは何か」
経営に見本や正解がない現在において、最善策を打ち出して成功するために必要な戦略的思考を解説したテキストです。
ビジネスパーソンが習得しておくべき発想や思考の仕方が学べるので、明日からの仕事に役立てられる実践的なことを知りたいという方に適しています。
「経営戦略全史」
経営戦略が発展してきた100年の歴史を学べる本です。20世紀初めから現在までの歴史上に登場した90程度の具体的な戦略が紹介されています。
多くの日系企業が採用する古典的な戦略から、最先端の戦略まで勉強できるので、経営戦略を幅広く俯瞰したい方におすすめです。
「マイケル・ポーターの競争戦略」
経営学の権威であるマイケル・ポーターが提唱する競争戦略論を、わかりやすく包括的に解説したテキストです。
巻末にはマイケル・ポーター本人によるQ&Aも収録されており、講演で経営者からよく質問されることについての回答が載っているので、将来的に経営者になりたい方に向いています。
リーダーシップ篇
様々な価値観を持つ人が共存している現在では、その多様性を認めつつ、組織をまとめあげるというリーダーシップの重要性が増していると言えます。
「スタンフォード式 最高のリーダーシップ」
名門スタンフォード大学で必須講義と考えられているリーダーシップ論の授業で語られる内容が収録された本です。
心理学の観点から、非常に現実的な組織論や具体的に何をするべきかといったことが解説されるので、リーダーシップを高めるための実践的なことを学びたいという方におすすめします。
「誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命」
著名なマーケターが執筆した、コロナ渦にも有用なリーダシップ論に関するテキストです。
リーダーシップを後天的な能力であるという信念のもと、意識的にそれを高めていくための方法が解説されています。これからリーダーシップを高めていきたいと考える方は、ぜひ一読してみてください。
「第2版 リーダーシップ論 」
史上最年少でハーバード・ビジネス・スクールの正教授に上り詰めた、リーダーシップ教育の権威が執筆した論文を元に作成されたテキストです。
リーダシップとマネジメントの相違点や変革の方法などをはじめ、著者の研究成果を体系的に学習することができます。
マーケティング篇
マーケティングでは、顧客のニーズを把握して、それに応えるようなサービス・商品を作り出すための仕組みやプロセスなどを考えます。
顧客にとって価値のあるものを生み出すという考えは、経営者として成功するために必要です。
「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」
マーケティング学習者の間では定番となっている「Marketing Management」という上級者向けテキストの邦訳です。
世界のトップビジネススクールでも教材として用いられている本であり、MBAの取得過程で学ぶようなマーケティングを勉強したい方に適しています。
「世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた 」
ビジネスパーソンに必読と言われている50のMBA関連の書籍を一冊にまとめたという画期的なテキストです。
マーケティングの基礎から最先端の理論までを効率よく学ぶことができます。内容がかなり濃い教材なので、MBAに興味のある方はぜひ読んでみてください。
「[改訂4版]グロービスMBAマーケティング」
マーケティング理論の基本から応用までを網羅的に学べる人気のテキストです。
ポジショニングやコミュニケーション戦略、マーティングリサーチなど、MBAマーケティングの主要な事柄がわかりやすく解説されています。
経済学篇
経済学の基本を学ぶことは、社会を見る目を養う上で重要です。直接的に売り上げアップや経営能力の向上に結びつく分野ではありませんが、ビジネスの判断に好影響を与えることは確かだと言えます。
「No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい経済の本」
エコノミストランキングで6年連続No.1に輝いた実力者が、市場原理をわかりやすく解説した経済学の入門書です。
読了することによって経済の本質を捉えることができるようになり、将来の予測も可能になるので、一読しておく価値は大いにあります。
この世で一番面白いミクロ経済学
本書は一般的にとっつきづらいと感じられるミクロ経済学をお笑いを交えながら楽しく学んでいこうという意欲的な試みがなされた1冊です。
入門書として経済学の教科書でお馴染みのグレゴリー・マンキューやノーベル経済学受賞経験を持つエリック・マスキンなど著名な経済学者から高い評価を受けており、内容面での信頼度は抜群です。
現代経済学の直観的方法
本書は経済学の本質を直感的につかむことを目指した1冊です。
インフレ・デフレのメカニズムや今話題の仮想通貨とブロックチェーンまで、現在資本主義を読み取る上で欠かせないテーマについて理解を深めることができます。
会計・ファイナンス篇
たとえ優秀な経理の人材がいたとしても、決算書に対して最終的な責任を負うのは経営者です。
また経営者は資金の調達や利益の分配などについても、重要な意思決定を行わなければなりません。そのため、会計やファイナンスの知識及びスキルは、経営者にとって必要不可欠だと言えます。
「財務3表一体理解法」
簿記を知らなくても会計が理解できるようになる人気のテキストです。
財務3表をまとめて連続的に把握できるようになるので、会計を基礎から学びたい方やなかなか財務諸表の勉強が捗らないという方などにおすすめします。
「『専門家』以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書」
経理や財務の専門家以外の人が、経営に関係する数字に関する知識を大まかに学習するためのテキストです。
会計やファイナンスを深く勉強するつもりはないが、外観くらいは理解しておきたいというような方に向いています。
コーポレート・ファイナンス 第10版
古くからMBAのファイナンスの教科書として親しまれてきた1冊です。
上下巻で併せて1,600ページものボリュームを誇る1冊であり、初めての方が独力で理解を深めるのは難しいことから、ファイナンスの学習をある程度進めた中級~上級者以上の方におすすめになります。
思考力篇
会社を経営するには、発見した課題を逐一より良い仕方で解決していかなければなりません。それには論理的思考力が必要不可欠です。
「仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法 内田和成の思考 」
情報が不足していたり、分析があまりできていなかったりする場合でも、自分なりの仮説が立てられるようになるための教材です。
仮説をスピーディに立てることが重視されており、本書の内容を参考にすれば、ビジネスの質を高めることができます。
「グロービスMBAクリティカル・シンキング」
たくさんの演習問題や具体例を通じて、ビジネス現場で必要な論理的思考力を習得できる人気のテキストです。
ユニークな発想を持ったり、より良い意識決定の仕方を見つけたりして、ビジネスを成功させたいと考える方に向いています。
「論理トレーニング101題」
101題の練習問題で論理的思考力を鍛えるための訓練ができる教材です。接続表現の読解方法や議論をうまく整理するための仕方、論証のノウハウなどを、実践的に勉強できます。
思考力を徹底的に鍛えたい方や解説書を読むだけでは論理力が身に付かなかった方などにおすすめです。
本を活用して勉強する方法
ここからは上記で紹介したような本を使って、効果的にMBAの内容を勉強をするための方法を紹介します。
本は一度だけでなく繰り返し読む
本は1回だけでなく、2回以上読むのがおすすめです。人間の脳は忘れやすいようにできており、一度読んだだけでは全てを覚えきれません。
一読しただけでは、おそらく内容の半分も記憶できないでしょう。そのため、知識をしっかり定着させるには、繰り返し読むことが大切です。
何度も読んで、内容を頭に叩き込めば、知識を仕事で活用できる可能性も生まれてきます。こうなって初めて本を読む意義が出てくるとも言えるでしょう。
また本を読み返せば、最初に読んだときにはなかった気づきができることもあります。そのような発見は理解をさらに深めてくれますし、仕事に役立てることもできるので有意義です。
さらに実体験を踏まえて理解が一層深まることもあるため、しばらく時間が経ってから読み返すことにも価値があります。
批判的に読む
本は批判的に読み進めることが重要です。内容を鵜呑みにするのではなく、疑問を投げかけたり、反証を試みたりすることで、理解がより一層深まります。
そのように読めば、論理的思考力を鍛えることにもつながるので、単に知識が増えるだけでなく、思考スキルのアップも同時に見込めて一石二鳥です。
さらにクリティカルな態度で読めば、万が一情報が間違っていたときに、騙されずに済みます。読む価値がある本であるかどうかを見極める効果もあるため、メリットが多い読書法だと言えるでしょう。
なお、初学者であれば、いきなり批判的に読むのは難しいという場合もあるはずです。そのような場合は同じ分野の書籍を複数読んでみましょう。
そうすれば、様々な視点から一つの分野を見つめることができ、色々な意見を比較・検討することも可能です。
本を元に文章を書いてみる
本を一通り読んだら、その内容を踏まえてレポートを書いてみましょう。知識をただインプットするだけでは、実践的にそれを使える状態にはならないので、文章を書いてアウトプットすることは非常に大切です。
自分で文章を作り、読んで得た知識を使うことで、理解を深めることができ、その分野に特化した思考力も鍛えられます。
文章の内容は自由に決めて構いません。読んだ本を批判しても良いですし、学んだ内容をビジネスに活かす方法などを記述するのも有意義です。
なお、大学院やビジネススクールでは、テストや論文などアウトプットの機会が豊富に設けられています。それによって学習効果が一定以上に担保されているという側面もあるでしょう。
そのため、独学でもそれに準ずるくらい、積極的にアウトプットを行うべきです。
独学で国内MBAの合格は目指せる?
ここまではMBAの内容を独学で学習することにフォーカスを当ててきました。
ただ、やはりMBAに実際に通った方が学習効果は高いため、学習意欲の高い人などは手軽にMBAの内容を深く学べる国内MBAの入学を検討している方もいるのではないでしょうか?
ここでは、国内MBAの独学合格の可能性やその勉強法について解説していきます。
独学での合格は厳しい
国内MBAの入試は下記でもお伝えするように、小論文や面接など1人で実力アップを図ることが難しい試験がいくつか用意されています。
よって、MBA受験のプロから適切なフィードバックを受けない限り効果的に実力を引き上げるのは難しく、回り道で実力を引き上げることになるでしょう。
また、国内MBAは意思決定に必要な十分量の対策情報などを仕入れることが難しく、情報面からも予備校・通信講座を活用した受験生から大きなディスアドバンテージを背負うことになります。
よって、国内MBAへの合格を希望するなら、基本的には通信講座・予備校に行った方が安全であると言えるのです。
科目別の勉強法
国内MBAの独学合格は厳しいですが、それでも一定数独学で入試にチャレンジする人はいるでしょう。
そこでここではMBA入試で主に問われる、小論文・出願書類・面接、それぞれのプロセスで独学時に押さえておきたい学習方法を解説していきます。
小論文は過去問で実際に書いてみる
小論文に関しては過去問集が出版されているので、それを購入して練習するのがおすすめです。
ただし、客観的な添削を受けないと、自分で書いた文章の良し悪しを判断することが難しいので、独学での対策はうまくいかない可能性もあります。
研究計画は先行研究を参照
出願書類の中で、とくに力を入れて作成しなければならないのは研究計画書です。大学院に入学した後に、どのような研究がしたいのかという展望を記述します。
研究の経験がなく、何を書けば良いのかがわからない場合は、先行研究を参考にするのがおすすめです。
しかし、こちらも自分一人で良し悪しを見極めるのは難しいので、やはり独学での対策は困難だと言えます。
面接は出願書類を徹底
MBA入試の面接では、出願書類や志望理由などについての質問が主になされます。
そのため、研究研究計画書などをきちんと作成し、しっかりした志望理由を持っていれば、独学でも面接を突破することは可能です。
しかし、初めて面接を受ける場合は、緊張で思うような質疑応答ができないこともあるため、事前に何度か練習しておくことが望ましいと言えます。
通信講座の利用がおすすめ
上述の通り、小論文や研究計画書は自己評価が難しく、面接も練習の機会が必要です。よって、MBA入試の対策を独学で行うのは困難だと言えるでしょう。
おすすめなのは通信講座を活用することです。通信講座なら小論文や研究計画書の添削指導をしてもらえますし、模擬面接も受けられます。
総合的に見て、独学よりも充実した入試対策ができるので、合格率を高めたい方はぜひご活用ください。
アガルートの講座を推奨
通信講座の中でもとくにおすすめなのが、アガルートの講座です。慶應や一橋など、難関大学の大学院に入学するための対策が行われ、合格実績も優れています。
また合格すれば、お祝い金10万円やTOEIC講座の無料受講などの特典が用意されており、リーズナブルなコストで受講できる点も大きな魅力と言えるでしょう。
MBAを取得するメリット
今回はMBAを取得せず、関連の内容を独学することをメインに解説してきました。しかし、MBAを取ると以下のようなメリットを享受できるので、取得も大いにおすすめです。
給料が上がる
MBAは経営学に関する知識やスキルを証明してくれるので、年収アップにつながる可能性があります。
国内の大学院やビジネススクールでMBAを取得すれば、国内企業での昇給が期待できます。
MBAの有無で平均年収に200万円以上の差が生まれるというデータもあるため、高収入を得たい方にとって、MBAの取得は非常に有意義です。
年収1,000万円以上も現実的となるので、活用の仕方によっては、収入の状況が大きく変わるでしょう。
またハーバード大学大学院に留学し、海外MBAを取るなどすれば、世界的に高い評価を受けることが可能です。そのため、グローバルに活躍したい方や海外企業でのキャリアアップを狙う方などには適しています。
転職に強くなる
ハイクラス転職でも、MBAがあることで有利に働く場合があります。とくに外資系企業や日本のコンサルティング会社などでは、プラスに働くケースが多いです。
しかし、MBAを取得したからと言って、自動的に転職市場での価値が上がるわけではありません。大切なのは、その学位をどのように活用するか、そして自身のスキルや経験とどう組み合わせるかです。MBA取得の意義や価値をしっかりとアピールできるかどうかも、転職成功のカギとなります。
そのため、転職のためにMBAを取得する場合は、志望する業界や企業で、MBAホルダーが優遇されているのかをよく調べておくべきです。
また転職に有利になる方法なら、MBA以外にもたくさんあるので、他にもっと良い方法がないのかを考えることも有意義です。
MBAがあると転職に有利に働く業種・職種でも、MBAが転職成功の必須条件かと言われると、そうとは言えません。MBAを取得するには、時間もお金も相当必要であり、慎重な検討が必要です。
経営知識が身につく
MBAを取得する過程では、経営に関する様々な知識を身につけることができます。
またケーススタディやディスカッションなどを通して、思考力や判断力も鍛えられるので、経営に必要なスキルを習得することも可能です。
そのため、経営に関して総合的に学んでみたいと考える方に適しています。
将来経営者を目指す方にもプラスにはなりますが、MBAが経営者に必須というわけではありません。
実際、MBAホルダーでない一流の経営者もたくさんおり、MBAを持っている経営者はむしろ少数派であるとも言えます。
MBAホルダーにもパッとしない人はいるので、「経営者になりたい」というような漠然とした短絡的な夢を持ってスクールに入るのはおすすめしません。
スクールで幅広く経営知識を学び、色々な刺激を受けながらビジネスパーソンとして成長したいというような考えを持つ方であれば、MBAの取得はおすすめです。
なお、資格Timesでは実際にスタンフォードMBAを取得されためがねシャチョウこと清川忠康様に、MBAの魅力や受験の実態についてインタビューを行っています。
ここでしか聞けない貴重なお話が満載なので、興味のある方はぜひご覧ください。
MBAの独学についてまとめ
MBAの独学についてまとめ
- 動画教材や参考書などを利用するのがおすすめ
- 本は批判的に繰り返し読む
- 学位を取りたいなら大学院やスクールに行くべき
- MBA入試の対策はアガルートで行うのがおすすめ
MBAに関連する内容の独学方法について詳しく解説しました。
動画教材を利用したり、本を批判的に繰り返し読むなどすれば、MBAの取得過程で学ぶような内容を独学することは十分に可能です。
独学なら、スケジュール調整を柔軟に行うことができ、お金をかけずに勉強できるので、忙しい社会人に適しています。
大学院やビジネススクールに入学するのとは違い、気軽に始められる方法であるため、MBAに興味があるなら、ぜひ試してみてください。