MBA取得に必要な英語力は?TOEICの点数基準から留学に必要な準備まで解説!
「MBAを取得するために必要な英語力はどれくらい?」
「MBAの勉強をするにあたって、TOEICは受験するべき?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
グローバル化の進展著しい昨今において、英語力の習得と経営者としてのスキルは非常に重要視されています。
MBAの取得を目指す方の中には、どれくらいの英語力を身に着けるべきか、TOEICで何点取るべきか悩んでいる方もいるでしょう。
こちらの記事で、MBAの取得に必要な英語力やTOEICスコア、また留学に必要な準備まで詳しく解説していきます!
MBAと英語力の関係についてざっくり説明すると
- 留学する場合は高いレベルの英語力が必須
- 英語力の点数の目安はTOEFL iBTでみると100~110点
- 英会話教室に通ったりするのも有力な手段
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海外MBAへ留学するのための英語力は?
まずは、海外でMBAを取得するにあたって必要な英語力の基本情報について紹介していきます。
そもそもなぜ英語力がいるの?
MBA留学をするためには、TOEICやTOEFLなどの英語試験で高い点数をマークしておく必要があります。
海外の大学院では英語で授業を行うのが当たり前なので、英語力を備えていないと基本的な授業内容を理解することすらままなりません。
更にMBAでは特に、専門的な経営に関する内容を英語で勉強しなければならないため、勉強の負担は非常に重いことを覚悟しておきましょう。
なお、海外MBAで英語力が必要な場面が主に4つあり、具体的には以下の通りです。
- 英語の授業のリスニングとレポートの作成
- 現地でのインターンシップ
- 英語での専門的なプレゼン
- クラスメイトとのディスカッション
このように、英語力はMBAの内容を学ぶ上で非常に重要な要素なので、英語力は必須となることが分かるでしょう。
各試験の目安の点数
続いて、海外MBAを取得するための各試験の点数基準について解説していきます。
なお、以下で紹介するスコアは大学院に出願するタイミングまでに取得しておくことが基本なので、出願する時期に合わせて勉強を始める必要があります。
ただし、以下で紹介するスコアはあくまで目安であり、ディスカッションをするにあたり意見を述べる語学力や専門的な経営知識を英語で説明するスキルも別で求められる点に留意しましょう。
TOEICは970~990点
まず、TOEICについて見てみると970~990点というほとんど満点レベルの英語力が求められます。
ただし、MBA取得者の留学前のTOEICのスコアを平均してみたところ828点だったというデータがあるので、実際には満点に近いレベルの英語力を備えていなくても留学は可能です。
とはいえ、toeicは日本人向けのビジネス英語なので、よりMBAに関する質の高い学びを追及するためにも、できるだけ高いスコアを目指すと良いでしょう。
TOFEL iBTは100~110点
TOEFL iBTとは、英語圏出身でない方の英語力を測定するための試験であり、TOEICとは毛色の異なる試験です。
具体的な違いを見てみると、試験において「英語を話すスキル」「英語をライティングするスキル」も同時に求められるので、TOEICよりも難易度は高いと言えるでしょう。
なお、TOEFL iBTの場合は120点満点中の100~110点を獲得する必要があり、やはり満点に近いスコアが求められます。
この点数はスタンフォード大学やハーバード大学にへの入学を目指す方と同じレベルのスコアなので、非常にハイレベルな英語力が要求されていることが分かります。
IELTSは6.5~7.5
IELTSとは「英語力証明のグローバルスタンダードテスト」とも呼ばれており、移住・留学・研修などの際に求められる英語力を測定するための試験です。
受験者の英語のスピーキング力を試すために、試験官との面接がある点が大きな特徴です。
主に英語圏で利用されている国際通用性が高い試験であり、MBA取得の際に求められるスコアは9.0満点中6.5~7.5となっています。
GMATは600~720点
GMATとは、MBAをはじめとした海外のビジネススクールへの留学を希望している方向けの試験で、MBAの取得を希望している方全員が受験することになります。
求められるスコアは800点満点中600~720点と非常に高いスコアとなっています。
このテストは上記3つとは異なり、英語力だけではなく数学・総合推理の問題も出題される点が特徴です。
数学のレベルは中学~高校1年レベルの内容が出題され、グラフや表から読み取って答えを導くような問題が出てきます。
問題の内容としてはそこまで難しくはありませんが、出題はすべて英語で行われるため受験者の総合力を試すようなテストと言えるでしょう。
在学中も英語力が必要
海外MBAの特徴として、先生対生徒のコミュニケーション以上に、生徒対生徒のコミュニケーションを重視している点が挙げられます。
ディスカッションで高い評価を得るには、自分の意思を正確に英語で伝える必要があるため、英語によるコミュニケーション能力を高めることが必須なのです。
そのため、入学試験に合格したからと言って英語の勉強を怠るのは危険であり、授業に備えてコミュニケーション能力の向上を重視した勉強を行うようにしましょう。
英語以外に必要なもの
MBA留学には、英語力以外にも必要なものが2つあります。
- 3年以上の社会人経験
- 大学の学位
つまり、「大学でしっかりと勉強をした上で、3年以上の社会人経験がある人」でなければ留学はできないことは大前提として押さえておきましょう。
とはいえ、現地での生活や講義という点を考えると、以上のポイントよりも英語力が必要となるのは間違いありません。
前述した基準のスコアをクリアできていない方は、まずはしっかりと英語を勉強して備えておく必要があると言えるでしょう。
海外MBA取得のための英語勉強法
英語力が必須となることはお分かりいただけたと思いますが、実際に英語力を鍛えるためにはどのように勉強すればいいのでしょうか?
こちらのトピックでは、海外MBA取得のための英語勉強法を紹介していきます。
文法と語彙力を鍛える
まず、英語力を高めるために必須なのは「文法」と「語彙力」であり、これらは英語を学ぶための土台にもなる重要な基礎知識です。
同じ参考書を繰り返し読んで問題を解き、着実に知識を習得していきましょう。
また、文法を学んだだけでは実際の会話の場面で使えるようにはならないため、単に覚えるだけでなく日常で使えるようにするためにも、発音練習を積んでおくことも大切です。
語彙力に関しては単語数を10,000~15,000語近くまで増やす必要がある上にMBAでは金融や経済に関連する専門的な単語も出てくるので、それらの分野に関連する単語に関しても重点的に勉強しておくことをおすすめします。
発音でリスニング力を身につける
海外MBAの講義では英語で行われるのが当たり前なので、授業やディスカッションを理解するためのリスニング力も習得する必要があります。
参考書の英文をたくさん聞き、リスニングに慣れてきたら英文を見ないで聞いてみて、実際に声に出すトレーニングがおすすめです。
また、この際漫然と聞き流すのではなく、意味を理解しながら噛み締めるようにリスニングしましょう。
「英語で聞いた内容を日本語に変換せず、そのまま英語で理解する」レベルを目指すことで、圧倒的に学習効果が高まります。
ライティングは短い英文で慣れる
MBAの大学院では学生にレポートを課す機会が多くあるので、ライティング能力も必須です。
英語で長文を書くためには慣れが必要なので、最初の内は短文を書く練習を行い、徐々に文字数を増やして長文を書けるようにトレーニングを重ねましょう。
なお、英文を書くことに慣れるためには、英語で日記を書くことが非常におすすめです。
日記を書く際には日常的なフレーズを多用するため、日常生活に密接に関わるフレーズを覚えることができる上に実践的な英語力も身に着きます。
できれば自分で書いて終わりにするのではなく、自分の書いた英文は正しいかどうかを添削してくれる人を見つけてフィードバックをもらうと更によいでしょう。
リーディングは習慣づけが大事
MBAに留学すると、英語の論文や経営・金融に関する専門的な教科書を数多く読まなければなりません。
そのため、速く正しく英語を読むリーディングスキルも必須と言えます。
リーディングスキルを高めるためには、日常的なトレーニングを習慣づけることが有効です。
例えば、毎朝新聞の短いニュース記事から特に勉強したい分野の本などを読む癖を付けたり、経済面や金融面に関しては必ず目を通すなど、日常生活の中にトレーニングを落とし込むと良いでしょう。
また、量が多い文章をすべて正確に読もうとすると時間がかかりすぎてしまうので、文章のポイントとなる部分を見つけて「早く正確に」読むことを意識してみてください。
スピーキングは直接英語で話すのが大事
英語でスムーズな会話をするためには、相手の言ったことを瞬時に英語で理解する必要があります。
相手が言ったことを日本語に訳してから自分の意見を日本語でまとめて伝える、という会話では時間がかかってしまう上に正確に伝えることができない恐れがあります。
そのため、相手の言ったことをそのまま英語で理解した上で自分の言いたいことを英語で伝える能力を身に着けることが重要です。
とはいえ、いきなりこのレベルの会話力を習得するのは難しいため、まずは簡単な英語を日本語を介さず表現できるように練習し、地道に鍛えていきましょう。
英語で意見を述べる力も必要
英語で意見を述べる力は海外MBAの入学には不要ですが、入学後にディスカッションをするときに自分の意見を発信しないと、参加していないと見做され「授業態度が悪い」と評価されてしまう恐れがあります。
つまり、質の高い学びをするためには、聞き取るだけでなく「英語で意見を発信する能力」も必須であるといえるのです。
意識するべきポイントとしては「ただ意見を述べるだけでなく、それが論理的になっているか」という点です。
自分の意見には説得力を持たせる必要があるので、分かりやすい文章の組み立て方を学んでおくと良いでしょう。
なお、具体的な練習法としては
- 論理的に意見を述べることを心がける
- 活用しやすい例文を覚える
- 1日15分など英語を話す習慣を付ける
以上のようなことが挙げられます。
英会話教室もおすすめ
海外MBAに留学するということは、現地での生活も視野に入れる必要があります。
つまり、英語を日常的に使う環境に身を置くことになるので、英語力が不十分だと現地での生活がままならない恐れがあるのです。
そのため、ネイティブの方と話す機会を設けるためにも、留学前に英会話教室を利用して英語にたくさん触れておくことをおすすめします。
しっかりとレッスンを受けることで英語を話すことに対する抵抗が無くなり、リスニングやスピーキング能力を高めることができるため、一石二鳥だといえるでしょう。
英語以外にも準備が必要
MBAの入学試験にあたっては、エッセイと面接の対策をしておく必要があります。
エッセイでは学校への志望動機だけでなく、研究テーマや自分の長所・短所などの問われることが多いため、事前に自己分析を行うなどの対策が必須です。
また、面接でも自分をアピールする必要があるため、ネイティブとの会話練習をたくさんこなしておくことで、本番での緊張を軽減することができるでしょう。
海外MBAの英語についての落とし穴
こちらのトピックでは、海外MBAの英語に関する注意点について解説していきます。
試験の点数はあくまで基準
海外MBAへ留学する際の各試験の点数基準については序盤のトピックで解説した通りですが、それはあくまで基準に過ぎません。
つまり、TOEFLの基準点を満たしていても、大学院で行われる授業を理解できるかどうかは別の話である点には留意しておきましょう。
現地ではMBAに関する課題をこなす必要があるので、英語をしっかり勉強できるチャンスは留学の準備期間しかありません。
そのため、TOEFLの基準を満たしたからと言って油断することなく、英語の勉強を続けることを強くおすすめします。
英語はそこまで上達しない?
海外留学すれば「英語漬けの環境だから自然と英語力は身に着くだろう」と思っている方は多いですが、必ずしもそうではありません。
個人差はあるものの、海外留学しても思ったより英語が上達しないという方が一定数いるため、あくまでも個人の努力次第である点には留意しておく必要があります。
MBAを取得できず退学になってしまったら、これまでの時間や費用がすべて無駄になってしまうので、日常生活で必要な英語よりもMBA取得にあたって必要最低限の英語力を身に着けることを優先しましょう。
また、留学先の環境や友人関係によっては、自分の母国語を話すコミュニティに偏りがちで、英語を実際に使用する機会が意外と少ない場合もあります。英語力向上のためには、敢えて現地の人々との交流を深めることを意識して増やすことが重要です。
国内MBAに必要な英語力は?
続いて、国内MBAに必要な英語力について見てみましょう。
なぜ国内なのに英語が必要?
近年はグローバル化の進展が著しいので、異文化コミュニケーションのスキルが求められています。
また、会社の中でも経営層に近づくほど海外事業などで英語力が問われるため、経営者にこそ英語力が必要になっている時代とも言えるのです。
つまり、国内で勤める場合でも収入アップやキャリアアップを目指す場合は英語力が必須であり、今後もこの傾向は強まっていくでしょう。
英語力が試される大学院と点数基準
それでは、英語力が必要な大学院の特徴や点数基準について見てみましょう。
大学院名 | 特徴 | 点数基準(TOEIC) |
---|---|---|
一橋大学(全日制) | 英語での筆記試験 | 700点 |
神戸大学 | 英語での筆記試験 | 400~500点 ※730点以上で筆記試験免除 |
京都大学 | TOEICのスコアを添付 | 700点 |
筑波大学(国際プロフェッショナル専攻) | 授業が英語で行われる | 850~900点 |
一橋大学(国際企業戦略専攻) | 授業が英語で行われる | 850~900点 |
青山大学 | TOEICのスコアがないと卒業できな | 730点 |
以上のように、国内でも英語力を求められるMBA大学院は多くあり、中にはTOEICのスコアの添付を求める大学院も存在します。
今後のグローバル化の進展に付いていくためには「英語力を鍛えておかないとまずいな」と考えるのが一般的なので、積極的に英語は学ぶべきでしょう。
英語力を鍛える方法
一橋大学と神戸大学で行われる英語の筆記試験については、出題形式が大学受験のような長文読解である上に内容も経営学や経済学に関する出題となっています。
そのため、対策としては英語で書かれたビジネス本を読んでみると良いでしょう。
次に、TOEICのスコアが求められている大学院に関しては、まず単語の勉強から取り組み、次のステップとしてリスニングや長文読解の問題に着手しましょう。
TOEICではビジネスにおける場面を想定した英語のスキルが求められているため、専門的な単語を中心に覚えることをおすすめします。
長期間英語の勉強を続けるコツ
英語力を向上させるためには、長期間に渡って地道に勉強を続けることが必須です。
こちらのトピックで、長期間に渡って英語の勉強を続けるためのコツについて解説していきます。
専門書は日本語のものから
MBAでは当然のことながら経営やマーケティングに関する専門的な内容を学習するため、事前に日本語の参考書で概要を掴んでおくと良いでしょう。
専門的な内容をいきなり英語で勉強して理解することは至難の業なので、単語を押さえておくなどして、できるだけ予習をしておくと安心です。
あらかじめ日本語で書かれた専門書で予習しておくことでスムーズに講義に入ることができるので、いきなり英語の参考書に着手するのは避けるべきです。
最終的なゴールを設定しておく
勉強のモチベーションを維持するためには「英語力を鍛えて何を目指すか」というゴールを設定しておく必要があります。
目標やゴールが曖昧だと勉強のモチベーションは上がらないため、ゴールを決めた後はそこから逆算して計画を立てていきましょう。
例えば、「起業すること」を目標に据えた場合であれば、MBAを取得するのが必要となります。
そして、「MBAに関して学べる学校に入学するためにはTOEFL90点が必要となる」など、自分の目標から逆算して自分のやるべきことを明確にすると良いでしょう。
疑問をそのままにしない
勉強を進める上で分からない英文や単語は必ず出てくるものですが、逐一調べるなどして疑問を放置しないように心掛けることが重要です。
疑問を放置してしまうと、いつまでも英語力が身に着かずに挫折のきっかけにもなり得るため、非常に危険です。
また、疑問を逐一解決する習慣はMBA入学後も必要であり、毎日の課題を行う中で生じた疑問を放置してしまうと次の授業を理解できない恐れがあります。
このように、疑問を放置することは非常に危険な行為であることに留意しましょう。
また、積極的に自身の疑問解明に努めることで、自律して学習を行っていく能力も育てられるので、学びの質を高めるためにも疑問を放置しないことが大切だといえるでしょう。
すき間時間の活用も大切
社会人の方はまとまった勉強時間を確保するのが難しいため、隙間時間を活用する意識が重要となります。
通勤中などは発音練習は不可能ですが、英語のニュースを読んだり英語のラジオを聞いたりしてリーディング力とリスニング力を鍛えることはできるでしょう。
寸暇を惜しんで勉強する習慣を身に着けることで英語力を鍛えることはできるため、隙間時間を有効活用する意識を常に持ちましょう。
MBAと英語力の関係まとめ
MBAと英語力の関係まとめ
- 英語力を鍛えておくことで、よりMBAの取得メリットが高まる
- まずは経営に関する単語から学び、徐々に難しい問題にトライしよう
- 英語の試験の点数はあくまでも基準点である点には注意が必要
MBAにおける英語の重要性についてここまで解説してきました。
特に海外のMBAにおいては英語は学習の基礎体力となる部分であるため、点数だけに捉われずに、根気強く点数を伸ばしていく必要があるでしょう。
MBAに行きたいと考えている方は、上記で解説した内容を基に自分の目標とする英語力の基準を決めてみてはいかがでしょうか?