【種類別】公務員の難易度ランキング一覧|職種別の偏差値や合格率を紹介!
「安定した職業として公務員を目指したいけれど、種類が多くてどの職種を選んだら良いのかよく分からない」
「職種別によって試験の難易度が違うと言うけれど、自分にはどのような公務員が向いているのだろう」
将来の仕事の選択肢の一つとして、収入などが安定しやすい公務員は人気の職業でしょう。
ただし、公務員と一口に言ってもその種類は多岐にわたり、自分に合った難易度の公務員試験を受けたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、各種公務員試験の難易度や職種別の偏差値・合格率について詳しく解説しています。
これから公務員を目指して勉強をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
「各種公務員試験の難易度ランキング」についてざっくり説明すると
- 国家公務員総合職は非常に難しい
- 難易度と合格率は必ずしも一致しない
- それぞれの試験に合わせた学習が必要
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公務員の種類別難易度ランキング
「公務員」とひとくくりに言っても、所属する行政機関や職種により、難易度は大きく異なってきます。
まずは、所属する行政機関が「国」なのか「地方自治体」なのかを押さえ、そこから具体的な業務の内容や難易度について把握していきましょう。
国家公務員と地方公務員の比較
ランキングを見る際の前提として、まずは把握しておきたいのが国家公務員と地方公務員の違いです。
名称のように、採用される行政機関が「国」なのか「地方自治体」なのかで、仕事のスケールや立案の仕方が変わります。
国家公務員内での違い
国家公務員は「総合職」と「一般職」に大別でき、その他に専門職や特別職が存在します。「総合職」はかつての国家公務員Ⅰ種に該当し、現在でも難関試験として知られているでしょう。
総合職は政策立案や企画が主な業務であり、激務であることが多いと言われています。
一方、かつて「国家公務員Ⅱ種・Ⅲ種」と呼ばれた職種は、現在は「一般職」と呼ばれており、公務員採用試験の難易度が総合職よりも易しめです。
業務上は事務処理に当たることが多く、総合職のサポート的な役割も担います。
地方公務員内での違い
地方公務員は、一般職と技術職、公安職などに分類できます。
各種役場で行政事務の手続きや業務を行っているのは、一般職の職員が中心です。
また、教育や土木、医療、栄養学など専門スキルを持った人を各自治体が採用する「技術職」も、地方公務員として活躍しているケースが多いでしょう。
さらに、警察官や消防士などの公安職も、地域に根ざした公務員として馴染みがあるのではないでしょうか。
主要な公務員職の偏差値一覧
公務員になるには、特別職を除き「採用試験」などを経て公務員になるのが一般的です。
今度は主要な公務員職に就くための難易度を、偏差値に変換した上で、ランキング形式で見ていきましょう。
公務員種別 | 偏差値 |
---|---|
国家公務員総合職 | 75~ |
国家公務員一般職 (大卒程度) | 60~64 |
外務省専門職 | 60~64 |
地方上級公務員 | 60~64(大都市の場合),55~59(地方都市の場合) |
教員 | 50~54 |
地方中級公務員 | 50~54 |
国家公務員一般職 (高卒程度、上位省庁) | 40~49 |
海上保安大学校 | 40~49 |
地方初級公務員 | 30~39 |
警察官・消防士・自衛隊(大卒程度) | 35~39 |
警察官・消防士・自衛隊(高卒程度) | ~30 |
国家公務員の総合職になるには、高い学力を持ち、難関試験を突破しなければなりません。そのため、東大や京都大学などを始め難関大学の出身者も多く見られます。
以後、それぞれの難易度の職種と合格率についての実情について、詳しく解説していきましょう。
難易度SSランク(偏差値70~)は総合職が多い
国家公務員総合職試験はさまざまな試験の種類があるため、試験の種類ごとに合格率が異なります。
ですが、総じて民間企業就職の難易度と比較した場合に、日本銀行やマッキンゼーなど就活難易度の高い企業よりも難しいと言われています。
試験の際には、知識だけではなく面接での対応力など柔軟性も求められ、特に財務省や外務省に入省するのは難しいです。
財務省はトップクラスで合格が難しいとされ、外務省は非常に高い学力が求められます。また、外務省合格者はその性質上帰国子女や留学経験者も多いのも特徴でしょう。
以下の表は、2024年度試験におけるそれぞれの専門区分と大卒程度試験の倍率を表したものです。
職種区分 | 競争倍率 |
---|---|
法律 | 20.9 |
経済 | 6.4 |
政治・国際・人文 | 6.5 |
人間科学 | 4.6 |
工学 | 2.5 |
数理科学・物理・地球科学 | 3.8 |
化学・生物・薬学 | 6.0 |
農業科学・水産 | 1.9 |
農業農村工学 | 1.9 |
森林・自然環境 | 3.3 |
また、衆議院・参議院職員総合職のように、定員自体が非常に少なく、年によっては倍率が100倍を越えたケースもあります。
いずれにせよ、独学で合格するのは非常に困難であり、予備校や公務員専門学校で対策を練るのがベターでしょう。
難易度Sランク(偏差値65~69)の職種と合格率
ここも、いまだに独力で合格するのは難しいと言われている機関です。
職種区分 | 倍率 |
---|---|
国立国会図書館総合職 | 98.7倍 |
裁判所事務官総合職 | 区分によって前後するが概ね10倍 |
政策担当秘書 | 14.0倍 |
防衛大 | 7.9倍 |
このうち、防衛大学校だけは実質的に高校生が受験する学校です。
自衛隊の幹部の養成が主な目的であり、在校生は国家公務員として扱われて給与も支給されるのが、普通の大学と異なる点でしょう。
試験自体も非常に難しく、旧帝大に入学するのと変わりがない学力が必要です。
難易度Aランク(偏差値60~64)は一般職も多い
国家公務員でありながら一般職の募集もあり、総合職と比べると敷居は大きく下がります。また、地方公務員でも首都圏の自治体の職員など人気のある上級職は、ここにランキングされます。
職種区分 | 倍率 |
---|---|
地方上級公務員 | 3~7倍程度(東京都庁、愛知県庁、千葉県庁、埼玉県庁など) |
気象大学校 | 4.2倍 |
衆議院事務局職員 一般職 | 51.9倍 |
国立国会図書館一般職 | 34.9倍 |
裁判所事務官 | 一般職定員が少ないため、応募人数によって大きく左右されるが、概ね10倍程度 |
外務省専門職 | 2.9倍 |
このレベル帯では、試験の難易度が高いのはもちろんですが、多くの受験者から高い人気を誇るのが特徴です。
衆議院事務局職員の一般職や国立国会図書館の一般職など専門カラーの高い職種もランクインしており、これらの職種はそもそもの採用人数もごくわずかです。
そのため合格が難しく、やはり独力で合格を目指すのは非常に困難だと言えるでしょう。
難易度Bランク(偏差値55~59)の職種と合格率
中堅大学出身者などでも目指せるクラスが、概ねこのレベル帯からでしょう。
職種区分 | 倍率 |
---|---|
地方上級公務員(人気のない都市) | 地方によって異なるが概ね3~7倍程度 |
自衛隊幹部候補生 | 10.4倍(2022年のデータ) |
法務省専門職員 | 3.0倍 |
労働基準監督官 | 3.5倍(法文系),2.0倍(理工系) |
食品衛生監視員 | 3.1倍 |
国家一般職 | 2.3倍 |
難関大学の学生以外でも受験者が多く、筆者の周りの公務員志望者が目指していたのもこのラインです。しっかり対策すれば、合格も見えてきます。
たとえ独学でも、試験そのものの難易度は総合職と比較するとぐっと下がってくるため、難関大学出身者などでは独力で合格する人も出てくるでしょう。
ですが、試験に法律や経済の専門科目も入っていて難易度は比較的高めです。効率良く勉強を進めるのならば、公務員試験専門学校や、予備校を利用して試験ポイントに的を絞った学習をするのが良いでしょう。
難易度Cランク(偏差値50~54)の職種と合格率
教員免許を取得している人などは、地方教育委員会に所属する教員を目指す人もいるかもしれません。
職種区分 | 倍率 |
---|---|
教職 | 約3.7倍 |
市役所(大卒) | 地域によってさまざま、自分が受験したい市の情報を自分で確認するとよい |
地方中級公務員 | 地域によってさまざま、自分が受験したい市の情報を自分で確認するとよい |
財務専門官 | 2.4倍 |
国税専門官 | 2.5倍 |
皇宮護衛官(大卒) | 15.3倍 |
海上保安官(大卒) | 3.0倍 |
航空管制官 | 4.4倍 |
一般的な大卒程度の学力があれば合格可能なラインであり、独力で合格する人も多く現れてきます。特に教員は、地方によっては近年人材不足が叫ばれているジャンルでもあり、入りやすいこともあります。
ただし、試験の難易度はそれほど高くないものの、他の参加者との競争が激しいジャンルなのでそこが難しいところでしょう。
自分で学習スケジュールを組み立てづらいならば、公務員試験専門学校や予備校で対策をするのもおすすめです。
難易度Dランク(偏差値~49)の職種
このランクでは、合格率はあまり気にしなくても大丈夫です。しっかりと勉強していれば合格できる試験も多いのが特徴と言えるでしょう。
- 裁判所事務官【高卒】
- 衆議院・参議院職員【高卒事務局・衛視】
- 国立国会図書館【高卒】
- 国家一般職【高卒上位省庁】
- 海上保安大学校
今までのランキングと比較すると、試験の難易度も比較的易しめです。中には高卒でも就職できる公務員も一定数登場しており、試験科目も一般教養のみの公安系の職種も登場します。
公安系の職種では、高卒警察官や消防士、自衛隊の公安系3区分は特に合格しやすいと言われています。
ただし、離職率が高かったり、人材不足のために合格しやすい背景もある点は要注意でしょう。しっかりした動機がないと継続しにくい職種も多いので、難易度だけにとらわれず、確固とした動機を持って試験に臨むことが大切です。
公務員資格の倍率・合格率をチェック
今度は、国家公務員の合格率の視点から、難易度をランキング形式でチェックしてみましょう。
令和5年度の国家公務員採用試験実施状況から、大卒程度・高卒程度それぞれについてご案内します。
大卒・院卒程度の国家試験倍率ランキング
下記は大卒・院卒程度国家試験の中でも、倍率が高いと言われる試験種8種を掲載したものとなります。
試験の種類 | 申込者数 | 受験者数 | 第一次試験合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
国立国会図書館総合職 | 428 | 296 | 120 | 3 | 98.7倍 |
衆議院事務局職員 一般職 | 623 | - | - | 12 | 51.9倍 |
国立国会図書館一般職 | 682 | 447 | 130 | 21 | 34.9倍 |
皇宮護衛官 | 786 | 427 | 102 | 28 | 15.3倍 |
政策担当秘書 | 196 | - | - | 14 | 14.0倍 |
自衛隊幹部候補生(2022年) | 4,296 | - | - | 414 | 10.4倍 |
国家総合職(教養区分除く) | 13,599 | 11,198 | - | 1,953 | 5.7倍 |
外務省専門職 | - | 174 | - | 61 | 2.9倍 |
国立国家図書館総合職/一般職は、募集人員が少ないことから非常に倍率が高くなっています。
また、国家総合職は難易度も倍率も高く、優秀な学生同士の熾烈な争いが予想されます。
高卒程度の国家試験倍率ランキング
下記は高卒程度国家試験の中でも、倍率が高いと言われる試験種9種を掲載したものとなります。
試験の種類 | 申込者数 | 受験者数 | 第一次試験合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
皇宮護衛官(高卒) | 301 | 154 | 138 | 23 | 6.7倍 |
気象大学校学生 | 289 | 244 | 73 | 58 | 4.2倍 |
入国警備官 | 1,568 | 817 | 456 | 263 | 3.1倍 |
税務職員 | 4,952 | 4,077 | 2,403 | 1,367 | 3.0倍 |
海上保安学校学生 | 3,140 | 1,853 | 1,219 | 665 | 2.8倍 |
海上保安大学校学生 | 364 | 276 | 133 | 101 | 2.7倍 |
国家一般職(社会人) | 309 | 152 | 103 | 66 | 2.3倍 |
航空保安大学校 | 300 | 251 | 209 | 120 | 2.1倍 |
刑務官 | 3,793 | 2,090 | 1,832 | 1,026 | 2.0倍 |
1位には皇宮護衛官がランクインし、安定した職場として高い人気を誇ることがわかります。
また、「大学校生」が人気を集めている点も特徴として挙げられます。
一般の「大学」との違いですが、学校運営監督の省庁が、文部科学省か他の省庁であるかという点で大きく異なります。
国運営の「大学校」の学生は国家公務員として扱われ給与も支払われるので、高校生の進路選択としても非常に魅力的だと言えるでしょう。
試験自体の難易度と倍率は必ずしも比例しない
ここでピックアップした各種公務員は、合格率が低いものが中心であり、これら以外の公務員試験は合格率が高いものもあります。
ですが、他の受験生のレベルが非常に高かったり、競争率が高かったりすると、問題の難易度とは関係なしに合格するのが結果的に難しいこともあるでしょう。
公務員試験の受験を検討する際には、合格率だけで判断するのではなく、他の受験者のレベルや競争率も参考にしてみましょう。確実に合格したいのであれば、申込者が少ない職種を狙うのも一つの方法です。
公務員試験対策は予備校・通信講座がおすすめ
基本的に公務員試験の対策は、独力よりも予備校・通信講座の利用がおすすめです。
独学だと効率が悪かったり、ノウハウにも欠けたりするので合格まで遠回りになりかねません。学費をかけたくないために独学を選ぶ人もいますが、人気職などでは合格をつかみにくいでしょう。
難易度の低い職種であっても、職種によっては年齢制限もありますから、予備校・通信講座を利用することで、確実な合格を目指したいところです。
専門的な内容の対策がしやすい
予備校・通信講座では、合格のノウハウや情報が長年の指導により蓄積されているので、合格者が非常に多いです。特に高難度の試験を目指す場合には、各校の合格実績は非常に重要でしょう。
公務員試験の職種によっては幅広いジャンルの学習が求められ、法律や経済などの専門用語や言い回しが独学では理解しにくい箇所もあります。
予備校・通信講座では、講師がわかりやすく説明してくれたり、その場で質問できたりするので、専門科目への対策もしやすいでしょう。中堅クラスの職種受験でも各種学校の利用を勧めるポイントは、ここにあります。
金銭面での負担も高くない
予備校などには、奨学金制度を用意している学校もあります。奨学金だけではなく学費免除などの特待制度もあるので、好成績を収めれば学費を安く抑えられることもあるでしょう。
奨学金制度の人数には限りがあり、難易度は高いものの、挑戦する価値はあるのではないでしょうか。
また、学校によっては試験に失敗した場合、民間就職への支援制度も用意しているところもあります。万が一のリスクヘッジを考えると、安心材料としても活用できるのではないでしょうか。
独学で公務員試験の対策をする場合
公務員試験の筆記試験には教養科目と専門科目があり、それぞれの特性に応じた対策が必要です。
教養科目は高校の学習範囲が中心であり、専門科目は大学での学習範囲です。出題範囲が幅広いので、公務員試験に特化した範囲でポイントを絞ると、効率良く学習できるでしょう。
受験するものを決定しプランをしっかりと立てる
まずは、どの職種を受験するのかしっかり決定し、そこから必要な勉強時間を把握しなければなりません。それができたら、試験日程から逆算して勉強プランを立てましょう。
学習範囲にボリュームがあるので、非常に細かいところまでのスケジューリングが必要です。優先するべき箇所や科目とそうでないものの分類作業も早目にしておくと、試験直前になっても慌てずに済みます。
過去問をしっかりと活用する
一般的な試験と異なり、公務員試験では早い段階から過去問に触れておくのも大切です。範囲や科目に幅があるので過去問から学習ポイントを絞り、出題数や問題間のバランスから戦略を立てて演習の回転数を上げるなどの工夫をしましょう。
復習をしっかりと行う
学習した内容は、学習科目が変わったりするとどうしても忘れがちです。そのため、最適なタイミングでの復習が合格へのカギであり、適度な期間を空けながら復習できるように、スケジューリングするのがベターだと言えます。
ノートなどに分からなかったものをまとめておくのも、学習の回転数向上や記憶の定着率向上のためには有効です。
おすすめの公務員予備校・通信講座
ここで、公務員試験対策におすすめの公務員予備校や通信講座をご案内しましょう。
おすすめの公務員予備校
公務員予備校の中でも特におすすめなのは、「大原」です。長年に渡り公務員予備校としての実績を積み重ねており、受講生からの評判も非常に良いので、合格に直結しやすい予備校だと言えます。
大原では合格を意識したオリジナル教材が用意されていて、情報提供や面接のトレーニングなど一次試験突破後の対策も充実しています。
さまざまなタイプの公務員試験に対して最適な学習コースが用意されているので、自分の目指す試験に適した対策が立てられるでしょう。
おすすめの通信講座
近くに適切な予備校がなければ、通信講座の利用も検討するかもしれません。
通信講座であれば、「スタディング」の利用がおすすめです。スタディングはスマホ学習に特化しているので手軽に利用しやすく、通勤・通学の隙間時間も活用できますから、学習の効率がアップするでしょう。
また、エントリーシートの添削や面接指導も行っているので、個々の試験に応じた対策も可能です。
「各種公務員試験の難易度ランキング」についてまとめ
「各種公務員試験の難易度ランキング」についてまとめ
- 国家公務員総合職は難易度・合格率共に難関
- 難易度が高くない職でも、人気が殺到することもある
- 公務員試験対策として予備校なども活用しよう
民間企業と異なり公務員は近年不況などにも強い職種として、その価値が改めて見直されており、当面は高倍率が続く可能性もあるでしょう。
ですが昔のネガティブなイメージだけではなく、社会人経験者の採用枠も登場するなど社会情勢の変化に合わせた意識改革が見られ、受験する側もそれに応じた対策が必要です。
来年以降「公務員を目指そう」と考えている人は、既にスタートダッシュのタイミングを迎えています。今回の記事を参考に、公務員専門学校や予備校などを上手に活用しながら、合格を勝ち取ってくださいね!