国家公務員試験の難易度は?合格率・倍率から地方公務員との難易度差まで解説!
「国家公務員採用試験の難易度や合格率ってどれくらいなの?」
「国家公務員採用試験の倍率が知りたい」
こんな疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
国家公務員は安定した収入が得られ、信頼性も高い職業です。毎年、一定数の人たちが国家公務員を目指して採用試験を受験します。
この記事では国家公務員採用試験の難易度や合格率について解説します。難易度ランキングなども紹介しますので、国家公務員採用試験の難易度の高さがわかるでしょう。
国家公務員採用試験の難易度についてざっくり説明すると
- 国家公務員採用試験の難度は大変高い
- 国家公務員の難易度は種類で異なる
- 国家公務員採用試験の独学合格は極めて困難
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国家公務員採用試験の難易度は?
国家公務員採用試験は、公務員試験の中でも非常に難易度が高いと言われています。それでは、実際にはどれくらいの難易度なのでしょうか。難易度別に具体的に解説します。
一般職や総合職など種類で異なる難易度
国家公務員と言っても、具体的には一般職や総合職など様々な種類があります。国家公務員採用試験の難易度は非常に高いことで有名ですが、種類によってその難易度には違いがあります。
そこで、難易度ごとに職種を分別し、それぞれ解説します。
難易度「最高」:国家総合職
国家公務員採用試験の中でも、最高クラスで難度が高いのは国家総合職です。国家総合職に従事している人たちは、キャリア官僚と呼ばれることもあります。
国家総合職に従事すると、高い役職につくことが可能になります。出世すればそれだけ重要な仕事を任され、給料も上がります。とてもやりがいのある職種と言えるでしょう。
ただ、その難度は非常に高く、東大を首席で合格した人でも大変困難と言われているレベルです。毎年、多くの人たちが国家総合職を目指して受験しますが、合格率は非常に低いというのが現状です。
難易度「激高」:外務省専門職・裁判所事務官・国会議員
国家総合職に比べると、若干難易度は下がります。しかし国家公務員採用試験の中では国家総合職に次いで、大変難易度が高い部類に入る職種です。
外務省専門職、裁判所事務菅、国会議員の3つの職種は、国家公務員の中でも花形と言われる職種です。メディアなどへの露出度も多く、華やかに見える職種なので、人気が高くなっています。
しかし、専門性の高い知識やスキルが必要とされます。例えば外務省専門職の場合は、非常に高い語学力が必要です。一般企業とは比べ物にならないほどの高いレベルが必要とされるため、難易度が高くなっています。
難易度「高」:労働基準監督官・航空管制官・海上自衛隊
労働基準監督官、航空管制官、海上自衛隊の難易度が「高」になっている理由は、採用枠があまり多くないからです。しかし、ひとたび募集が開始されると多くの人たちが殺到するため、倍率が高くなります。
倍率が高くなれば、当然合格基準は上がります。例えば、合格基準が80点以上だったとします。しかし、90点以上を取った人たちが複数いれば、仮に85点取っていても不合格になる、ということです。
また、航空管制官や海上自衛隊においては、幹部クラスになると試験内容の難易度は一気にレベルアップします。その難易度の高さは、国家総合職と同レベルと言われているほどです。
難易度「中」:国家一般職・国税専門官
難易度「中」のレベルに相当するのが、国家一般職や国税専門官です。必死に頑張れば独学でも合格を目指すことが可能なレベルです。
中でも国家一般職は、毎年多くの人たちが受験します。国家総合職が「キャリア官僚」と呼ばれているのに対し、「ノンキャリア」と呼ばれる職種です。
しかし、一般的な資格試験や入学試験などと比較した場合、難易度は大変高いと言えます。最難関レベルと言われている大学の合格を目指すほどの難しさがあるので、しっかりした対策が必要です。
難易度「低」:自衛官・刑務官など
国家公務員採用試験の中でも、特に難易度が低いのは自衛官や刑務官などです。難易度が大変低くなっている理由の一つに、慢性的な人手不足が挙げられます。
特に近年、自衛官や刑務官の人手不足は大きな問題として考えられています。人手不足が原因で、多くの残業を強いられるということも起こっているほどです。
そこで、採用枠が増枠されています。採用枠が増えれば、必然的に倍率が下がるため、難易度は低くなります。そのため、国家公務員採用試験の中では、最も合格しやすい試験と言えるでしょう。
国家公務員採用試験の膨大な試験科目
国家公務員採用試験でチェックされるのは、基礎的な学力だけではありません。それ以外に各試験に応じた専門知識も問われます。そのため、試験範囲は大変広く、覚えることが多くなります。その結果、難易度が高くなるのです。
試験区分にはさまざまな種類があります。ここでは、その中でも特に一般的な「院卒者試験」「大卒程度試験」に焦点を当てて科目や範囲を紹介します。
国家総合職「院卒者」試験の試験内容
試験 | 試験科目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
---|---|---|---|---|---|
1次試験 | 基礎能力試験 多肢選択式 | 30題 | 2時間20分 | 2/15 | 知能分野24題、知識分野6題 |
専門試験 多肢選択式 | 40題 | 3時間30分 | 3/15 | 各試験区分に応じた専門的知識 | |
2次試験 | 専門試験記述 | 行政3題、その他2題 | 行政4時間、その他3時間30分 | 5/15 | 各試験区分に応じた専門的知識 |
政策課題討議試験 | - | 約1時間30分 | 2/15 | グループ討議 | |
人物試験 | - | - | 3/15 | 人柄などについての個別面接 |
上記は、国家総合職の「院卒者」における試験内容です。これ以外に、英語試験も実施されます。採点方法は英語能力に応じて加算されるというスタイルです。
国家総合職「大卒程度」試験の試験内容
試験 | 試験科目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
---|---|---|---|---|---|
1次試験 | 基礎能力試験 多肢選択式 | 40題 | 3時間 | 2/15 | 知能分野27題、知識分野13題 |
専門試験 多肢選択式 | 40題 | 3時間30分 | 3/15 | 各試験区分に応じた専門的知識 | |
2次試験 | 専門試験記述 | 政治・国際、法律、経済3題、その他2題 | 政治・国際、法律、経済4時間、その他3時間30分 | 5/15 | 各試験区分に応じた専門的知識 |
政策論文試験 | 1題 | 2時間 | 2/15 | 政策の企画立案に必要な能力や総合的な判断力などについての筆記試験 | |
人物試験 | - | - | 3/15 | 人柄などについての個別面接 |
上記は、国家総合職試験の中でも「大卒程度」の試験内容です。「院卒者程度」同様に、上記以外に英語試験も実施されます。採点方法も同様に、英語能力に応じて加算されます。
国家一般職「大卒程度」試験の試験内容
試験 | 試験科目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
---|---|---|---|---|---|
1次試験 | 基礎能力試験 多肢選択式 | 40題 | 2時間20分 | 2/9 | 知能分野27題、知識分野13題 |
専門試験 多肢選択式 | 建築33題、その他40題 | 建築2時間、その他3時間30分 | 4/9、建築は2.5/9 | 各試験区分に応じた専門的知識 | |
一般論文(行政のみ) | 行政1題 | 1時間 | 1/9 | 短い論文の筆記試験 | |
専門記述(行政以外) | 建築1題、行政・建築以外1題 | 建築2時間、行政・建築以外1時間 | 1/9、建築は2.5/9 | 専門知識などについての筆記試験 | |
2次試験 | 人物試験 | - | - | 2/9 | 人柄などについての個別面接 |
上記は、国家一般職の中でも「大卒程度」の試験内容です。国家総合職とは異なり、英語試験はありません。
国家公務員採用試験の受験資格は?
国家公務員採用試験の受験資格は、試験の種類や区分によって異なります。また、試験実施年度によっても異なる場合があるので、注意が必要です。主な試験区分と年齢などの受験資格については以下の一覧表のとおりです。
試験区分 | 対象者 | 受験資格 |
---|---|---|
国家公務員総合職試験 | 大卒程度 | 21歳以上30歳未満 |
国家公務員一般職試験 | 高卒程度 | 受験する年において高校・中学を卒業して2年以内 |
国家公務員社会人試験 | 高卒程度 | 40歳未満かつ高卒者試験の受験資格を持たない人 |
国家公務員経験者採用試験 | - | 職務経験年数が用件を満たしている人 |
上記一覧表の「対象者」については、受験資格を表す場合と試験内容のレベルを表す場合があります。どちらとは一概に言えないので、確認が必要です。
ただし、仮にレベルを表す場合だったとしても、国家公務員採用試験の難易度は大変高いという特徴があります。どちらにしてもしっかりした準備が必要ですから、覚悟を持って学習に励みましょう。
試験合格から採用までの流れ
国家公務員の試験は大変難易度が高いという特徴があります。しかし、この難易度が大変高い試験に合格したからと言って、採用が確定するというわけではありません。
国家公務員として採用されるためには、試験合格後に各省庁で内定を勝ち取らなければいけません。一般企業へ就職する際の就職試験と似ていると言えます。
具体的には、試験の最終合格発表後に「官庁訪問」が行なわれます。各省庁へ赴き、自分をアピールするのです。ここでしっかり自分の強みをアピールしなければ、内定を勝ち取ることは難しいでしょう。
官庁訪問の難易度は、省庁によって異なります。そのため、対策が立てにくいという難点があります。人気が高い省庁は当然倍率が高くなるので、内定をもらいにくということも出てきます。
「絶対にこの省庁に勤めたい」と思っている場合は、徹底的にその省庁についてリサーチしましょう。更に自己分析も徹底的に行ない、いかに自分がその省庁に最適な人材であるかをアピールすることが重要です。
国家公務員採用試験の倍率や合格率
国家公務員採用試験は大変難易度が高いことで有名です。しかし、具体的にどの程度難易度が高いのか、いまいちピンと来ていない人もいるかもしれません。
そこで、受験者の合格率や倍率などのデータを基にして、難易度を解説します。具体的な数字をもとに解説しますので、難易度がわかりやすくなるでしょう。
大卒・院卒程度試験の合格率・倍率
試験種 | 申込者数(人) | 1次試験合格者数(人) | 最終合格者数(人) | 倍率 |
---|---|---|---|---|
国家総合職(大卒) | 17,428 | 2,354 | 1,158 | 15,1倍 |
国家総合職(院卒) | 2,181 | 1,137 | 639 | 3.4倍 |
国家総合職(院卒:教養区分) | 2,928 | 265 | 14 | 20.2倍 |
国家総合職(院卒:法務区分) | 22 | 12 | 11 | 2.0倍 |
国家一般職(大卒) | 33,582 | 11,004 | 7,782 | 4.3倍 |
皇宮護衛官(大卒) | 1,476 | 245 | 72 | 20.5倍 |
食品衛生監視員 | 496 | 98 | 62 | 8.0倍 |
航空管制官 | 1,015 | 295 | 133 | 7.6倍 |
財務専門官 | 3,529 | 869 | 526 | 6.7倍 |
労働基準監督官 | 4,045 | 1,588 | 612 | 6.6倍 |
法務省専門職員(人間科学) | 2,366 | 794 | 475 | 5.0倍 |
国税専門官 | 15,884 | 6,075 | 3,479 | 4.6倍 |
人事院によって毎年国家公務員採用試験の実施状況が発表されています。上記は令和4年度分の実施状況のデータを基に作成した一覧表です。合格率や倍率は上記のようになっています。
わかりやすくするため、国家総合職と国家一般職だけを上方にまとめました。合格率だけで見ると、高い職種もあります。しかし、それは受験者の人数が少ないからです。
国家総合職の中でも最も申込者数が多い大卒で見た場合、合格率はわずか6.6%しかありません。難易度の高さは、この合格率の低さをを見れば想像できるでしょう。
高卒程度試験の合格率・倍率
試験種 | 申込者数(人) | 1次試験合格者数(人) | 最終合格者数(人) | 倍率 |
---|---|---|---|---|
国家一般職(社会人経験) | 299 | 83 | 44 | 6.8倍 |
国家一般職(高卒) | 11,191 | 4,400 | 3,333 | 3.4倍 |
皇宮護衛官(高卒) | 405 | 73 | 13 | 31.2倍 |
気象大学校学生 | 254 | 37 | 29 | 8.8倍 |
入国警備官 | 1,822 | 292 | 174 | 10.5倍 |
航空保安大学校学生 | 390 | 207 | 120 | 3.3倍 |
海上保安大学校学生 | 469 | 132 | 85 | 5.5倍 |
海上保安学校学生 | 3,573 | 1,123 | 647 | 5.5倍 |
海上保安学校学生(特別) | 6,067 | 2,717 | 1,026 | 5.9倍 |
税務職員 | 6,523 | 2,934 | 1,656 | 3.9倍 |
刑務官 | 4,115 | 1,958 | 1,045 | 3.9倍 |
上記は、人事院から発表された令和4年度の国家公務員採用試験実施状況のデータをもとに、高卒程度試験をまとめた一覧表です。わかりやすくするため、国家一般職の社会人経験と高卒を上部にまとめました。
11の試験種がある中で、国家一般職(社会人経験)の倍率が非常に高くなっていることがわかります。ある程度社会人経験を積んだ人たちが、スキルアップも兼ねて公務員試験を受験するからでしょう。
国家公務員採用試験の合格基準点
国家公務員採用試験の一番の難関は、一次試験で実施される筆記試験です。合格基準点は試験種によって異なります。ただ、一般的には教養・専門試験どちらも7割程度の正答率を目指すことが必要とされています。
国家公務員採用試験の出題範囲は膨大です。そのため、覚えることが大変多く、長期に渡って準備期間を設けてしまうと、覚えたことを忘れてしまうということも起こる可能性があります。
合格基準点に達するためには、効率よく学習を進めることが大切です。多く出題されている問題に焦点を当て、得点源を増やしていくという勉強法で進めた方が良いでしょう。
国家公務員合格者の出身大学
大学名 | 合格者数 |
---|---|
東京大学 | 193人 |
京都大学 | 118人 |
北海道大学 | 97人 |
早稲田大学 | 96人 |
立命館大学 | 78人 |
国家公務員採用試験の合格者には、高いレベルの大学を卒業した人が多くいます。具体的にどのような大学出身者が多いのか、一覧表にしたものが上記です。2023年度の総合職採用試験のデータをもとに作成しました。
東大出身者の合格者数が圧倒的に多いことがわかります。国家公務員採用試験の中でも総合職の試験は、東大卒レベルの知識が必要だということです。
また、京大や早慶なども大変レベルの高い大学として有名です。これらの大学を卒業するだけの知識レベルがないと、国家公務員総合職採用試験の合格は難しいのです。
国家公務員の難易度ランキングでの位置
国家公務員採用試験の難易度をランキングで表した場合、どの位置になるのでしょう。偏差値などをもとにランキング形式で紹介します。
国家公務員の難易度を偏差値で表すと
試験種 | 偏差値 |
---|---|
国家公務員総合職試験 | 77 |
海上・航空自衛隊技術幹部 | 75 |
裁判所事務官 | 73 |
労働基準監督官 | 66 |
国家公務員一般職試験 | 63 |
刑務官 | 53 |
上記は、国家公務員の中でも代表的な試験種を偏差値が高い順にランキング形式で示した一覧表です。偏差値が高いほど、難易度が高くなってます。
ピンとこない人もいるかもしれませんが、総合職の偏差値77は、司法試験と同レベルです。司法試験は三大国家試験と呼ばれるほど難易度が高い試験です。その試験と同レベルの難易度があるということを示しています。
一方の国家公務員一般職試験の偏差値は63となってます。これは、中小企業診断士と同レベルの難易度です。ちなみに、中小企業診断士は難関資格に分類されています。一般職試験も難易度は高いということです。
国家公務員と難関国家資格の難易度比較
国家公務員採用試験を、難関国家資格と比較した場合の難易度を見てみましょう。
司法試験
司法試験は、日本三大資格と呼ばれている最難関国家試験の一つです。先ほどの項目でも解説しましたが、偏差値で表現すると77ほどになります。偏差値だけで見るなら、総合職と同レベルです。
最初の項目で公務員の難易度を「最高」や「激高」などに分類して解説しました。総合職は最高ランクの「最高」ですが、司法試験は「最高」と「激高」の中間あたりに位置します。
その理由として、国家公務員総合職になるには、単純に試験に合格すれば良いというものではないからです。最終試験に合格した後、「官庁訪問」が待っています。ここで内定を取らなければ採用されることはありません。
試験内容や合格までに必要な学習時間は、総合職と司法試験で大差はありません。しかし、合格後にその職に就くことができるかどうかという確実性を考慮した場合、総合職の方が難易度はより高いと言えるでしょう。
公認会計士
公認会計士も司法試験同様に、三大国家試験の一つです。ただ公認会計士は、同じ三大国家試験の一つでもある司法試験に比べると簡単と言われています。
偏差値で表すと公認会計士の難易度は65~70ほどと言われています。総合職の偏差値は77ですから、公認会計士の方が若干低めです。
公認会計士の難易度を「最高」や「激高」などで表した場合、「激高」とその下の「高」の中間あたりになります。最高レベルの総合職と比べると、ここでもやはり公認会計士の方が難易度は低めと言えます。
地方公務員試験と難易度を比較すると
公務員試験にあるのは、国家公務員採用試験だけではありません。地方公務員試験も定期的に実施されてます。
国家公務員採用試験と比較した場合、地方公務員試験の方が難易度は低いと言われています。試験の内容や合格に必要な勉強時間などを考慮した場合、国家公務員採用試験よりも地方公務員試験の方が難易度は低めです。
しかし、地方公務員の試験は自治体ごとに実施されています。試験内容も自治体ごとに異なるため、必ずしも地方公務員試験の方が国家公務員採用試験よりも簡単とは言えません。
地方公務員試験の方が受かりづらい場合も
国家公務員採用試験と比較した場合、地方公務員試験の方が合格しにくいというケースがあります。その理由として、人気が関係していることが挙げられます。
例えば、東京都庁1類や政令指定都市職員などは、大変人気があります。募集が開始されると大勢の応募者が殺到するため、必然的に競争率が高くなります。競争率が高くなれば合格率も高くなる為、採用されにくいのです。
また、人気が高い地方公務員試験では、他の市区町村で実施される地方公務員試験に比べて、試験の難易度を高く設定されているということも多々あります。優秀な人材を受け容れることを目的としているからです。
更に、地方公務員試験では筆記試験も重要ですが、それ以上に重視されているのが面接試験です。人柄や人物像がチェックされる面接試験は対策が立てにくい場合もあり、国家公務員採用試験よりも難易度が高くなることがあります。
国家公務員が人気職種である理由
国家公務員は大変難易度が高い試験ですが、それと同時に人気が高い職種でもあります。それは、国家公務員になることでメリットが多数存在するからです。
以降では、国家公務員になることで得られるメリットについて紹介します。
国家公務員の年収は比較的高め
国家公務員の最大のメリットとして挙げられるのが、年収の多さです。一般的な平均年収と比べた場合、国家公務員の年収は比較的高くなっています。
平成30年度の国家公務員給与実態調査が発表されています。このデータによると、国家公務員の平均年収は約640万円とのことでした。
一方、平成30年度の日本全体の平均年収は約441万円だったと発表されています。この金額を比べた場合、国家公務員の平均年収がかなり高くなっていることがわかります。
安定した待遇と社会的ステータス
国家公務員は一般企業と違い、会社倒産による解雇は存在しません。日本という国が存在する限り、国家公務員として勤め続けることができます。景気に左右されないので安心して勤めることが可能です。
更に、給料形態は年功序列になっています。毎年給料が上がっていく仕組みですから、長く勤めればそれだけ収入も増えていきます。手当や福利厚生も非常に手厚いので、このような面では働きやすいと言えるでしょう。
国家公務員は社会的な地位が非常に高いという特徴もあります。信頼性も高いので、ローンなどが組みやすいというメリットもあるのです。
国家公務員としての安定性と信頼性は、多くの人、特に家族を持つ人や将来の生活設計を考える人にとって魅力的な要素となります。
出先機関なら仕事が楽な場合も
国家一般職の場合は、地方などの出先機関で仕事に従事することが頻繁にあります。地方の行政機関は中心部とは違い、比較的仕事が楽な場合があります。
仕事量も都市部と違って少ない場合があるため、残業をほとんどしないというケースも見受けられます。仕事に追われる環境ではないため、ゆったりした気持ちで仕事をすることができます。
ただし、国家総合職は仕事が激務になることが多々あります。省庁にもよりますが、残業が当たり前のところもあるので、体力勝負になることもある点に注意してください。
仕事のスケールが大きくやりがいがある
国家公務員は国民全体に奉仕する職種です。一般企業とは異なり、業務の対象も仕事の内容もスケールは大変大きくなります。「国民のために頑張っている」と感じることも多いため、やりがいを感じやすくなるでしょう。
総合職は、政策立案に携わることも多くなります。国全体を動かす仕事でもありますから、一般企業では得られない充実感を得られるというメリットがあります。
影響力が大きい仕事をすることで感じられる充実感は他に代えがたい魅力を持つでしょう。
国家公務員は独学合格可能?
一口に国家公務員と言っても、具体的にはさまざまな職種が存在します。また、職種によって採用試験の難易度は大きく異なります。
最初の項目で紹介しましたが、独学で合格の可能性が見えてくるのは難易度「中」より下のレベルです。それ以上高いレベルの合格を目指す場合には、独学では不可能と考えた方が良いでしょう。
難易度「最高」や「激高」の職種を目指す受験者の多くは、通信講座や予備校を活用して試験対策を行なっています。中には両方を活用して学習を進める人もいるため、独学での合格は非常に難しいと考えられます。
以降では、独学で合格できるレベルの試験種を目指している人や、おすすめの通信講座や予備意向が知りたい人に焦点を絞って解説していきます。
国家公務員採用試験合格までの勉強時間は?
国家公務員一般職試験(大卒程度)の場合、合格に必要とされている勉強時間は1000~1500時間と言われています。一日にまとめて使える勉強時間が少ない場合は、もう少し多くなるかもしれません。
高卒程度の試験の場合は、1000時間程度の勉強で充分と言われています。大卒程度試験と比べると、必要な勉強時間は3分の2程度です。
ちなみに国家公務員採用試験の中でもトップクラスの難易度を誇る総合職の場合、合格に必要な時間は最低2000時間です。あくまで目安なので、それ以上の勉強時間が必要な場合もあります。
国家公務員の独学で注意すべきポイント
独学で国家公務員一般職試験の合格を目指す場合、いくつかの注意点があります。
綿密な学習計画を立てよう
国家公務員一般試験の合格に必要な勉強時間は、大卒レベルの場合で1500時間程度です。一日にどれくらいの勉強時間が確保できるかは人によって異なりますが、綿密な学習計画を立てた方が良いでしょう。
例えば、新卒で国家公務員一般試験を目指す場合、大学3年生の夏ごろから勉強を開始する必要があります。具体的には7~8月頃です。
試験対策は長期戦になるため、モチベーションの維持が大きな課題になります。長期的な計画を立てるとやる気が低下するので、週や月ごとで学習計画を立ててメリハリをつけましょう。
試験の最初の難関は筆記試験です。ですが、その後には面接試験も待っています。筆記試験に集中しすぎて面接試験の対策を忘れてしまったということがないように、科目のバランスも重視してください。
大学の授業で対策できる科目も
通学している大学によっては、公務員試験の範囲を講義で学ぶ場合もあります。大学の講義が活用できる科目については、活用して学習をすすめましょう。
法律系や経済系は、文系の大学でカリキュラムに含まれていることが多くあります。公務員試験では、専門的な知識が必要不可欠です。大学の講義を徹底的に利用して、知識を深めることをおすすめします。
また、わからない点についても大学の講師に聞くことが可能です。苦手分野の克服にもつながりますから、大学の講義は徹底的に活用してください。
過去問演習を積み傾向を掴む
公務員試験の出題範囲は大変広く、情報量は膨大です。すべてをくまなく学習するとなると、どれだけ時間があっても足りません。
広い範囲をすべてカバーする必要はありません。多く出題されている問題が複数あるので、それらを中心に学習をすすめましょう。その方が得点源を確実に確保することができ、効率よく知識を吸収できます。
出題傾向を調べるには過去問の演習が必要不可欠です。人事院のウェブサイトでも取り寄せることが可能ですが、届くまで時間がかかります。書店にも売られているので、自分で購入した方が良いでしょう。
国家公務員採用試験の独学におすすめのテキスト
独学におすすめのテキストは、「国家一般職[大卒] 過去問500」のシリーズです。教養と専門のそれぞれに対応した過去問題集が出ています。出版社は実務教育出版で、価格はどちらも2,970円です。
充分な数の過去問が掲載されているため、試験対策に必要な演習量を積むことが可能です。
また、試験傾向も明確にわかる内容になっているので、対策も立てやすいでしょう。実力試しにも活用できるのでおすすめです。
通信講座・予備校での対策が近道
難易度の非常に高い国家公務員試験ですので、試験傾向を掴んだ上で適切な対策を行うことが必要になります。
一方で試験傾向の把握は独学では難しく、通信講座・予備校でプロの力を借りることが、合格の近道であると言えるでしょう。
特に「アガルートの国家公務員講座」は、素晴らしい教材で一次試験対策ができるだけでなく、二次試験の面接に対しても的確な助言を行なってくれます。
さらに、内定時支払い金額全額返金という素晴らしいサービスも行なってくれるため、モチベーションを高く保ちながら試験対策ができるでしょう。
国家公務員採用試験の難易度についてまとめ
国家公務員採用試験の難易度についてまとめ
- 最高難易度を誇る国家総合職は司法試験レベル
- 国家一般職の場合は独学でも合格を狙うことが可能
- 安定した収入などの理由から国家公務員は人気職種でもある
国家公務員採用試験の難易度について解説してきました。いわゆるキャリア官僚と呼ばれる国家総合職は、三大国家試験の一つでもある司法試験と同レベルの難易度を誇っています。
ただ、安定した収入が得られるなどの理由で人気が高い職種でもあることも事実です。しっかり試験対策をすれば国家一般職なら独学でも合格を狙うことが可能です。ぜひチャレンジしてみてください。