医療事務資格に独学で合格するには？初心者にもおすすめの勉強法やテキストを徹底解説

医療事務資格は多くの種類がありますが、医療事務資格はすべて民間団体が認定している「民間資格」です。

民間資格であるため、国家資格よりもネームバリューで劣ってしまう点は否めませんが、比較的難易度が優しく取得しやすいメリットがあります。

また、試験ではテキストの持ち込みが可能で受験資格も不問となっている資格もあるため、しっかりと準備を行えば独学でも十分に合格することが可能です。

医療事務への就職を検討している方にとって、医療事務資格は取り組みやすい資格と言えるでしょう。

しかし、試験によっては難易度が高く、しっかりと勉強時間を確保しなければ合格できない可能性もあります。

特に、医療事務資格の初学者や初心者の方にとっては、勉強に苦慮してしまう可能性がある点は押さえておきましょう。

なお、資格の種類によって就職のしやすさや仕事内容が変わることはないため、自身が高めたいスキルに応じて最適な資格を選ぶことも大切です。

医療事務資格の中には、独学で合格を目指せるものもあります。

以下で、独学で勉強するメリットを紹介していくので、「独学で勉強したい」と考えている方は参考にしてみてください。

講座を受講するより費用がかからない

独学の最大のメリットは、学習費用を安く抑えられる点です。

独学の場合は1万円もせずに勉強を進めることができるため、通信講座や予備校などを利用する場合よりも費用が大幅に抑えられるメリットがあります。

計画的に勉強を進め、モチベーションを保てる自信がある方にとって、独学は最適な勉強法と言えるでしょう。

自分で学習量を調節できる

独学は勉強の裁量がすべて自分次第になるため、自分で学習量をコントロールできる点も大きなメリットです。

例えば、既に一定の知識を有している場合であれば、該当部分の勉強時間を短く収めて苦手な部分を重点的に勉強できます。

自分のレベルに併せて効率よく勉強箇所やペースを調整できる点も、独学のメリットと言えるでしょう。

予備校のように毎週決まった日時に勉強時間を確保するのが難しい場合、独学の方が効率よく勉強できる可能性があります。

独学には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

以下で、独学で勉強するデメリットや注意点を紹介していくので、参考にしてみてください。

スケジュールをうまく管理できない

独学の場合、試験に関する情報を自分で入手しなければなりません。

貴重な勉強時間を割いて情報収集しなければならないことから、無駄な手間がかかってしまう点は否めません。

独学は勉強のスケジュール立案だけでなく情報収集なども行う必要があることから、スケジュールをうまく管理できずに悩んでしまうリスクがあります。

予備校のように効率的なカリキュラムが組まれておらず、場合によっては試験前までに出題範囲の勉強がすべて終わらない可能性もあることから、スケジュール管理が苦手な方は独学が向かないでしょう。

最新の情報を入手しづらい

予備校や通信講座を利用すれば試験情報を効率よく集められますが、独学の場合はそうはいきません。

医療事務関連の法律改正は頻繁に行われるため、改正内容も含めて自身で調べて対応する必要があります。

特に、報酬点数に関しては2年に1度大きな改正が行われますが、当該改正ポイントは頻繁に出題されるため、対応は必須です。

独学の場合は情報収集や法改正のカバーまで自力で行う必要があることから、予備校や通信講座よりも非効率になってしまう点に気を付けましょう。

モチベーションの維持が難しい

独学だと自分一人で勉強を進めることになるため、勉強することに大きなストレスがかかってしまいます。

また、勉強するかしないかは自分次第なので、モチベーションの管理が難しい点も独学のデメリットと言えるでしょう。

また、独学の場合は一緒に合格を目指す仲間がいないため、孤独感を感じることもあります。

勉強仲間がいないと不安という方も、独学は向かない可能性が高いです。

結局のところ、独学でも医療事務の資格を取得できるか否かは個人の状況次第です。

以下で、医療事務の独学をおすすめする人の特徴を紹介していきます。

独学に慣れている人

独学で成果を出した人や、独学で勉強することに慣れている人は独学でも医療事務資格の取得を狙えます。

独学で成果を出したことがある人は

• 勉強そのものに慣れている
• 最適な勉強のペース配分を把握できる
• 自分の弱点の部分について冷静に判断できる
• 資格の取り方を熟知している
• 勉強の計画を立てられる

という強みがあるため、スムーズに勉強を進められるでしょう。

また、試験直前期の過ごし方など精神的な面での経験もあることから、勉強面でも精神面でも有利と言えるでしょう。

医療関連の言葉に馴染みがある人

医療用語には専門的なものが多くありますが、医療関連の言葉に馴染みがある人も独学で合格を狙える可能性が高いです。

事前知識がある人は独学に有利なので、テキストをスラスラ読み進められる人は難なく独学でも勉強できるでしょう。

初学者は、聞いたことが無い医療用語を見ると苦手意識を持ってしまいがちですが、経験者であればすんなり理解できます。

もし、独学に苦戦した場合は無理せずに予備校や通信講座を利用することをおすすめしますが、事前知識がある人は独学でチャレンジする価値があります。

持ち込み資料の読解に抵抗感のない人

医療事務の試験では、資料の持ち込みが認められている試験があります。

資料の持ち込みが認められている試験の場合、資料を正しく読み取り、欲しい情報をスムーズに探す能力が重要です。

資料の読解になれており、「どこに自分が欲しい情報が載っているか」を瞬時に判断できる人であれば、独学でも十分に合格を狙えるでしょう。

医療事務資格は多くの種類がありますが、以下で受験者数が多く、代表的なものを4つ紹介していきます。

いずれも認知が高く、医療事務の世界では重宝されている資格なので、積極的に取得を目指してみてください。

医療事務技能審査試験（メディカルクラーク（R））

医療事務技能審査試験とは、メディカルクラークと呼ばれることもある医療事務資格です。

医療機関での受付業務や診療報酬請求事務業務のスキルを問われる試験となっており、日本最大級の医療事務試験としても知られています。

医療事務資格の中で最も代表的な資格として信頼度も高く、取得していれば多くの医療機関から高く評価されるでしょう。

初心者にとっては難しい

医療事務技能審査試験では、患者接遇やに加えて、医療事務知識・診療報酬請求事務・診療報酬明細書点検の内容が問われます。

医療事務初学者にとって慣れない作業が多く、試験形式も独特であるため初心者は苦労するポイントが多い試験です。

もし初心者で勉強を進められる自信が無い方は、他の比較的簡単な医療事務資格を取得してからチャレンジするのもおすすめです。

診療報酬請求事務能力認定試験（日本医療保険事務協会）

診療報酬請求事務能力認定試験は、試験の種類が医科と歯科の2種類ありますが、試験難易度や範囲はほとんど共通しています。

診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務関連で厚生労働省が認定している唯一の民間試験で、信頼性は非常に高いです。

難易度が高く初学者の方が合格するのは難しいため、難易度が低い医療事務系の資格を取得してから、診療報酬請求事務能力認定試験の取得を目指すと良いでしょう。

実技試験ではカルテから手書きで診療報酬明細書を素早く作成する能力が問われるため、初学者にとってはハードルが高いです。

医療事務認定実務者（R）（全国医療福祉教育協会）

医療事務認定実務者は2016年に新たに開設された新しい資格で、比較的難易度が低く初学者でも勉強しやすいです。

全てマークシート形式の試験となっており、接遇マナーなど受付業務が中心に問われるため、難解な医療事務に関する知識は問われません。

医療業務にこれから携わりたいと考えており、何か手始めに資格取得を目指したい方におすすめの資格です。

医療事務管理士（技能認定振興協会）

医療事務管理士は、日本で最初の「医療事務」の資格として高い知名度を誇ります。

医療事務管理士の資格を取得すると、医療事務管理のエキスパートとして認められるため、就職や転職の際に大きな武器となるでしょう。

医療事務管理士のレベル感は、「独学だと難しいポイントはあるが、きちんと内容を押さえて計画的に勉強すれば独学も可能」です。

十分な勉強時間を確保した上で、試験の内容に沿ったテキストを用いて正確に知識をインプットすれば、初学者の方でも独学で合格を狙えるでしょう。

医療事務資格の取得を目指す場合の勉強法を紹介していきます。

自身にとって最適な資格の取り方を選択し、効率よく医療事務資格の取得を目指しましょう。

資格取得に必要な勉強時間

こちらの記事で紹介した、4つの医療事務資格に合格するために必要な勉強時間の目安は下記のとおりです。

まとまった勉強時間を確保し、計画的に勉強しなければ合格することはできません。

2～3週間程度の勉強では合格できないレベル感であることを押さえておきましょう。

なお、資格取得初心者の方は途中でつまずいてしまう可能性があることから、紹介した目安の時間以上に勉強計画にゆとりを持つことをおすすめします。

勉強方法の種類

資格試験の勉強法として挙げられるのは、下記の3つです。

• 通信講座を利用する
• 予備校などを利用する
• 参考書などを用いて独学する

通信講座に関しては、勉強の予算が約3～5万円程度になります。

合格するためのノウハウが詰め込まれたテキストを用いつつ、質問対応などのサポートを受けながら試験勉強を進めることが可能です。

また、場所や時間に縛られずに自分の好きなタイミングで勉強ができる点も、通信講座のメリットと言えるでしょう。

予備校よりも受講料が安く、質問指導などのサポート体制も整っている講座が多いことから、医療事務について初めて勉強する方は通信講座の利用がおすすめです。

通信講座のデメリットとしては、独学と同じように自己管理能力が求められる点が挙げられます。

優れた教材やサポート体制があっても、当の本人に勉強するモチベーションが無ければ意味がないため、しっかりと自己管理することが大切です。

医療事務は数多くの種類があるため、取得を目指している資格に対応した市販のテキストが無い可能性もあります。

しかし、出題範囲に対応したテキストは販売されているため、試験の出題内容を把握した上で最適なテキストを用いれば勉強は可能です。

なお、医療事務試験対策で用意するべきテキストとして挙げられるのは下記の通りです。

• 診療点数早見表
• レセプト作成に関するテキスト
• 医療保険制度や医療法規に関するテキスト
• 演習書・問題集

自身が使いやすいテキストや参考書を用意することが大切です。

診療報酬点数は最新版を用意すること

診療報酬点数は、2年に1回改定されます。

医療事務の多くの試験ではレセプトに関する出題があるため、必ず最新の診療報酬点数を準備しましょう。

また、診療報酬点数の読解にはやや専門的な知識が必要となるため、できるだけ使い慣れた状態で試験を迎えることも重要です。

レイアウトを確認

本試験で意味がわからない単語が出てきたら、速やかに意味を調べる必要があります。

持ち込んだテキストの中から必要な情報を集める必要があることから、見やすいレイアウトかどうかも確認しましょう。

例えば、目次が見づらいテキストや文字ばかりで読みにくいテキストは、本試験で使いづらい可能性があります。

事前にテキストのレイアウトを確認しておき、自分が使いやすいと感じたテキストを使い込んでおくと、本試験でもスムーズに対応できるでしょう。

演習用の問題集を購入すること

本試験問題に対応する実践力や対応力を鍛えるためには、予想問題集や過去問を購入して演習を行うことが重要です。

試験によっては、過去問が販売されていないケースもあるため、予想問題集などを含めて必要な問題演習ができる問題集を探しておきましょう。

多くの演習をこなすことで本番での対応力につながり、結果的に得点力が伸びるため、できるだけ多くの問題に触れてアウトプットをこなしていきましょう。

以下で、独学時のおすすめ勉強法を紹介していきます。

独学にはデメリットがある点は前述した通りですが、デメリットを払拭するためにも下記で解説する内容を参考にしてみてください。

合格までのスケジュールを計画

試験日から逆算して、合格までのスケジュールを具体的な立てておきましょう。

医療事務試験の中には毎月試験が実施が行われているため、もし次回の試験日まで必要な勉強時間を確保することが難しい場合は、一旦見送ることも選択肢の一つとなります。

スケジュールには余裕を持たせておくことも重要です。

ゆとりがあれば、突発的な予定が入って勉強できない日があっても予備日でリカバリーできるため、できるだけ余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

必要な知識を重点的にインプット

医療事務試験では覚えるべき用語や知識が多くありますが、必要な知識を重点的にインプットすることが重要です。

基本的な知識をしっかりインプットすることに加えて、テキストを丁寧に読み込んで着実に定着させることを意識しましょう。

なお、多くの医療事務試験では資料の持ち込みが認められているため、完璧にテキストの内容を暗記する必要はありません。

必要な情報が載っている箇所だけ押さえておき、必要に応じてスムーズに調べられるようにしておけば十分です。

過去問を解いて弱点を発見

インプットをこなした後に、問題演習のアウトプットをこなして知識を定着させることが大切です。

インプットをこなせたつもりでも、いざ問題を解いてみると「インプットがあやふやだった」というのはよくあることです。

問題演習を通じて理解が不足している部分を把握できたら、過去問や予想問題を通じて知識を習得しましょう。

間違えた問題に関しては、絶対に同じミスをしないように心掛けることが重要です。

続いて、医療事務資格の取り方の流れを紹介していきます。

医療事務への就職を目指している方は、以下で解説する取り方の流れを意識して最適な資格を取得しましょう。

①取得したい資格の決定

まずは、医療事務資格それぞれの特徴を理解した上で取得したい資格を決定しましょう。

すでに医療事務の職に携わっている人であればレベルアップにつながる資格取得を目指し、初学者の方は難易度の低い資格を目指すのがおすすめです。

具体的には、

• 医療事務経験者→医療事務技能審査試験（メディカルクラーク（R））や診療報酬請求事務能力認定試験
• 初学者の方→医療事務認定実務者

上記のように、自身のレベル感に合った資格を選択しましょう。

②試験日程、申し込み締め切りを調べる

資格試験によって、試験が実施される頻度が異なります。

受験したい試験が決まったら、試験日程と申し込み締め切り日を調べて、目標を決めましょう。

医療事務試験の何度によっては一年程度の勉強期間が必要にあるものもあるため、試験日を把握した上で最適な勉強スケジュールを立てましょう。

③受験申し込み・受験費用の支払い

試験の申し込みが始まったら、早めに受験申し込みと受験費用の支払いを済ませてしまいましょう。

受験するための申込書は資格試験実施機関のホームページから入手可能で、試験によってはインターネットから申し込みが可能です。

受験費用の支払い方法は試験によってまちまちなので、必ず確認しておきましょう。

④資格試験本番

試験によって、会場受験か在宅受験か異なります。

在宅試験の場合は回答用紙を期限内に返送する必要があるため、必ず期日を守って返送しましょう。

また、会場受験の場合は必ず参考資料を忘れずに持参し、日頃の勉強の成果を発揮できるようにしましょう。

⑤合格発表

試験結果は、郵送にて発送される場合とインターネットで結果を確認できる場合があります。

合格証は就職活動などで必要となる場合があるため、大切に保管しておきましょう。

もし残念ながら不合格になったら、不合格になった原因を分析して次の試験に活かしましょう。

独学は、自分でスケジュール管理ができない方やモチベーションを維持できる自信が無い方にとっては、ハードルが高いでしょう。

もし医療事務試験の合格を目指しているものの、独学に不安がある方は通信講座の受講がおすすめです。

通信講座では効率よく勉強できるカリキュラムが事前に組まれており、わかりやすい講義を受けながら勉強を進めることができます。

また、質問対応などの受講生サポートを受けながら計画的に学習が進められる設計となっているため、初学者の方でも効率よく合格を目指せるメリットがあります。

特に、医療事務資格の場合は2年ごとに診療報酬の点数が更新されるため、最新情報の収集は欠かせません。

通信講座を受講すれば、試験に関連した最新情報を得られるため、自分で調べる手間を職略して勉強に集中できるでしょう。

医療事務は体力的に辛い仕事ではないため、年齢に関係なく働きやすいメリットがあります。

経験を積めば、ライフステージが変わっても長期間にわたって働き続けることができるため、医療事務は性別や年齢に関係なくおすすめできる職業です。

特に、ライフイベントの影響を受けやすい女性から人気が高い職業で、医療事務資格を取得することで就職・転職が有利になるメリットが期待できます。

資格取得が就職に有利

医療事務に関する資格は数多くありますが、全てが民間資格です。

民間資格とはいえ、医療事務資格を保有していれば「医療事務に関する知識を有している」ことが証明できるため、就職が有利になるでしょう。

また、医療事務の職に就くために資格は必須ではないものの、面接の際に医療事務資格の有無を聞かれることがあります。

資格を保有していれば即戦力として働ける旨をアピールできることから、医療事務職への就職を目指している方が医療事務資格を取得するメリットは大きいです。

医療事務の業務がわかる

医療事務資格の勉強を通じて、体系的に医療事務の仕事を理解できます。

試験で問われる内容は、医療事務として働く上で必要となる実務的な内容となっているため、資格を取得できれば医療事務職として知っておくべき知識を一通り習得できます。

もし資格勉強の経験が無いと、いざ医療事務の職に就いた際に「イメージと違う」とギャップを感じてしまうことも考えられるでしょう。

医療事務の資格を取得することで、就職しやすくなるだけでなく、ミスマッチを起こして仕事を辞めてしまうリスクを軽減できます。

医療事務講座には多くの種類がありますが、自身のレベル感や習得したいスキルに応じて最低な資格を選ぶことが重要です。

また、事前知識や独学経験の有無次第で最適な勉強方法が異なるため、独学にこだわりすぎるのは危険です。

独学には多くのメリットがありますが、もし途中でつまずいたり限界を感じた場合は、通信講座を受講するのがおすすめです。

医療事務試験に合格する可能性を高めたい方は、効率よく勉強できる上にモチベーションも維持しやすい通信講座の活用も検討してみてください。