個人情報保護士ってどんな資格?資格のメリット・過去問・就職に役立つかまで解説!
「個人情報保護士ってどのような資格なの?」
「個人情報保護士を取得するとどのようなメリットがあるの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
個人情報の保護はどの企業にも課されている重要な仕事です。
個人情報を漏洩してしまうとその企業の信頼は一気に失墜してしまうため、個人情報保護士は非常に活躍できるフィールドが非常に広いと言えるでしょう。
こちらの記事では、個人情報保護士資格の合格率などの試験データや、取得したときのメリットについて解説します!
個人情報保護士についてざっくり説明すると
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個人情報の保護に関して高い見識を持っていることの証明になる
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社会人や学生など、幅広い層にも取得がオススメできる
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多くの企業で個人情報保護は重視されているため、需要は高い
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試験はそこまで難しくない
個人情報保護士ってどんな資格?
個人情報保護士とはどのような資格なのでしょうか。ここではその資格内容・主催団体など気になる点について深掘りしていきます。
個人情報保護士とは
個人情報保護士とは、貴重な情報である個人情報の保護に関するの正しい理解と、企業実務において個人情報を正しく管理・運用することを目的とした資格です。
個人情報保護士の資格の歴史は浅く、個人情報保護法の改正に合わせて2005年から始まっています。
個人情報保護士の主催団体
個人情報保護士試験は、様々なビジネス資格を運営している財団法人全日本情報学習振興会の主催で行われています。
なお、この資格は国家資格ではなく民間資格であるため、他の国家資格よりも価値が劣るという意見があるのも事実です。
しかし、個人情報保護の重要性は年々高まっているため、この資格の存在感は今後高まっていくでしょう。
また、財団法人全日本情報学習振興会という団体は、生涯現役社会の実現のために生涯学習を推進しています。
具体的には、どんどん発展していく情報化社会において、年齢を問わず多くの人が挑戦できるパソコン技能に関する認定試験などを行っています。
どんな検定を行なっているの?
なお、全日本情報学習振興会が実施している試験や検定は、以下のようなものがあります。
- マイナンバー実務検定
- マイナンバー保護士認定試験
- 会社法務士認定試験
- 認定ハラスメント相談員
- ハラスメントマネージャー
- 情報セキュリティ管理士認定試験
- 情報セキュリティ初級認定試験
- 観光検定
- 働き方マネージャー認定試験
- 働き方マスター試験
これらの試験の他にも多くの検定があるので、興味がある人は調べてみると良いでしょう。
個人情報保護士取得がオススメできる人
以下のものに当てはまる人は、個人情報保護士の取得が非常にオススメです。
個人情報管理を行う社会人
実際に、個人情報を日々取り扱っている部署に所属している人は、個人情報保護士を目指す人が多く存在しています。
どの企業も個人情報の保護は最重要視されるため、この資格を持っていることで自分の能力の高さをアピールできます。
具体的に生かせる部署としては、人事・労務・総務部などが挙げられます。
就活中の大学生
就職活動を控えている大学生にとっては、この資格を持っていることは個人情報保護についての知識があることのアピールになります。
在学中に個人情報保護に関する資格を持ち、高い知識を備えている学生は少ないため、選考の場においてアドバンテージになる可能性が高いでしょう。
関連資格所持者
個人情報保護士に類似した資格として、マイナンバー実務検定という資格が存在します。
マイナンバー検定2級以上を保有していると、個人情報保護士認定試験において課される課題である課題I・マイナンバー法の理解が免除になるメリットがあります。
ダブル取得しておくと個人情報保護に関する非常に高い見識を持っていることが証明できます。
個人情報保護士の資格を取るメリット
ここでは個人情報保護士資格取得をした後に実際どのようなメリットがあるのか、給与面や活躍の場などについて詳しく解説していきます。
幅広い業務でのニーズ
システムエンジニアから経理といった事務職まで、個人情報保護士は幅広いフィールドで高い需要があります。
どの企業でも個人情報を扱う部署はあるため、この資格をもっていて損をすることは無いでしょう。
特に、近年は膨大なデータを処理するためにITの発展が凄いスピードで進んでいます。
そこで、他のIT系・ビジネス系資格を保有していると相乗効果を生むことができ、さらにメリットを享受できるようになるでしょう。
資格手当で年収アップ?
職場の就業規則によっては、個人情報保護士の資格を取得していることで月に5000円ほどの資格手当がもらえる場合があります。
つまり、取得しているだけで年間6万円、10年勤める60万円の収入アップにつながるためかなり魅力的と言えます。
資格取得の難易度はそこまで高くはなく、1ヶ月~3ヶ月ほどで取得を狙えます。
他の国家資格などと比べても教材費などもそこまでかからないため、コストパフォーマンスも良い資格と言えるでしょう。
個人情報保護士の難易度
個人情報保護士資格は行政書士や社会保険労務士など、他の法律系資格と比べると難易度は低い試験です。
合格率はおよそ35〜40%ほどであるため、しっかりと対策をして試験に臨めば十分合格を狙える難易度です。
試験科目
個人情報保護士試験では大きく分けて個人情報保護法とマイナンバー法の二つの法律の理解・勉強が必要になります。
また、個人情報保護の対策と情報セキュリティについても頻繁に出題されるため、対策はしっかりと行いましょう。
特に比較的新しい制度であるマイナンバーに関しては細部まで勉強する必要があります。
全問題マークシート方式
個人情報保護士試験は、記述式問題はなくすべてマークシート方式で出題されます。
多くの個人情報に関する法律や、様々な項目があるためかなり難しい試験に思われますが、実際には覚えることはシンプルです。
そのため、学ぶ内容に比べると試験問題で問われることは比較的簡単なので、苦手意識を持たないようにしましょう。
社会人は有利
学生は、日頃個人情報保護に興味を持ったり積極的に関わる機会はほとんど無いでしょう。
一方で、社会人は日頃から個人情報保護法や情報セキュリティ関連に触れる機会が多いため、試験対策上有利なことが多いです。
人にとっては実務経験があることで問題に馴染みやすく、法律知識のインプットだけ頑張れば合格できるレベルに到達できる人もいます。
また、個人情報は日常生活にも深く関わってくるため関心が持ちやすく、憲法や民法などの法律と比べてても取り組みやすい法律科目であると言えるでしょう。
個人情報保護士認定試験の合格率
ここでは実際の合格率や合格に必要な合格ラインについて解説していきます。
個人情報保護士の合格率は平均37.3%
一般財団法人全日本情報学習振興協会によると、個人情報保護士の合格率は平均37.3%とのことです。
受験者の平均年齢は37歳となっており、社会人として働きながら資格の必要性を感じて受験する人が多いことが伺えます。
なお、同じ程度の難易度の試験には、ビジネス実務法務検定2級や日商簿記3級などが挙げられます。
上記2つの資格を持っていると財務や会計の部門で活躍できるため、個人情報保護士との相性も良い資格です、
合格ライン
試験には課題I・課題Ⅱがあります。
それぞれの課題に基準が設けられており、両方の課題でその基準を越えなければ合格できません。
具体的な合格基準は、どちらの課題においても70%以上の得点となっています。
なお、合格基準点は毎年同じではなくその試験回の正答率をみて調整されます。
そのため、ギリギリで落ちてしまう事態を防ぐためにも平均基準よりも高い得点を目指して勉強するようにしましょう。
個人情報保護士合格までに必要な勉強時間
個人情報保護士試験に必要な勉強時間は一般的に100~200時間ほどと言われています。
勉強期間に直すと、1ヶ月~3ヶ月くらいが平均的な勉強時間であると言えるでしょう。
もちろん、学生はまとまった勉強時間がとれるため短期間で合格を狙うことができ、逆に忙しい社会人であれば目安よりも長期間に渡る可能性があります。
社会人が多く受験する試験であるため、隙間時間などの有効活用が合格を目指す上で非常に重要になってきます。
隙間時間を有効に使うべき
働きながら資格取得を目指す場合の一番のデメリットは、勉強時間を確保することが難しい点です。
特に、残業などで平日の夜は勉強する時間がないという人も多いでしょう。
そんなときには、通勤時間などの隙間時間を有効活用してみてください。
ポケットサイズのノートを持ち歩いたり、スマホアプリで勉強するなど、隙間時間を活用をすることが最短合格を目指す上で非常に重要です。
個人情報保護士の勉強法
いざ個人情報保護士資格を勉強しようと決意した場合、どのように勉強をしていけば効率よく学習することができるのでしょうか。
自分に合った勉強法を選択するのが良い
個人情報保護士の勉強法には主に3つあります。
通信講座・独学・講習会受講のパターンに分けられますが、独学で合格を目指すのが一般的な勉強法です。
通信講座や予備校を利用しなくても十分に合格を狙える試験なので、費用を抑えたい人や自分のペースで勉強したいと考える人は独学で挑戦すると良いでしょう。
市販のテキストを読み込んで、過去問に取り組めば自然と学力が付いていきます。
しかし、独学では不安であったり一人で続けていける自信が無いという人であれば、無理に独学で進めずに通信講座や予備校を利用すると良いでしょう。
公式テキスト・参考テキスト
個人情報保護士のテキストは書店で多く売られており、どれを買うべきか迷うかもしれません。
今回資格Timesではそのようなテキストの中でも、一般財団法人全日本情報学習振興協会が監修する「個人情報保護士認定試験公式テキスト」をおすすめします。
このテキストは唯一の公式テキストであるため信頼性が高く、また試験範囲全分野の詳細な解説をしてくれる内容となっています。
さらに、過去に出題された実際の問題も掲載してくれているため、演習量も確保できるというメリットがあります。
試験対策講習会
個人情報保護士は難関資格ではなく、受験料も比較的高めであるため是非とも一発合格を目指したい試験です。
そのため、確実に合格の可能性を高め、また優れたコストパフォーマンスで合格したい場合は、協会が主催している試験対策講習会に参加すると良いでしょう。
ここでは試験の実施団体である協会が試験に出やすい部分について解説してくれる講習会であるため、効率的に勉強・対策を行うことができます。
通信講座も存在する
自分は独学が向いていないという方や、忙しく働く社会人の方には通信講座の受講をおすすめします。
費用はかかりますが、通信講座であれば効率的に学習ができ、より短い学習期間で合格ができます。
数ある個人情報保護士の通信講座の中でも、特に費用が非常に安く済むスタディングがおすすめです。
さらにスタディングでは講座の内容が非常にわかりやすく、また隙間時間を学習時間に変えられるスマホ学習機能も存在します。
充実した機能を兼ね備えるスタディングの通信講座を使ってぜひ「個人情報保護士」の勉強をしてみてはいかがですか?
過去問
個人情報保護士の過去問は出回っているため、積極的に活用しましょう。
法人が自社の社員に受験させることを推奨している場合は、一般財団法人個人情報保護士会が会員に過去問を提供するサービスを行なっているため、気軽に過去問を入手することができます。
また、個人情報保護士会の会員であればメールで協会に問い合わせることで過去問を提供してもらうことも可能です。
過去問をうまく活用することで頻出問題の把握や重要ポイントを押さえることができるため、テキストの読み込みと同時に積極的に過去問も活用して本試験に向けての応用力を高めていきましょう。
個人情報保護士の試験日程・会場・申し込み方法
具体的に試験日程や試験会場そして申し込み方法については事前に確認しておきましょう。
個人情報保護士の基本情報
個人情報保護士受験にあたって必要な基本情報です。参考にしてください。
試験日程は?
試験は年に4回、毎年3.6.9.12月に行われています。
一回落ちても3ヶ月後にはまた試験を受けることができるため、焦る必要はありません。
受験回数に限りはなく何回でも再挑戦が可能であるため、自分のペースで勉強してしっかりと仕上げてから受験することをおすすめします。
試験会場
個人情報保護士の実施会場は、全国の主要都市にとなっいます。
具体的には、札幌・仙台・金沢・東京・町田・横浜・高崎などが会場で、例えば以下の会場などが用意されています。ただし、回によって会場も変わる点にはご注意ください。
都道府県 | 会場 |
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札幌 | かでる2・7 |
仙台 | 東北大学(川内南キャンパス) |
東京 | 東京大学(駒場Ⅰキャンパス) |
町田 | 相模女子大学 |
横浜 | 未定 |
高崎 | 高崎白銀ビル会議室 |
埼玉 | 埼玉大学 |
千葉 | 千葉大学(西千葉キャンパス) |
松戸 | 未定 |
静岡 | 静岡県産業経済会館 |
名古屋 | 名古屋女子大学 |
津 | サン・ワーク津 |
大阪 | 大阪大学(豊中キャンパス) |
京都 | YIC京都工科自動車大学校 |
神戸 | 流通科学大学 |
岡山 | 岡山市勤労者福祉センター |
広島 | 広島工業大学(広島校舎) |
福岡 | 九州大学(筑紫キャンパス) |
鹿児島 | 未定 |
受験資格はない
個人情報保護士の試験には受験資格は設けられていないため、年齢・学歴・国籍問わず誰もが受験することが可能です。
受験のハードルが低いため、仕事上で必要になったりスキルアップを目指したい人から在学中の人まで、興味を持った人は誰でも挑戦することができます。
気軽に受けることができるのも個人情報保護士の魅力と言えるでしょう。
個人情報保護士の受験料
個人情報保護士の受験料は11,000円と、かなり高額です。
また、試験前に講習会も開催されており、これに参加する人は受験料の他に受講料などが発生します。
さらに、試験合格者には個人情報保護士会に加入することができますが、そこでも更新に関するコストが発生します。
個人情報保護士会では認定カードというものを発行していますが、この期限が2年間であり、認定カードの更新の際には7,000円払わなければなりません。
このように、更新のタイミングで継続的なコストがかかってしまう点にも気を付けましょう。
個人情報保護士と相性が良い資格
個人情報保護士と相性が良い資格は多くありますが、その中でも3つの資格を紹介します。
社会保険労務士
社会保険労務士は多くの個人情報を取り扱います。
雇用保険資格取得届にもマイナンバーの記載義務が発生したり、貴重な個人情報を取り扱うことが多いため、社会保険労務士資格に加えて個人情報保護士を持っていると顧客に安心感を与えられます。
また、近年は企業への助成金であったり健康保険や年金事務の代行などで社会保険労務士に仕事を依頼する企業が増えているので、社会保険労務士と個人情報保護士には高い需要が見込まれます。
このように、様々な場面で多くの個人情報を取り扱うため、個人情報保護士の資格は持っていくと良いでしょう。
行政書士
行政書士と個人情報保護士も相性が良い資格です。
行政書士は書類作成や許認可申請の専門家で、取り扱うことができる書類は1万点以上に及びます。
近年では、個人情報保護法の改正やマイナンバー法の成立の影響もあり、プライバシーポリシーや秘密保持契約書など、個人情報保護に関する仕事に特化した行政書士もいます。
行政書士が個人情報保護士の資格を取ることで個人情報の保護に関する高い見識を持っている証明となり、顧客から信頼を得ることができるでしょう。
また、行政書士試験対策でも個人情報保護に関する勉強をするため、すんなりと勉強できる点もメリットと言えます。
公務員
役所は民間企業以上に個人情報の保護が徹底されなければなりません。
一度でも個人情報の漏洩が発生してしまうと、その行政に対する信頼が損なわれ、円滑な業務運営に支障が出てしまいます。
しかし、個人情報保護士の資格を持っている公務員はあまり多くないため、その中で資格を取得しておくと人事評価の際にアピールすることができるでしょう。
また、正規の公務員だけでなく非常勤職員として役所で働きたいと思っている人も、この資格を持っておくと選考で有利になります。
もともと高い見識を持っていることで個人情報保護に関する研修の手間を省けるだけでなく、安心して仕事を任せられることもできるため、就職の際に有利に働くことは間違いありません。
個人情報保護士のまとめ
個人情報保護士のまとめ
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取得することで就職やキャリアアップなど、多くのメリットがある
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独学でも十分に合格を狙うことができる
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1~3ヶ月程度の勉強期間で取得を目指すことができる
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他の資格とのダブルライセンスを実現すると、より価値が高まる
個人情報保護士試験はそこまで難易度が高くないため、しっかりとテキストを読み込んで過去問演習をこなせば十分に合格を狙うことができます。
また、試験の実施も頻繁に行われているため取得しやすいことも一つの魅力です。
就職の際に有利になったり、資格手当が付くこともあったりと、取得メリットは多くあるため非常にオススメの資格です。
活用できるフィールドが広い上に相性が良い資格も多いため、興味がある人はぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか?